『ソング オブ ミンストラル』 やぁやぁ。こんばんわ。 今日は僕の経験した中でも強烈なお話でもしましょうかねぇ。 あなたは、正義ってどんなものだと思います? 自分の信念を貫くこと?自分の信念さえ捨てて人に尽くすこと?弱きを助けること?悪を滅ぼすこと? このお話は二つの正義…いや、もっと沢山の正義のぶつかるお話。 どれが正しいと思うかはあなた次第。もちろん全て間違っているかもしれませんがね。 そう、この話の主人公は一人の新人勇者。名は…としあきとでもしましょうか。 そのとしあきと僕らが出会ったのは…とある村のはずれでしたなぁ…。 「…コレは酷い…」 「ももっちの群れか。確かにこっちに居たんだな?そこの新米勇者。」 長身の男二人が勇者「だった」肉塊を前に考え込む。勇者といっても名ばかりの外道だったが。 「はい…この勇者達がももっちを追って森に入っていったんです。」 俺は自分の体験したことを正直に話した。ももっちを狩りに勇者達が来たこと。俺がももっちを逃がす為に奴らと戦って氷漬けにされたこと…。 「しかしぃ…その勇者達がこの様子では… ねぇ?」 「も…ももっちより…怖いの…居るの……?」 吟遊詩人が楽器を手に能天気に呟き、獣人の少女はきょろきょろと辺りを見回す。 実力のほどは定かではないが、4人パーティーの冒険者ならあの勇者達にも後れは取らないだろう…そう思ったのだが、勇者達は既に殺されている。 どうせ蘇生魔法で復活するのだろうが、今ここに蘇生魔法が使えそうな人間はいない。とりあえず勇者達にももっちが襲われることはなさそうだ。 しかし…一体何があったんだ…? 「ももっち以外の何かが居たことは確かでしょう。みなさん気を抜かないように進みましょう。」 長身の男の痩せた方がみなにそう告げる。 そうだ。勇者達は死んでも、勇者達を殺した奴は生きている。まだ油断は出来ない。早くももっちを保護しなくては…。 痩せた長身の戦士リッター、体格の良い長身の賞金稼ぎフォーゲル、能天気な吟遊詩人ハイロゥ、怖がりの犬耳召喚士レムレス。 4人の仲間を得たとしあきはももっちを探し、更に森の奥へと踏み込んだ。 木々の間を抜け、しばらく歩くと急に視界が開けた。目の前には花畑が広がっている。 「こんなところに花畑があったなんて…。」 きょろきょろと見回しながらとしあきは花畑に足を踏み入れる。すると遠くのほうからとしあきを呼ぶ声が聞こえてきた。 「おにいちゃーん!」 「ももっち!無事だったのか!!怪我は無いか?」 「うん。大丈夫だよ。」 「そうか…良かったぁ。」 ほっと胸を撫で下ろす。とりあえずももっちを抱き寄せて頭を撫でてあげた。 「…えへへ。」 無邪気な照れ笑いを浮かべて抱きつくももっち。やはりこの子は悪いモンスターなんかじゃない。としあきはそう確信した。 「そうだ、おにいちゃん。お友達が沢山来てるの。紹介するよ。」 ももっちはにっこり笑うと花畑のほうへ声をかける。すると木々の木陰や茂みの中から沢山のももっちたちが顔を覗かせた。 「はじめましておにいちゃん。」 「こんにちわ〜。」 「後ろのおじさんたちもお友達?」 ももっちたちは口々にとしあきに語りかける。そうだ、ももっちを助ける為について来てくれた冒険者達…結果としては何も無かったけど、お礼くらいは言わないと…。 そう思い振り返ったとしあきの目の前には眉をひそめる冒険者達の姿があった。 「やっぱももっちの群れだったか…やれやれだぜ。」 フォーゲルがそういって関節を鳴らす。 「一体だけなら、問題は無かったんですがねぇ…。この規模の群れなら、確実に『いる』でしょうねぇ…。」 「正直、後ろ向いてさようならしたい気分でいっぱいですよ。」 「や…やっぱりいるの?…怖い……。」 他の3人もそれぞれに憂鬱な表情をしている。そしてリッターはナイフを、レムレスは杖を構える。 「…ど、どうしたんです!? ほら、ももっちも無事だったし、何も問題ないじゃないですか!」 様子のおかしい冒険者達の前にとしあきは両手を広げて立ちはだかった。しかしフォーゲルは無遠慮に近寄りとしあきの肩に手を置く。 「問題だらけなんだよ。ボウズ。ひーふーみー… …軽く30匹はいるか。これだけのももっちが何故ここに居ると思う?」 「何故って…。」 「呼んだんだよ。こいつらのボスがな。」 フォーゲルが怯えているももっちの頭を撫でる。一人ずつ、順番に。そしてあるももっちの頭に手を置くと… 「お前が群れ長か。」 思い切りぶん殴った。 「な!?」 としあきは剣を抜き構える。まさかこいつらも…!! 「貴様ぁっ!ももっちに何をするんだ!!」 フォーゲルに向かって剣を振り下ろす。フォーゲルは軽く後ろへステップして剣をかわした。 「としあきくん…悪いが、コレも私達の仕事なんだ。」 「無抵抗のももっちに暴力を振るうことがかっ!?」 「よく見たまえ。フォーゲルの一撃を食らっても平然と立ち上がってくる。普通のももっちなら既に死んでいるはずなのにね。」 としあきはさっき殴られたももっちを見た。口の端に血が滲んでいるものの、確かに平然と立ち上がっている。 「ももっちには見分けが付かないほど良く似た『にせもも』って言うのがいましてねぇ。ものすごく強いんだそうですよ?」 ハイロゥが緊張感の無い声で説明する。 「そういう訳だから…ど、どいてください。あなたは、敵じゃないです。」 冒険者達は隊列を整える。しかしここをどく訳には行かない。鬼畜勇者達とは違っても、ももっちに敵意を持っている者を放って置く訳には行かないのだ。 「おにいちゃん。」 冒険者と対峙するとしあきの横に群れ長のももっちが並ぶ。 「わたし、たたかう。だからおにいちゃんも手伝って。」 目は真っ直ぐに冒険者達を見つめ、真剣な表情でももっちは言った。他のももっちたちもとしあきの後ろに群がり、冒険者を睨みつけている。 ああ、こんなに可愛らしいももっちに暴力を振るうなんて許せない。今ここに選択肢は1つしか無い。 「任せろ。お兄ちゃんが守ってやるからな。」 「『彼方より来たりて 我らが時を縮めよ。 召喚:時駆けるウサギ』」 レムレスの詠唱完了と共に空間が歪む。世界の壁を越えてウサギ少女が姿を現した。 ――――いっつもキンム時間外に呼ばれる希ガス… ウサギ少女は文句を言いながら首にかけた時計をいじる。カチカチと言う音をたて、ウサギ少女の姿が消えた。 加速。 まるで時間が早回しになっているかのように冒険者たちのスピードが上がる。 「―――― 理想の旗を 高く掲げ 叫べよ 証を見せよ」 ハイロゥの力強い歌声が響く。精神が高揚し、身体に力が漲ってくる。 二人の援護を受けたフォーゲルとリッターは一気に間合いを詰め、眼前の小さな体に向かって攻撃を繰り出した。 しかしガッという鈍い音と共に攻撃が止まる。としあきが間に割り込み剣と盾で2人の攻撃を受け止めていた。 「うおぉぉぉぉぉーーーーーーーーーっ!」 としあきは雄たけびを上げながら二人を押し返し、剣を振るう。 しかし加速魔法のかかっている二人にかすらせる事も出来なかった。 「くそっ!当たれっ!!」 でたらめに剣を振るうが、リッターはナイフで受けフォーゲルは間合いを見切って回避する。 (流石に分が悪いか…) 牽制して間合いをとってもすぐに詰められる…かといって攻撃をしてもかわされる。 ももっちを庇いながらなのでどうしても攻めきれない。 「…わかったわね?」 防戦一方のとしあきの背後、ももっちたちは大きく頷いた。群れ長のももっちが手を振り上げ、振り下ろす。 「―――― そうげんを ふきぬけるかぜが あなたのこえをはこんでくれる  ―――― だいちのうえ かけぬけるちしお あなたのぬくもりをかんじる」 花畑に30人の合唱が響き渡る。魔力の篭った無垢なる声はハイロゥの呪歌をかき消し、としあきに力を与えた。 「そんな…ももっちが呪歌を使うなんて… コレは凄い!初めて見ましたよ。」 「のんきなこと言ってないで、何とかしてくれませんか?ハイロゥさん。」 ももっちの歌を聴き、戦闘そっちのけで感心するハイロゥ。リッターは思わず苦笑いを浮かべた。 「はいはいお任せあれ♪せっかく良い歌があるんですから、ここは大合唱といきますかぁ♪」 ももっちの歌にあわせリュートを奏でる。魔力を同調して呪歌の効果を本来の目標から、広範囲へ、強く効果を及ぼすように調整していく。 としあき、リッター、フォーゲル…3人ともが呪歌の影響下に入った。 斬り、突き、受け、払い、蹴り、かわし、薙ぎ、殴り…3人の動きは常人の目には追えない速度になっていく。 「―――― このこえは あなたのいのり わたしのきぼう  ―――― いまとざされた こころのかぎを あけはなち あなたとたびにでる」 歌声の響く中、更に戦いは加熱する。息をつく暇も無い。 「『彼方より来たりて…』」 「させない!」 レムレスの召喚魔法に気がついた群れ長のももっちがレムレスを睨みつける。 光を吸い込むような暗い瞳。次の瞬間レムレスの喉が締め付けられるように痙攣した。 「『無数の連撃を…』クァ……ヒッ…」 「これでしばらく魔法は使えないわ…がんばっておにいちゃん!」 群れ長のももっちは合唱の指揮を続けたままとしあきを応援する。 「レムレスさ〜ん大丈夫ですかぁ?」 ハイロゥは演奏を止めてレムレスに駆け寄り、彼女を介抱する。 しかし彼女は咳き込むだけで、魔法どころか会話することさえ困難なようだった。 「新人といえどさすがは勇者…我々の攻撃をなんとかしのいでいますね。」 「埒があかねぇな…。 ボウズ。いい加減邪魔を止めやがれ。俺の目的は後ろのチビどもなんだからよぉ。」 「断る。俺が守ってやるって約束したからな。」 3人は高速の攻防を続けたまま言葉を交わす。ハイロゥの演奏が止まった為、今はとしあきだけに呪歌が届いている。 おかげでとしあきの防御にも余裕が出てきた。今までより攻撃の回数が増える。 「いける!もらったァッ!!」 リッターの胴を横に薙ぐ。今まで回避できていた攻撃がギリギリ胴を掠めてゆく。 「ふぅっ!危ない危ない…。」 「ち…調子に乗りやがって…。」 フォーゲルが一気に間合いを詰めた。としあきはフォーゲルの踏み込みに合わせて剣を突き出す。 ドッ!と鈍い音がして決定打がフォーゲルのわき腹に突き刺さった。 まず一人!としあきの剣はフォーゲルを貫いている。急所に当たっていなくともこの怪我ではろくに動けはしない。 フォーゲルは刺されたまま腕を伸ばしとしあきの両肩を掴んだ。 真正面から真っ直ぐ向かい合うような状態。フォーゲルは真っ直ぐにとしあきを見つめて問いかけた。 「なぁボウズ…どうしてもももっちを守るってのか?」 「しつこい。約束したって言ってるだろ。」 「そうか…じゃあ…」 フォーゲルの目が寂しそうに笑った。そんな気がした。 「悪く思うなよ。」 ゴキィ。 鈍い音が体の内側から聞こえた。 「もう一丁!」 グキ。 また体の内側から音がする。刺し貫いた剣、それを持っている腕が音に合わせる様に奇妙な方向に折れ曲がった。 何が起こったのかわからなかった。直後、強烈な痛みが身体を駆け巡った。 「う…? あ…  が ぐぁぁぁぁぁーーーーーーーーーッ!」 両腕が痺れるように痛い。まったく手に力が入らない。見れば腕の関節がありえない角度に捻じ曲がっていた。 痛い。だがそれ以上に体が動かないことが怖くて仕方が無かった。 両腕は意識に反してだらりとぶら下がったままで、揺れる度に痛みが走る。 剣も盾も振るうことが出来なかった。 「グゥッ… あ あ  っく…」 剣から手が外れ、重力にひかれて落ちる。剣はフォーゲルの横腹に刺さったままだ。 「まったく…強情な奴だ。」 吐き捨てるように言うと、フォーゲルは剣を引き抜いた。傷口からボタボタと音を立てて血が零れる。 「フォーゲルさんもなかなか強情だと思いますがね。レムレスさんはまだ魔法が使えないでしょうから、ハイロゥさんにでも手当てしてもらってください。」 リッターはナイフを構えももっちたちへと歩み寄る。 ももっちは怯えた表情を浮かべるが、懸命に歌い続ける…としあきのために。 「―――― せかいが あなたをあくというのならば わたしは それさえうけいれる  ―――― せかいの すべてがてきだったとしても あなたの そばにはわたしがいる」 無垢な瞳を向けられてリッターの動きが一瞬止まった。しかし小さく頭を振ると、優しい瞳で正面から見つめ返す。 「それでは…さようなら。お嬢さん。」 ナイフを横に一閃し、鈍い光がももっちの首を跳ね飛ばす   …その前に、何かが斬撃を遮った。 「……なるほど。確かに強情ですね。 そこまでして魔物を守るなんて。」 としあきの腹にナイフが突き刺さっている。 「両腕は動かなくても、脚なら動く!」 身体をひねりリッターに蹴りを放つ。反動で腹からナイフが抜けた。 しかしそんな攻撃もリッターに軽くいなされ、軸足を払われて転倒する。 「無理をなさらないように。我々はこれ以上君を傷つける必要はありませんので、おとなしくして下さい。」 「イヤだ!俺の命を懸けて、ももっちを助ける!!」 としあきは無様に転がったまま、リッターを睨みつけた。 「もうやめて!おにいちゃんが死んじゃう!」 一人のももっちが耐え切れずにリッターの前に立つ。それを見て次々にももっちたちはリッターの前に集まった。 「ももっち… ダメだ。早く逃げろ…逃げてくれッ!」 「ううん、大丈夫だから。おにいちゃんはわたしたちが守るから。ネ?」 ももっちは優しい微笑みを浮かべ、そっととしあきの顔に手を当てる。 「だから、おやすみなさい。おにいちゃん。」 ももっちの小さな手で目を覆われる。としあきは安らかな気持ちと共に意識が薄れていくのを感じていた。 (ダメだ…ももっちを 守ら なく  ちゃ …   ) 思考とは裏腹に、意識は薄れ、まどろみ、そして消えていく。 「   せっかくみつけたおにいちゃんだもの   」 そんな言葉だけが耳に残った。 ―――― 上手く泣けない あまりの静寂 泣き方は遠く 忘れてしまった (奇麗な歌だ… けど悲しい歌…) どこからか歌声が聞こえてくる。体がなんだか暖かい。 ―――― 一番の悲しみを 思い出せばと 君との日々を 空にばら蒔いた 寂しげなテノールの響きと弦楽器の音。安らいでいる自分にはとてもアンバランスな気がした。 「目が覚めましたか?」 としあきの目の前には犬耳少女の顔があった。 「ここは…俺は一体… 痛ッ!」 「あ、あまり動かないでください。まだ傷が治ってませんから。」 身体を起こそうとしたとしあきを犬耳少女がたしなめた。額に手を置いてもう一度自分のひざにとしあきの頭を乗せる。 「俺は…たしか…  !! ももっちは!?」 額に乗せられた手のひらを払い、跳ね起きる。身体に痛みが走るがそんなことは気にしていられない。 あたりは夕焼けに彩られた一面の赤だった。 花畑が広がり、森が遠目に見える。だがそんな色さえも全てが赤かった。 近くで男が土を盛っている。少し離れたところでもう一人の男がリュートを弾いている。 そうだ、彼らは冒険者で…ここで…この花畑で…。 「ももっちは、全て退治しました。」 レムレスが静かにそう告げた。 「―――― 生れようとする涙の一瞬に  ―――― 僕は壊れて砕けちった」 ハイロゥの静かな歌声だけが響いている。風も、木々も、虫も、一切音は聞こえない。 「ウソ、だ… ウソだろ? なぁ…」 レムレスは答えない。リッターも答えない。ハイロゥは歌うだけだ。 「―――― その欠片の一つ一つが熱を帯び  ―――― 星屑になれる程の優しさを抱いている」 「なんとか言えよ!!お前らが殺したんだろ!?」 行き場のない憤りが怒鳴り声になって吹きだした。 「その通りです。我々がももっちを殺しました。」 「我々が、ももっちを、殺しました。」 リッターの無感情な声が返ってきた。興奮していたとしあきの心が急激に冷えていく。 ももっちは、死んだ。守ると約束をしたのに、死んだ。 勇者が、守ると決めたものを、守れずに、殺した。 「なんで…なんでだよ…。ももっちは何も悪くない。なんで殺されなきゃならないんだよ!」 「ふざけるな!」 としあきの言葉に、初めてリッターが声を荒げた。 「何も悪くないだと?奴らが何をやったかも知らずによく言う!」 長身のリッターがとしあきを怒りを堪えた表情で見下ろしている。 「奴らのせいで滅びた国を見たことがあるのか? たった一匹のももっちを庇ったがために、人間同士が総力戦をするのを見たことがあるのか? 奴らの為に喜んで命を捧げる人間達を見たことがあるのか? それも知らずにももっちは悪くないなどと言うな!」 「……ッ」 あまりの勢いに言葉も出なかった。 「―――― 君を想う僕の歌声が 誰かの夜更けを慈しむ  ―――― 僕の孤独と等しい重さで 誰かが誰かと寄り添い合って」 澄んだ声がむなしく響き渡る。リッターととしあきは静かににらみ合うだけだった。 「ゴメンね。リッターさんも辛いの。だって、ももっちを埋葬したのリッターさんだよ?」 レムレスがとしあきの前に座りなおして言った。 「ハイロゥさんもももっちたちのために歌ってる。 フォーゲルさんは…恥ずかしがってどっか行っちゃったけど、きっと懺悔してるよ。」 レムレスはそういってとしあきを撫でる。 「許してなんていわないけど、わかって。これが私達の信じた正義なの。」 「………」 としあきは 「……チクショウ……」 ガクリとうなだれて 「……約束も守れない勇者なんて………」 自分の不甲斐無さに涙した。 ―――― 名も無い力が世界を保ったら ―――― 最後の言の葉ひらり「おやすみなさい」 としあきさんは結局、約束を守れませんでした。 僕はこの後、彼には会ってません。 彼が立派な勇者になったのか…それとも違う道を歩んだのかは知る由もありません。 ただ、僕は彼のとった行動を間違いだとは思いませんよ。 単純に僕達と違う道を歩んだ為に衝突しただけですからねぇ。 また会えたら、一緒にお酒でも飲みながら話を聞いてみたいですね。 …さ、そろそろ参りましょうか。次の冒険譚を探しに。 この世界にはまだまだいろんな物語がありますからねぇ。