今までのダイジェスト ヒースは記憶喪失のロボット、自分がロボットである事すら忘れ、相棒のロボット禁忌と共に 世界を回って記憶探しの旅へ、途中戦争に絡まれて身を守るために、戦っているいろんな国の部隊フルボッコ そんな事したせいで、危険人物にされて記憶探しも一苦労、そんな彼を拾う国もあったが一苦労 旅をしまわって、自分がロボットである事を知りさらに旅をして、雪国で去った国の皇子様と再会 友人になったり、お父さんの敵討ちの旅をする少女とあったり、大ピンチを二人に救われ 去った国に戻ったり、色々大変なのだった、そんな中皇子様の国が敵と和平するから それにボディガードでついていって、帰るところまでやってきた。 「・・・」 町はどこかパレードのような有様だった、道路の横の歩道には人が沢山いる、テレサや俺達がお目当てらしい この前の戦いでずいぶんと活躍したからな、俺達闇黒連合組みも・・・ 馬車の中のヴェータやウェンディを見ると、ヴェータはどこかウェンディから恥ずかしそうに逃げてるし 蒼紫とバルスはだんまり、外の人に手を振ってやったら?と言ってみたが 「ヒースがやりゃいいんじゃねーか?人気出るぜ?」 「だね、今回の功労者だし。」 やばい、こういうのは良く分からないから、ヴェータとウェンディに助けを求める 「なぁ二人は・・・」 「断る、こういうのは苦手なんだ。」 「私もかな、ヒースやっちゃいなよ。」 希望が消えた、しょうがない・・・俺は窓から出て、手を振ってみるといきなり手を伸ばしてくる 「わっ!?どうすればいい!?」 すぐに窓から馬車の中に逃げると、バルスが冷静に対処してくれた、どうやら手に触ってあげると良いらしい。 何と言うか、一昔前なら考えれないな・・・俺は、いろんな人とタッチできるように窓から乗り出す 「ははは、連れ去られるなよー?」 「ヒースならありえなくないな、気をつけ・・・」 ときすでに遅し、俺は民衆の腕の上を流されていた、馬車に戻ろうにも 動いてドスンじゃしゃれにならない、如何するべきだろうか。 「ヒース!?あー・・・まぁ、あのまま運んでもらって良いよな?」 「・・・しょうがないさ、不運な事故だ。」 「そうだな、しょうがないさ・・・頑張れヒース!」 「あちゃー・・・手が届かないや。」 どうやら救出が無理らしい、俺が伸ばしたては民衆に掴まれ、俺は流されるように港へ向かう 何と言うか、迎え入れられたようで嬉しいんだが、この状況は恥ずかしい。 「なぁ港まで頼めるか?」 「大丈夫さ、んにしても髪の毛ふさふさだな」 さて、恐ろしいほど以外に(髪触られまくったけど)港に着いた、港には・・・ 何だこれは、巨大なクラゲ型の戦艦・・・と言うべきか 「何とか間に合ったなヒース。」 「あぁ、あれが?」 ヴェータに合流して、戦艦クラゲを指差すと、ヴェータがうなずいた 俺達がダークネスフォートレスへ向かうと、バルスと蒼紫と見知らぬ人物が数人いる・・・何と言うか 全員が全員、強い・・・確実に俺の本能がそう告げている 「おいおい!護衛多すぎだろ!?大暗黒八武将がほぼそろってるぞ!?」 「久しぶりに再会できたけど、流石にびっくりだな・・・」 「どうしたバ・・・まて、何だこの護衛の多さ!?」 ずいぶんとヴェータとバルスと蒼紫が驚いてる、ウェンディは・・・アリシアたちと別れを惜しんでた。 「八武将の半数だね。」 「それだけ今回の護衛は重要らしい、俺まで出ると思ってなかった」 良く分からないが、獣人が二人、よっぽどなのかヴェータとバルスが驚いてる 「男らしくなったじゃない蒼紫、それで・・・そっちがヒース?」 「・・・人間くさいロボットだな、機械の匂いがしない。」 全員正装で、一人は軍服を着てるがどこかイヤそうな顔をしてる犬の獣人、もう一人は・・・獣人なのか謎だが たぶん狐の獣人の女性、バクフ国の服を着てる・・・いや、恐らくあれは髪型で獣人じゃない? 「まさかここまでとは、えっと・・・ヒースは大暗黒八武将を知ってるかな?」 「えっと・・・闇の国の強い8人でいいのか?」 正直言うと、そんな風にしか考えてないのが内心だ、闇の国で戦いに長ける8人の将軍そんな感じに考えてた 「大体そんな感じか、バルスと僕とこの2人もそうだ。」 「ふーん・・・っておい、何でそんな強いのが?」 この和平が大事なのは知ってるが、戦力を集中させすぎではないだろうか、いやこれが凄い大事なのは知ってる だが暗黒八武将4人?挙句ヴェータまでいるのだし・・・戦艦もでかい 「前回のカリメアのが、ずいぶんと危険視してるみてーだなこりゃ。」 バルスがやれやれ、と言った感じにダークネス・フォートレスを見てた、カリメアか・・・ 正直今度来たら、役立てる自身がない・・・盾を使うか、盾を乱射すれば・・・ 「そうだヒース、テレサが呼んでたみたいだぜ?」 「テレサが?どっちだ?」 バルスが指差す方向は、荷物があって邪魔だった・・・しょうがない、俺は少し足に力を込めて 荷物に飛び乗りながら、テレサのいるであろう場所へ飛び急いだ。 荷物から荷物へ飛び乗って、やっとの事でテレサを見つけて、そのまま飛び降り・・・たはいいが もう少し確認するべきだった、大衆の前で偉い感じの軍人の前だった。 「しまっ!?」 「あらヒースさん、よかった間に合って・・・」 「良くはないです!いきなりこんな無礼を・・・」 大衆の前だし、俺はテレサに敬語を使ってしゃべるもテレサは、いつもどおりのしゃべり方で焦った 「ヒースさん、今から簡単ですが授装式を始めます。」 授装式?何がなんだか分からないまま、テレサが俺にマント・・・いやコートを羽織って、良く分からないが 俺に何か言うと、それで終わりらしい、周りがワーワーと騒いでいた。 「何をしたんだテレサ?事情がまったく読めん。」 俺が少し焦り気味に、テレサへ小声で訴えると、テレサも小声で分かるように話してくれた。 「護衛の任命式みたいなものです、そのコートは任命された証とでも。」 「なるほど、俺は何かしなきゃいけないか?」 テレサは首を横に振り、俺はそれで安心するとこの後如何するかを聞いた、どうやらテレサが入るまで一緒らしい。 テレサとアリシアが別れを惜しみ、抱き合ったり、機士団の皆が旅の無事を願ったり イヤにカメラの音やフラッシュが煩い、大体終わった所でテレサがダークネス・フォートレスへ、入っていく 俺も後を追い、テレサへとついていく時、後ろから俺に向けての声がした 「ヒースさん!お母様が迷惑をかけるかもしれないけど、どうかお母様をお守りください!」 「ひーすさーん!テレサ様をお願いしますね〜!ばいばーい!」 「こらこら団長、ヒース!テレサ様の無事を改めて預ける、守りきれ!」 アリシアにローザとマークだ、俺に手を振ってる、きっと別れの意味も含めてだろう、俺も手を振りかえし テレサの後をついていく、案内役の兵士がテレサの部屋まで案内し、ドアを開けてくれた 「ご苦労様です、場所は分かったので後は、ヒースさんに任せてください。」 「承知いたしました、よい船旅を。」 テレサの後に続いて、俺が部屋に入ると・・・驚いた、部屋の中は小さくなった王室と言うべきか。 日当たりも良い・・・呼び鈴もある、なんとも・・・? 「何故ベッドがキングサイズなんだ?しかも枕二つ」 「ヒースさんもここで寝泊りするからですよ?」 あぁ・・・なるほ・・・ん?待て、なんだかさっきさりげなく、さりげなくさらっと・・・ 「もう一度頼む。」 「ヒースさんもここで寝泊りするんです。」 さりげなさ過ぎる、護衛だからって同じ部屋に泊まるか?テレサは確実に保険の授業がやばかったな いや絶対0点だ、少し頭が痛くなる・・・幸い、俺には性欲とかそういうのはないが。 「テレサ、もう少し深く考えるべきだと思わないか?」 「深く考えましたよ?ヒースさんがすぐ近くなら安心だし、ヒースさんはそういう人ではないもの。」 俺の目をジーッとみて、テレサは真剣な顔をしていた、なるほど・・・流石王族だ、俺に性欲の類がないのを勘付いた。 しょうがない・・・、俺がテレサに着替えの時とかはいないと言うと、テレサもしぶしぶだが了承してくれた。 「皆と会いたいでしょうし、会いに行って良いですよ?」 「護衛は如何するんだ?」 「大丈夫でしょう、夜以外は心配ないかと・・・夜は一緒にいてくださいね?」 まぁダークネス・フォートレスの中なら殆ど安心か、テレサを暗殺しても何の意味もないしな。 「分かった、けど鍵はちゃんと閉めるんだぞ?」 「分かってますよ、それにもしもの時は魔法使って逃げます♪」 テレサがそういうと、部屋にあった杖を持ってにっこりとする、そうだったテレサはとんでもなく魔力が高く そこらの暗殺者じゃ、返り討ちにあうのがオチか・・・、ここは言葉に甘えよう。 「けど鍵は閉めて置けよ?後勝手に外出禁止、服はもう少し露出の少ない物で俺の護衛つきだ。」 「はーい」 俺が出て行くとき、念のため鍵を閉めたが・・・まぁ、大丈夫だろう・・・うん 「と言うわけだったのさ。」 「大変だなお前も、その分僕らはのんびり出来て楽だがな。」 「ふっ気楽に言ってくれるな、まぁ頑張るしかない。」 これまでの事を休憩所でヴぇータと話してた、本当俺は気が抜けない、勝手に出るなと言って置いたが・・・ 「ハハハ!大変だなヒース、人妻襲うんじゃねーぜ?」 「バカ!そんな事するはずないだうが!大体俺には性欲の類はない! はずだ」 ウェンディの裸でも興奮しなかったんだ、たぶん俺には生殖機能の類はないはずだから、性欲もないはずだ。 「ケッつまんねーな、まぁそのほうが安心できるがな。」 「バルス、もう少し小声でしゃべれ・・・下々に聞こえたら如何する、下品だ。」 「安心しろよヴェータ、下品じゃない兵士なんて早々いねーさ。」 ヴェータが少し赤くなり、バルスが深く腰掛けて天井を向き笑ってる、同じ王族でも正反対だな・・・ 「っとと・・・そうだヒース、イリと狗威が呼んでたぜ?」 「?誰だ??」 「あぁ分からんか、さっきお前に話かけてた奴らだ。」 なるほど、大暗黒八武将の3人か・・・俺に何のようだろうか、いきなりケンカを売るなんて事はないと思うが 俺の様子見かそれとも、ただ会いたいだけなのか・・・ 「案内するぜ、お前この中よく分からないだろうし。」 「あぁ、頼むバルス。」 バルスが席を立つと、俺はバルスの後をついていき休憩所を後にする、ダークネス・フォートレスの中は広大で 迷子にならないか心配だ、特にテレサだが・・・いや、あぁ見えて、彼女はかなりの賢者だと聞くし大丈夫か バルスの後をついていくと、どこか大きな部屋に到着する、さてどうなる・・・ 「おーい、つれてきたぜー?」 バルスがドアを開けると、中には・・・・! 「あら、やっと来たのかい?待ちくたびれたわ。」 「イリ!人がいる時、胸を乗せるのはやめろ!嬉しいが恥ずかしい!」 「蒼紫は乳好きなのは、ディオールに行っても変わらないか・・・」 混沌としてた、さっきのバクフ国の服を着てた女性は服を崩して蒼紫の頭に胸を乗せ、犬の獣人はやれやれとしてる 「アタシは大暗黒八武将の一人、狐狸=イリよろしくたのむよ。」 「同じく狗威ワドックンだ。」 狐の女性はイリ、犬耳の男性は狗威というらしいが・・・イメージと全然違う、何と言うか空気が軽い・・・ 「ほらほら蒼紫、パフパフしてあげるよ」 「まってイリ!この状況じゃ恥ずかしい!見てないで助けてくれ狗威!」 「久々のイリの感触だ、楽しんでおけ。」 イリが蒼紫の頭を胸で挟んで、蒼紫が赤くなりながらも嬉しそうに逃げようとする、それを狗威が傍観してバルスはこの状況を笑って楽しんでる。 「・・・なぁバルスよ、大暗黒八武将はいつもこんな感じなのか?」 「ん?あぁ久々だからさ、いつもは真面目だぜ?あぁやる時は真面目だ。」 「・・・そうか。」 まぁ蒼紫が久々に帰ってきて、きっと嬉しいんだろう・・・うん、きっとそうだ。 「くっ・・・」 「ほーら久々のパフパフで嬉しいだろ?」 蒼紫には悪いが、久々の再開だし助けないで置こう・・・俺は帰ろうと思った、だがその前に狗威が俺の前に出た。 「何だ?」 「・・・機械とは思えないな、人間の匂いしかしない・・・髪なんて凄く人間臭い」 クンクンと鼻を鳴らして、狗威は俺の体の匂いをかい不思議そうにしてる、人間の匂いか・・・ だがシェルザバーストでは、俺がロボットだと見抜かれたし・・・あぁ、そうか 「ここに来るまでに、沢山の人に触られたからそれでだろうな。」 「ふむ・・・体洗ったら機械臭くなるのか?」 狗威が俺の匂いを嗅ぎ終えて、たれた耳をピクリと動かしつつ首を傾げる、まぁそうなるかもしれない。 「たぶんな」 「そうか、ヘルキャットと同じなんだな・・・あぁ、ヘルキャットは俺の母さんだ。」 「母さん?お前の母さんも俺と同じでロボットなのか?」 ちょっと驚いた、どこからどう見ても獣人だが・・・ 「あぁ、意思がある機体で俺の育ての親なんだ。」 「ふむ・・・なるほどな、珍しい関係だな」 「少し怠け癖が酷いけどな」 それは大変だな、とお互い苦笑していた、青紫といいバルスといい、案外気さくなんだな大暗黒八武将って・・・ 「俺はそろそろ帰る、またな狗威。」 「あぁ、まあ会うとしようヒース」 狗威たちに別れを告げ、俺はテレサの所に戻るとした、待たせすぎると拗ねそうだ・・・後に残ったのは 「まってイリ!やるなら人がいない所で!見てないで助けてくれ狗威!バルス!」 「お姉さんを焦らさせるんじゃないよ♪」 蒼紫の嬉しそうな悲鳴と、イリの楽しそうな声・・・後は バルスが愉快そうに笑ってなんとなくだが、狗威がため息をついてる気がする。 さて、とっとと帰ろうと思ったがそうも行かなかった、途中でヴェータとウェンディが 「待ってよヴェータ!」 「・・・・」 たぶんケンカしてるのか、ヴェータがウェンディから逃げてた。 「一体如何したんだ?」 「なんでもない、今はウェンディと話したくないだけだ。」 不機嫌・・・ではないな、どちらかというと焦ってる感じか、隠してるが慌ててる感じで 「・・・あの時の事、怒ってる・・・?ゴメン・・・」 何か知らないが、ウェンディがしょんぼりとヴェータに頭を下げると、ヴェータがあたふたし始めた 「ち、違う謝るな!その・・・」 「それなら何なの?」 ヴェータが俯く、理由は何か知らないがヴェータが取り乱すなんて珍しい・・・ 「とにかくだ、僕は今・・・そう、バルスに用があるんだ。」 「なんだ・・・一緒に探してあげる!」 一瞬ヴェータがゲッとした顔になり、しばらく考え込んだ後、いいと言って走り去った。 「あっヴェータ!行っちゃった・・・」 「何かあったか?けんかしたとか。」 ウェンディは首を横に振る、何があったんだ・・・ウェンディのドレス姿を見て、ヴェータが見惚れたりしてたが 今のウェンディは普通の服だし・・・・もしかして、思い出して恥ずかしくなったのか? 「はぁ何で逃げたんだろ?」 「さぁ・・・行った場所なら見当がつく、教えるか?」 「あっ教えて!ヴェータに話したいことがあったの。」 俺がさっきの部屋への道を教えると、ウェンディは走りながらありがとうと言い、早足に去っていった さて、少し時間をかけてしまったけどテレサは拗ねてないと良いが・・・ 俺はテレサのいる部屋へ急ぎ、テレサの部屋の前でノックをする、返事がない・・・まさか勝手に出て行ったんじゃ! すぐにポケットから鍵を出して、ドアを開けると部屋の中には・・・・ 「テレサ!?」 「ヒースさん遅いです!」 あぁ、どうやら怒ってて返事がなかったらしい、ベッドの上で熊のぬいぐるみを抱えて寂しそうにしてる 拗ねてるな・・・悪い事をしてしまった 「すまん・・・」 「一人だから寂しいのに!ヒースさん酷いです!」 「悪かった、けどそんなに怒らないでくれ・・・」 俺がベッドに近づくと、いきなり抱きついてくる・・・突然だったから、俺はベッドに倒れこんでしまう テレサが俺を押し倒す形になり、そのまま胸に顔をスリスリとしてくる 「しばらくこのままじゃなきゃイヤですからね♪」 「・・・分かった、だがテレサ娘と二人きりの時はいつもこんなのなのか?」 「うん、アリシアは子離れしなさいって言って、このごろ・・・」 なんとも特殊だな、親離れが普通だと思うが・・・、子供のようなテレサを抱きかかえながら撫で。 俺は少しため息が出た、いつものテレサはしっかりしてる・・・が、心が許せる相手と二人だけだと まるで人が変わったようだ、どことなくレヴィア閣下に似てる、この二人絶対仲良くなると確信できる。 「けどね、アリシアってば放れる時泣きそうで・・・」 「そりゃ母親一人、遠くの地に行くんだから寂しくもなるさ。」 「それが嬉しかったの、まだお母さんの事思ってくれてるんだって。」 俺はテレサが話しつかれて、ダンダンと眠るまで話を聞いて、眠りにつくまでずーっと撫で続けた 寝たのを確認して、俺がそっと抜け出す時、テレサは幸せそうに眠っていて 撫で続けて少し疲れたのが、報われた気がする・・・が、これから何度かこんな目に会うと思うと少しへこんだ あぁ・・・暗黒帝国まで後どれぐらいだろう・・・、沈む夕日を見ながら、俺はテレサにタオルケットをかけた 続く