「はぁ・・・」 ヴェータ、私の事嫌いだったんだ・・・けどいいや、未練が絶てたし 変な気持ちで好きだった、私にバチが当たっただけだもん 「さて、次はどこに行こうかな・・・」 けど、けど悲しくて・・・悲しくて涙が落ちてくる、受け止めてくれる人はもう居ない 「っ・・・ぐっ・・・・す・・・」 ヴェータの暖かさが、思い出すと苦しくて・・・あれは嘘だったんだ、暖かかったけど 本当はヴェータはイヤで、私しか暖かくなかったんだ・・・ 「ヴェータ・・・・うぅっ・・・ヴェータ・・・」 面影を追い求めるように、自分を抱いて泣いて・・・泣いて、泣き続けて・・・ 忘れよう・・・ヴェータの事は、もう・・・ 前回のあらすじ ヴェーくん暴走!テレサ様とレヴィア様が類ともで仲いい、ヒース頑張れヒース 「・・・」 さて、レヴィア閣下とテレサが戯れてからお風呂に入って、現在パジャマとネグリジェに着替えて寝る所らしい 寝たら護衛は大丈夫だから、寝てていいよと言われた、初対面・・・まぁ手紙でやり取りしてたからか だがそれでも一緒に寝るとは、よほど仲が良くなったんだな、あードアの中から会話が 「テレサ胸大きいですよね・・・」 「大丈夫よレヴィア、それだけ大きいのに羨ましがると、私の娘に恨まれますよ?」 さて、とっとの撤退だ、もう寝るだろうし俺は逃げるぞ、さぁ俺の部屋に帰るぞ俺! 「柔らかい・・・ふわふわでマシュマロみたい・・・」 「きゃん!そこ揉んだらダメです!下から持ち上げるようにしてください・・・」 「あっごめんなさい・・・ふぁっテレサも揉みすぎないでください!」 さぁ!逃げろ俺!禁忌の指を出させて空中を走る、途中人目に見られても気にしない! 俺は脱兎のごとく逃げた、聞いてるこっちが恥ずかしかった・・・ 「ふぅ・・・」 逃げ切った先で、俺は冷や汗をかいてる寝る時まで聞いてたら、きっと胸トークで凄い事になって 恥ずかしくなる、安心して部屋に戻ろうと思ったが、ふと足が止まった ウェンディの部屋から泣き声がした、泣いてる・・・のか? 「ぐすっ・・・はぁは・・・うぁ・・・ヴェータ・・・」 何があったんだいったい・・・そっとしておこう、下手に入っていっても失礼だろうし 俺は自分の泊まってる部屋を空ける、さて今日はさっさと風呂に入るとするか・・・ ウェンディの泣いてる理由が気になる、ヴェータに何か関係してるかもしれないし、明日にでも聞いてみよう 俺は部屋に入って、寝るかどうか悩んだが寝なくてもいいのだし、椅子に座ってじっとしてた 「・・・・」 それから30分ほど、ウェンディの泣き声もやんで、俺は外の眺めていた・・・綺麗な夜だ。 風が心地いい、ぼーっと星を眺めてる・・・っと、いい物が見えた 「朝日か・・・もう6時間ほど時間がたったのだな・・・」 日の光が、だんだんと出てきてあたりを照らす、暗黒帝国といっても日の光は差すんだ 美しい・・・月明かりと違う、暖かな光に包まれていく世界を俺は、空に太陽が上がるまで見惚れていた 「・・・ふっいいものだな・・・っと、確か7時には起きるからその前に行くか。」 現在5時44分、少し早いか・・・朝風呂でもするか、俺はシャワールームのドアを開けて 服を畳んでシャワーのダイヤルを回し、お湯が出るまで水を浴びる・・・冷たいが、それが心地いい 「ふぅ・・・今日は色々ありそうだ。」 「・・・」 涙が止まらなかった、清々したはずだった・・・ウェンディを傷つけて、それが悲しいのか・・・ 涙で汚れたベッドでも、泣き疲れた僕には関係なく、僕を眠りの中へいざなった 朝になって、鏡を見て自嘲してしまった・・・涙の後で、酷い顔になってた 「そんなに悲しかったか?」 まだ悲しいらしい、鏡の中の僕の目は寂しそうだった・・・けど、これでいい これで、ウェンディは僕を嫌っただろうしきっと、きっとこれでいいんだ シャワールームに入り、水で目を覚めさせる・・・だんだんとお湯になり、本来なら洗顔料で顔を洗うが また泣いてる、お湯と一緒に流れて気がつかなかったが、僕はまた泣いてた、手につけた洗顔料は 顔につける前に、呆然と泣いている間にシャワーで流れていった。 「ウェンディ・・・」 傷つけたウェンディの事を思い出し、涙が流れてくる・・・ウェンディも、こんなに苦しい思いをしてるのだろうか? 自業自得かもしれない、僕が彼女にこんな悲しみを与えるくらい、酷い事をしたんだ・・・けど 後のためだ、これ以上苦しいままじゃきっといろんな事に支障をきたす、好きだと言っても彼女が好きかも分からない なら、いっそここで断ち切ったほうがいいんだ・・・僕は、自分に言い訳するように言い聞かせ 涙が止まるまでシャワーを浴び続けてた・・・ さて、ドアの前でしばらく待っていると、ドアの先から物音がした起きたんだろうな 「ふぁぁ・・・テレサ起きて、朝ですよ」 「んっ・・むにゃ・・・ふぁ〜・・・」 あぁ、レヴィア閣下はどうやらテレサに抱きつかれたらしい、しばらく待ってると、ドアが開いた あぁ、ちゃんと整え・・・ん?何か違う・・・あぁ、なるほど 「二人とも、服取り替えたんですか?」 「「えっ?」」 あっ素で間違えてたらしい、俺も素で間違いかけた、昨日のドレスの事もあったし、もしも昨日のドレスだったら 確実に間違えただろう、二人が部屋に戻って数分、元の格好でやってきた 「それでは行きましょうか、会議室は・・・」 「ん?待ってくれレヴィアかっ・・・レヴィア、朝食は?」 あっ二人がまた忘れてたらしい、部屋に戻っていくとメイドが朝食を運んできた、一応チラっと目の色を濃くして 調べてみたが・・・大丈夫か、二人分のどっちにも毒なんてあるはずがなかった しばらくして、二人がまた出てきた、今度は忘れ物はないし大丈夫だろ・・・あれ?やっぱり違和感がある 服は間違いなく大丈夫だし、顔には何もくっついてない、一体何が・・・あっそうか 「レヴィアとテレサの髪飾りが逆なのか。」 翼の形のティアラをレヴィアが、三日月の髪飾りをテレサがつけていた、だが二人とも笑って返した 「これはわざとなんです♪ダクエルちゃんやマアレシュさんを、驚かせるつもりなんです。」 「そうなんですよ、まだあってないから失礼かもと思ったけど、レヴィアが提案したし安心して。」 なーるほど、顔だけ見れば違和感がない、服のせいで違和感があるが合わせた服を着たら 違和感どころか似合うだろうな、そんな事を考えながら、レヴィア閣下に着いて行く形で 会議室まで行く途中、バルスとヴェータが居た、バルスが手を振って それをレヴィアとテレサが返す・・・ヴェータを手を振ってたが、何と言うか・・・元気がなくうつろだ 「ヴェーくん如何したんだろう・・・」 「弟さんですよね?なんだか元気がないみたい・・・」 ウェンディの事で関係あるんだろうか?会議室前に着くと俺は外で待機を命じられた、テレサが入った後 レヴィアが俺に頼みごとをして、会議室の中へ入っていった、その頼みごとは・・・ 「ヴェーくんがなんで落ち込んでるか、調べてか・・・」 早速ヴェータたちに合流した、会議室近くの待合室に二人はいてバルスが、ヴェータに如何したのか 何かあったかたずねているが、ヴェータは横に首を振り力なく「なんでもない」と言ってる 「何があったんだか、全然わかんねーよヒース・・・」 「俺もだが・・・心当たりがあるんだ。」 ヴェータから離れた場所で、俺はバルスにウェンディの事を話してみた、バルスもそれなら心当たりがあると 話してくれた内容は、ヴェータがウェンディの事が好きだってことだった、意外で驚いた そして、もう一つはウェンディの事を忘れようとしてたと言う、バルスと少しまとめてみた 「えっと、つまり・・・まずヴェータはウェンディが好きなんだよな?」 「あぁ、それで忘れたがってた、もう一つは・・・ウェンディは泣いてた。」 これを全部あわせても、俺には全然わけが分からなかった、なぜヴェータが忘れようとしてるのかも ウェンディが何で泣いてたのかも、まったくわけが分からない・・・が、バルスは分かったようだ 「大体分かったぞ、ヴェータの野郎一番暗い事を・・・」 虫が悪そうにバルスがはき捨てる、何なんだと聞いてみると、理由は恐ろしく暗いものだった 「ヴェータはウェンディを忘れたがってる、ウェンディもヴェータとは親しいんだよな?」 「あぁ、そうだがそれがどうかしたのか?分からん」 「ヴェータはウェンディの事忘れるために、何かしたんだよきっと、それでお互い傷ついてあぁなった。」 なるほど、それならウェンディが泣きながらヴェータと言ってたのも ヴェータがまるで死人のようなのも分かる、だが解決方法が分からない 「こればっかりは本人しだいか、といいたいがヴェータにちゃんと聞かないとな。」 「あぁ、慰めれるか分からないが何か手助けが出来るといいが」 俺達はヴェータの座ってる席の反対の席に座り、静かにヴェータへとしゃべり始める、ヴェータは話を聞いてるだろうか? 「ヴェータよ、お前ウェンディと何があったんだ?」 「・・・」 「昨日の夜ウェンディが、泣いてたって聞いたぜ?」 「・・・さぁな。」 ため息をつきながら、鬱病患者のようにヴェータが何でもないと言う、バルスは柔らかく ヴェータに何があったかを聞き続ける、俺だと逆効果かも知れないし、バルスに任せよう・・・ 「・・・ヴェータよぉ、お前のねーちゃんも心配してんだ、本当の事言ってくれよ。」 「聞いた所で、暗くなるだけだぞ?それでもいいか?」 力ないヴェータに、バルスが首を縦に振りヴェータが、ゆっくりと事情を話し始めた 「ウェンディを忘れようとして、ウェンディに酷い事を言ってな、出て行けって・・・」 「おいヴェータそりゃ・・・お前、それでいいのか?」 「ふっ良いに・・・決まってる、僕は暗黒皇子なんだ・・・」 バルスが震えてる、怒りでだろうか・・・ヴェータはただ俯き、悲しそうに だがどこかどうでもいいように、ため息をついていた 「ヴェータ、二つ言っておく・・・本当に好きな相手は、絶対に忘れられねぇ。」 「・・・」 「そしてだ、お前このままウェンディを忘れようとして、ウェンディから避けてたら・・・永遠に後悔するぞ。」 そういうと、バルスは待合室から出て行ってしまった、ヴェータが心配だが俺はバルスを追う事にした 一人ヴェータを待合室に残して、俺は少しだけ心配になったが、バルスに如何するか聞いておきたい 「バルス、どうするんだ?」 「あいつしだいだな、俺じゃどうしようもねーよ・・・」 悔しそうなバルスが、適当に待合室から離れた場所の壁に寄りかかり、どこか寂しげに 窓の外を見ていた、そしてバルスが俺に独り言のように話しかけた。 「ヴェータの奴の、初めての恋が・・・あんな暗い形で終わると思うと、苦しくてな・・・ 俺が生きてるうちに、あいつが好きな女と幸せになれるって思ったんだがな。」 はぁっとバルスがため息をついた、バルスは静かに去っていった・・・俺は、少しだけ悩んだが 如何する事も出来ないと思い、話し合いが終わるまで、静かに待つしかなかった 「はぁ・・・」 朝になっても、外に出る気分が出ないや・・・朝になっても、カーテン開ける気が起きない 食堂に行ってご飯食べる気も、何もかもが無気力で・・・けど起きないと このままじゃ居られない、こんな落ち込んでたらお父さんの敵討ちも、できないや・・・ 「・・・わー、凄い泣き顔」 何とか起き上がり、鏡の前に立ってみると我ながら、びっくりするぐらい顔が凄い バカみたいに泣いてたから、涙の後が凄くて・・・シャワー浴びよう、髪の毛も涙吸って凄い汚れてる 服脱いでシャワー浴びようとしたら、冷たい水が最初に出てきてびっくりして、ダンダンと暖かくなって 優しい暖かさで、ヴェータの胸の中を思い出した、自分に泣きたくなった 「・・・パーティまで元気出さないと。」 ドレス見せてっていわれたし、パーティが終わったら、ヴェータの事は忘れてまた旅を続けよう。 何とか元気を出して、体を洗い始める、あー・・・シャワーが気持ちいい・・・ けど・・・苦しい、頭の中でヴェータを体が求めてる、抱きしめて欲しいって 嫌われて、もう抱きしめてなんて貰えないのにね・・・ 「・・・」 会議が終わるのを、今か今かと待っていて、やっと終わったらしい・・・ ドアからレヴィアが出てくると、俺は急いでレヴィアに相談する、ヴェータがあぁじゃやばい 「・・・そうですか・・・ヴェータがそんな事を・・・如何しよう、行きたいけどまだ用が・・・」 「しょうがないか・・・パーティの時、ヴェータに何か言ってあげてください。」 「えぇ、ヴェータの目を覚まさせないと・・・あの子、このままじゃウェンディちゃん巻き込んでトラウマを・・・」 俺とレヴィア様が不安になりながら、ややこしい行事をとっとと片付けて、ヴェータを何とかしてやりたい 少しの不安を抱いたまま、俺はレヴィアの後を突いていきテレサと合流し、護衛を始めた・・・ 続く