ぐらに・えおす! 『1.俺とぐらに』 俺の名前はエオス・フルグラント。 何処にでもいる、ごく普通の訳あり騎士だった。 そう、過去形だ。現在は大絶賛退職中。 自宅にて穀と財を潰す毎日だ。 原因はいたって簡単。つい数ヶ月前に、俺の元へとやってきた奴のせいだ。 『エオス〜、お腹すいたぞ。ごはんまだか〜?』 唐突に、背後から少女の可愛らしい声が聞こえてきた。 普通ならばそう表現するんだろうな。 だが、それは俺にとって最も厄介な悪魔の戯言にしか聞こえないのだ。 だから、『背後からとてもとても厄介な存在が食物を要求してきた』と表現しておこう。 「てめ、飯は食わねぇんじゃねぇのか?」 半ば怒鳴るように声をあげ、振り向く。 そこにいたのは、愛らしい銀髪金眼の少女だった。 だが、服装が異常だ。なにせほとんど肌が剥き出しなのだから。 上半身は胸を隠す白い帯と、肩の下まである白い手袋、ワンポイントで黄色のチョーカー。 下半身は白い下着に、白のニーソ。 長方形の、やはり白い布が腰のサイドから垂れ下がっている。横よりもまずは前を隠せ、前を。 頭には何の真似か、三本の角があって真っ白な、龍の頭部と思える物体が乗っかっている。 そんなに白が好きかお前は。そして露出狂なのか。 真っ先に俺が疑われそうな格好だが、これは俺の趣味じゃないし、強制もしていない。 そのへんを誤解しないで欲しい。 元々こういう格好なのだ。服を着ろといっても『これが私の服だ』といって聞きやしない。 「五月蝿い、これは気分の問題なんだ早く食わせろ」 生意気にも反論ですか、つうか気分なら我慢しろ大飯喰らい。 ああ、でもそろそろ昼だしな、俺も腹減ってきたかも。 「じゃぁ買いに行くから、とりあえず服着ろ服」 「何故服を着る必要がある」 うわ、可愛くねぇ。しかも俺が一人で行く事前提かよ。 「あ、そう。折角好きなもの買ってやろうと思ったのにナァ。行きたくないならそれで―」 俺がそう言った瞬間、『え』とい声と共に奴の顔が歪む。そんなにショックだったか。 「ま、待て馬鹿。誰が行かないといった誰が。さっさと着てくるからしばし待て」 そう早口でまくし立てると、早足で部屋の奥へと消えていった。 ……可愛い所もあるじゃねぇか。 それから三分して、白いワンピース姿の奴が出てきた。 第一声は『早く行くぞ馬鹿!!』 ……一瞬でも可愛いと思った俺が馬鹿だった。 「しかしよぉ、頭のそれは隠せねぇのか?目立ってしょうがねぇっつーの」 俺と奴は家を出て、商店街の大通りを歩いている。 くそ、道を行く奴らの視線がイテぇ。 奴の頭はあまりにも目立つのだ。色んな意味で。 しかも俺が騎士団を辞めさせられた事、そしてその理由も知れ渡ってやがるから、さらにイテぇ。 思えば、奴と関わると厄介事ばかり起こる気がする。 「それは無理な相談だなエオス、私の格好と同様に、これは私が私であることを示す証なのだ」 そんな俺の胸中を知らず、奴は無い胸を張って偉そうに喋り始めた。 『だから無理なのか』と言ったら、満足げに頷きやがった。 「さいですか」 肩を落とした俺には目もくれず、奴は真っ直ぐに食料品店へと駆け出した。 「何してるーっ、はやくこーい!!」 分かったからそんなに大声で呼ばないで下さい、腕をぶんぶんと振らないで下さい。 ああ、もう。あんなのに関わらなければ。 ※ 事の始まりは、数ヶ月前に遡る。 俺が騎士団を辞めさせられる、数日前の事だ。 その時、俺達の部隊は馬鹿の鎮圧を命じられて、辺境の洞窟にいた。 レステリア洞穴―レステリア地方にあるこの洞穴には、希少種であるももっちが存在している。 それ故に立ち入り禁止区域に指定されていたが、欲に目がくらんだ馬鹿が侵入したのだ。 俺が言うのもなんだが、うちの国は相当変わっていて、魔物との共存を目標として掲げている。 まぁ、それはどうでもいい事だな。 それで、立ち入り禁止区域に立ち入って、ももっち達を殺そうとした馬鹿を止めに行ったのですよ。 俺は仕事をサボるために、既にももっち達が暮らす場所にいたんだけどな。 隊長の特権って奴だね。 部下からの通信を受けて、俺は馬鹿の鎮圧に出向いた訳ですよ。 武器と防具はちゃんと持ってましたさ、素手でも戦ってただろうけれどね。 自称勇者と剣士、魔法使いに弓兵、僧侶の五人組だったのだが、これが弱い弱い。 まだまだ駆け出しのひよっこレベルで、あっと言うまに自称勇者以外を沈黙させた訳ですよ。 この自称勇者、単なる田舎出身の勇者志望者で、そんなに強くないのなんのって。 しかも動機が、『魔剣拾ったから』 もう何処からつっこんでいいのやら。 と、こ、ろ、が、余裕こいて戦ってたら、そいつが魔剣に精神喰われちゃった。 雷出すわ、尋常じゃない避け方を披露するわで最悪ですよ。 そこで思いました。ああ、このままだったらコイツ死ぬな、と。 人間てのは、無意識のうちに自分の体を気遣ってるんですね。 肉体の限界を超えた力を使わないように。 火事場の馬鹿力とかは、生き残るためにダメージ覚悟で使う力なのよ。 だから、普段は考えられないような力が出せる訳。 んで、魔剣は勝つ為に使い手の精神を喰って、体を乗っ取る。 そうして、使い手の体を自分の意識で操る訳。 ぶっちゃけると、魔剣にとっては使い手なんて、どうでもいい存在なんだ。 だから、常に己の限界以上の力を引き出して戦う。 結果として、死に到る事もある訳。 これは神剣とかでも同様の事。 それでどうしたかといいますとね、斬りました。 普通に胸とか肩とかを斬ったんじゃなくて、腕を斬り落とした。 体から引き剥がせば、精神支配は解除される。 これは俺の経験に基づく事実。 だから、手首からスパッといきました。 俺の炎剣にかかれば血も出ません。 で、ももっち達は無事、自称勇者は半ば廃人になりながらも一命を取り留めた訳です。 問題はこっからでした。とりあえず魔剣を回収したのですよ。 もちろん手首は柄から外して。 それで、連行するついでに封印してもらおうかと思ったんだ。 とりあえず俺の行動は問題視されたね、当然ちゃ当然だけど。 問題が起こったのはこの時、問題の魔剣を取り出そうとしたら、ねーんだわ。 後から駆けつけた団員達も見てるわけよ、俺と魔剣の戦いを。 どうして無いんだって話になって、軽くパニックに陥ってたら、魔剣が現れたのさ。 ちっこい、少女の姿で。 偉そうに『私は事象龍が一人、百雷のぐらにえす』とか名乗っちゃったりしてね。 もう、一同騒然ですよ。だって事象龍だよ、事象龍。 信じられないけれど、確かに目の前にはそう名乗る少女が居るんだよ。 やたら露出の高い少女が。でも信じられるかっての。 でも、俺は直感した。コイツこそが魔剣であり事象龍だと。 そうしたら、少女は俺に言う訳です。 『私を傷つけた責任、取ってもらおうか』と。 俺、何がなにやらさっぱりですよ。 理由を聞いたら、『剣をぶっけただろ』 ああ、確かにブツケマシタネ。でもそれは貴女が魔剣という形で振るわれていたからですよ。 剣に剣をぶっけて止めるのはアタリマエデショ。というかフカコウリョクですがナニカー。 俺がいくらいっても、皆聞いてくれなくてねぇ。うん。 さっき言ったけど、うちの国って、魔物との共存が目標じゃない? 友好的な魔物をありのままの姿で、のびのびと保護してる訳ですよ。 どっかの魔物保護団体とはまた別なベクトルで。生態研究とかしてるし。 それで、傷つけるだけでも立派な罪なんですね。 Q.さて、事象龍なんて存在を傷つけた俺はどうなったでしょう? A.クビ。きちんと責任もとれよ。 ※ そして、奴―『ぐらに』を引き取り今に到る、という訳だ。 幸いにも、騎士として働いていた時の貯蓄があるから、今の所生活には困らない。 だが、食い潰していけば何時か消えてしまう。 だから、来週あたりから冒険者として、二人で旅に出てみようかな、とも思っている。 団員の一人から、とある人物が魔物に詳しいとも聞いたし。 ただ、問題はぐらにが一緒に行くと言うかどうか…… ま、考えるのは後だ。家に戻って、昼食を食べながらでも問題ない。 後を追いかけると、案の定ドーナツ専門店の前で食い入るようにショーケースを見つめるぐらにの姿が。 「どれが食いたい?」 本当にドーナツ好きだな、と苦笑しながら声をかける。 「え、えっとな、これ。これが食べたい!」 俺の声に振り向いたぐらには目を輝かせながら、上半分に黄色いチョコがかかったドーナツを指差す。 「おー、美味そうだな」 よくよく見れば新商品と書いてあった。うむ、確かにチョコの色が違うな。 「マロンチョコなんだそうだ、食べてみたいと思わないか!?」 目の輝きが70%ほどアップした。分かったから少し落ち着け、うん。 「おっちゃん、これ13個程。あといつもの奴を10個ね」 ぐらにが毎回ここでドーナツを買うから、今ではちょっとした常連客だ。 まぁ、このおっちゃんとは昔から交流もあるわけだが。 店主のおっちゃんに、『いつもの奴』で通じるのは俺くらいだろう。 「そ、そんなに食べていいのか!?新商品だけでも13個なのに、くわえていつもの奴だなんて」 「三つは俺が食うんだよ。つかお前足りないだろ。ぱくぱく食べるだろ」 「き、今日のエオスは普段より優しいな。何か企んでいるのか?」 あー、そうだっけ? んじゃぁお言葉通り冷たい普段に戻ろうかなぁ。 「あー、申し訳ないがさっきの注文はキャンセルで……」 「お、鬼ぃー!!」 鬼とはなんだ、鬼とは。 半泣きで足元にすがりつき、抗議するぐらにはこの際無視だ。 そしたら、ドーナツを紙袋に詰め終わったおっちゃんが話し掛けてきた。 「あんまり嬢ちゃんをいじめるなよ、エオ坊」 「おっちゃんよぉ、俺は今年で30だぞ?いい加減坊は止めてくれよ」 いつもこの人は、俺に坊をつける。いや確かに子供の頃からの知り合いなんだけどさ。 でももう30だぞ?三十路ですみそじ。いくらなんでも坊はないんでない? 「俺からみりゃぁ、まだまだ坊って年頃なんさぁ。外見も若いしな」 そう言って、ドーナツの詰まった紙袋をくれた。 そうなんだけれども、こっちとしては止めて欲しいなぁと思う訳で。 でも、きっと無理だ。俺はこの人にゃ勝てねぇ。 「ドーナツ、どーなつ〜」 「ちゃんと買ってやったから離れろっ、そして泣き止め!」 マジ泣き寸前のぐらにに、買ったばかりのドーナツを一つ手渡してやる。 するとどうだろう、ぴたりと泣き止み、マロンチョコのそれをぱくぱく食べ始めた。 ……本当に事象龍なのか、コイツ。 「どうだ?」 「うむ――美味い」 それだけ言うと、またぱくぱくと食べ始める。 数ヶ月間一緒に暮らして分かった事だが、ぐらには美味い飯に対して余計な感想を述べない。 美味い、と一言だけ言って、あとはただひたすら食べるだけ。 不味い飯の場合はどこがどう駄目なのか、的確な意見と対処法を提案してくるが。 「嬢ちゃんがそういうなら、きっと売れるなぁ」 「かもねぇ。んじゃおっちゃん、これ代金」 また来るよ、と言い残して、食べる事に夢中のぐらにに声をかける 「帰るぞ、ぐらに」 「ん」 差し出されたのは、小さな手。引いていけと言う事らしい。 ま、仕方ないか。 小さなぐらにの手を握り、二人で道を歩く。 左手にはドーナツの紙袋。さて、この姿は傍目からどう映るんだろうね。 まさか誘拐犯には見えないだろうなぁ、そんな強面じゃないし。 となると、やはり父親と娘なんだろうか。 「ああ、美味しかった……」 一個目を食べ終え、満足そうな微笑を浮かべるぐらに。 そこで自分の手をみて、何故か軽く驚いている。 「どうしたよ」 「い、いや。なんで手を握ってるのかなぁ、と」 お前、食うのに夢中で気付いてなかったな。 「ま、たまにはいいんじゃねぇのか?こーゆーのもよ」 ガラにもねぇ事だが、気分は悪くない。 「ん、そ、そうか」 ぐらにも、そういったきり何もいわなかった。 もしかして照れてるのか?うわ似合わねー。 ……でも、コイツがこんな風に歩く事ができるってのはいい事かもな。 だが、その空気も一瞬でブチ壊しになった。 視線を感じ、その方向を見ればきな臭い連中がいやがった。 建物の影に隠れて、何かこそこそやってやがるな。 今は剣も持ってねぇし、とりあえず家に帰ってから、かな。 その頃には事が起こっているだろうが、そうしたら堂々と暴れられる。 そんなことを考えていた時、不意に魔力と眠気を感じた。 「エオス、これは」 ぐらにが声を上げる。流石に鋭い。 「わーってる―金に輝く日光よ、名誉と誇りの名の元に戦う者の加護となれ―」 俺は言葉と共に、指で空中に紋を描いた。『金円護陣』と呼ばれる、騎士が一番最初に習う祝詞だ。 魔術に対する耐性を上げる、守護の祝詞。 だが、少し遅かったようだ。 剣が無い状態では効果をフルに発揮できないし、魔術にかかった場合は軽減しか出来ない。 っそ、眠気が…… 「エオス!!」 膝をついたくらいで何を慌てているんだろうね、ったく。 「俺は、平気だ……それよりも気ぃつけろ、お前を狙ってる奴がいる……」 ま、大体の見当は、ついているけれど、も。 物陰に隠れてた、奴らしかいな……い。 う、眠…… 「エオス、エオス、エオ……!!」 いきなりぐらにの声が途切れた。行動に移しやがったか。 強烈な眠気と戦う俺に、さらに眠気が襲い掛かる。 「そこで寝てな」 頭上から声が響く。さっきの奴らの一人だろう。 畜生が、魔術の重ねがけか。 でも、ただじゃ終わらねぇよ。 「―妖精は踊る。赤い軌跡を残しながら、自らの跡に気付かずに―」 祝詞を唱えるが、特に目立った変化は起こらない。 「不発だった、ようだな」 そう言い残して、奴らは立ち去った。 ああ、くそ、眠い。瞼が滅茶苦茶に重い。 いっそこのまま寝ちまおうかとも考えた。 でも、でも待てよ。此処で寝ちまったら、アイツどうなるよ? アイツは、ぐらにはあんなんでも事象龍だ。 下手をすれば、一国が滅ぶ力を持ってる。 その気が無くても、強引な手段で無理強いさせられるかもしれない。 剣の姿に戻されて、好き勝手に使われ、挙句に精神を喰って暴走するかもしれない。 そうしたら、アイツ泣くよな。絶対泣く。 自分一人で全部背負って、泣いて、泣いて、泣き続けるんだ。 龍の母に消されるかもしれねぇ。 そうなる事を、黙認できるか?できねぇよな。できるわけねぇ。 だったら、俺の今するべき事は何だ? 何をすればいい?いや聞くまでもない。 やる事は、一つ!! だが、この眠気は正直厄介だ。段々と意識が沈んでくる。 その時、目の前に丁度良い物を見つけた。 ガラスの破片。 大方飲み終わった奴がブン投げたんだろう。 普段なら、危ねぇなぁとか文句を言っていたが、今はありがたかった。 その破片、なるべく鋭い物を掴み、左脚へと突き刺す。 「っ――ぉ〜〜〜!!」 体を突き抜けるのは痛み。ただただ痛ぇ。 だが、眠気覚ましにゃ丁度いい。 破片を投げ捨てて、俺はぐらにをさらった奴を追いかけた。 服が赤く染まるが、そんなのお構い無しだ。 俺に魔術をかけた男が立ち去る寸前、奴の足元に目印をつけてやった。 『妖精の軌跡』と呼ばれる、目印の祝詞。 目印の色は祝詞の一部を変えることで変更可能だ。 どこに逃げても追いつけるように、赤い奴にしてやった。 インクが垂れるみてぇに、ぽたぽたと音も無く色が落ちるから、普通はまず気付かない。 元々は洞窟などで迷わないようにするための物だが、応用すればこんな使い方もできる。 「待ってろよ……ぐらに」 そうして俺は走り出す。 大切な存在を、守るために。 『1.俺とぐらに』−了 NEXT 『2.私とエオス』 登場キャラクター ―白雷のグラニエス(びゃくらいのぐらにえす) 雷、というよりも電気を司る事象龍。 名前が示すとおり、真っ白な雷をまとった、四足歩行型の白い龍。 鱗は無いが、その体は非常に堅く、名剣といえど傷つける事は難しい。 角は額に一本、こめかみのあたりに二本の合計三本。 現在は同名の剣として実体化している。 人間時は白い短髪と金色の瞳を持つ少女の姿。 一部設定が変わっているのは仕様です。 魔剣―と言うよりも事象剣と言ったほうが正確でしょうか― としての姿も持つので、実は不安定な存在だったり。 剣の姿をとっている時は、大体がいつ起きるとも分からない眠りについているときです。 (使い手となる存在がいれば話は別) 今回目覚めたのは、彼女自身が言っていたようにエオスの剣に打たれたから。 眠ってる人を叩いて起こしたのに近い感じです。 実はもう一つ、エオスから懐かしい匂いを感じたから、という理由もあったりします。 それについてはまた後ほど。 人間時は他の事象龍と同様にあんまり威厳とかがないです。 そして何故かドーナツ大好きな子に。 ―エオス・フルグラント 男性、30歳 元王国騎士団隊長。現在無職。 年齢の割に外見は若い。 祝詞、という言霊の一種を使える。 両腕は精巧な義手で、本来の腕はある事件が元で失っている。 他にも過去にいろいろあるのだが、それは決して語ろうとしない。 ぐらにえすと出会った事で、いろいろな厄介事に巻き込まれてしまう。 だが、楽天的な性格なので、内心ではそのことを疎ましく思わない。 本当はぐらにの事を大切に思っているが、あまり表に出さない。 もっとも、それはぐらにを思ってのことなのだが。 軽薄そうに見えて、実は義理堅く漢気のある人物。 まだ設定を投下していない人。 魔剣について色々知っていたりするのは『昔の事』があったから。 中途半端な態度をとるのは、互いの時間の流れを憂いての事。 事象龍と人間では生きる時間が違うから。 優しくしていればいるだけ、別れの時に悲しみを生む。 そうなった時、ぐらにに悲しい思いをさせたくないから冷たくあたる。 のだけれども、根は優しいからイマイチ徹する事が出来なかったり。 ぐらにを何よりも大切に思っている人。 外見が若い理由は、やはり昔の事に関わってきます。 騎士である彼が使う祝詞は、完全なオリジナル設定。 騎士だからって武芸一辺倒って訳にも行かないだろうなぁ、と思ったので。 意味と念のこもった言葉を紡ぐ事で、その力を具現化させます。 騎士は『守る』ために剣を振るうことが多いので、祝詞も守護に特化しています。