前回の簡単なあらすじ 勘違いの連鎖によりヒースの悲劇が始まる、銀の戦刃と呼ばれる少女と戦う、引き分けに持ち込んでお互い死なずにすむも 少女は気絶しているので、ヒースは近くの町まで連れて行くのだった 「すまないが入国を・・・」 現在俺は・・・どこか分からないが入国しようとしてた、やけに賑やかだ 「・・・あんたお尋ね者か?」 「・・・せめてこっちの子だけでも」 俺が銀の戦刃(仮名)を門番に見せると、門番は俺をじーっとみた 「あんたお尋ね物だけど悪党の目と声じゃない、入ってよしようこそクームラリア大公国へ」 意外とあっさりすんだ、だがクームラリアときいて、話が分かった。 この国は、お菓子と音楽の前には平等だ、といっているからだろう助かった 「俺のお勧めのケーキ屋だ、ほらよ」 「なぁ宿屋はないか?できれば安くて女一人泊まれるところ」 俺が門番にねだってみると、案外面倒見がよく教えてくれたとおり行くと、確かにあった。 小さい、が清潔な宿屋だ、俺の金も何とかなる範囲だし良いだろう 「よしっこれでいいか」 部屋を一つ借りて、俺はさっさと銀の戦刃(仮名)を寝かせ、剣は奪っておいたまた襲われるとイヤだし。 ベッドの上でスヤスヤと寝顔がかわいい・・・のだが少し苦しそうだ 「おい?」 「お父さん・・・お父さん・・・」 悲しそうな声で父親を呼んでる、悪夢でも見てるのだろう、起こしたほうがいい 「起きろ銀の戦刃。」 「きゃあ!?」 肩を揺さぶり、びっくりして起きた銀の戦刃に、俺は少し離れ、剣を奪われないようにした 「あなた・・・はっ私!?剣は!?」 「俺が預かってる、安心しろ取って食う気はないよ。」 「当たり前よ!私の貞操をお父さんの仇なんかに!」 いろいろ混乱してるらしい、がさっきよりましなので、俺は本題に入った 「銀の戦刃、落ち着いてほしい、君のお父さんはいつ死んだ?」 「忘れるはずないじゃない!   よ!!」 「その時俺はオルノット海近くで彷徨ってる」 「なっ私の住んでた村からずっと離れてるじゃない!」 ちゃんと話せば分かる、俺はさらに自分の無実を突きつける 「もう一つ言う、俺はソードマスターと戦ったのは、本当にさっき出始めてだ。2度目なら対策ぐらい分かる」 「・・・本当の本当に私の早とちり?」 しょんぼりし始める銀の戦刃、これで何とか分かってもらえた。俺は確信した 「やっと分かってもらえたか」 「えぇ・・・運んでくれてありがとう、迷惑かけちゃったわね。」 しょんぼりとしたままの銀の戦刃が、部屋を出ようとして慌てて止める、今は夜だ 「狭いなら俺が出て行こう、お互い勘違いで始まったがこれで終わりだ」 「えぇ、じゃあねヒー・・・あれ?ねぇ私の荷物は?」 荷物・・・ソードマスターだろう、俺は気絶してる間に消えてたと言ったが 「違うの!私のバッグ!あの中には路銀入ってるの!」 「・・・スマン、バッグなんて見てない」 どうやら俺は、彼女の路銀を持ってこなかったらしい、彼女は涙目になって慌ててる 「どうしよう・・・これじゃ旅続けれない・・・」 「スマナイ・・・今日は遅い、寝て明日考えるとしよう」 「そうする・・・はぁ明日どっかバイト探さないと・・・あっ名前言い忘れてたね」 落ち込み気味に、床で寝ようとする銀の戦刃に、ベッドで寝ていいと言いながら床に寝転んだ 「本当ありがとうね・・・・私はウェンディ今度からそう呼んで・・・お休み」 「あぁ、おやすみウェンディ」 勘違いによる勘違いの連鎖は終わり、勘違いで生まれた悲劇の一日は、やっと終わりを迎えた 次の朝、早朝に目が覚めて俺は、如何するか考えていた、流石にウェンディの一軒は俺も問題ありだ このままウェンディを放置はかわいそうだ、だが俺に何ができる?仕事探しを手伝うか? 「んー・・・おはよう・・・久々にベッドで熟睡しちゃった」 ふぁぁ〜っと欠伸をしながら、ウェンディがおきてくる、もう7時か朝食の時間だ 「朝食の時間だ、ウェンディ食べてきてくれ俺は食べなくていい。」 「えっと・・・ヒースってロボットなんだっけ?」 風の噂がここまで広がるとは、俺は首を縦に振ると、ウェンディがありがとうと部屋を出て行った さて、さっさと考えないとな・・・いくら俺の路銀があるとはいえ、ずっとここにいるわけにいかない。 「どうしたものだ・・・」 女を慰めたりする方法なんて知らん、それが仇になったと頭を抱えると、ポケットにがさがさした何かが 取り出すとそれは・・・紙だった、門番のお気に入りの店の地図だった、相手は女の子・・・ 甘いものが好きかも知れない、これで元気を出すかもしれないし行ってみるか。 「ただいまーヒースどうしたの?」 「なぁウェンディ、ウェンディは甘いもの好きか?」 「えっどうしたの?好きだけど・・・」 ウェンディが不思議そうな顔をした、よかった甘いものが好きなら、元気になってくれるといいが 「言ってなかったがここはクーヘント=ムジークライヒ、つまりクームラリアなんだ」 「えっクームラリア!?本当?」 嬉しそうなウェンディを見て、俺は一安心した、これなら喜んでもらえそうだ 「あぁ、それで作戦会議ついでにお菓子でも食べに行かないか?代金は俺持ちで」 「・・・ねぇ何でそんなに優しいの?私達殺しあったのに」 まぁ疑問にも思うか、俺がウェンディなら同じ事を聞くだろう 「元は勘違いで始まったし、お前の事情も知ってる、放って置けなくなったのさ」 「・・・やっぱりヒースは優しいんだね」 「どういたしまして、さてそれじゃあ少ししたら行こう。」 なんとなくだが、こうやって誰かに優しくすると、どこ懐かしい感覚がする、もしかしたら記憶に・・・ 「うん、女の子は甘いものに関しては別バラだからね、覚悟してね♪」 嬉しそうな顔のウェンディを見て、少しドキっとすると俺達は。他愛もない会話で時間をつぶし始めた 「やっぱりこの国は賑やかね」 「あぁ流石お菓子と音楽の国と言うだけあるな」 街中を歩いていると、あっちこっちから楽しげな音楽、それにお菓子の焼けるいい匂い。どこか童話の中のよう 「いいなぁ、こんな所ならずっといたい」 銀の戦刃だ何だ言われても、まだ女の子・・・こんな所にいたいと思うのが普通か 同じ世代の女の子なら、マニキュアでも塗ってそうな爪、おしゃれの一つをしても誰も文句は言わない だが、戦士には不要なのか動きやすい剣士服、きっと父親に不幸が襲わなければ。おしゃれの一つもしてる頃だろう 「お前も大変だな・・・」 「ううん、これもお父さんの仇をとるためだもん、頑張らなきゃ」 ウェンディの決意は相当固いのだろう、この年で世界を回り女で一人旅・・・なんとなく俺とダブッた 深く考えれば考えるほど、ウェンディの身の上がかわいそうになるが、俺は途中で考えるのをやめた 考えるだけじゃダメか、今はウェンディにお菓子をご馳走しながら、ウェンディがお金がたまるまで手伝うだけだ 「ねぇヒース、ないと思うけど「代金はお前の体で払えー」とか言って襲わないよね?」 「俺はそんな邪悪な男じゃない、金が許す程度なら何でも食べて良いさ」 そういう言ううちに地図の場所へやってきた、決して大きいわけじゃないが。おしゃれな感じで中には・・・ あまり人がいない、が時間が時間だからか、だが何故か店内は忙しい雰囲気がした 「ねぇヒース早く入ろ!」 「あ、あぁ」 ウェンディは旅の身、お菓子なんて早々食べれないのか、子供のようにはしゃいでるよほど嬉しいのだろう 見せに入ると呼び鈴がなる、ウェイターが・・・いや、パティシエが厨房からいらっしゃいと言い こっちに急いで出てきて、空いてる席とここが禁煙だと言い、足早にまた厨房へ急いだ 「・・・ここウェイターさんいないのかな?」 「一人じゃないと気が散るワンマン系か?」 俺達が席に座ると、メニューを見てウェンディの目が輝く、俺はコーヒーだけ頼むつもりでメニューを見たが。 いい物があった、食べ放題コースだ、少し値が張るが一名なら資金に影響はなく、迷ってるウェンディを呼んでみる 「えっあっなにヒース?」 少し気をとられてたのか、恥ずかしそうにこっちを向きなおす、こういう女の子らしい動作にやっぱりドキっとする 「食べ放題コース、頼むか?」 「えっでも・・・」 「金なら心配するな、今までほとんど使わなかったから有り余る」 少し悩んでたが、少し頬を赤らめてウェンディは首を縦に振った、俺は呼び鈴を鳴らすと またウェイターじゃなくパティシエがやってくる、そしてすさまじい速さでメニューを聞くと厨房へ消えていった 「それじゃ私取ってくるね、本当ありがとうヒース」 ウェンディがトングとおぼんを持ち、早速食べ放題の所から色々とお菓子を取ってくる 果物系が多い、イチゴのタルトやリンゴパイ、たくさんの果物が一気に乗ったケーキなど それをウェンディが幸せそうに頬張る、その光景を見てつれて着てよかったと思えた 「おまりしましたブラックコーヒーです、レシート置いておきます」 パティシエがまたやってきて足早に去る、俺は感覚を口の中だけ鈍くして、コーヒーを飲み始めた イチゴのショートケーキを、ウェンディがフォークで切り分け、口の中へ運んでいると 何か気づいたらしく、一度食べるのをやめていた。 「そういえばこれから如何するか考えないと、食べて終わりじゃ・・・」 「そうだったな・・・食べ終わったらバイト探すか?」 なるほど、ウェンディのバイトの話だった、無一文ではウェンディの旅も俺と同じように 森林を行き、時々賞金首を捕まえて資金を稼ぐ、なんてことになる 「そうする・・・」 「・・・?」 窓を見ると、俺は酷い幸運を覚えた、前回のヴェータといい勘違いの後には福が来るらしい 「バイト募集中」張り紙にはそう書いてあった 口に白いクリームを付けてるウェンディを見ながら、俺はホッとした俺はコーヒーをまた注いだ ウェンディは何だろう?といった感じにケーキを頬張り、俺を見ながら口の周りのクリームを舐めとった 「いやー助かった!皆怪我とかで動けなくてね」 「私頑張りますね!」 どうやら即効でOKが出たらしい、ウェンディが嬉しそうにこっちへやってくる、手には紙袋を提げて 「OKでたよ、今日から働かせてもらえるって!」 「ずいぶんと急なんだな、宿屋にしばらく部屋を借りると言っておく」 俺が戻ろうとすると、ウェンディは待ってと俺の手を取る 「いいよ私野宿するから、ヒースにこれ以上迷惑はかけれないし」 「遠慮するな、俺もしばらくここにいたい」 「・・・ありがとう、このお礼は必ずするね」 そういうとウェンディは関係者以外立ち入り禁止の、更衣室のドアを開けて入っていった。 それを見届けると俺は外に出た、さて・・・俺は記憶探しでもするか 俺は図書館へと向かった、雪の姫が教えてくれた事件、それが何か分からないが 近いことなら昔にあった事件を調べ、対策を練れる・・・と思っていた 本棚似合ったジャンルで過去の記事、そしてそれっぽいものを全部呼んでみる が、全部が全部災害だ災害が敵はありえるが、戦うと言っていたから違うだろう 「・・・」 火山の噴火、台風、大寒波、津波、禁忌の盾を使えばある程度被害は抑えれるだろうが どこから如何考えても記憶に関係すると考えにくい、いったい何なんだ? 「・・・」 静かな音楽がBGMに流れながら、俺は本棚に本を返すと今度は図鑑を見た、危険度Aと書かれたこれになら きっと世界に影響を及ぼす怪物が・・・乗ってない、考えが甘すぎた 「はぁ・・・」 やはり戦争で何か大型兵器でも出てくるのだろうか?それを俺が倒して何かを思い出す。 ありえん話ではない・・・ん?これは・・・ 「賞金首図鑑最新版か・・・」 少し興味が出た、これにある凶悪な賞金首が世界を揺るがす超兵器を・・・ 「・・・・」 危険度最高クラスの人物を見たら、俺が書いてあった。顔写真は無駄に影がかかっていて怖く 暴走すれば世界的脅威だとか・・・俺が二人いれば、俺の考えもありえなくないと言うことか 「はぁ・・・」 本を返して俺は帰ることにした、もう外は夕暮れ時だ・・・ウェンディは如何してるだろう? 銀の戦刃と呼ばれる彼女だ、おそらくミスはしてないだろうが 俺が帰り際に店によって見ると・・・すごい込みようだ、この国ではお菓子が愛されてる となると、やはり夕飯もお菓子なのだろうか、ウェンディが大忙しだろう 「いらっしゃいませ〜あっヒース!少し遅くなるからさき帰ってて良いよ」 今のウェンディの服装は、メイド服を思わせるウェイトレスの服だった、それだけならいいが ミニスカートから覗く太もも、気にしてなかったかったがウェンディは胸のサイズがでかい、周りを見ると男が多い 裸を見た俺が言うのは何だが、男がウェンディ見たさにやって来るのも頷ける。お菓子も美味しいから尚更か 「そうする、がんばれよ」 俺は安心すると、宿屋へと足を走らせる、さて何をして暇をつぶそう。 いや明日から何をするか、大道芸でもやってみるべきか? 「ただいま〜」 あれから2時間してウェンディが戻ってくる、服はいつもの動きやすい剣士服に戻ってる 「お帰り、どうだった?何かあったか?」 「何もないよ、けどすごい人が来てびっくりしちゃった♪」 少し疲れてるが、どうやらそれ以上に繁盛したのが嬉しいらしい。どことなくお菓子の甘いにおいがした 「もうおなかペコペコ、ご飯食べてくるね」 「あぁ、俺は先に風呂に入ってくる」 俺が部屋を出ようとすると・・・ウェンディが待ってと俺を止めた 「ねぇヒース、あのお店の外で誰か私見てた?」 「いや、見なかったが?」 「そう・・・なんだか誰かに見られてる気がしたけど、気のせいっぽいね」 そういうとウェンディは下へ降りていった、さてザイクリンデぶりに暖かい風呂だ ほとんど水で体を洗った身としては、お湯で体を洗うと言うのが少し楽しみでもあった 「さて急ぐか・・・」 何かいる、俺が剣を持って窓を開けると、外には誰もいない・・・だいたい2階だからな、気のせいだったんだ 少し警戒して、俺は下のウェンディに財布を預けてから風呂へ向かう事にした 「ふぇっヒースどうしたの?」 エビフライを加えながらウェンディが俺を見る、用件を簡単に言うと俺はウェンディに財布を渡した 「んー・・・なんだか怪しいね、用心しておくよ」 「頼む、それじゃ後で」 俺は安心して風呂へ向かった、ゆっくりと風呂につかるか・・・ しばらく歩くとシャワールームへついた、ドアを開け服をさっさと脱いで体を洗う シャワーで体をさっさと洗おうと思ったが、やはりシャワーはいい、しばらくシャワーで体をお湯で流し 石鹸で体を洗いはじめる、さっさとシャワーでお湯を流した後も、シャワーのお湯で体を洗い続け 満足すると、俺はお湯の中へゆっくりと身をつける、第三者が見てもあまり嬉しくないだろうが・・・ 「・・・」 誰かがいる、天井裏に隠れてるのだろう賞金稼ぎか?盗人ならウェンディを狙うはずだ 「禁忌」 俺が禁忌を次元層から腕だけ予備、天井をぐらぐらと揺らすと、ふたが外れ黒ずくめの男が落ちた ふたは禁忌に持たせて、俺は黒ずくめの男に近づくと・・・カメラを持っていた 同性愛者か?なんとも手の込んだ奴だ、ふらふらとした足で男は逃げていく、追いかけるつもりはなく見逃してやった せっかく楽しいお風呂タイムだ、俺は湯船に使ってしばらくそのまま目を閉じる、心地いい・・・・ ース・・・ヒース! 「うぁっ!?」 誰かに呼ばれて目が覚める、目の前にいるのは・・・なんだウェンディか 「っておい!?まてウェンディここ混浴だがなぜいるー!?」 「いやーお風呂入ろうと思って」 そういうとウェンディが湯船につかる、そういう問題ではない、女の子はこういうの恥ずかしがると聞いたのだが 「恥ずかしくないか?」 「だって裸見られたし、それよりも寝てたけど疲れたの?」 ウェンディがお湯につかりながらぐーっと体を伸ばす、ずいぶん気持ちいいのかまったりしてた 「いや、気持ちよくて寝てた・・・ウェンディ、もしかしたらだがお前の感じたと言う視線、俺に関係してるかもしれん」 「へっ?どうしたの?」 「俺を覗いてる奴がいた、そいつが俺を狙ってお前と間違えたとありえる」 湯船でまったりとしながら、俺がウェンディに黒服の事を言うとウェンディが納得してた 「なーるほどね、ヒースの熱狂的なファンが私に持ってわけか、まぁ会ったら軽くヤッツけるわ」 「そうしておいてくれ、さてそろそろ俺は出る」 そういって俺が浴槽から出ると・・・ 「きゃああああ!?ヒースのエッチドスケベー!!」 「うぼぁっ!?」 いきなりたらいを投げられた、いや反応が遅すぎる 「タオルで前隠してよ!!」 あぁなるほど、俺はウェンディが叫んだのが見られた事のない俺の裸にある、そう気づいたのはすぐだった しばらくたつが、ウェンディはかなり人気らしい、まぁあのかわいさなら人気にもなるだろう 俺は俺で、町で配達から掃除、いわゆる何でも屋と言う奴をしてた、案外頼まれることが多く お菓子の配達、楽器の掃除から大ホールの掃除まで、色々な雑用をやってのけた ウェンディとも仲良くなり、俺としてはこのままだと良いが、唯一気になったのがウェンディの事だ、視線をまだ感じるらしい 「はぁ・・・なんだかやらしー写真に取られてる気分、本当誰なんだろ?」 「さぁな、案外俺じゃなくウェンディの熱狂的・・・」 言葉が詰まった、そういえばウェンディは過去に無許可で写真集を出された、これは・・・ 「・・・ウェンディは後どれぐらいで仕事収めだ?」 「あっ二日で従業員の人帰るから、私は明日と明後日でお給料貰って町出れるよ」 「分かった」 明日と明後日はむっつりスケベ探しか、俺はウェンディが寝たのを確認すると、もう少し起きて見張りをしてた その日の何でも屋は配達を少しして、残りは変装してウェンディの働く店を監視してた、黒服の男がいればそいつが犯人だ だが来るのは女性が数人、黒い服の男が来るがそれは作業着、他は黒い服の男なんて来ない 「・・・」 ウェンディの勘違いか、だが連続して何日もなんておかしい。俺はエクレアを食べながら 口周りのチョコとクリームを指でとり、紙でふき取りコーヒーを口に含んだ また客が来たらしく呼び鈴がなる・・・どうやら傭兵か何かだ、いかつい男が数人入ってくる 「いったい犯人はど・・・」 それとほぼ同時に、何か機械的な視線を感じて周りを探す、が何もいなく俺がコーヒーを飲んでると 「きゃあ!?」 ウェンディが悲鳴を上げた 「ウェンディ!?」 俺が振り向くと、どうやら注文を聞きに来たウェンディがスカートを捲られたらしい、スカートを抑えて真っ赤になってた 「な、何するんですか!」 「何にもしてねーぜ?それより早く頼むよウェイトレスさん」 ヒヒヒと笑う傭兵、いつものウェンディならあんな傭兵、如何と言うことはないがここは店内 暴力沙汰は危ないのだろう、ウェンディが悔しそうにお菓子を取りに厨房へ向かう 助けるべきかどうか・・・まぁ少しおふざけなのだろう、俺は大目に見る事にした 「・・・」 だが気になるのが、この機械的な視線だ。どこからだ・・・見せの中ではない・・・ 「ひゃあん!?」 またウェンディが悲鳴を上げる、今度は傭兵の一人がウェンディの尻を触っている 「なぁ譲ちゃん歳は?俺らといいことしね?」 「やめてください!他のお客さんの迷惑です!」 「ヘヘッついつい手が動いちまうのさ」 ウェンディが必死になって逃げようとするが、やっぱり暴力沙汰は危ないらしい、抵抗できずにいる 流石にこれは店に迷惑だ、何より抵抗できないウェンディを、嬲る奴らが許せなかった 「おい」 「アン?」 傭兵共が不機嫌そうに俺を見ると、禁忌の指だけ出して傭兵を小突いた、痛くないようにしたが傭兵は一瞬ボーっとしてた 「迷惑だ、さっさと消えろ」 「ヒッなんだコイツ!?」 営業スマイルで明るく俺が言うと。傭兵が驚いて店を出て行った、ウェンディが俺を見て少し驚いてた 「ヒース!?」 「スマン変装してた、怪我はないか?」 「うん・・・ありがとうね」 ウェンディが嬉しそうに頬を赤らめてた、流石に公の場で尻を触られたら恥ずかしくて赤くもなるよな。 「ウェンディまだ視線を感じるか?」 「えっ・・・あいつらいた時は、けど今はぜんぜん・・・」 「そうか、代金はこっちで払う」 俺が仕事で得たあぶく銭を渡して、また席に座るとまだウェンディがどこか顔を赤らめていた よっぽどだったか、かわいそうに思いつつ。俺はコーヒーを飲みながら考えていた、おかしい 視線が奴らが出たときに消えた、機械的視線とこれを組み合わせて浮かんだのは・・・ 「そういう事か・・・」 俺は席を立ち、代金を置いて店を出て行く、帰り際に一つだけウェンディに言葉を投げた 「ウェンディ、どうやらお前の熱狂的ファンはもう来ないようだ」 「へっどういう事?」 帰ったら説明するとウェンディに言うと、俺は外に出てさっきの傭兵を探す事にした。 数分してここは路地裏、ここは人気がない・・・けど今は人気がある。俺とさっきの傭兵だ 「つまり、お前達は雇われて店でウェンディに手を出したと?」 「そ、そうだ!雇い主の名前までは知らない!」 禁忌で追い詰めて、ウェンディの熱狂的ファンの居場所を聞こうとしたがダメだった だが大体理由は分かった、おそらくウェンディの写真集を出した奴がまたやる気なのだろう。 あの傭兵共にウェンディを襲わせて、その写真を撮る・・・といった所か 「そいつとどこで出会った?」 「公園の便所近くだよ!早く帰ってくれよ!」 傭兵が震えてるので、俺は言われたところへ行って見る事にした。一応全員口止めをして 公園には案外早くついた、便所・・・の近くに男はいた、カメラをちゃんと持ったまま さて、ここでは禁忌を出せない、だとすれば・・・ 「やぁウェンディの熱狂的ファン」 「!?」 人気がないトイレ近くなのが幸いした、俺は軽くそいつをボコボコにしてから、カメラを握り潰しておいた 話を聞くと、販売中止の写真集が高く売れたから、裏ルートで新作作ろうとしたらしい 話を聞いた後、俺はウェンディの盗撮をやめるように言うと、そのままその場を立ち去った 「と言う事さ」 「まだ狙ってたんだ・・・いっぱい借りができちゃったね」 あれから数時間、俺は宿でウェンディに事情を話すと、ウェンディは赤くなっていた。やっぱり恥ずかしいのだろう 「本当ありがとうねヒース・・・」 「如何いたしまして、さて明日は暇か?」 「えっ明日?明日はお店で皆がさよならパーティしてくれるって、音楽家の人もいるから少し楽しみなんだ♪」 「そうか」 ケーキおごろうと思ったが、まぁそっちのほうが楽しそうではあるな。俺は諦めて明日はダラダラする事にした 「ウェンディちゃんいなくなっちまうのかー寂しくなるなぁ」 「ありがとうございます、またいつかここに来ますね!」 お店は今日は貸切で、お客さんが私のサヨナラパーティーをしてくれてた、こんなの本当に久しぶり・・・ 演奏を聴きながらここのお菓子食べて、幸せなんだけど・・・ヒースも来てほしかったなぁ 「どうしたんだいウェンディちゃん?」 「あーきっとあれだよ、ウェンディはあの青い髪の彼が来てなくて寂しいのさ」 「おーいいねぇ青春しちゃって」 店長の一言に顔が真っ赤になった、私はヒースの事・・・好きって分けじゃなくてその・・・ あれ?私ヒースの事如何思ってるの?!ヒースは優しい人であってえっと・・・ 「も、もう店長からかわないでください!」 とにかく恥ずかしいのを紛らわせて、シュークリームを頬張って色々と誤魔化す事にした 本当・・・ヒースとは殺しあったり裸見られたり・・・けどそれ以上に助けてもらって・・・・ たぶん違う、愛してるんじゃなくて好きなんだ・・・たぶん 「そろそろ閉店時間だ、ウェンディにこれお土産だ、かえって青い髪の彼氏と食べといてくれ」 「店長!もうバカ!・・・でもありがとう」 私は席を立ってお土産を持つと、皆に今までありがとうと深く頭を下げて、お給料とお土産を手にお店を出て行った 「ただいまヒース、お土産貰ってきたよ〜」 帰るとヒースは・・・ベッドで寝てた、起きていきなりケーキはきついかな? 今日は私が床で寝ることに・・・けどベッドもう少し入りそう って何考えてるのよ!?同じベッドで寝るなんてそんな・・・けど、けど少しだけなら・・・ 「・・・ヒース・・・本当ありがとう」 あぁ・・・ヒースの腕の中あったかくて眠くなって・・・ 「・・・ウェンディ?」 朝6時、俺は起きると胸の辺りが柔らかくて暖かく何だと思った。目をこするとウェンディだった 気持ちよさそうに寝てる・・・起こすのはかわいそうだ、しばらくこうやって 「・・・はひゅへぁ!?ひひひひヒース!?わ、私あのまま寝ちゃってそのあの」 起こしてしまった、なんとも悪いことをしたと俺はウェンディを抱えて、ベッドから起き上がった そのままウェンディをベッドに寝かせ、俺は荷物をまとめてて旅に出れるようにしておいた 「えっとその・・・ヒースお土産貰ったから一緒に食べよう」 「お土産・・・そういえば甘いにおいがする」 テーブルの上の箱を見ると、俺はおもむろに箱を開けた・・・中はショートケーキだ だがイチゴの形が何故かハート型に切られてる、店長がウェンディのためにかわいらしくしたのだろう 「て、店長・・・」 「早速食べよう、フォークは俺のだが我慢してくれ」 箱から出して、ウェンディにフォークを出すと俺はケーキを切って食べ始める、イチゴの甘酸っぱさで 乾いた口の中が潤い、クリームの甘さで眠ってる脳が起き上がる、朝からケーキなんて初めてだな 「うん・・・ねぇヒース、ヒースは私の事・・・その・・・」 「どうした?」 もじもじとしながらウェンディがケーキをつつく、食べる気配がない、どうやら俺は何か言うまでそのままらしい 「あのね、ヒースは私の事・・・仲間って思ってる?」 「あぁ、どうかしたか?」 何かほっとしたような、もどかしい様なウェンディに、俺は首をかしげながらケーキを食べる ウェンディがやっとケーキを食べ始めると、今度はウェンディが俺に目を閉じるように言う 「目閉じて口あけて・・・お願い」 「あぁ・・・」 口をあけてると何かが入ってきた、口の中に甘い感触・・・ケーキだ、しかもイチゴの部分 「わ、私昨日食べ過ぎたから・・・美味しい?」 「・・・あぁ、美味しい」 ウェンディは俺を見て赤くなってる、よく分からないが恥ずかしい事があったらしい。 ケーキを食べ終えると、俺とウェンディは後片付けをして宿を後にする 名残惜しいがクームラリアとはこれでおさらばだ、甘いケーキの音と楽しげな演奏に別れを告げ 俺とウェンディはクームラリアの外へ出た、これからどこへ向かおう・・・ 「ここでお別れか、また会えたら会おう、お父さんの敵討ち頑張れよ。」 「うん・・・ヒース、また会えるよね?」 焦るようにウェンディが俺に問いかける、俺は首を縦に振るとどこか安心してた 「絶対だからね・・・今度あったら借りは返すから、絶対また会いましょう」 「借りなんて別に返さなくて良いさ、元気でまた合えるのが一番さ」 俺が言い終えるより早く、頬にウェンディの顔が近づいて柔らかい感覚がした。 「・・・またね!」 それだけ言うと、ウェンディは足早に東へと向かっていった 「・・・綺麗な子だった。」 少し空を見上げると、俺はふらりと歩き始める。行く先は・・・考えてはいない。もう勘違いで何か起きないと良いが