――祭りは終わろうとしていた。  部屋の中に喧騒はない。閉じきった部屋の中に満ちているのは、暖かな静寂だけだ。空気は 澱むことなく、ゆっくりと眠りについている。狂気を孕んだ猛獣ですら、この部屋の中に置い ては子猫もかくやという安らぎを見せるだろう。世事から離され、どこか浮世めいた雰囲気が 部屋の中にはあった。  部屋自体は、そう珍しいものでもない。どこにでもあるような部屋で――しいて言うならば 、壁を埋めるようにして並ぶ書架は少々多すぎたけれど、それも学者や知識人の部屋としては ごくありふれたものだ――暖炉では火が仄かに燃え上がり、時折思い出したようにぱちり、と 弾けて音を立てた。無論、賢あるものが見れば、書架の大半が魔物関連であったり、壁に何気 なく置いてある骨董品が、遠い昔に息絶えた龍の骨だったりと、常ならざるものを見出すこと はできるだろうが――部屋の雰囲気を作り出しているのは、それらの品々ではなかった。  部屋の中央より、やや暖炉より。  全ては――安楽椅子に腰をかけた老人がかもしだす雰囲気だった。上質なひざ掛けを細くな った足にかけ、体重をしっかりと背もたれへと預けている。顔には深く皺が刻み込まれ、長く 伸ばした髪は雪よりも白くなっている。分厚い老眼鏡はいまは机の上、ワイングラスの隣に置 かれている。  胸を飾るのは、十字の憲章。  この世にただの三人しか持っていない――彼らが、彼らであることを表す印。  魔物生態辞典を創り上げた、三人の男の一人。  トゥルシィ=アーキィは、安らかな表情で椅子に座っていた。  その顔には苦悩も不安もない。この世の全てを受け入れるが如きやさしさを称えて、かすか に微笑んでいるようにすら見える。細く長い息が時折吐かれなければ、彼が生きているかどう かを疑ってしまいそうになる。  部屋の雰囲気は、アーキィただ一人によるものだった。彼がそこに座っているという、それ だけで――世界は穏やかにみえた。  そのことに、アーキィは気付いている。ただし、美点とも、欠点とも思っていない。  皇歴2279年。既に、アーキィは80を越えている。もし自分にそんな雰囲気が備わっているの だとすれば、それは長生きをしたからに他ならない。  友人をさしおいて。  親友をさしおいて。  戦友をさしおいて。  ――私は、長く生き続けた。  そう、アーキィは思っている。近頃は特にその思いが顕著になった。80年も生きていれば、 自分の身体くらいは理解できる。今、自分がどんな状態にあるのかも――あとどれ程持つのか も、大よそには理解できる。  慌てもしない。わめきもしない。そんな位置は、とうの昔に通り過ぎている。   ただ――  アーキィは思うのだ。自身の身体へと願うのだ。  もう少しだけ、待って欲しいと。  未練があるわけでも、後悔があるわけでもない。奇妙な確信だけがあった。自分は、逝く前 に――客人を迎えなければならない。  誰かが来るだろうという、確信があったのだ。  確信に身体はこたえてくれた。とうに朽ちてもおかしくない体は、自身ですら驚くほどに長 く持ってくれた。日ごとに確信は強まった。心だけではない、身体もまた、待ち望んでいるの だと。  あるいは間に合わぬ可能性もあった。望みがどうあれ、そんなこととは関係なく――全ての ものに平等に、迎えはくるのだから。それもそれで十分だと思った。満足ができぬほどに生き れなかったわけではない。最後に一つくらい、叶わぬ願いがあってもいいだろう。  けれども――待ち望んでいた客は。  友人にして。  親友にして。  戦友にして。  仲間である彼は――十年遅れで、ようやく訪れたのだった。 「……君は変わらないねえ」  ノックの音はなかった。それどころか、扉が開いた音すらなかった。気付けば、いつのまに か彼はそこにいた――いや、逆なのだろう。気付けばいたのではない。突如としていた彼に、 その瞬間からアーキィは気付いたのだ。慣れ親しんだ気配。あるいは親兄弟よりも濃い時間を 共に過ごした相手の気配を、間違えるはずもなかった。  むしろ、現れた瞬間に視線を合わされた彼の方が、かすかに狼狽したくらいだ。突如として 現れて驚かそう――とでも思っていたのかもしれない。アーキィは驚かなかった。彼ならば、 これくらいはしてもおかしくはないと知っていた。彼は、人間ではあるものの、それ以外の血 も多く流れているのだから。 「……あんたは老いた」  彼は。  椅子に腰掛けるアーキィを見て。  十年前と変わらぬ姿と声で。  五十年前から変わらぬ姿と声で――夢里 皇七郎は、嗚咽のような呟きを漏らしたのだった 。  少しも変わらぬ皇七郎の姿から、アーキィは目を逸らすことなく答える。 「そう。私は時を重ねた。君と同じようにだ。違いは老いたか否かくらいのものだろう」 「老いたけど……変わらないね」 「そう言ってくれるのなら」アーキィは笑った。五十年前に大多数の相手に向けていた、冷笑 的な笑みではない。心の底から親愛を向けた笑みだった。「私としては、嬉しい限りだ」 「…………」  親愛を感じ取り、皇七郎はなんともいえない顔をした。嫌そうな、それでいて嬉しそうな― ―複雑すぎる感情を処理できず、こぼれたものが顔に出てしまったような、曖昧な貌。誰に対 しても迷わず突っかかっていくような彼が、こんな表情を見せる相手はそういない。  ハロウド=グドバイ。  トゥルシィ=アーキィ。  夢里 皇七郎。  世界にただ三人しかいない、魔物生態辞典を創り上げた男たち。その学問を、魔物に対する 知識を、世界へと広めたものたち。『魔物』とだけおおざっぱに括られていた野生生物と知的 生物を、理解と認識のもとにまとめあげた知的探求者たち。  魔物生態学に――あるいは学問に――関わる若き者たちが憧れた、最初の三人。  三人の関係を一言で表すことはできない。いや、それどころか、何万語を尽くしたところで 、『神代語』を使ったとしても、彼らの関係を言い表すことはできないだろう。三人の間には 、三人にしかわからない絆でつながれていたのだから。  たとえ――住む世界が、ばらばらに別たれたとしても。  決別を迎えても。彼らは、『三人』だったのだ。  それが分かっているからこそアーキィは微笑み――それが分かっているからこそ、皇七郎は 惑っている。  永い時間をおき。  様々な事がおき。  それでもなお――変わらぬ態度で接してくる相手に対して。 「ワインを飲むかね? 学生時代に、君がラッパのみをしたものよりは、幾分かは上等だよ」 「……やけに古いことを穿り返しますね」 「やることがなくてね」アーキィは肩をすくめ、「日中日頃、思い出を味わっている有様なの だよ」 「昔は良かった――ってやつかい」  は! と吐き捨てるように皇七郎は言った。その、どこか当たるような態度にも、アーキィ は微笑みを崩さなかった。笑身を浮かべたままに、机の上に置かれたワインボトルへと手を伸 ばす。  ワイングラスは、一つではない。  机の上には――ワイングラスが二つ置かれていた。  いつかくるはずの、客人のために。  今がそのときだった。二つのワイングラスへとアーキィはワインを注ぐ。瓶より流れ出る赤 い液体が、瞬く間に透明のグラスを赤く満たした。  グラスの片方を手にとり、アーキィは答えた。 「私の人生は最高だったと――そう、実感しているだけさ」 「…………」  皇七郎は――答えなかった。  何かを言おうとして、言葉にならなかった思いは、彼の口を割って出てきはしなかった。嗚 咽を堪えるように口を塞ぎ、黙って、アーキィと対面する椅子に座る。  黙ったまま、ワイングラスを手に取った。  アーキィもまた、何も言わずにその仕草を見取った。皇七郎がグラスを手に取るのにあわせ て、軽くグラスをあげる。 「乾杯」  皇七郎もまた、グラスをかるく掲げて、「乾杯」と返した。  ――杯が傾く。  血の如く赤い雫が嚥下していった。グラスは瞬く間に空になった。アーキィは代わりを注ご うとはせずに、グラスを机に置いた。空になったグラスを手の中で弄ぶ皇七郎の瞳をのぞき込 みながら、 「この十年――どうしていたんだい」 「…………」 「答えたくない、か。まあ、今更私の知ることでもない。今のは社交辞令のような、挨拶だと 思ってくれればいい」  肩を竦めるアーキィを、皇七郎は逆に睨み返した。 「あんたこそ――一体何をしていたんです、十年も」 「幸福な老後生活を送っていた。それだけさ」  そして、アーキィは。  感じていることを、そのまま口にした。 「それも――もう終わるがね」  手が。  ワイングラスを弄んでいた皇七郎の手が、固まった。凶相といっていいほどの目つきになる 。幼い少女のようにも見える皇七郎の顔は、いまやその感情によって戦鬼のようになっていた 。友に向けるには鋭過ぎる――友にこそ向ける――目つきで、皇七郎はアーキィをにらみつけ た。 「――わかってるんですか、自分で」 「君が来てくれたということは」アーキィは笑った。作り笑いではない。意識してすらいない 。気付けば、顔には満足げな笑みが浮かんでしまう。「つまりは、そういうことなのだろうね 」 「あんた、それでいいんですか」  問い詰めるような。  突き詰めるような。  そんな、鋭い言葉ですら。  アーキィの笑みは崩せなかった。彼は笑ったまま、己の生と、死について語る。 「生まれ、育ち、老い、死ぬ。それが人間というものだろう――ああいや、違うな。生物とは そういうものだ。長短の差こそあれ」 「――違う!!」  皇七郎は。  言葉を聞き終えるのを待たずに激昂した。怒鳴りつけるように、悲鳴のような言葉がもれる。  それは。  それは――まごうことなく、彼の本音だった。  夢里 皇七郎。老いることのない、特異な血が混じった男。  繰り返す。今は、皇歴2279年である。この戦争のさなかで向かえた、皇暦2279年なのだ。戦 の中で死んでいったものがいる。老いとの戦いに敗れて果てたものがいる。少なくとも、彼ら が学院で青春を送った日々からは、50年が経っている。それは、年老いたアーキィの姿が何よ りも雄弁に物語っている。  彼らの知り合いも、また――多くが、戻ることのない旅路へと出かけていった。  そして、また。  今一人――旅立とうしているものがいる。  友人にして。  親友にして。  戦友にして。  仲間にして。  それ以上の何モノかである、三人のうちの一人が――過去へと歩み去ろうとしている。思い 出の中へと、消え行こうとしていく。  だからこそ、皇七郎は、此処へときたのだ。  別れを、今に迎えて。  激昂を隠すことなく、皇七郎は椅子から身を乗り出して怒鳴る。   「アーキィさんは望めばそれを避わせたはずだ! ボクのように――」 「それから、ハロウド君のように、かい?」  怒鳴る言葉を、アーキィは、自らのの言葉で遮った。  激昂が――停まった。予想外の言葉を向けられて、皇七郎の顔が戸惑いと悔恨で染まる。先 の勢いは、見る影もなく消えていた。  重い腰を、皇七郎は椅子へと落とす。 「……知ってたのか」 「彼もまた、私の元へきたよ。お別れの言葉を言いに来たのかと思ったが、そんな愁傷な男で もなかったな、彼は。一方的に言いたいことを言って、別れもいわずに去っていった。私が思 うに――彼はひょっとすると、死後の世界を信じているのかもしれないね。『ありがとうアー キィくん、ではまた逢おう』、と言っていたから」 「…………」  ハロウド=グドバイ。  公式上は――あるいは、歴史上では――死んだことになっている男。その人生を縦横無尽に 駆け回り、学者として、冒険者として生きた口の減らない男。  真実を知っているのは、限られたものだけだ。  この戦争で――人の摂理を踏み越えたものが現れていることを。  たとえばそれは、勇者であったり。  たとえばそれは、魔道師であったり。  たとえばそれは、龍の騎士であったり。  たとえばそれは――魔人であったりした。  ただの人であることをやめた、世界と戦う覚悟のあるものたち。老いすらをも、彼らを殺す ことはできない。死すらをも、彼らを止めることはできない。  ハロウド=グドバイは、自ら望んで、そこへと足を踏み入れた。  ただただ――己の知りたいことを知るために。己のやりたいことをやるために。  世界を愛して病まない彼は、世界へと駆けていった。いつものように、楽しげに。  そして――望む望まずに関わらず、その血により、皇七郎もまた初めから足を踏み入れてい る。そこに選択肢はなかった。降りる、という手はあるのかもしれないが、考えてこともなか った。  選び取ったものと。  初めからそうであったもの。  違いはあったものの――『三人』のうち二人は、永遠への戦いを挑んだ。  そして。  残る一人は――選ばなかった。  ただ一人。トゥルシィ=アーキィだけは――己が寿命のままの、死を選んだのだ。 「それで、皇七郎君。君は――」死を覚悟し、受け入れた男は、笑みとともに言う。「別れを 言いにきたのかい? それとも、私を引き止めにきたのかな」 「あんたは――」  皇七郎は。  その問いに答えることなく、もう一度、自身の問いを繰り返した。 「――あんたは、それでいいんですか」 「…………」  アーキィは何も口を挟まない。その言葉を、黙って聞き入れる。  皇七郎は止めることなく、言葉を続ける。 「そうと望めば、ボクと――ボクらと同じような位置へとこれたはずです。手段は、いくらで もあったはずなのに……どうして……どうして――」  夢里 皇七郎は。 「どうして――ボクらを置いて、いってしまうんだ、アーキィさん」  母に縋る子供のような――今にも泣き出しそうな声で、自らの本音を、口にした。 「…………」 「いなくなるんですよ!? この世界から! あんたが!」  涙こそ流れでていないものの、言葉は正しく悲鳴だった。永きを生きても、人は別れにさい しては子供のようになる。皇七郎もまた例外ではなかった。  かけがえのないものとの別れだからこそ、皇七郎はここまで感情らわにしている。  そして。  だからこそ――アーキィは、満足げに笑うのだ。  かけがえのないものが、そこまで惜しんでくれるのだから。  アーキィは微笑みながら、手を伸ばした。かつて学生時代、ハロウドがそうしていたように ――そして彼がよく、ももっちのリコにそうしたように――そっと、皇七郎の頭を撫でる。何 よりも艶やかな彼の美しい髪を、アーキィは丹念に撫でてやる。  言葉と共に、触れた場所から、思いを伝えるように。 「けれども意志は残る。私の娘がいる。私の助手がいる。私の友人がいる。彼らは、私の意志 を継いでくれる。私という人間がそこにいたことを、後の世代へと伝えてくれる」 「…………」  皇七郎は口をはさまない。彼にもわかっている、それが別れの言葉であることを。  一字一句聞き逃すことなく、瞳をのぞき込み、耳を傾ける。 「それこそが――人間だよ、皇七郎君。私は、私のとれる手段をとったにすぎないのさ。個体 が永遠を生きるのがひとつの術なら、種として永遠を残すのもまた術だよ。ハロウドくんは彼 の満足とともに前者を選んだ。私は――私の満足と共に、後者を選んだ」 「満足――?」 「そう」  言葉に嘘はない。  言葉に、想いはある。彼が生きていた、その全てが。  分かれる前に――言っておきたかったのだ。  彼は。  トゥルシィ=アーキィは、全ての友人たちに、言いたかったのだ。  ――ありがとうと。 「こんなにも素晴らしい人生を――こんなにも素晴らしい仲間と送ることができた。私はね、 皇七郎君。それだけで、『生まれてきてよかった』と、胸をはれるくらいに満足なのだよ」  ――君もその一人だ。かけがえない、仲間の。  アーキィは、そう、言葉を付け足した。  それが、全てだった。それ以上に、言うべきことなどなかった。  夢里 皇七郎は泣いていた。水晶のような瞳からは、とめどなく雫が零れていた。その瞳を 、その雫を、アーキィは美しいと思った。彼の手が撫でるたびに、涙はさらに零れていく。そ れでも、皇七郎は目をそらさなかった。  アーキィもまた、笑みを崩さず、目をそらさなかった。 「ボクは――」 「君には、君のやりたいことがあるんだろう?」  嗚咽の言葉を先回りして、アーキィは言った。そこから先は、口に出すべきことではないと 思ったからだ。  アーキィの思いやりに、皇七郎は即座に気付いた。涙を拭うことなく、 「……知ってるのかい」 「永い付き合いだからね。だいたいの想像はつくさ」  肩をすくめた。しょうがない、だが応援はしてるよ――そう態度が物語っていた。  ――ボクは。  かわることない、アーキィの仕草を見て、皇七郎は思うのだ。  ――ボクは、貴方に言いたいんです。ありがとうと。  何に対してかのお礼など、皇七郎も、アーキィも、判らなかった。  ただ、心は同じだった。そこにいてくれたことが、側にいてくれたことが、積み重ねてきた 時間が――何よりも大切なものだと、思えたからだ。  夢里 皇七郎は立ち上がる。別れはすませた。否、別れではないのかもしれない。いつもの ように、自分たちの道を歩き始める、その勇気をもらっただけなのかもしれない。  もう、涙は止まっていた。  白衣の袖で涙を拭い、皇七郎は立ち上がる。その様を、アーキィは微笑みと共に見送った。 「……また逢いましょう、トゥルシィ=アーキィさん」 「そのときは――三人で酒を飲もう、夢里 皇七郎君。いつかのように」  その言葉に。  皇七郎は――初めて。  トゥルシィ=アーキィへと、嬉しそうな笑みを浮かべたのだった。  それが――彼が見た、最後の姿だった。  夢里 皇七郎は、訪れたときと同じ唐突さで消えた。  再び一人になった部屋の中で、アーキィは椅子に深く背を預けた。飲んだワインは、体の中 を温かく包んでくれた。  眠気が襲ってくる。暖かな眠気だ。  その眠りが何か知ってはいたが、誘いはあまりにも誘惑的で、拒むことなどできなかった。 やりのこしたことがあるわけでもない。アーキィは、眠りの誘いに自ら乗った。身体を楽にし 、瞼を閉じる。  脳裏に浮かぶのは、懐かしい光景。  今でも目を閉じれば思い出すことができる。学生として三人で過ごした日々を。冒険団とし て世界中を飛び回った日々を。瞼を閉じるだけで、あの夏の日へと扉がつながっているような 気がする。世界がどこまでも続いていると、人生が輝いていると思えた、三人で過ごした日々 を。  黄金のような人生を。  ――ぱちりと、火が爆ぜた。  それが最後だったのだろう。暖炉を温めていた炎は消え、室内には完全なる静寂が満ちた。  アーキィは動かない。  穏やかな表情のまま、満足げに笑ったまま、身じろぎもしない。  アーキィは動かない。  トゥルシィ=アーキィは、二度と動くことはない――――――――――――――――――