前回のあらすじ アッチー村を開放したヒースは、港から船で別の町へと移動するのだった 「そうか、俺のような男の事は誰も・・・」 今回もダメだった、アッチー村を出る際に話を聞いてみたが、やっぱりここに俺の記憶は無い 残念だが次の町へ行こう、船が来ると住民に手を振って、俺達は船へと上がっていく たいした大きさではないがボロいわけでもなく、いたって普通の船、安心できそうだ 「船なんて久々だよ、あぁ懐かしい感覚〜」 「うー私苦手・・・落っこちそうで怖いんだもん」 ペルソルナがヤカリに抱っこされて、船の上を怖がってる、まぁ落ちたら嫌だろうなぁ 「臆病ね、そう簡単に落ちるわけ無いじゃない」 「そう言ってると危ないです、メディナちゃん体小さいから気をつけて」 メディナの小さな体も、大きな揺れのときには危険に晒される事もありえる ふざけると危ないな、そう肝に銘じておくと、俺達の泊まる部屋を探して 部屋に入ると、ちょっと狭い気がした流石に男一人、女4人では狭い まぁ贅沢はいえない、4人分のベッドがあるだけ、マシと思おう 「んじゃ窓際は誰が行く?ルナが窓際、嫌だからこっちのでいいよ」 「それじゃ私が窓際、アリシア隣で良いでしょ?」 「えぇ、それじゃあ私はこっちで」 ベッドの場所は大体決まった、出航までもう時間もないし、ちょっとここで一休み ペルソルナはヤカリに頼んで、錆止めクリームを体に塗ってもらって メディナは窓から海を見て、時々来るカモメに手を振るようなしぐさをしてる しばらくすると、船が動き出した、ついに出航だ・・・1泊2日の船旅、楽しむとしよう 「船酔いしないか心配です・・・」 「あれ?アリシアって船旅、慣れてない?それじゃ酔い止め飲みな」 ヤカリが旅行鞄から、急ぎ気味に錠剤を取り出して渡すと、アリシアがそれを飲み込んで 苦い顔をしてる、苦笑いしながらヤカリが背中をさすってると、メディナが少し呆れて 「それは吐くときにするのよ」 と寝転がってまた海を見ている、もう港から離れて海の上、こうやってるのもいいものだ 後で甲板に行って海を眺めようと思ったが、その前に俺は一眠りする事にした ペルソルナがヤカリに早くクリームを塗るように頼んだり、メディナがアリシアに外の景色を楽しげに話したり 心地良い声を耳に残しつつ、俺は眠りの世界へと旅立つのだった 「んっ・・・」 「あっ起きた、おはようヒース」 いるのはペルソルナだけか、起きてみると3人はどこにもいない、甲板にでもいったんだろう ペルソルナはやっぱり潮風はいやらしい、ベッドでごろごろしている 「皆は甲板だよ、ヒースは行くの?」 「あぁ、起きたら行く予定だった」 「それじゃ私も行く、一人じゃ暇だもん」 ピョンっとベッドから降りて、ドアを開けて俺が行くのを待っている、少し欠伸をしてから ベッドから起き上がると、ペルソルナに歩調を合わせて甲板の方へ向かった 縮小装置で小さくなってて、一見するとぬいぐるみ、いつもの歩調で行くと置いてってしまう 「そういえばさ、ヒースって潮風が嫌じゃないの?」 「ん?そうだな俺は潮風で錆びないみたいだ」 確かに俺は潮風で錆びない、まぁ人間のように皮があるし、潮風が体の中に届かないんだろう 便利な体に感謝しつつ、甲板に出ると空は青く、波も穏やかで何とも良い天気だ 皆がどこにいるか見回してると、ちょっと離れた場所で海を見てはしゃいでる。 「ふぃ〜やっぱ海はいいわ、あっ魚。」 「どこよ?あっ本当・・・」 「トビウオですね〜こうやって見るの久しぶりです」 ちょっと驚かせてみるか、ペルソルナに待ってるように言って、気配を悟られぬよう近づいて いきなり声を掛けると相当驚いて、危なくメディナが海に落ちそうになり、慌ててヤカリが抱えていた 「あっぶねー!驚いたじゃん!」 「海に落ちたらどうする気よバカ!」 「スマン・・・」 失敗したな、平謝りしてるとアリシアの反応が無いのに気づいて、アリシアのほうを見ると 真っ青になってる、どうしたんだろうと思ったら、いきなりフラりと倒れそうになって またヤカリが慌てて抱える、さっきのメディナが落ちそうになったのがショックだったようだ 「あー・・・本当にスマン」 海の上では注意が必要だと思い、ペルソルナに手招きをすると、ヤカリが意外そうな顔をしてた 「へぇ、海キライなのによく来たね?」 「だって人いないと詰まらないもん」 そのまま海を見ると、綺麗だけど錆びるのは嫌だと言い、ヤカリが苦笑いしていた 風が吹くとヤカリにしがみついて、少しでも風を避けたいようだ 「ペルソルナは臆病なのね、錆止め塗ったんでしょ?」 「怖いものは怖いの!ヤカリ錆びたら修理してね?」 それはそれで痛そうだと、アリシアがペルソルナの前に屈んだ 「それなら私が何とかします、錆びたぐらいなら魔法で戻せますよ」 「本当?それじゃその時はお願いアリシア」 「悪いね、そのときは頼むよ」 ペルソルナってこういう時は不便だと思い、自分が錆びたりしないか少し考えてた 錆びないとは思っていたが、もしかしたら・・・いや、その時はその時だしいいか 海を見ていると、メディナが声を掛けてきて振り向いてみた 「っ!」 「仕返し、これでお相子よ」 いきなり抱きついてきて、俺が驚いてるのを見て、メディナは機嫌がよさそうにしてる ちょっと困惑しているとヤカリが笑って、アリシアは大丈夫かと聞いてきてくれた 「あぁ、驚いたが海に落ちてないしな」 少しふざけて言うと、昼を告げる鐘が鳴った、もうそんな時間なのか 食堂の方へ行く事にしたが、その前にペルソルナのメンテナンスが先か。 「俺はペルソルナのメンテするから、皆は食べに行っててくれ」 「分かりました、ヒースさんは食べないんですか?」 別に腹も減ってないし、今日はいいと言うとアリシアも了承してくれた ヤカリが軽く礼を言って、ペルソルナの頭を撫でていた 「行こうペルソルナ」 「うん、メンテナンスの時は寝てるよ」 俺達はいったん分かれると、俺は来たときのように、ペルソルナの歩調を合わせるわけではなく ペルソルナを抱えて、俺達の泊まっている部屋へと帰っていった。 「ふぅ・・・」 メンテナンス完了、これで錆びはしないだろう、しばらくするとペルソルナが欠伸をするような動作をして 目に光が灯って手足を動かして、指をグーにしたりパーにして正常か確認してる 「うんっ!これなら大丈夫」 「よかった、ヤカリたちが帰ってくるまで待つとしよう」 安心して少し硬いベッドに横になると、同じようにベッドに寝転がったペルソルナが ちょっと首をかしげて聞いてきた、その言葉で俺も首をかしげる事になる 「そういえばヒースってメンテナンスとかないの?」 「ん?むっ・・・んー今までした事がない」 そういえば俺はメンテナンスの類は、一度も無かったりする、通常のロボットと違うのは知ってるが どうなんだろう?今まで必要なかったし大丈夫か?それにNIに捕まった時にスキャンが出来なかったらしい きっと迂闊にやれば、ブラックボックスだらけの体を元に戻せなくなりかねない 「まぁ大丈夫だろう。」 「ふーん、便利だね〜」 羨ましそうなペルソルナの声、確かに俺の体は便利だ・・・が、誰が作ったのだろう? 記憶が戻れば分かるだろうが作った奴は、俺に何でこんなオーバースペックを・・・ 俺がこんな事を考えてる間に、ドアが開いて振り向くとアリシアたちが帰ってきた 「おかえり、ペルソルナの整備は終わった」 「あんがとヒース、ルナ大人しくしてた?」 ヤカリがぽんぽんとペルソルナの頭を叩くと、子供扱いされてちょっとペルソルナが膨れてた 「これからどうする?」 「これからの予定は立ててありますし、何かしましょうか?」 「私は外スケッチしてるよ」 次の町に着いたら、1日そこに滞在してからまた別の町へ向かうし、確かに計画は立ててある 何かすると言っても、どうした物だろう?何か無いか探してたが、俺の場合は本しかない しかも危険ロボット大全(シェル・ザ・バーストで手に入れた、この時に初めて俺は自分が、賞金首の理由を知ったんだよなぁ) とてもじゃないが楽しめん、アリシアたちの荷物を出して、何か無いか見てもらうと 幸い部屋のテーブルにタロット・・・?23番目?詳しくないが22番で終わりじゃ・・・ライトルーラーなんてあったか? 「童話は何回もしてるし、流石に飽きちゃいますよね・・・あら?これは・・・」 アリシアがベッドの引き出しを引くと、本が入っていてどうやら海の童話らしい、ちょうど言いと メディナに話聞かせ始めた、俺は・・・まっ横で聞きながら、ベッドに寝転がっていよう この船旅が余裕で終わる、そう思っていたこの頃、だがそれは大きな誤算だと1時間後に思い知るのだった 「哀れ人魚は泡になり、それを悲しんだ王子は海へ・・・」 「ヤな話ね、話の人魚って現実と違って不便」 話が4つほど終わり、ヤカリはスケッチが中々うまくいかないのか、少し考え込むようにしてる いつもは単純ではないが、明るく悩む行動が似合わないヤカリには珍しい。 「あーダメだ、何かダメだ・・・」 「随分と難航してるな?」 「うん、海ってコロコロ顔変わっちゃうなぁ・・・」 疲れたと、ヤカリが横になってしまった。先ほど言っていた海はコロコロ顔を変えると言うのが気になり 外をジーっとしばらく見ていると、確かにコロコロ顔が変わってる気がする、なんとなくだが しばらくすると、何か甲羅のような物が見えた、がすぐに潜ってしまった・・・亀か? 「・・・ねぇヒース、何か感じない?」 「ペルソルナ?いや特に・・・」 そのときだった、船がいきなり揺れ始めた、アリシアはメディナがベッドから落ちないように抱きとめ ヤカリは飛び起きて、素早くペルソルナを回収している、いったい何が起きたんだ? 「何か下にいるよ!」 「らしいな!さっき甲羅みたいなのが下に潜ってた」 揺れが収まると、すぐに警報が鳴り響いた、海獣の類かと思ったが違うらしい 海賊・・・らしいな、大砲が発射され始めた、海賊船はどこだ?窓の外に顔を出して探し回ってるその時 「うわっ!?なんだ!!」 エビ型のロボットがよじ登ってきてる、もう少しでこっちに来るし、窓を閉めた どうやら本当に海中から攻めてきてる、なんてこった相手は潜水艦に乗ってるのか? 「俺は甲板に出る、指を銜えてみてるわけにいかん」 「私も行きます!」 「しょうがないわね、アリシア後で続きお願いね?」 「よっしゃルナ行こう!」 ヤカリも行く気だったが、ペルソルナは非常にやる気が無い感じで、行きたくなさそうだ だがヤカリに強制連行されて、俺達は甲板のほうへ走っていくのだった 「いーやー!絶対、水中戦はしないからね!!」 ペルソルナの悲鳴に苦笑いしつつ、甲板に出るとNIのトビウオ型のマナスレイブ、トビウオーガーが エビに両断されていた、腕は立つと見た油断はできないな。 「そこのエビ!海賊か!」 「あれはロブゴリドール!まさかっ!ヒースさんエビ発言はだめぇ!!」 アリシアの言葉は遅かった、いきなりエビは俺達にその巨大なハサミを振り下ろした、ギリギリで禁忌でカウンター 案外パワーがなく、簡単に弾き返せて意外だった、さてアリシアのその訳を聞かないと。 「何でエビはダメなんだ?」 「彼らは水中海賊ロブス団、かなり大きな海賊でロブスター人間で構成されてます、彼らはエビと間違えられると凄い怒るんです・・・」 「どっちでも別にいいのに、パーティーのメインディッシュはロブスターかしら?行くわよ!」 すぐにメディナがアン・ギェーラを呼び出し、間髪入れずにエビ・・・じゃない、ロブスターを叩き落した 続いてアリシアもアンジェラを呼び出し、ペルソルナも元の大きさになり完璧だ。 上ってくる敵を次々、落として海にリリースしていると、そのうちロブスターが来なくなった だが揺れが収まる事は無く、少し不安になってくると、メディナが舌打ちをした 「何で思いださ無かったの!あいつら水中からも攻めれるんじゃない!」 「水中・・・となればこちらも海に行かないと!」 「この中で水中戦が出来るのは・・・」 「ルナしかいない?」 どうやらペルソルナは水中戦が出来るらしい、ペルソルナはイヤイヤと言うも、ヤカリに動かされて 準備運動をしている、俺も一応は出来ると思うが、あまり水中戦闘は慣れてはいない 「メディナちゃん、貴方も魔道ロボを操るなら使えますか?」 「勿論よ、この程度できないと思ってた?」 アンジェラとアン・ギェーラが杖を構えると、次第に光に包まれて、次第に光が晴れると アンジェラとアン・ギェーラの下半身が人魚のようになり、所々パーツも変化して人魚のようだった 「魔法か?」 「えぇ、魔力が続く限りはこのままです」 「さぁ悪いロブスター退治よ・・・」 空中に浮いている所を見ると、空水用のようだ甲板から飛び降りると、ペルソルナがイヤイヤ準備体操を終えていた 「行きたくないよ〜!」 「このままじゃ海水につかりっぱなしだぞ」 渋々了承すると、ペルソルナが水中へと飛び降りていく、最後は俺だけか 禁忌の盾をサーフボード代わりにして、甲板から落ちていくと水の中へと沈んでいく、久しぶりだな 投身自殺して、リュウグウに流れ着いた時、以来か?ヘルキャットに魚を取ったときは深く潜らなかったし まぁサーフボードは失敗した、水中で船を攻撃してるロブスターの大群を見つけ、ランスを取り出した 「ぬっ沈んでる!くそっ足場!」 盾を次元層から少し出して、足場の変わりにするとスローモーション気味に、ロブスターの大群へ飛んでいく アンジェラとアン・ギェーラが高速で移動して、水の槍を出現させロブスターにぶつけたり ペルソルナはすれ違いざまに、分厚いロブスターの装甲を傷つけ、そこからエネルギーを吸い取り倒していた こっちも後に続こうとしたが勝手が違う、動きが遅く攻撃が中々通らないのだ 「くそっ!!」 水中じゃさっきと逆転して、ロブスターのパワーは逆に高い、禁忌が押されて分厚いハサミで殴られ もう片方が鋭く禁忌を傷つける、対応しようにも間に合わない、どうすればいいんだ・・・ 「・・・そうだ!こんな時のランスオブダークネス!」 盾を出現させ差し込むと、ランスオブダークネスで一気に突っ込んでいく、これなら水の中でも関係ない いうなれば魚雷のような物だ、まず一気に吹き飛ばすと次にもう一体、次々と沈めていく ヤカリ達も順調なようだ、このまま一気に・・・と思ったのだが、そううまくいかない 「ぐはっ!?」 横から何かが突っ込んできて、ランスオブダークネスが止まってしまった、見てみると 一回り大きいロブスター、だが色は青で赤いラインが美しい、別の機体のようだ 「誰だ!」 「おっと、こういうのは先に自分が名乗るもんじゃねーかい?」 確かにそれもそうだ、名乗りを上げるとロブスターのほうは、ずっこけていた 「えぇい調子狂う!俺の名はロブ=モブ!ロブス団のキャプテンよ!!」 「隊長か!引き下がってくれ!!引き下がらないならエビフライにするぞ!」 俺がビシッとランスを向けると、一瞬ロブスターが怒ってる様に見えた 「俺は誰かの下で働くのと!エビフライが大嫌いなんだよ小僧!!」 瞬間、ロブスターが俺を捕らえて深海へと引きずり込んでいく、もがいて見たが あまりのパワーとスピードに手も足も出ない、深海へ引きずり込まれる中、俺が見たのは アシリアたちが新手と戦っている姿だった、手を伸ばしてみたが、それは届かずに終わってしまった 「ヒースさん!」 「今いっきゃああ!」 「お嬢さん方、私がお相手する。」 アシリアとメディナは古代生物のような、大型の琥珀色の機体と戦い 「行かせろピンク色!」 「ダメ!キャプテンの所には行かせない!!」 「・・・・ムリはするなよ、回収量が多いと面倒だ」 ヤカリはピンク色のロブスターと緑のヤドカリと戦っている、助けに行きたいが、こっちが助けてほしい状態だ そのままずーっと海の底へ引きずりこまれ、そのまま俺は固い岩に叩きつけられた 「ガッ・・・」 気を失いそうになった、フラフラと禁忌が千鳥足になり、その間にまたロブスターが迫ってきた 「このヴェロマールは容赦ねーぜ!」 どうやらヴェロマールというらしい、が今は関係ないか、盾を構えたが吹き飛ばされ 水中をフワリと漂っていると、またヴェロマールが迫ってくる、この状況をどうする・・・? 「えぇい!何で逃げるのよ!」 「んなハンマー当たったら死んじゃうだろ!」 ヒースが海中に持ってかれて、追いかけたいけどこのピンク色のエビを何とかしないと けどこのエビ、武器のハンマーがめちゃくちゃ強い、水中用に改造してあって 当たろう物ならきっと、床に落としたジグソーパズルみたいになっちまう 「アリシア!メディナ援護・・・はムリか」 「どうしようヤカリ!機動性はあっちの方が上だよ!?」 メッチャクチャ怖いのが相手だし、あっちは二人で命いっぱい、こっちに気を掛けれなさそう またハンマーが飛んできて、それをルナがかわすけど、いい加減にしないと消耗戦になっちまう 頭ひねれ私、何とかする方法があるはずだ・・・そうだ、剣のエネルギー・・・はダメだ 接近してもハンマーでやられる、もう少しエビのエネルギーがあれば良いんだけど エビは船の方に・・・そうだ!なんで気づかなかったんだろ! 「ルナ!ゴニョゴニョ・・・」 「えっ!?無茶言わないでよ!!」 無茶だけど何とかなるペルソルナを渋々、船の方を攻撃してるエビの方へ泳がせていく 勿論ピンクエビがハンマーを発射したけど、それが狙いだった、ハンマーを避けて刺につかまって そのままエビの方へ運んでもらおう、としたんだけど勿論ハンマーが動きを止める けどこれも考えの内!さぁペルソルナ頼んだ、吹っ飛んでいってくれ! 「っえい!」 止まったハンマーを足場にして、エビの方へ飛び掛っていく作戦は見事成功、エビを何匹か斬ると エネルギー充電は完了、さっ散々やってくれたお返しだ、やるとしますか! 「ルナ!やっちまえ!」 「うん!行くよー!!アクアサイトクローム!!」 「ひぇえ!キャプテーン!!」 赤い剣で奪ったエネルギーを青い剣で、一気に青い光にしてふっとばす必殺技 逃げようとしたけど、ピンクエビは吹っ飛んでいった 「よっしゃぁ!!」 「・・・キャプテンこちらブクラ。フンメラがやられた回収へ向かう」 見てるだけの緑色のは戦わないみたいだ、さてアリシア達を助けに行くか!ペルソルナが泳いで アリシア達の方へ行くとアリシアとメディナが、バラバラに移動して攻撃してる 「手伝いに来ました!」 「ペルソルナちゃん!ヤカリさんが勝ったみたいですね」 「そゆ事!さっやっつけようぜ!」 相手を見ると、やっぱり怖い・・・今はメディナを狙って、ブレードで襲い掛かってる けど戦い方が斬るより刺すようで、何か嫌な予感がする。 「つかまってください、エネルギー吸い取る剣であの機体のエネルギーを吸い取ってください!」 「OK!んじゃ行くとしますか!」 使わない青い剣をしまって、人魚みたいなアンジェラの手を掴んだ時、メディナが悲鳴を上げて アン・ギェーラを見ると、アン・ギェーラが怖いのに捕まってる、ブレードが刺さるのは避けてるけど ブレードが絡み付いてる、無茶苦茶な・・・なっ!?嘘だろ装甲から口出てる!このままじゃ食べられる!! 「きゃあああ!!」 「メディナちゃん!!やめてぇええええ!!」 アリシアがいきなり飛ばして、一気に放されかけたけど、何とか手を握って 段々と怖いのに近づいていくメディナはまだ食われてない、けど装甲が分厚いし 「やれるかペルソルナ?」 「うん!装甲が分厚くても傷つければやれるよ!」 「お願い!メディナちゃんを助けてください!」 ペルソルナがウィンクすると、怖いのの横に来た、怖いのは装甲の硬さを信じてる すれ違いざまに斬っても全然、傷が付いていないけどパワーが下がって メディナが何とか逃げるのに成功して、こっちに来てメイスを構えてた 「はぁはぁっ・・・」 「メディナちゃん大丈夫ですか、怪我は?浸水してません?」 「おかげさまでね、危なく死ぬところだったけど」 怯えた声だったけど、だんだんと何時もの、だるそうな見下した声に戻った、相手の方はしばらくにらみ合ってたら 海底に逃げてった、どうやら私らの勝ちみたいだわ・・・残りは船の方のエビだけだ。 「もう二度と帰ってこないでよ!」 「どーだろうな?食べたい位、可愛いみたいだし戻ってくるかもな?」 冗談で言ったら本気でメディナったら怒ってる、まっしゃーないよね、平謝りしてエビの方へ行くけど 気になる事がある、ヒース・・・無事でいてくれよ? 「ぐはっうぁあっ!!」 勝てない、頭の中で俺がそう告げている・・・相手の動きが速すぎる、水中用だからとか そんなレベルじゃない、相手の動きが完全に水の抵抗を無視している。 捕まえようとした瞬間に吹き飛ばされ、相手の上に転がって髭をつかもうと思ったが それすら出来ない、必死の思いで張り付こうとしたが、右腕は人型なせいで捕まってしまう 「小僧、水中で俺に勝とうとするガッツは認める、欲しい位にな!」 また一撃受け、浮き上がった瞬間に左腕のハサミで吹き飛ばされ、また岩にぶつかった 「だがな、お前さんは水中で俺らに勝てると過信した、それが死につながる!」 ハサミで挟まれるが、禁忌の装甲がそれを耐えてくれる、また振り回されると 近くに叩きつけられ、そのまま放されたが再度、突撃を受けて岩に埋まってしまった 「げはっ・・・」 「頑丈だな、お前の仲間が俺の仲間を倒したらしいな、次からは水中専用装備をもってこい」 情けない・・・記憶はまだ全然・・・まだ・・・せめてコイツを倒して、アリシアたちの旅を安全に・・・  緊急システム起動!緊急システム起動!ロスト・エンスピートの起動を開放します これは・・・タイトゥンズオープンと同じ・・・頼む記憶があった頃の俺、今の俺に力をくれ  起動コードロスト・エンスピート、これより開放コードを・・・ 「ほぅ?まだやるか・・・死なない程度に倒してやる。」 「はぁああ・・・ロスト・エンスピート・・・」 力をためるような動作をして、禁忌が叫ぶように上を向くと、ロスト・エンスピートが発動した 禁忌の体が軽く、紫色のオーラを纏っているようだ、このまま勝てると信じたい 走ると不思議と水の抵抗が無い、それどころか重力すら感じない まるで陸地を動いてるようだ、いや陸地よりも動きが速い、ヴェロマールは驚いてランスを回避していた 「くっいきなり動きが良くなりやがった!」 「っく・・・ありがとう記憶があった頃の俺と開発した人、何とかなりそうだ・・・」 体がボロボロで少し辛いが、ランスで連続して突くと数発命中、赤い線をブツブツと穴あきにしてやった だがこの程度で動けなくなるはずが無い、高速で禁忌に突っ込んできて、また禁忌が岩に叩きつけられた 「エビゾ理論を搭載してたか?だが水中戦じゃこっちのが上だ!」 確かにそうだが、俺とてこの程度で終わりはしない、ランスオブダークネスで迎え撃つ 砂を水に散らして遅い来るヴェロマールに、ランスオブダークネスを構えると、一気に走り出した 「いっけぇええ!ランスオブダークネェエエエエス!!」 衝撃、勝負の結果は・・・・同士討ちか・・・禁忌が倒れたが、ヴェロマールも倒れた 何とか動けるな、ランスを杖の代わりにすると、上から何かがやってくる アリシアたちが戦ってた古代生物型か、あっちもエネルギーを消費して、戦える状況じゃないか 「キャプテン・・・倒せなかったか」 ブレードを構えてきて、こっちもランスを構えなおしたが、それをヴェロマールが止めた 「俺の負けだ、隠し球を最後に撃ってきたか・・・引き上げるぞ」 「了解・・・が、いいのか?」 「おう、キャプテンの俺が言うんだから良いんだ・・・おい小僧、いやヒースとか言ったか?俺らの仲間にならねーか?」 せっかくの誘いだったが、ありがたく断っておくと、残念そうにヴェロマールが目を閉じた 「水中じゃ勝てると思ったんだがな、危険ランキングナンバー1さんよ」 「知ってたのか・・・ならなぜ・・・」 「へっ強いから尻尾を巻く気はねぇ、俺らは誇り高い海賊ロブス団だ」 戦った相手への敬意か、ヴェロマールが右腕を出してきた、禁忌も手を出して握手すると 不思議と戦いが終わったと実感できた、話し合えば何とかなる相手だったかもしれないな。 「最後に聞きたい、お前は何で盾を使わなかった?」 「海が汚れる、海を死の大地にしたくは無い」 「フッ・・・話どおりだな、完全に俺の負けだ。またこの海の何処かで会おうぜ、今度はこんな形じゃなくな」 ヤレヤレとヴェロマールがハサミでおでこにあたる部分を叩くと、古代生物型の肩を掴んで ヴェロマールが撤退した、安心していると、肝心なことに気づいてしまった、水中用ユニットが無いから 上に上がれないのだ、しょうがないアリシアたちの助けを待つとしよう、俺が目を閉じて助けをまった 「あいつらに頼んで帰らせてもらえばよかった・・・」 誰だ? 「何だ?夢の中でまたシステムが蘇ったのか?」 お前は誰なのだ?海を汚すものか? 「何だ?海関係のプログラムか?」 質問に答えろ、汝は誰なのだ? 「何だ・・・プログラムじゃないか、俺はヒース・・・お前こそ誰だ?」 そうか、ヤツと同じだが汚す者ではないか。 「お前こそ誰だ?これは夢なのか?」 夢ではない我は海・・・ナバ・・・ 「ヒースさーん!」 「アリ・・・シア?」 変な夢だった、目が覚めると人魚モードのアンジェラ(アクアンジェラとか考えたが、俺のセンスの無さに絶望) が迎えに来た、どうやら全て終わったらしい、アンジェラの手を取るとそのまま引っ張られ 船の近くまで持っていってもらった、今日は散々だったし早く休みたいな・・・ 続く