前回のあらすじ メディナとアリシアが旅に加わって、賑やかになったヒースの旅。 休憩によった湖で新たな敵「邪真結社ディファクター」と遭遇、これを撃退して旅は続く 「今日も良いお天気ですね〜」 「ちょっと暑いくらいね、ヒース、町は見えた?」 「ん?まだだな・・・もう少し行けばあると思う。」 ディファクターとの戦いを乗り越えて、現在、俺達は旅を続けていた 変わっていく景色を見ながら、アリシアの楽しそうな声と、あくびの混ざったメディナの声に 適当に言葉を返した、いつもなら村とかに着くはずなんだが・・・ 「あっメディナちゃん!あっちに鳥の群れです!」 「ん?あら・・・」 鳥の群れが綺麗に群がり、少し太いVの字を作り飛んでいる、わき見運転は危険だし すぐに前を向きなおしたが、少しいやな予感がするのはなぜだ? 「村か町が見つかると良いんだが・・・」 そしてそのいやな予感は数十分後、見事に的中してしまった、雨が降り始めたのだ アリシアとメディナが雨に濡れないからいい、だがこれじゃ1日、荷台暮らしになる。 「二人とも雨漏りしてないか?」 「はい、けどヒースさんが雨に・・・」 「俺は気にするな、禁忌を傘代わりにしてる、それよりもしもの時の為は、荷台で寝るから覚悟してくれ」 できれば村を見つけたいんだが、中々見つからなくて少し諦めてる 窓からメディナも一緒に探してくれてるが、それでも見つからないらしい。 「見つからないわね・・・と言うより、雨で視界が・・・」 「これは荷台で衣食住かな・・・・?」 運がよさそうだ、先に何か見えるし行ってみよう、滑りやすいから少しゆっくり バイクを進めてみると、やっぱり村だった、宿屋があれば泊まれる! 「あっ見つかったんですね!」 「小さい村ね、まっ良いわ早く行きましょう。」 村に入ると雨で人が殆どいないが、他の家に比べ大きいからか、古びて文字が少し歪になった 宿屋の看板を発見、二人と一緒に少し古びたドアを開けて、空き部屋のチェックをすると 何とか泊まれるようだ、俺の部屋を決めて二人に、どこの部屋に泊まるか聞こうとしたら 「それじゃヒースさんと同じでいいです」 「私も同じでいいや、ボディガードお願いねヒース?」 何度目だ?まぁ確かにすぐに守れるし、アリシアとメディナが近くにいたほうが良いが 部屋に入ると3人では少し狭いが、メディナとアリシアは細身だし、これぐらいでも大丈夫か 次元層から荷物を出すが、その前にメディナがベッドに倒れこんで、背伸びをしていた 「んっ・・・ちょっと硬いけどしょうがないか」 「贅沢は言えませんね、お泊りできるだけ幸運と思いましょう。」 王族二人には硬いか、昼食が1時〜2時までで夕飯が6時〜7時か、昼食はそろそろだな 「二人ともベッドはどっちで寝る?」 二つあるベッドのどっちに寝るかで、荷物を置く場所を変えようと思ったのだが 「今日はメディナちゃんと一緒に寝ます、ヒースさんはベッド使ってください。」 「いいのか?少し狭くないか?」 「あ、アリシア?イヤじゃないけど・・・確かに狭いわよ?」 アリシアとメディナの二人には狭くないかと思ったが、寝てみると二人でも案外いける このごろアリシアに抱きついて寝てたからか、メディナもまんざらイヤじゃないらしく 俺はベッドで寝れる事になった、外はまだ雨が降り続いてる、明日は晴れると良いんだがな 「これからどうします?」 「特に決めてない、自由に行動しても大丈夫だろう。」 ベッドで寝てる二人に、そういうと俺は部屋を出てロビーのほうへ向かった、この村の近くに町があるか聞いておこう 話によるとどうやら駅馬車があるらしい、と言っても足があるし、それについて行く事になりそうだな 軽く礼を言うと、部屋に戻っていく事にして、ドアを開けると二人とも横になってる 「ただいま〜」 「おかえりなさい、何かありました?」 「次の町が決まったよ、駅馬車があるけどそれについていけばいい」 イスに深く腰掛けて、二人に飲みたい物や食べたい物が無いか聞いてみると、ちょっと喉が渇いたらしい 「ジュースか?水か?」 メディナはグレープジュース、アリシアはミルクティーと言ったが、自販機でも探そうと思ったが 二人とも贅沢は敵だと、水道水で我慢してくれた・・・二人ともお嬢様どころかお姫様なのに、我慢強くて助かる 「ありがとうな、二人とも我侭言わないから凄く楽だ。」 「いえいえ、旅の身ですものお気になさらず」 「我侭ギャーギャー言うほど子供じゃないわ」 今度、二人に何かしてあげるかと思いながら時計を見ると、そろそろお昼か 二人を食堂まで連れて行き、メニューを見てると、二人とも結構早く メディナがミートソーススパゲティ、アリシアがカルボナーラ、俺はいらないと思ったが 二人が食べないの?と言いたげだったし、ピザを頼む事にした・・・が なぜだろう?メディナがちょっとメニューを見て、固まった感じになっている 「どうした?」 「へ?な、なんでもないわ!早く頼んで・・・」 俺が首をかしげてると、アリシアがメニューを覗き込んだあと、納得したような顔をして 注文を聞きにきたウェイターに、追加で注文を頼んだ。 「追加でアイスクリームのいちごソース和えを、御代は私で払うから良いですよねヒースさん?」 「あっ・・・あぅ・・・」 ちょっと恥ずかしそうにメディナが俯いてる、どうやらデザートのアイスが食べたかったらしい 俺の財布の事を、案じてやめておいてくれたんだろうな、この歳でしっかりしてる 「俺はこう見えても金が有り余ってる、少しぐらいなら贅沢しても大丈夫さ。金は俺が払うよ」 「うっ・・・ん・・・ありがとう二人とも・・・」 それから注文した物が来たのだが、俺の頼んだピザが予想以上にでかい、いや二人のもだ 焼きたてでうまい・・・のだが、流石に一人で食べるのは酷だ、だが二人とも多めだし 「量が多いですねこれ・・・」 「うん・・・」 ピザカッターでピザを切りながら、二人に食べてもらうのを断念すると、作業的にピザを口に運ぶ 3切れ目で気づいたが、美味しいからかそんなに量が気にならなくなってきた、残り4切れも あっという間に食べると、満腹感とで幸せな気分だった、アリシアたちも食べ終わったが 「っふぅ・・・うぅ・・・」 アリシアが口の中で止めるが、どうしても回りに聞こえてしまい、恥ずかしそうにげっぷを抑えて 口を拭いていた、なんとも微笑ましいものだ、メディナも少し苦しそうだったが メディナが口を拭くと、お目当てのアイスがやってきた、嬉しそうにスプーンを伸ばしてる 別腹という奴か?1口掬って、口の運んでいたその時、凄まじい衝撃、そして・・・ 「・・・・」 「メディナちゃん・・・」 メディナがアイスに顔から突入、顔がアイスまみれになり、白くドロドロに化粧していた 状況が分からずにいたが、すぐに飲み込んでそして、イライラした風に顔を拭いていた 白い肌から真っ白なアイスが消え、その肌の色は段々と、イチゴソースのように真っ赤に・・・ 「ふふっ・・・地震?」 だがまただ、外を見てみるとマナスレイブが暴れてる、金品を要求してるし盗賊か 俺が禁忌で軽くと思ったが、それより先に出てきたメディナが、ヒステリーを起こし 俺が行くより早く、アン・ギェーラを呼び出して突撃していった。 「あっメディナ!あぁったく・・・」 「メディナちゃん!私も行きます!アンジェラ!!」 しかもアリシアも行ってしまうし、俺の出番はないのだろうと思いながら、適当に柱によりかかって 盗賊がやられる様を、下見の見物と行く事にしたのだが、ここは町だしメディナが暴れすぎないか心配だ 一応、禁忌へいつでも乗れるように次元層から、鎖を少し巻きつけた状態で待機する事にした 「ほらほらぁ!逃げろ逃げろぉ!」 「ひぃいいっ!?頭なんでこんなバケモンがいるんですか!?」 「知るか!!逃げうげっ!?」 尻尾と右手のない、放棄されたのをそのまま盗んだようなハウンドドッグが、アンギェーラのメイスで 頭から叩き潰される、横にいたワークローダーとかいう、作業用の雑魚もペンチでメイスを掴もうとしたが その前に叩き潰されてしまった、一方アリシアはアンジェラの魔法で、ワルドーザーとワークローダーを 光のロープで動きを止めていた。戦い方の違いが著しいな、二人にやられていく盗賊に軽く念仏を唱えていたが 「きゃああ!」 ワルドーザーが一機、アリシアのアンジェラが放ったロープから逃げて、襲い掛かったのだ 俺が禁忌で飛び出すと、メディナのアンギェーラも飛び掛った、さらに何かが飛び出し 「ぐはっ!?」 「きゃあ!?」 「うわっ!?」 見事に頭からぶつかり、ワルドーザーを粉砕したものの、俺は気絶してしまったらしい 目の前が真っ白・・・になる前に、懐かしい声が耳に入ってくる 「いつつ・・・大丈・・ヒース!?」 この声は・・・・ヤカ・・ 気がつくとそこはベッドの中だった、起き上がると体に異常はないし、いつもどおりだ だが意識が落ちる前に、確かに聞こえたあの声が気になる、周りを見ると二人はいない おそらく事情を聞いてるのだろう、探さないとな。 「どこだいったい・・・」 ドアを開けようとしたとき、逆にドアが開いて俺の顔面に直撃、一瞬フラついた 「ヒース!?まったくなんてタイミング悪いのよ!?」 「ヒースさん大丈夫ですか?キュアでもかけます?」 キュア・・・回復魔法か、けど俺は機械だし、生き物に効く魔法じゃ多分だめだ。 「いや、大丈夫だそれよりも・・・」 「おひさ〜元気かヒース!」 凹んだ顔を元に戻してると、元気の良い女の子の声が聞こえる、間違いない彼女だ 「久しぶりだなヤカリ。」 ガン・スロートとの戦いにおいて、力を貸してくれた少女だ、久しぶりの再会だ となるとペルソルナもいるはずだが、外の駐機場にでもいるのか? 「ペルソル・・・?」 ピコピコとぬいぐるみが歩いてくる、可笑しいなここはコレット・ファヴァじゃ・・・? 「ペルソルナなのか?」 ぬいぐるみサイズだが確かに、ペルソルナだ・・・だがなぜこのサイズなんだ? しかも喋らないし、何か言いたげに腕を振るうだけで、さっきから喋らない 「ペルソルナ?何でこんな事に・・・」 「あー・・・これな、縮小装置でちびっこくしてんだ、喋れないのは・・・」 深刻そうなヤカリに、唾を飲んで答えを待っている、ペルソルナもなんだか元気がなさそうな顔をしてる 「実はなペルソルナは元々、喋れないんだ、けどそれをクゥルセルヴェで作ってもらった装置で・・・」 「なるほど、それが壊れたのか。」 直そうにも直せないらしく、しょんぼりとペルソルナとヤカリが落ち込んでる サーチアイで見た所、喉下に装置があるのが見えた、直せそうだな 「ちょっとペルソルナを借りるぞ?」 「え?おいどうする気だ?」 ペルソルナを抱えてベッドに寝かせると、マフラーを外して首下を見ると、チョーカーに似たパーツがある これが正体か、ロックを解除してペルソルナから外すと、ちょっと中身を開いてみた 「わー・・・全然わかんねーや」 「機械はあまり得意じゃなくて・・・」 「右に同じく、魔法は得意だけど機械はタガメに任せ切りだし。」 「そうか・・・ちょっと離れててくれ、もしかしたら爆発する」 一応、記憶の中には機械の整備ぐらいできる知識はあるし、何とかなると思って ペルソルナをヤカリに抱き移すと、早速その装置を弄り始めた、流石はクゥルセルヴェ こんな小さいのに・・・いや、元々は巨大だったのを、小さくしただけか。 それでも凄いな、直接機体に接続してないのに・・・ 「あぁ・・・これが壊れてるのか・・・変えのパーツに使えそうなのは・・・」 次元層にあるスクラップやジャンクを漁ると、案外使えそうなものが・・・ 「こりゃしばらくかかるな・・・」 3人を見ると、どうやら打ち解けて旅の話とかで盛り上がってるようだ、良いことだ 俺も混ざりたくあるが、今はペルソルナの為にもこれを直そう。 「ふぅ・・・」 午後3時、やっとの事で音声装置は直った!我ながらロボットボディは便利だと何度目だ俺 汗を拭いてペルソルナの首に、また音声装置とマフラーを巻くと、ペルソルナが喋り始めた 「わっ直ってる!ヤカリこれ直ってるよ!」 「本当だ!スゲーなヒースありがとう!」 二人が喜んでくれて何よりだった、喋れるようになって驚いてる二人も、少しすれば慣れたらしい 「始めましてですね、アリシアです」 「へぇ・・・珍しいわね?喋るロボなんて」 メディナがツンツンとペルソルナを突っついて、ペルソルナが目を×にして嫌がってると ヤカリがペルソルナを抱き取って、メディナのツンツン攻撃から守っていた 「うーひどいよメディナ〜」 「気安いロボねぇ、さわり心地よかったのに。」 「やめろいお嬢様、ペルソルナ嫌がってるじゃん」 むっと膨らんでるヤカリを、アリシアが申し訳なさそうにしてると、メディナも反省したのか 渋々だが謝っている、なんだかんだでメディナはアリシアに弱いみたいだ 「んにしてもヒース、まさかこんな女たらしになってるなんてな」 「んなっ!?おいヤカリ!アリシアとメディナから何も聞いてないのか!」 おいおい俺は女たらしになった気は、これっぽっちどころか数ミリもないのに アリシアとメディナに助けを求めると、二人とも話したのはヤカリの事や俺の事で 二人との出会いとか旅の理由は聞いてないらしい、畜生なんてこった 「よし、それじゃあちゃんと1から話すとだな・・・」 ちょっと嬉しそうにヤカリがイスに座ると、俺はメディナやアリシアと旅に出た理由を 1から教えて何とか誤解は晴れて、ほっと一息ついて安心していた 「なんだーてっきりヒースがお姫様とお嬢様をナンパしたんだとばかり・・・」 「アンタねー・・・ヒースはそんなんじゃないわよ」 やれやれとメディナが呆れたようにヤカリを見て、やれやれと手のひらを見せていた アリシアはクスクスと笑っているが、ナンパの響きで少し顔を赤くて、恥ずかしいのを隠してる様にも思えた 「そういえばヤカリもここに?」 「ん?あぁそうだけど、荷物は下に置いてあるんだ」 ふむ、ちょうどベッドがもう一つあるし、ちょっと誘ってみるか 「どうだ?一緒の部屋で、ベッドは俺の分を使えば良いし」 「えっ?嬉しい事は嬉しいけど・・ヒースはベッドどうするんだ?」 「俺はイスでいい、それよりヤカリが加わるほうが楽しい。」 「まっ私は良いわよ?」 「私も人が多いほうが楽しいので」 ちょっと悩んでたが、ペルソルナの後押しでヤカリも納得、こうして俺達は同じ部屋に泊まる事になった 「そういえばヤカリさん、ヤカリさんは次はどこに?」 「んー?気の向くままかな〜」 「ヒースと同じねぇ、旅人って皆こうなの?」 そうかもしれないと、俺とヤカリが苦笑いしてると、ヤカリは荷物を取りに下へ行き 戻ってくると、荷物を置いてヤカリがベッドに寝転がって、少し怪しく笑っている 「へっへー、どうヒース?一緒に寝ね?」 「おいおい、若い女がそんな事を言うものじゃない。」 ヤカリを撫でつつ、イスに座ると俺達はまた旅の話を始めた 「ねぇヤカリ、結構旅してるけど寂しくないの?」 「うん?まぁねそれより旅してるのが楽しいし」 カラカラと笑うヤカリに、ちょっと意外そうな目でメディナが見てると、アリシアが少し寂しそうだった テレサが心配なんだろうか?隣に座って撫でてやると、少し顔が赤くなった 「まっテレサも我慢するだろうし、連絡はしてるんだろ?」 「えぇ・・・頑張ります。」 ニッコリとアリシアが笑って見せると、今度はヤカリが意外そうな顔をしていた 「へぇ、お姫様って案外、寂しがりって訳じゃなく強いんだね」 「いえ、そんな事ないですよ・・・私だって寂しがりです」 「そうよ、アリシアってば前に妹の名前、言いながら寝てるとき私に抱きついてきたのよ?」 恐縮してるアリシアに、メディナが悪戯を仕掛けるようにニターッと笑っていると アリシアが恥ずかしそうに困って、ヤカリがその光景を見て大笑いしていた 「ははは!よっぽど仲良いんだね、スケッチしていい?」 道具からスケッチブックを出すと、片目を閉じて二人を見てたが、アリシアは恥ずかしいからダメと 小さくつぶやいて、それは叶わなかったが、二人はスケッチが見たくなって後ろへ行った 「わぁ・・・上手です・・・美術の先生は?」 「ん?いやいないよ?」 「はっ!?独学でこれ!?さりげなく凄いわよこれ・・・」 俺が後ろから見てみると、なるほど確かに綺麗だ、スケッチブックはもう少しで使い切られそうだ 今まで何枚も欠いて来たのだろう、その積み重ねで・・・それだけでこれは凄いが 「なんか照れるな・・・久々に褒められたよ」 てへへっと笑っているヤカリに、ひょっこりとペルソルナが肩に乗った 「このページの山、描いてる時に雨降ってヤカリってば、服の中にスケッチブック入れて守ったのよ?」 「わっ恥ずかしいだろルナ!言わないでよ!」 慌てるヤカリに思わず笑いつつ、俺達は時間を潰していった、外の雨はもう晴れたか・・・ 「それでね、ヤカリと私で頑張ってその遺跡の怪物、やっつけてね」 「あの時はもうだめだと思ったんだけどなぁ、遺跡の罠も時々は役立つよ」 話してるうちに外は暗くなり、もう夕食の時間になっていた、ペルソルナを抱きかかえながら ヤカリが懐かしいように、遺跡の防衛ロボとの戦いを話して、それをメディナとアリシアが熱心に聴いていた だがそれもいったん中断、4人に夕食時だと伝えると、少し背伸びをしつつ4人と食堂へ向かった 「夕飯の支払いは私がもとーか?」 「いやいい、こう見えても金はあるんでな」 席を取りつつ、俺を含めると5人は席に座って、メニューを・・・あれ?ペルソルナは飯を食えるのか? 「ん?あぁルナは食べないけど一緒にいたいんだ」 ひざの上にペルソルナを乗せ、ヤカリが元気そうに微笑んでいた、メニューを開くと メディナはオムライス、アリシアがグラタンでヤカリはエビの揚げ物とご飯か 俺は・・・食べないつもりだったが、食べないの?と4人の視線を受けて、またピザを選んだ 「ヒースってピザ好きだったの?カリメア育ち?」 「カリメアはピザもだけどハンバーガーじゃないですか?」 そんな事を言いつつ、ウェイターが来ると俺はお昼の事を思い出した 「オムライスとグラタン、それにエビフライとライスとピザ、それにアイスクリームのイチゴソース和えを」 「あっ・・・覚えてたのね?」 嬉しそうなメディナにウィンクすると、ヤカリが首をかしげていた 「あのね、盗賊騒ぎでメディナちゃんがアイス食べれなかったの」 「あーなる、それで嬉しそうなのな」 「へぇ、あの子も子供っぽい所もあるんだ」 ペルソルナがテーブルに乗り出して、メディナを微笑ましく見てると、メディナが少し膨れてた 撫でてやるとまた膨れて、それが何処か可愛くも思えたが、流石に悪趣味な気がしてそこでやめた そんなこんなで待っていると、早速夕飯がやってきて手を拭くと、スプーンやフォークを取った 「いっただきまーす、あっソース取ってくれ」 「はい、これで良いですよね?」 「サンキュ!」 ドバッとソースをかけて、ヤカリがフライにフォークをつきたててた、俺もピザカッターで またピザを切り刻んでると、今回も皆のが大きいのに気づいて、分けるのは諦めた アリシアがメディナにグラタンを少し食べさせたり、エビの尻尾の身を取る方法を見て アリシアたちが感心したり、また微笑ましい食事風景に入り、そしてメディナが今日 やっとアイスを口にできる時が来た、メディナが口にアイスを・・・ドンッ 「ぐっなんだ!?」 巨大な揺れが起きてビックリして立ち上がる、それと同時にやな予感がすると アリシアが口を手で多い嘆いて、ヤカリもアチャーっと手を顔にやっていた 「ふふふ・・・オバカさんがまたいるのね・・・」 外を見るとさっきの残党か、ワークローダーで暴れている・・・メディナが気の毒になった来た 「メディナ、町を壊したらダメだぞ?」 「えぇ・・・フルボッコよ!!」 「私も行きます!もう許さないです!」 アリシアとメディナが杖を出すと、詠唱を開始、数秒後、魔方陣が出現して あたりに少し強い風が吹くと、アンジェラとアン・ギェーラが魔方陣から浮き上がってきた 「行くわよ!(きます!)」 暴れまわるワークローダーに、まずアン・ギェーラが接近戦をしかけ、メイスを振り下ろす 横から飛び掛るワークローダーは、アンジェラの魔法防御で弾かれて地面に転がった 「ふゅーやるね〜あの二人」 「あぁ、二人ともかなり強いぞ?」 遠距離武器が無く、それが幸いしてアンジェラとアン・ギェーラは、建物への被害を少し考えず ワークローダーを倒すのに専念でき、ワークローダーがドンドン減っていった そして最後に6機になったが、それは逃げようと回れ右をして、走り去っていくが 「逃がさないわよ!止めを食らわせてあげるわ!」 「威力は抑えてくださいね?いきますよ!」 アンジェラとアン・ギェーラが杖を前に突き出すと、闇をかき消すほどの光と 闇の中なのにそれが分かるほどの闇が、杖の先に集まっていき 「いきます!」 「外さないでよ?町壊しちゃうし」 「「カオスクラスター!!」」 闇と光が混ざり合ってワークローダーの上を通過すると、その部分だけ綺麗に消え去って 哀れコックピットから上が綺麗に消え去り、中にいた盗賊は気絶してワークローダーが倒れていた 「終わったな・・・ふぅっウェイターさん、すまないがアイスのいちごソース和えを」 「すげーや・・・綺麗だ・・・まるで天使みたいだ」 「ヤカリ力弱めて!痛い痛い!」 見とれてるヤカリがペルソルナを抱きしめすぎて、ペルソルナが悲鳴をあげてジタバタしていた 二人が後片付けをして帰ってくると、ちょっと疲れた感じにメディナが席に座った 「はぁ・・・食べ損ねた・・・」 残念そうにメディナがしてると、ウェイターがまたアイスを持ってきてビックリしたような顔をしてた 「今度は全員分、お疲れ様だ二人とも」 「あっ私の分も・・・ありがとうございます♪」 「さっきの凄かったな、二人とも天使みたいだった」 楽しそうにさっきの二人の事を、子供っぽくヤカリがその話題で持ちきりにしていた よっぽどだったのか、ヤカリの目はキラキラ輝いてる気がした 「ヤカリってば好きな物だと凄いでしょ?」 「そうだな・・・いい光景だ、目の保養になる」 ヤカリから離れて、俺の隣に来たペルソルナにふっと笑いながら、俺は3人のやり取りを見てる事にした 「良いお湯でしたよって私達で最後か」 「そうね、後は寝るだけ?」 メディナが小さくあくびをすると、早速ベッドに寝転んでアリシアもベッドに入り、優しくメディナを撫でていた 「んー・・・いいなぁ」 「意外だな?こういうのが恋しいのか?」 だがヤカリは首を振って、俺は首を傾げた、ヤカリが良いと思ったのは甘えるのじゃなく 二人の姿だという、スケッチにかけたらきっと良いのが描けると言ってた 「んー・・・よし、なぁヒース!」 「ん?なんだヤカリ?」 「旅について行って良いだろ?自分の食費は自分で出すからさ」 一瞬目が丸くなったが拒む理由が俺には無い、女で旅人なら二人をもしもの時、任せれるし 金もあるしスペースもある、ペルソルナは小さくできるし・・・二人の意見だけか 「なぁ二人はどうだ?俺は歓迎するんだが」 「私は・・・そうですね、旅は多いほうが賑やかです」 「・・・私も良いかな、旅の知識なら頼りになりそうだし。」 全員賛成、旅の仲間が二人加わって楽しい事になってきた、ペルソルナが勝手言ってごめんなさいと 頭を下げたが、歓迎してると頭を撫でると安心したらしく、ヤカリのひざの上に座ってた 「さて、それじゃ私もねるかね・・・ヒース本当にイスでいいのか?」 「あぁ二人でベッド使ってくれ」 イスに座ると、ありがとうとヤカリがペルソルナを抱えて、そのままベッドにもぐりこんだ 明かりを消すと皆は眠りの世界へ、だんだんと導かれて行った・・・さて、俺も寝よう 「明日からはもっと賑やかになるな・・・」 ふっと笑い、寝息を立て始めた皆にお休みを言うと、俺も目を閉じた 続く