RPG SS 神々の黄泉 第九話「潜入捜査〜それなんてメタル○ア〜」 「ビギィ……やっぱやめようよ……こんな事ばれたらやばいわよ?」 私は不安そうにビギィに尋ねた。 「いまさら戻る事はできないわ! こうなったら進むだけよ!」 いやだってね……この状況わねさすがに気が引けるわ 何たって…… 「それでも不法侵入はまずいだろ、しかも城に!」 と言った状況だ。 「大丈夫ですよ、ほらこの通りばれてないでしょ?」 いや……それはそうだけどね…… でもね、言わせてください…… 「なんで、ダンボール箱だけなのよ!?」 ス○ルス迷彩とかソリ○ンレーダーとか、もう少しマシなもんをそろえてから潜入してよ! これだけじゃあ余計に不安よ! 「だって所長が『ダンボール箱は便利よ……色々と』って言ってましたよ?」 あほか!? それを鵜呑みにするな! そのような私の心中のつっこみを露知らず、ビギィがキョロキョロと辺りを探る。 ……お願いだからその格好で探るのはやめて、目立ちすぎるから 「あっ、なんか怪しい階段発見! 罷璃、潜入よ!」 そ、それは孔明の罠だ! 引き返せ! ビギィ!! ……って言う前に先に行ったよ、あの子 しかもダンボール箱かぶったまま 「……ああもう、わかったわよ! ついて行けばいいんでしょ! ついて行けば!」 ……私は今現在、かび臭い地下の階段を下ってます。 ……もちろんダンボール箱はかぶったまま 「……いい加減、これ外さない?」 「いやよ、隠蔽効果探るでしょ?」 いや逆効果ですから、それ…… おまけにこの体勢だからこけやすいし…… 「? あれ何かな?」 ビギィはそう言って暗闇の中を指差す……ダンボール箱の中にいながら。 そこには巨大な鉄の塊があった。 それは全てを飲み込むような真っ赤な大蛇を思わせるような、そんな迫力をそれは持っていた。 その時 「フレア、どこほっついていたのよ! 探したんだから……」 暗がりから一人の女性が 「わりぃ、わりぃ……少し体を動かしかったんでね……」 別の方向からさらに一人の女性が現れた。 (どっかで見た事あるような……?) 「あんたは私達兵器開発部にとって機密事項な存在なのよ!? 理解している」 「理解はしているわ……だけど、こう待機だけだとね、体鈍っちゃうのよね」 (あいつは……、あの時私たちを襲った……!) 「理解してない! 全くあんたは……!」 「どうするのこのデカブツ、そろそろ出撃の準備したほうが良いんじゃない?」 「……そうね、火竜石もそろったことだし、そろそろこいつも外に出られるのね……」 火竜石!? いま火竜石って言わなかった!? まさかこんなところで火竜石に出くわすとは……ありがとうナンパ男(仮) 「もう少し、近くで聞こえないかな……あっ」 ズリ 「ビギィ、気をつけ、言ってるそばから!?」 ……この女やらかしてくれるわ 勢い良く階段を滑り落ちる様はどこか楽しそうに……うん、見えない。 「……もう全く、世話焼けるわ……!」 私は邪魔なダンボール箱を脱ぎ捨てダッシュでビギィの元に向かった。 3m……2m……1m……よし! ガシィ! 私はビギィの足をつかみそのまま…… 「そおぃ!」 勢いに任せ、振り向き、入り口に向かい走り出す。 「「!?」」 やっと気づいたのか二人は私たちを見るがもう遅いわ……そのまま逃げ切る! 「アリエス、警報押せ! 私は追って、あいつを……消すわ!」 「……あんま派手にしないでね」 ウォン、ウォン、ウォン 「やばい、警報! 警報が鳴った!」 うん、警報は鳴り響いてるけどそんなの関係ない! 今は後ろのヤツが気にかかるわ。 「逃がすかぁぁぁぁぁ!」 ……あちらは追ってきてるけど初動で手間取った分私達に分があるわ。 (……逃げ切れる!) そう思っていました……、地下室から出るまでわ。 「逃がすかぁぁぁぁ」 地下室から私達が脱出した瞬間、猛スピードでこちらに突進していく一人の少女が見えた。 ……何というか妙にモフリたい気がするのは気のせいかな? 「何!?」 前門の虎後門の狼とはこのこと、後ろには炎をたぎらせて突進していく少女、前からは短剣を持っているやはり突進していく少女。 パン (まずい、非常に……え?) 突然廊下全体にまばゆい光が降り注いだ。 「大丈夫かニャ?」 時を同じくして私達を誰かかが抱えていく感覚が私達を襲った。 ――その感覚は大変触り心地が良かったとだけは覚えていた