女たらしと巨大ペンチ 「うぁああああ!!」 「うわぁあああああ!!」 逃げる!白いメタトールと禁忌が逃げる!走る!メタトールは浮くほうが早いから飛ぶ! 「マリオ本当にこの先に、全ての国が俺に力を貸してくれる、宝石があるのか!?」 「絶対ある!とにかく走れー!」 こうなった理由は数時間前にさかのぼる、ヒースが軍事国家ウォードに降り立った事にある 不法入国したウォードで、ヒースはまず銃弾の雨を浴びて死に掛けた そして禁忌で逃げるも、町の中には危険存在進入の際、自らを守るためのウォード市民に猛烈な歓迎 銃弾のご馳走をたらふく禁忌が食べ、逃げている最中脱走した傭兵、マリオに出会う マリオは言葉巧みにヒースを騙し、何とか国外へ逃亡しようとするのだった 「は・・・はぁ・・・」 そして現在、ウォードの主力ロボMT(メタルトルーパー)ランダーUに囲まれていた 守ってくれる岩陰も、汎用性重視でさまざまな装備が装備できる。ランダーUの前に おそらくあっという間に粉々に砕け、マリオのメタトールは吹っ飛んでしまう 「くそっおいヒースお前なんか超スーパー兵器ないのか!?」 「落ち着けマリオ!敵はランダーU3機だ、俺が出れば一斉放火でお前がお陀仏だ!」 万事休すである、ヒース的にマリオの言うガセネタの「ありとあらゆる国が仲良くしてくれる宝石」 それがほしいが、マリオが死ねば分からない、さて如何する・・・ 「マリオ、ここからどう行けば宝石はある?」 「あっ?!こっから南だよ何とかいけないのか!」 ずいぶんと荒れてるマリオをなだめると、ヒースは盾にランスを差込引き抜く。 「俺につかまれ、その後に俺が言いと言うまで離すな」 「よっ頼りになるぜ!さっ早く逃げようぜ!」 ヒースが槍を南の方角に指し、そして力をダンダンと解放していく、そして 「ランスオブダークネス!!」 そのまま突撃である、前面に青白いフィールドが展開され攻撃を弾く、弾く! 「うおぁああああ!?」 そしてマリオのメタトールも、腕がちぎれかねない速さに驚き、機体が悲鳴を上げる 「・・・・」 その先にいたのは、不死身のアデレードの異名を持つ不死身の女、アデレード・マッドレス駆るランダーUが待ち構えた アデレード自身、やっと戦いの中で死ねると勘違いしていた・・・少しランダーUはズレた位置にいたので なんとランダーUを素通りした、何とか止めて戦わせようと、アデレードはランダーUの腕を伸ばした・・・ 「ぎゃー!?おいヒースつかまったぞ!?」 「何っ!?くそっこれじゃメタトールが!」 そして移動が止まる、ランダーUの中のアデレードはホッとして、禁忌にライフルを向けて発射し始める それだけではない、重ギガトンランチャーと中型カノンも迫り、マリオがこのままではやられてしまう 「くそっマリオ隠れろ!」 「おーコエーコエー気をつけろヒース、あの強運は女を捨てた女、不死身のアドレードちゃんだぜ!」 「不死身のアドレード・・・」 何とか盾でランダーU軍団の攻撃を防ぐも、あまりにも火力が高い、マリオのメタトールが電磁波を撃つも それは一時的でしかない、2機のランダーがヒースに迫り来る! 「くそっ邪魔するなぁ!」 ランダーUの腹をランスで殴ると、ランダーUのコックピットに鋭い衝撃が走り2機は倒すも 「・・・・!」 不死身のアデレードのランダーUが突撃を仕掛ける、この死を恐れぬ攻撃は功をなした 禁忌の腕にランチャーが槍のようにあたり、盾が落ちてしまったのだ 「くそっうぁああああ!?」 その後ランダーUのミサイルが連射、さらに中カノンを撃ち付けて禁忌を吹き飛ばした 「ゲェー!?やっべぇ!!」 メタトールが慌てながら何とか逃げるため、電磁フィールドを張るため爪を展開する 「・・・」 ザコに用はないとアデレードはマリオのメタトールにパンチを食らわせ、そのまま禁忌へ向かった 「アウチ!・・・あぁ(以下女の名前が延々と) マリオは先立つ不幸を今までナンパした女達に詫びつつ、一向に気絶しなかった その頃にもランダーUは禁忌に残りのミサイルを発射、デッドウェイトを避けるべくユニットを切り離した 「くっ・・・まだ来るか!」 禁忌が今度次元層から取り出したのは大斧だった、斧によるなぎ払いは剣と違い、強き強力が銃弾を弾く 「・・・っ」 アデレードは本気で嬉しかった、今までありとあらゆる強敵と戦い、国のトップすら恐怖させる不死身っぷりで 死を恐れず特攻、そして粉砕する彼女はこの、史上最強の賞金首の強さを確認し 重ギガトンランチャーを乱射する、ランダーでは無理だがUの性能なら、走行しながらこの重兵器を使えたのだ すさまじい轟音の後、禁忌の大斧は宙を舞い次元層へ帰った、かき消せたが吹き飛んでしまったのだ 「・・・・―――!」 中カノンでけん制しながら、ランダーUは禁忌に確実に迫る、禁忌の装甲の硬さゆえ沈みはしないが 衝撃はかなりのもの、ヒースは苦しみの声を上げながら、剣を取り出し中カノンを弾き始める 「・・・」 中カノンの弾もつき、ランダーUからパージされると今度は、すさまじい速さでランダーUが迫る 重りになる重火器がなければ、ランダーUはキャタピラですばやく動けるのだ 「早いな・・・一騎打ちか!」 ランダーUのヒットアンドアゥエイが始まる、コンバットナイフで禁忌の体を切り裂き、そして離脱する 並みのパイロットならあまりの過労に、長時間は無理だが「不死身のアデレード」ならできる 「っっっっ!!!」 楽しそうにアデレードは笑いを浮かべる、禁忌がコンバットナイフを捌き、刃と刃が火を打ち踊り始める 「くそっせめてナイトメアサークルが使えれば・・・!!」 禁忌の必殺技、ナイトメアサークルなら、ジャンプ性能の低いランダーUを落とせる だが、だが盾は今遠くにある、取りに行っては絶対に後ろから刺される、大ピンチである! 「くっ・・・」 「ぁ―――!!」 いつまで受身な禁忌に業を煮やし、ランダーUは禁忌の胸に突撃した。禁忌は後ろに吹き飛び、体制を立て直すもふらついていた 「っ・・・ぁ・・・」 あまりの衝撃に禁忌は動けない、がっかりしたようにアドレードが禁忌にナイフを突き出す、危ない!! 「うぉしょっと、お届けもんだヒース!」 そのときだった、マリオのメタトールが盾を禁忌へ投げた、そうマリオは動くつもりはなかったが 危なそうな禁忌を助けて逃げるべく、盾を取って投げたのだ! 「ありがたい!」 禁忌がジャンプして盾を取ると、ランダーUをまずは盾で殴る、盾は防具以外にも殴ることもできるのだ そして殴られたウォードUの頭部はひしゃげる、メインカメラが壊れただけだが、アドレードは希望を感じた まだだ、まだ敵は自分を殺せるかもしれないと 「やっちまえヒース!早くお宝ゲットだー!」 「あぁ!伏せてろ!クレセント・・・」 禁忌が剣を盾へ差し込む、何が来る?ランダーUのアデレードは期待を胸に、コンバットナイフで禁忌へ切りかかる 「ナイトメアサークル!!」 暗黒皇子ヴェータとの戦いで見せた、ナイトメアサークルの前方版が、ウォードUの重装甲へ突き刺さる 「っ!!!!」 ランダーUがナイフで防ぐも、ナイフは俺ランダーUが吹き飛んだ 「いやったぜぇ!これで敵も追いかけちゃこねぇ!世話になったな」 不死身のアデレードの敗北が大きいと踏んだマリオは、メタトールに万歳をさせてどこかへ向かう 「まてマリオ宝はどうなるんだ!」 「あーゴメンあれ嘘なんだわ、じゃーなー」 禁忌に青筋が浮かぶ、ヒースが再度ナイトメアサークルを構えた 「クレセントナイトメアサークル!」 「ぎにゃあああああ!!」 マリオは星になった(吹っ飛んだ的意味で)夜空にはマリオの笑顔が浮かんでいた・・・ 「・・・さて、俺も逃げるか」 「・・・・?」 私は・・・死ねなかったか、奴なら殺してくれると思った。戦い以外でむなしい私は・・・ 「・・・」 暗黒皇子か、それともスイギィランドの女王か、カメリアという手もあるが・・・ 「・・・OTZ」 全員戦ったことがある、ちょっと泣きたくなってきた 「アデレード大尉ー!!」 迎えだ、私はまた戦場へ向かうだろう・・・そうだ全てを死に導く盾は開かれなかった 「・・・」 私がまだ未熟だからだろう、腕を上げねば・・・奴の盾を使わせるために。 私はランダーUのスクラップから出て、救護班に手を振った、今は生きて次の戦いに備える 「うぇー・・・」 吹っ飛ばされた・・・俺どうなったんだ・・・? 「ここは・・・センサー確認・・・イエーイ!西ヴィルゴじゃん」 7王国機構の一つ、西ヴィルゴに飛ばされていた、いやったねここ美女ぞろいじゃん! 「やっほう!待っててマイハニーたち!」 俺はメタトールから降りると町へ走った、ナンパじゃナンパじゃー! その頃NIにて 「さて、捕獲作戦の準備は?」 「大丈夫ですドラグノフ主任!禁忌捕獲作戦は可能です!」 「最新情報はウォードだ、今すぐ先遣部隊を!」 「ハッ!メタトール部隊準備せよ!」 どす黒い作戦のにおいがした・・・