前回のあらすじ 一度は禁書を偶然、拾って国外追放になったヒース。不安になりながらも女王アゼイリアに謁見 許しを貰い、スリギィで円卓の騎士の一人、ガラハドと共にスリギィを歩き回るのだった 「おぉう、美しい声じゃ・・・この声であんな声やこんな声を・・・」 「父さん・・・スイマセン、湯船にきちんと沈めておくので、このセクハラ親父を許してください。」 現在、俺達はスリギィで銭湯に入ると言う、少し珍しい事(もしかして、バクフ国と交流が始まってから珍しくない??) をするべく、薄暗い道を歩いていた、マジックアイテムが無ければ透明人間と話す、危ない男の集団だろう 「おいコラ!スケベ騎士!」 「なんじゃミストちゃん?」 ミストは明らかに怒ってる、どうしようと言う感じにバッブは、落ち着かせようとしているが 何せ手紙越しだ、ミストにバッブの誠意は伝わらず、めちゃくちゃ怒ってた 「ちゃんじゃない!シーリアにセクハラすんな!」 「すいません、今すぐ沈めるので。バルハーガ!」 ボコッと凄い音と共に、ランスロットのぎゃふんと言う声が響いた、召還式の機体で殴り倒したらしい 良いのかと聞いたら「乙女を救うのも騎士の仕事」と、苦笑いをして返してくれた バッブも苦笑いしてるし、もしかしてランスロットは何時もこうやって、ぎゃふんと言ってるのかもしれん。 「おー、すげぇ音・・・」 「沈めたからね、シーリア皇女・・・って、この呼び方は嫌いだったんだよね、失礼しました。」 「いえ・・・助かりましたガラハド、危なくセクハラトークを永延と聞かされる所でした。」 手紙越しに乾いた笑いをするシーリアに、俺は黙祷を送った、ランスロットが撃沈したまま ガラハドに足を引っ張られてる、まぁ自業自得な部分もあるし、アーメンとしか言いようが無い 「あの、ヒースすいません、私達そろそろお風呂に入って寝るので・・・」 「こっちこそゴメン、またなシーリア。」 「いえ、良い夜をまた連絡ください」 生き返ろうとしたランスロットを、ガラハドがまた撃沈させて、シーリアとろくな会話もできないまま 手紙からの声は消えた、次元層に手紙を返すと、ガラハドが少し申し分けなさそうだった 「すまない・・・」 「ガラハドは悪いわけじゃないんだ、ほらランスロットさん謝って」 「ぬぅ・・・反省してるが後悔はしてなグホッ!?」 またガラハドが一撃加え、ランスロットが地面に埋まった、ガラハドも流石に怒ってるらしい ランスロットが謝ると、ガラハドは納得してまた引きずり始める、これが日常茶飯事なんだろうか? 「お前も大変だなガラハド・・・」 「気にしないでくれよ、慣れちゃってるしさ。」 「ガラハドがランスロットさんに突っ込みいれるのは、もはや円卓の騎士団じゃ日常茶飯事なのさ〜」 当たりらしい、円卓の騎士団は楽しいなと、苦笑いしてると俺達は目的地へと到着した 規模こそ小さいが、バクフ国の銭湯のような風貌だ、本でしか見たことが無いが 「さっ入ろうか?」 「男4人だよ、ほらヒース好きなの取って」 靴を入れる下駄箱には札があり、好きなのをとって良いらしい、適当に選んで靴を入れると札を取った これがキーになっている、16番はなかったが、これはアゼイリアの年齢にちなんで人気らしい つまり一年たてば、17番が大人気と言うわけだ、俺は13番を選んだが不吉な数字と言われた、ちょっとショック 「まぁ大丈夫、数字なんてそんな物だよ!オイラが断言する!」 「僕もだ、まぁそんなに気にするなよ。」 それもそうだと、気を取り直して脱衣所に行こうとすると、ランスロットがいない気がしたが 案の定、女湯の脱衣所に行こうとしていた、まぁ勿論ガラハドが阻止したのだが 「父さん・・・」 「イヤン、ちょっとしたジョークじゃよ。」 さて、とっとと服を脱いでいると、何だか皆して俺を見てきて、服を脱ぐ手が止まってしまった おいおい、同性愛者には見えないぞ?そんな事を思ってると、あっちもハッとしていた 「ヒースってあれだな、服着てると分からないけど、筋肉質なんだな?」 「オイラより、よっぽど騎士してる体系だね〜」 「引き締まって細いからか、身体さえ隠せれば、やっぱり女みたいじゃのぉ」 そういえば、めったに身体を人に見せた事がないが、言われてみれば俺は筋肉質かもしれない 服を脱ぎ終えて、浴場へと向かう、銭湯じゃ隠さないのがマナーだと本で見たことがある どうやら当たりらしく、盥をもってシャワーの栓を・・・まだ水だった 「冷たい・・・」 「おー白い肌が余計、白くなっとる。」 まぁお湯になってから、一安心して身体を洗い始めた、バッブが背中を流すか聞いてきたので ここはありがたくバッブに頼む事にした。髪を前に避けて背中を見せると、石鹸の付いた手で 背中を流し始めた、こうやって背中を流してもらうなんて、何日ぶり・・・と言うより始めてか? 「どっか洗い残しはないかい?」 「ありがとう、もう流しても良いよ。」 シャワーをバッブが取ると、そのまま背中から泡が流れていく、心地良いな・・・ 身体は終わり、今度は髪を洗うべくシャンプーを探すと、ランスロットの声がした 「のぅガラハド、久しぶりに背中流しておくれ」 「しょうがないなぁ、ほら後ろ向いて。」 何だかんだで、親子なんだなと思いシャワーを頭から被って、髪を濡らしてシャンプーを手に付けた すると興味津々に、髪を洗う所をガラハド達が見ている、こんな髪が長い男は珍しいのだろう 「男も同じなんだな、不便そうだ・・・」 「ヒースはこういうのに慣れてるのかい?」 俺が頷いて、髪にシャンプーを付けていると、ランスロットもジーッと見てきた 「慣れてるなら女と一緒でも、楽だろうなぁ?」 「おいおい、俺はソープ嬢じゃないぞ?」 確か如何わしい事を、風呂でする仕事の事だ。シャンプーを付け終えて洗い流すともう一度 髪を洗い始めるのだが時間がかかる、皆には先に風呂に入るように頼んで ゆっくりと髪を流し始める、二度目を終わらせると、髪を結ってタオルを巻くと風呂に・・・ 「ふぅ〜・・・」 「髪が長いとそうするんだねぇ〜」 丁度良い湯加減・・・いや、少し熱いか?まぁこれもまた良い物だな。縁に背中を預けて ため息をついていると、ちょっと違和感を感じた、なんだろう? 「はぁ〜生き返るね〜」 「風呂を考えた奴は天才だよな。」 「・・・のぉヒース、何とも言えんの?」 「感じているのか?俺もなんだ・・・」 折角の良い湯が台無しだ、サーチアイで周りを見ると、何かが隠れている・・・なんだ、男湯を覗くなんて 湯船から立ち上がると、盥を取ってそれを振りかぶり一気に投げ、目標へと発射・・・命中! 「わっ!?」 「な、なんだなんだ!?」 落っこちたそれは、湯船のお湯を盛大に水しぶきを上げ、しばらく浮かび上がらなかったが、透明な被り物と共に・・・ うん、睨んだとおり・・・ディファクターだ、円卓の騎士の入浴シーンなんて美味しいのだろう 水に・・・浸ってるのに、全然カメラは生きている、なんて高性能なんだろう、技術の無駄って奴か。 「ディファクター、ガラハドは覚えてると思うが・・・」 「あぁ、変態集団の事か?」 俺が話したのを覚えていてくれたらしい、伸びてるディファクターの団員から、カメラを奪い取ると フィルムを握りつぶすと、カスが入らないように纏ってた、迷彩で包むと団員を無理やり起し 女湯にいるか、聞いてみると血相かいて教えてくれた、がその内容はあまりにも恐ろしい物だった 「・・・もう一度言え」 「城の浴室に・・・」 城の浴室?アリシア達もあそこを使うだろう、そこにディファクターが・・・ダメだ、それはさせない 「ヒース安心せい、陛下がそんな奴らフルボッコに・・・」 「あいつ等は凄いステルス性能を持ってるんだ、行かないと!!」 こうしてランスロットの静止を振りほどき、俺は禁忌の一振りで身体についた、水滴を吹き飛ばし 団員を外に引きずり出して、禁忌ックで星空へと旅立たせた、後始末は完璧だ急がないと!! 「ヒース上着!って聞いてないや・・・」 「上半身、裸だしお姉さま方の視線を釘付けじゃな、羨ましい。」 「バカ言ってないで急ぐぞ!」 「焦らんでもよかろう、ワシの感だが帰ってくる。」 「はぁ〜・・・でけぇ・・・」 「久しぶりですね、こんなに大きなお風呂・・・」 こんな大きなお風呂、本当に久しぶりで少しはしゃぎそうです、アゼイリア女王に勧められて 大浴場に来ましたが大理石で出来た白いお風呂、ライオンの口から出てるお湯はほど良い熱さ プールと間違えるほど大きなお風呂、早く身体を洗って、入りたい気分です。 「メディナちゃん、お背中流しましょうか?」 「あっそうだ、爺さんが教えてくれたバクフ流、流し術だ。」 なんだろうと思ったら、皆が一列になるように言われ、言われたとおりに一列に座ると 相手に背中を見せるような形に、なるほどこれで前の人の背中を、洗い流すんですね 「って、私が女王様の!?無礼な気がして・・・いいですか?」 「ふふっ良いじゃない、もうそんな仲なんだし。」 ヤカリさんが恐る恐る、アゼイリアさんの背中を洗い始めると、気持ち良いのかアゼイリアさんが鼻歌を歌って それに安心したのか、ヤカリさんの手つきが慣れた感じになってました、ペルソルナちゃんがいれば きっと笑ってると思うけど、生憎ペルソルナちゃんは今、お部屋で寝てるからいませんでした。 「あー・・・右、ありがと・・・」 「これで洗い終わりましたね、これで流すんですか?」 「いや、今度は逆になって洗うのさ。」 なるほど、一番後ろの人も、こうして洗われる訳ですね、最後尾が私だったし今度はメディナちゃんが 背中を流そうとするけど、背の差で少し難しくて、首の辺りに手が届かないみたいです。 「首は自分で出来るから、無理はしないでくださいね?」 「分かったわ、はぁ早く大きくなりたい・・・」 背中の痒い所もなく、シャワーで背中を洗い流すと、今度は髪を濡らして洗い始めます 何だかんだで、皆さん髪が長く、洗うのも一苦労だったりします。 「ヤカリの髪は綺麗だな、ちゃんと結べば良いのに・・・」 「あぁ、ぶっちゃけ旅の途中で、切るにもうまく切れないし、放置してるのを結んでるだけだし。」 アゼイリアさんが羨ましそうで、私も少し羨ましいです、バクフ系の人の黒髪って綺麗で それでいてサラサラして、綺麗だから憧れる人も少なくないんです、染めると髪が痛んじゃうし 「いいですわ・・・」 「私にゃアゼイリアの胸のが羨ましいよ、綺麗だし柔らかそうだし。」 「や、ヤカリ!?」 ワッと胸元を隠すと、ヤカリさんの目が怪しい・・・あの目は、私の胸を揉んだ時の目と同じ アゼイリアさんが誤魔化して、お風呂に逃げるけど、ヤカリさんがそれを追いかけて・・・ 「さ、さっきの恥じらいはどこへ!?」 「いやー、もうこういう仲じゃん?アゼイリアの旦那になる人は幸せだろうねぇ〜」 「ヤカリ・・・すっかりセクハラ親父ね。」 ヤレヤレと呆れるメディナちゃんに、私も苦笑いしてみてると、アゼイリアさんが助けを求めてきたし ペルソルナちゃんもいないし、止めに・・・入ろうとしたら、逆にヤカリさんに捕まって・・・ 「きゃあっ!?だ、ダメですヤカリさん!」 「アリシアもアゼイリアも、金髪だと胸でっかいのかな・・・」 「それは無いわ、アリシアの妹は虫刺されサイズだし。」 キャスカの事で、苦笑いする余裕すらなく、逃げようとしてるけどアゼイリアさんも迂闊に手出 「皆ーっ!サーチアイ!そこかぁっ!!」 アリシアの頭が真っ白なので、ここからはナレーター交代である、アリシア達が戯れてる所へ ドアをバンっと勢いよく開けて、入ってきた上半身裸の、蒼髪の青年・・・そう ヒースである、手に持っていた盥を虚空へと投げると、そこから銭湯でいたように ディファクターの団員が、ゴトンと落ちてきて、唖然とする女性陣 「星に帰れぇっ!!禁忌ック!!」 このごろ愛用してる禁忌ックが決まり、ディファクターは空の向こうへ・・・そして、まずアゼイリアが正気に戻った 次はヤカリ、メディナでアリシアが正気に戻ると、悲鳴を上げて4人は身をお湯の中へ隠していた ディファクターがいると、頭が真っ白だったヒースも正気に戻り、悲鳴で大慌てだがもはや遅かった 「いやーっ!ジェラード!マリンっ!!いーやー!!」 「へ、変態ーっ!!ロリコンっ!!」 「ヒース・・・てめぇっ!堂々と女がいる風呂に入るなー!!」 「いやー!スケベ!エッチ!!あっち行ってください!!」 「ちょっちょっと待て!!うわっ!?」 哀れ言い訳も喋ることも出来ず、盥が今度は自分に襲い掛かった、だがこれだけで終わらない 「アンジェラアタック!!」 「アン・ギェーラアタック!!」 ヒースの身体が、魔方陣から出てきた魔道機に吹き飛ばされ、宙へと浮かび上がるが もう一撃、アン・ギェーラの一撃でさらに浮き上がった、そして止めが 「キャリバーンアターック!!」 聖王機キャリバーンの一撃が決まった、空中へと投げ出されるどころか、その一撃は天井を貫いて ヒースは星へと帰ったのだった、この騒動が静まった後に、彼女達が落ち着いて考えて そしてヒースが星になった事に焦りを感じながらも、お風呂の誘惑に勝てず、少し温まってた。 「大丈夫かなヒース・・・ってうわあっ!? 俺が吹き飛ばされて、ロンドムを本日二度目の空からの観光をして、そのまま落っこちていく そこは先ほどの銭湯で、屋根を貫いて落ちたのは幸い、男湯だったので二度の攻撃はなかった 「・・・ヒースだね?」 「ヒースだな・・・」 「言ったじゃろ?前に陛下がモードレッドを吹き飛ばした時、ここに吹き飛んだから分かる。」 何とかバッブたちが引き抜いてくれると、不思議と屋根やらの破損は消えている、便利な展開だな・・・ 脱衣所でズボンを脱ぐと、汚れを落とすためにまた俺は身体を洗った、もう少し落ち着くべきだったと後悔するが 後悔なんとやら、後に戻れないのでめんどくさく身体を洗い、湯船にやっとつかる事ができた 「災難だったなヒース、運の無さは本当にすごいな?」 「オイラはご愁傷様ってしか言えないけど、ご愁傷様・・・」 「ははは・・・はぁ」 心地良い、やはり風呂は良いなと再確認した、少し熱めのお湯に溶けていく感覚が心地良い 「良い湯だ・・・」 「そうだな、こうしてると心が落ち着く・・・」 ぽーっとしてると、後ろからの視線が気になって振り向くとランスロットが、どこか残念そうに 肩まで浸かってこっちを見ていた、また変な事を考えているんだろうか 「いやー、考えてみると久々だのぉガラハドの友人が増えたのは」 「何だかんだで戦争で機会がなかったしね、新しく友達が出来たのは数年ぶりかな」 友達か、ガラハドとは友達と思われてるようで嬉しい、あんな事があったし 少し突っかかり難くないか、内心そう思っていたりもしたし。 「どうかしたか?」 「いや、嬉しいなと思って」 「なーに、剣を交えたから分かるがお前さんならガラハドの友人になれるさ。」 「会って時間たってないけど、性格良いしね〜」 この短時間で俺を信用してくれてるようで、気持ちよかったりする、昔は警戒されたりした事もあって こういう事は珍しかったのに、こうやって行く先々で友人が何時も出来れば、楽しいのだろうが。 「そろそろ暖まったし、上がるとしようかの」 ランスロットが上がると、俺達も後に続いた、脱衣所のタオルで体を拭き終えると 結っていた髪を解いてタオルで拭いて、水気を切って今度はドライヤーを手に取った 長い髪を時間をかけて乾かしていると、ランスロットが何か言うのが聞こえて やっと半分ぐらい乾いた所だった、ドライヤーの音で、聞こえないしタオルでゴシゴシとするか。 「何だ?」 「のぉヒース、胸はどうじゃった?」 「そうだなアリシアとゼイリア女王は大きく形が良い、メディナは小さくて、ヤカリは普通より少し小さいが、何時もよりでかく見えた。」 素直に感想を言って、ドライヤーをとっとと使おうと思ったが、ガラハドの突込みが炸裂した これを待ってれば良かったと、ドライヤーをまた使って髪を完全に乾かすと、これで良いと思ったのだが バッブが俺を止めた、どうしたと後ろを振り向くと、頬に当たるのは冷たい何か・・・ 「むっ・・・?」 「牛乳、お風呂上りには必須品さ。」 バッブが買ってくれたらしい、冷たくて暖かくなった身体には心地良いだろう、俺がふたを開けて飲もうとすると バッブがそれを止めた、どうしたんだと思ったら飲み方に正しい、正しくないがあるらしく俺はダメ見たいだ 「腰に手を当てて、上向きに流し込むようにだよ。」 「ふむ、そんな物なのか?」 「らしいよ?僕はトリスから聞いただけだけど。」 言われたとおりに、俺達4人は牛乳をそうやって飲み干すと、自然とため息が出てきた。 美味しい、確かに美味しい・・・瓶を篭にいれてから、脱衣所からでると・・・ 「あっ」 「が、がらはど!?な、なんでいるのさ!!」 エルザだ、どうやら彼女も銭湯に来てたらしい、驚いてワタワタとしているし よっぽど驚いたんだな、でも何故だろう、そんな事を思っていると・・・ 「エルザちゃんの湯上り肌ターッチ!」 「やめろドスケベ!!」 エルザの一撃が炸裂、ランスロットは本当に撃沈しやすいな、あの時の騎士の気迫は何処に行ったと 思わず笑ってしまった。エルザはさっさと帰ろうとしたが、ガラハドが一緒に帰ろうと呼び止めた 「えっ・・・うぅ・・・」 「夜道で女が一人は危ないだろ?行こう」 こういってガラハドが手を取ると、エルザがさっきより赤くなって、真っ赤になった気がした。 こうして俺達は、夜のロンドムを歩くのだがランスロットが夜遊びを勧めてきた 「おいおい、父さん夜は・・・」 「円卓の騎士が4人、大丈夫じゃて。」 「いや、俺は出来れば早く帰りたい・・・その、風呂覗いたし謝らないと・・・」 口を利いてくれないかもしれない、そう思うとイヤだったのだが、ほとぼりが冷めるまで帰らないで 少し相手が落ち着いて、そしてから謝るほうが効果的だと、ランスロットが教えてくれた。 エルザが何だかんだでランスロットは、こういうのは得意だし信じて良い、そういってるし信じるか。 「分かった、そうさせてもらうよ。」 「よーし!夜の街を歩くとするかの!」 ランスロットが先頭で、俺達はこの薄暗い夜のロンドムを歩く、俺とエルザは食い物でも食うのかと思い エルザが太るとヤダと言ってる時、俺がロボットだから太らないとか言うと、エルザの鉄拳が炸裂した 迂闊だった、痛い頭を抑えつつ、バッブがスティックサラダでも食べれば、大丈夫だと言って落ちつかせてる。 「・・・はぁ、父さん別にいいけど・・・」 「わーっとるよ、よしここ入るぞ?」 そして入ったのは、予想していたパブとかと全然違う、ネオンが派手だし・・・ 「す、スナックバーじゃない!?」 「うむ、ここのママさんは良い人でな〜」 エルザが戸惑うのも無理はない、水商売関係の店だし女は嫌がるか、俺は少し抵抗がある こういう店は今まで一度も入った事がない、如何わしいイメージしかないのだ。 「だ、ダメ!絶対ダメよ!行きましょガラハド!!」 「大丈夫さ、父さんに何度か連れてこられたけど普通の店さ。」 ガラハドが言うなら安心だ、渋々だがエルザも了承して、俺達は酒場へと入るのだが ランスロットがエルザに絡んでいた、何だ一体、殴られそうだぞ・・・ 「のーのー、なんでガラハドだけなんじゃー?」 「う、うるさいわね!関係ないじゃないですか!」 「やっぱ好きな子には穢れないで欲しゲホッ!?」 あっ殴られた、好きな子・・・?どういう事だろう、首を傾げてみてるとバッブが小声で解説してくれた 「あのね、エルザはガラハドが好きだけどガラハドは気づいてないんだ。」 「ふむ、なるほど・・・」 気づかれないほど小声だったから、エルザにやられる事もなく俺達は、酒場へと入り適当に座った カウンターの先には女性が一人、小さい店だし店員はその人だけのようだった。 「いらっしゃ〜い、今日は随分と大人数ね?」 「ママお久しぶりじゃの、適当に頼む。」 手際よく人数分のコップに、酒・・・じゃなくミルクを淹れて差し出された、一つはコーヒー牛乳 もう二つは普通のだ、席的には俺とランスロットが酒、バッブがコーヒー牛乳でガラハドとエルザが牛乳か。 「何で牛乳なの?」 「未成年に酒は出せないよ、ガラハドの坊ちゃんは牛乳頼むし、バッブ君はコーヒー混ざってるのが好きだし。」 「ならなんで俺が酒なんだ?」 見た目的に老けてるわけじゃないのだが、ちょっとショックを受けていたが、雰囲気的に20くらい そういわれて何だかほっとした、別に老けてるとかそういうわけではないらしい。 「つまみはスティックサラダとポテトチップでいいね?」 「たのむ、この歳になると情けないが重い物がだめでのぉ」 ビールをちびちびと飲むランスロットに、ガラハドが突っ込みを入れたが、笑って流すとビールを飲み干した 俺も飲んでみたが、果物の良い匂いがしてほのかに甘い、意外と酒も飲める物だなと思った 今までは苦かったりすると思って・・・あっ苦い、微妙に苦い・・・ 「おや?酒は初めてだった?」 「らしいのぉ、ヒースもミルクが良かったか?」 ちょっと落ち着くと、首を横に振ってビールをまたちびちびと飲んだ、確かに苦いが良い匂いだし 飲めないわけじゃない、それにしても酒か・・・あの時の激戦を思い出すな・・・ 「あの時は地獄だった・・・前にも後ろにも横にも酔っ払い・・・」 「あぁ、ウォー・オブ・ザ・パーティだよね?」 バッブに頷いて同意すると、俺はディオールと闇黒連合でやったパーティの最中、皆が酔っ払って 野球拳を挑まれた事件を思い出したのだ、酒は恐ろしい魔力が秘められている・・・ 「おー、そういやヒースよお前さんはそれで、女も男も半裸に・・・」 「ちょっと待ちな、まさか同じ名前じゃなくて本人!?」 あぁ驚かせてしまった、本当のことを言うと少し長いが理由も説明、カウンターの先で驚いてた女性も 落ち着いたのか、普通に俺にアリシアの事やらで話を聞いてくる。 「貴女も怖がったりしないんだな。」 「ママでいいよ、もうアンタが凶悪なロボットなんて一昔前の情報だしね。」 その話は嬉しかった、俺が凶悪な破壊者として君臨してたのはもう昔か、嬉しくなってちょっとだけ ウォー・オブ・ザ・パーティの裏話をすると、ランスロットが目を大きく丸く開いた 「なんじゃと!?テレサ女王のすっぽんぽん!!」 「父さん、落ち着いてくれよ・・・はぁ」 「へぇ、女の子のぬいぐるみを取り戻すためにね?」 エルザがポリポリとスティックサラダを、口の中へと押し込みながら意外そうな顔をしてる 見た感じそんなに律儀じゃ無さそう。と少し苦笑いをしていた。 「まぁ人は見かけによらないのよ、お譲ちゃんも同じで・・・ねぇ?」 「っ!?な、なんで!」 エルザが狼狽して、慌てふためいていた。理由はママがガラハドを見て二ヤっとしたからか、ランスロットが喋ったに違いない わざとらしくガラハドに恋人がいないだの何だの、エルザをからかう様に言っていた。 「ランスロットさんも人が悪いよね・・・」 「まったくだな。」 ガラハドに聞こえないよう、俺はバッブとポテトチップを食べながら、首をかしげるガラハドと慌てるエルザを見て ちょっと先が思いやられるとため息をついた、まぁ大丈夫だろう・・・多分、エルザは積極的そうだし 一時期のヴェータとウェンディのようにはなるまい、何気なく多めにビールを飲むと、苦さでまた顔が歪んだ。 「っ・・・」 「それにしても、あのヒースがこんな良い男だなんてね?ママ惚れそうだよ。」 「けほっ・・・それはどうも、水は無いだろうか?」 クスクスとママが笑いながら、俺に出したのはフルーツで割ったサイダーだった リンゴとレモンの味が冷たく喉を通り、さっきの苦さは身体の奥へと流されていった。 「美味い・・・」 「スカッシュが気に入ったみたいだね?好きな人少なくてね〜レシピ・・・は少し特殊だし、今度来たら出してあげるよ。」 「ありがとう、顔だけじゃなく腕も立つんだな。」 味的にはリンゴとレモンだけじゃなく、多分ハーブやパイナップルも入ってるだろう サーチアイで見てみたが、分量が絶妙で俺には無理だと判断して、次くるのを楽しみにした。 「おーおー、なんじゃなんじゃヒース、ママまでナンパするつもりか?」 「おいおい俺はそういう感情は・・・」 「女4人と旅をしててよく言うの〜これからが楽しみだ。」 俺がしどろもどろしてると、ママがどういう事か聞いてくる、折角ウォー・オブ・ザ・パーティだけで終わらす予定だったのに こうして俺は今の状況を話すことになるが、ママの巧みな誘導で裏話まで話されてしまった、この人は話すのが上手だ 「それでディファクターに・・・」 「へぇ、裸取られたなんて大変ねぇ、まっそれだけ好かれてるのね。」 苦笑いをしつつ俺がアップルスカッシュをまた飲み干し、ポテトチップを口に入れると、そろそろ時間が来たようだ 「父さん、そろそろ帰らないとマズイと思うんだ。」 「むっ?まぁたしかに・・・そろそろ帰るか、御代は置いとくぞママ」 ママが手を振って見送ってくれると、俺らはこの薄暗いロンドムを大人数でぞろぞろと帰り始めた このぼんやりと薄く、闇が手招いてるようなロンドムは朝と違い、薄気味が悪かった。 「むー、気味が悪いね〜ザ・リッパーが出ちゃいそうだよ。」 「ざ・りっぱー?」 「神出鬼没の殺人鬼よ、狙われるのは体格の良い男で皆バラバラにされてる」 物騒なのがいるな、用心しないとと思いながら、話を聞いていると殺人鬼のロボットらしい 紳士のようでとても魔導機とは思えず、魔霊機の可能性(精霊の宿る魔道ロボ)もあるが 精霊の残留魔力もない、NIのマナスレイブだと思われたりもしてるが、NIは関係を否定してる。 まぁ利益にならないし、スリギィを敵に回すメリットがあると思えない、一応カリメアと同盟国だし バクフ国の忍者説は一番バカらしい、同盟国になんでそんなのを送る必要がある? 二番目に有力な闇黒連合の試作機、これは停戦後も事件があった上、闇黒連合は関係を否定してる 最後の亡霊説が一番、有力だったが現場には霊力などもなく、これも外れだったらしい このごろはスリギィに恨みを持つ科学者の作ったロボットだのもあるらしい 「僕ら円卓の騎士団も探してるけど、全然見つからないんだ・・・」 「ウルフガングの作った高性能レーダーでダメだし、本当なんなんだろうね・・・」 エルザがむーっと、不機嫌そうな顔をして路地裏への通路を見てた、国を挙げて見つからないとなると どうやら相当なバケモノのようだ、円卓の騎士がいるし俺は大丈夫だろうが、用心しておかないと 街中ではロボットの使用は禁止されていて、使えるのはロボット専用の道路がある場所だけらしい。 「むー、早く帰りたいがロボは使えないか・・・」 「まぁ大丈夫じゃよ、ワシらがいるんだし。」 「父さんは腕は確かだからね、緊急時ならロボを使ってもお咎めは少ないさ」 皆、出てきても何とかなると言ってるが結構、警戒態勢で進んでいるのを見ると隠れるだけじゃなく 戦闘もできると見た、出会いたくないなと思ってると、あっという間に城まで着いてビックリした。 「何だか早いな・・・」 「こういう時って、自然と早歩きになるんだよきっと・・・」 「それよりヒース大丈夫か?陛下やアリシア王女達の事。」 「そういや、あれから数時間もしたがほとぼり冷めたかの?」 ザ・リッパーの前にこっちのが怖かった、怒ったままだったら・・・・ 「女の風呂を除くなんて最低です!無期懲役!」 「ヒースさんの変態!もう知らない!行きましょう皆!」 「やだなぁ・・・そうなったら・・・」 「ははは、そこまで狭量じゃないよ、悪くてお説教タイム2時間だろ?」 それもそれでイヤだな、ガラハドがそれもそうかと、俺の肩を気の毒そうに叩いてくれた 俺が落ち込み気味にしてると、今度はエルザが肩を叩いた、何か良いアドバイスをくれるようだ 「ガラハドの言うとおり、何とかなるよ・・・うん。」 「・・・自業自得だからしょうがないか・・・」 俺が肩を落としていると、ランスロットが俺の横に出てウィンクする、なんだと思ったら 「胸のサイズがどうだったか教ええてくれれば助け舟 「バルハーガアタック!!」 沈んだ、まぁしょうがないか。皆に別れを告げて自分の泊まる部屋へと戻る前に 女王に会うように言われ、俺は王室へと向かう事になった、一人で行くとなると不安だ・・ 「はぁ・・・」 出来ればガラハドたちに案内してもらいたかったが、もう23時になりかけてるし無理だった。 この明るい城の中で、来た時と同様の苦しみを味わうなんて・・・ついてない。 あぁ王室の前に来てしまった、まずはノックをするとアゼイリア女王の声がした、深呼吸をして入ると 「こんばんわ、用件は大体分かります。」 「三度目の無礼、深くお詫びいたします・・・」 頭を下げて数秒後に、頭を上げろとアゼイリア女王の声が聞こえた、恐る恐る顔を上げると 怒りは顔に無くそれを隠してる様子も無い、ほっと一息ついているとまた、アゼイリア女王の口が開く 「ディファクターだが、倒した事には感謝しています・・・ですが、落ち着きを忘れぬよう。」 「お許しいただき、真に感謝いたします・・・」 「それとだ、もしも尻が好きなディファクターの構成員がいたら、優先的に倒して欲しい・・・」 「はっ?」 「と、友に尻の形が良い奴がいて、それで・・・と、とにかく今後このような事が無いように!」 怒ってるような、恥ずかしがるようにアゼイリア女王が言うと、俺は下がって良いといわれた さて、今度はアリシア達にだがもう寝てるかもしれない、俺は部屋に・・・ 「お帰りなさいヒースさん。」 「待ちくたびれたぜ?」 「ふふ・・・ヒース、どうなるか分かってるわね?」 皆部屋にいた、あぁ13を選んだのはやっぱり不幸になるからか、皆に謝ってから 1時間と26分も説教をされた、しょんぼりと俯いてると、アリシアが救いの手を出した 「今度からは落ち着いて行動しましょう?」 「そうする、すまなかった・・・」 さて、風呂には入ったしそろそろ寝よう、そう思ったのだが忘れてた事があってアリシアを引き止めた 「そういえば、今日はウェンディと連絡したんだ」 「ウェンディと?」 「よろしく言うように言われた、恋人ともども元気だよ。」 それだけ言うと、アリシアは嬉しそうな顔をして礼を言うと、部屋を出て行った・・・ 怒られると怖い。だが基本的に美人ぞろいだな、俺の仲間って・・・さて、今度こそ寝よう そう思って靴を脱ぎ、ふかふかのベッドへと潜り込んだ、寝れるならやっぱり眠るのがいい 目が覚めたのは深夜の2時、おかしい・・・何かいる、このロンドムにいるにしては大きすぎる 何か肉の塊のような巨大な物が動いてる、普段は使おうと思わないと変化しないサーチアイが 俺にその事を伝えようと必死だった。 「折角の安眠だったのに、安眠妨害にも程がある。」 急いで靴下と靴を履いて、身支度を整えると俺は窓から、ロンドムの町のほうを見回した いる場所は大体見当がついた、クソッなんなんだあれ!お上品に門から出てたら逃げられる。 窓から禁忌を一部だけ出して、俺はそのままロンドムの闇へと、飛び消えていった 「っと、どこだ・・・」 全力で走って数分すると、目標近くまで到着した、さぁ目標は・・・サーチアイを熱探査モードにするが 見つからない・・・そんなバカな、あんな巨大生命体が引っかからないなんて、こうなれば勘に頼るしかない それがいる。そう思った方向へと走り続けていると、ダンダンと殺気の様な息苦しい何かを感じた。 「ここっ!?な、ロボだと!!」 生物と誤認したのはロボなのか、シルクハットを被りマントを装備してる、スリギィのロボットに似たのがいる だがサーチアイは紛れもなく、それが生物だと言っている。少し息苦しいのは、瘴気の類のようだな これでレーダーを遮断していたのだろう。俺が構えてると見向きもせず、それはマントから触手を出して 倒れている男を切り裂こうとしていた。 「危ない!禁忌っ!!」 禁忌を呼びだし、速攻でタックルを決めるのだが、普通の違う金属がぶつかり合う重い音ではない 吸い込まれるような感覚に、焦って後ろへと下がると、それも俺の方を見て警戒態勢を取っている こいつ・・・武器は触手の先の刃物、そしてこの格好・・・まさか!? 「まて!!」 最後の悪足掻きで、逃げるそれにサーチアイを最適化させて、何とか手がかりだけは掴んでおいた さぁこの男を運ばないと・・・警察で良いか、もう遅いし明日の朝にでも事情を話すとしよう・・・ あれが動くにしたって警戒して今日は動けまい・・・ザ・リッパー・・・ 警察署に到着すると、遅い来訪者にビックリしていた。そして男を引き渡すとさらに驚いて 事情を聞いたが、俺はザ・リッパーが出たと城に話を付けてくれと、城へと走り去っていった 次の日の朝は騒がしいことになった、朝食を食べ終えた後、直ぐにアゼイリア女王に直々に呼ばれた アリシア達が何があったか聞いたが、その時は俺は隠しておいてアゼイリア女王の下へ・・・行くと 作戦会議室のような部屋で、俺は昨日のザ・リッパーの話を話す事を、朝からせっせと話す事になった。 「ですから、ザ・リッパーは生物なのです」 俺の一言で、周りが戦慄して騒然となった、ロンドムのどこかに人を性格に切り刻む SDロボサイズの巨大な怪物がいる、そうと分かれば慌てるのも仕方が無いだろう アゼイリア女王は周りを沈めて、次の質問へと話を移させる。 「ヒース、貴君の話ではザ・リッパーは巨大生物であり、なおかつ瘴気を出せると?」 「その通りです、普段からは出していないと思いますが、人を襲う時に使うかと」 「バカバカしい!大体マリン殿が調べた際、魔術的な力はないと!」 「だがあのヒースが言うのだ、あり得なくはないと・・・」 対策本部という感じの、上流階級の貴族のような軍人がまた慌てふためく、さらに詳細な情報を言うと ますます騒ぎが大きくなった、瘴気を操り挙句の果てに、動きは俊敏とまさに怪物のような存在だ 街中に出現して大規模な攻撃も出来ない、ただの猟奇殺人鬼だと思った存在が、そんな怪物だったのだから 「静まれ、ヒース分かる事はそれで全てですか?」 「はい、申し訳ありませんが逃げられてしまい・・・」 アゼイリア女王の一言に、一瞬で周りが静まり返った、それからアゼイリア女王が策が無いか 周りに聞いてみると将軍のような男が、部下に地図を持ってこさせた、ロンドムの地図だろうが 赤い線がいくつも引いてある、男の説明によるとそれは、ザ・リッパーの出現ポイントらしい 「全て路地裏のようだな?」 「流石、陛下は食べ歩きで街に詳しいございますな・・・」 アゼイリア女王が少し赤くなってたが、直ぐに切り替えた、どうやら出現ポイントは全部が全部。路地裏で よく見ると線で結べて、その線の中がザ・リッパーの活動範囲のようだ 「不幸中の幸いか、路地裏なら一般人の外出を規制すれば、今夜にでも・・・」 「お待ちください陛下、ザ・リッパーは屈強な男を狙います、囮が必要では?」 「それなら俺に手伝わせてくれないか?」 周りがギョッとした感じで俺を見てる、あのバケモノを野放しにしたくない、公園で見た平和な光景が あんな変なバケモノに壊されるのはイヤだ、ママだって水商売だし、夜にあんなのが出ると迷惑だろう。 「俺はザ・リッパーを見てるし、邪魔にならないと思っています。」 「心強い、と言いたい所だが客人には危険すぎる。」 アゼイリア女王のいう事は最もだ、だがこっちだって食い下がる、無礼を働いた償いやら 円卓の騎士との友情やら、それらしい理由を言っているうちに、ある条件を付けて許可が出た 「絶対に死なない事、また無茶をしない事が条件です。」 「ありがとうございます。」 こうして俺はザ・リッパー討伐作戦に参加する事になった、アリシア達には悪いが、もう一晩泊まって行って貰おう さて作戦は聞いてある、円卓の騎士で空中を移動できるメンバーを集め、少数で一気にケリを付ける作戦らしい 俺は囮兼用で、ザ・リッパーを感知する役目を与えられた、作戦結構は夜の0時と伝えられると 下がって良いと言われ、部屋へと戻ったのだが、部屋に誰かがいる・・・メイドか? 「おかえりなさい」 「皆?どうしたんだ?」 皆揃ってた、さっきのことを聞かれて、話すと手伝うと言ってきたが、今回は今までとは訳が違う 皆を守るように頼まれた身として、今回はダメだと言うと、さっきの俺のように食い下がってきた 「テレサやタガメからお前達を頼むって。」 「なら私は大丈夫だろ?せめて二人の分まで!」 「ヤカリ、ヒースさんの事分かってあげて・・・」 ペルソルナがヤカリを止めてくれた、アリシアとメディナは分かってくれたらしく、少し残念そうな顔をしていた 「ゴメン皆、足手まといとかそういうわけじゃない・・・それだけは分かってくれ。」 「・・・絶対、生きて帰ってきてくださいね?」 「分かってるわよ、死んだりしたら承知しないわよ?」 「いいぜ、けど本当に気をつけてな?」 「ヤカリじゃないし、大丈夫よ・・・ね?」 分かってくれた、安心してたが皆を不安にさせっぱなしはあれだ、そうだ皆でロンドムを回ってみよう 皆は賛成してくれたし、今からでも行く事になった、希望は薄いが・・・ 「ヒース?どうしたんだ?」 ここに詳しい人がいる方が心強い。ガラハドにあって、一緒にこれないか聞くと難しい顔をしていた ランスロットと訓練をしようかと思ってたらしい 諦めようとするとランスロットが出てきた、あぁ変わりに行くとか言うんじゃ・・・ 「行ってくると良い、訓練ならいつでも出来よう。」 「けど父さん今日は・・・」 「息抜きも必要じゃて、ワシはかまわんよ」 ランスロットはスケベなだけじゃないが、自分は行かないというのは意外だった、歳だし街を歩いてからは苦しいか ランスロットに礼を言うと、ガラハドと俺は待たせてるアリシア達の下へ・・・ 「けどの、あの子らのセクシーなワンシーンはカメラに 「バルハーガアタック!!」 「さて、行くとしよう。」 「っと、困ったな女の子の趣味、わかんないぞ?」 「まぁ大丈夫、昨日みたいにすれば良いだろうさ。」 さて、合流するとアリシアがお辞儀をしてメディナとヤカリは軽く挨拶して、ペルソルナも丁寧に挨拶をしてると ガラハドがビックリしていた、小さなロボで喋るなんて滅多に見ないだろう。ぬいぐるみのようにも見えるし 「びっくりした、コレット・ファヴァの住民かと思ったよ。」 「へへへ、ルナ・・・ペルソルナは縮小装置で小さくなってるのさ」 ちょっと落ち着くと、ガラハドが眼鏡をかけていた、少し疑問に思ったのだが 街中で沢山の女の子と一緒に歩くと、面倒な事になると言う。 「そういえば、アンタは街に出りゃキャーキャー言われるんだよな。」 「そういう事さ」 なるほど、男の俺から見てもカッコイイし無理も無いな、それから自己紹介をすると メディナの事は知っていたらしい、メディナは闇黒連合のエースだったしな そしてヤカリも、アゼイリア女王をスケッチしたりとちょっと有名だそうだ そしてアリシアの名前を聞いたとたん、噴出して礼をしていた。 「とんだご無礼を!」 「いえいえ、お気になさらないで何時もどおりにお願いします。」 ガラハドも落ち着いて息をついた、さて俺達はこうしてロンドムへと出たのだ 男2人と女4人、これだけ大人数だと人目にもつくかもしれないが まぁ大丈夫だろうとまずは、洋服店に到着した、なるほど服か・・・ 「そういやヒースは服ってどうしてる?」 「むっ?そうだな洗ったのを使いまわしてる、少ないほうか?」 俺の一言で、少し心配になったのかガラハドが服を選んでくれた、のだが少し四苦八苦してる アリシア達が旅に必要そうな、動きやすそうで丈夫な服を探してる間、俺はガラハドに服を選んでもらった のだが、ガラハドがちょっと残念そうな顔をしていた、別に悪いと言うわけじゃないのに 「ヒース、お前なんと言うか黒が似合いすぎるな?」 「ふむ・・・そうか?」 黒系統しか浮かばなかったと、ガラハドが財布に手を入れたが、買わせるのは申し訳ない 自分で買って次元層に送っておいた、アリシア達のも次元層に送ったのだが、折角だしな 「好きな服買ったらどうだ?」 「私は特に無いしいいよ、これだけで十分。」 「パーツ付けるから服は要らない」 「あるわけ無いじゃない、可愛い服とかあっても、今着てるののが可愛いと思うし。」 それじゃもう大丈夫か、と思ったのだがアリシアがどこか赤い、欲しい服でもあるんだろうか 「何かあるのか?」 「えっ?言えそんな事は・・・」 「顔が赤い、こういう時は隠し事してる時だな。前も言ったが我侭を言っても良いんだぞ?」 どうやら当たりだったようだ、少し戸惑っていたが、直ぐにメディナとヤカリが後押しした 「買えば良いじゃない、文句なんて誰も言わないし。」 「まぁ幸いヒースがいるんだしさ、買っても邪魔になんないさ。」 アリシアがようやく折れて、てとてとと店の置くにあった白いワンピースをレジまで持っていく その様子を見ていて、隣にいたガラハドが俺の耳元で囁いた。 「ヒース、意外とこういうの得意なのか?」 「何のことだ?」 「いや、気配りとかそういうのがさ。」 どうなんだろう、正直こういうのは得意か分からない、が偶然だろう恐らく。 「偶然だ、うん」 「そうか?まぁそういう事にしておくよ。」 袋を持ってこっちに来たアリシアに、次元層を開いて荷物を置かせ、もう買い物をする事もないので帰ることにした 次は何処へ行くか聞いてみたら、好きな場所に行くと良いといわれ、俺は特に無いから皆に聞いてみると ヤカリが見晴らしの良い場所と言ったので、ちょっと遠い所だが高い所にある公園、そこへ行く事になった 「ゴメンな皆、歩かせちゃって」 「気にしてないわ、観光目的なんだし歩くのが普通よ」 「それにしても人が多いですね〜」 「まぁ夜は危ないからね、何か買うかい?」 アリシアが食料の事を気にしたが、買って置いたと言うと種類を言い、大体のものがあると分かると安心していた だが他に薬も補充しておきたいという事で、薬屋による事になった、俺は要らないが皆はもしもの時に必要か。 「旅って大変だよな、女4人と男一人じゃ何かあるんだろ?」 「案外そうでもないわよね?」 「だな、ヒースは覗いたりしないし、いたって普通か?」 ガラハドが意外そうな顔をしてる、こういう旅だとトラブルの一つや二つあるから、随分と環境は良いというが まぁ俺はロボットだし、人間といろいろ違ってるんだと言うと、なんとなくだがガラハドも納得したようだ そうこうしてるうちにアリシアが、袋に薬を大量に入れて帰ってきた、中身を見ると酔い止めに鎮痛剤 風邪薬に・・・ストックはまだあると思ったが、人数が増えたし大いに越した事はないか、これも次元層に送った 「アリシア王女はしっかりしてるし、旅慣れした奴もいるならトラブルが少ないのも納得いくか・・・」 「まっそういう事なんだろうな。」 ヤカリがいるし、トラブルが起きてもある程度は安心できる、確かにそれもそうだった アリシアだってしっかりしてて、これならトラブルが起きる方が少ないと、今更気づいた。 「ね、ねぇアリシア?」 「なんです?」 「その、薬って・・・や、やっぱり良いわ。」 メディナが何か良いかけてやっぱりやめてた、なんだと思ったアリシアが、目を見開いて分かったと言う感じに掌を叩く ヤカリがなんだなんだと、アリシアに聞いてみるとどうやら、プライベートだから話すべきじゃないらしい 「ゼリーなら買ってあります。」 「そ、そう・・・ありがと・・・」 ゼリー?何のことだと思ったが、ガラハドが分かったようで俺に耳打ちしてくれた、子供用に 粉薬などを包んで、飲みやすくするゼリーがあるらしい。そうかメディナは苦いのが苦手だし、それでか。 「むーっなんだよー、教えてくれてもいいじゃん」 「ダメよ、早く行きましょう日が暮れちゃう?」 「そうだね、行こっメディナの秘密はそのうち分かるよっ」 こうして俺達は薬屋からでて、また少し歩く事になった、目的地はまだらしく それまで俺達は雑談をしながら、ロンドムの街を観光してる 「んであっちは陛下のお気に入りのお菓子屋なんだ」 「ガラハドさんはいろいろ知ってるんですね〜」 「と言うより、アゼイリア女王って本当に食べ歩きするんだなぁ」 どうやらヤカリ達は、アゼイリア女王と喋っててある程度、アゼイリア女王がこういう所に来るのを知ってたらしい ガラハドがそこが良いんだと、少し笑っていた、女王と言うのは何でこうも友好的な人が多いんだろう。 「っと、ここからは坂だから少し頑張ってもらうよ?」 「OK、アリシアは?」 「私は大丈夫です。」 それから少し坂道、といっても急なものではなく、ダンダンと登っていくと高くなっていくのが見えた 上に行くとロンドムが一望できる高さになり。ヤカリがはしゃいでスケッチブックを取り出した 「綺麗だね〜ヤカリはすっかり夢中みたい。」 「お城も見えますね、何だか素敵です・・・」 皆が見惚れてるが、確かに見惚れたくもなるだろう、青い空の下の古風な感じの町と城 こんなに様になってるのは、中々見れないだろう。ディファクターの構成員がいたら喜んでる 「綺麗だろ?」 「あぁ、こんなに綺麗だったなんて。」 手すりに寄りかかって、ロンドムを見渡していると、こんな綺麗なロンドムも夜になると ザ・リッパーのようなバケモノが出現する、そう思うとどこか悔しくあった。 「ザ・リッパー・・・」 「・・・今夜にも倒せるさ、そうすれば夜も活気がつくよ。」 ふっとガラハドが笑うが、どこか鋭くロンドムを見つめていた、このどこかにいるであろうザ・リッパーを睨むように 「この国は王にも騎士にも恵まれ、良い国だな・・・」 「そう言って貰えて嬉しいよ、そろそろお昼か近くにサンドイッチ売ってるから買ってくるよ。」 ガラハドが少し、いなくなったし何をしようと思って周りを見たが、ヤカリはスケッチに集中してた となるとアリシア達しかいない、ペルソルナはアリシアに抱えられてるし、メディナもそっちにいた 「ふふっアリシアって柔らかくて気持ち良い〜」 「あっ・・・私太ってるかな・・・」 「違うよ、アリシアは肌が柔らかいしそれに、胸当たってるしね〜」 「こらペルソルナ!あんたもヤカリと同じで親父臭いじゃない!私が抱くからこっちにきなさい!」 何時ものように、じゃれていて微笑ましく感じれた、メディナがペルソルナを抱え上げて 恥ずかしがってたアリシアの膝の上に乗っていた。何だかんだでメディナもあそこが好きなようだ 「・・・本当に姉妹みたいだな。」 「どした?」 前から思っていた事をふと口に出すと、ガラハドが帰って来て少しビックリした、まぁ直ぐに落ち着いたが 気づかれぬようにガラハドに話して、ガラハドもアリシア達を見ていると、なるほどと和んでいた 「いい事だな、あぁやって敵だった人物が仲良くしてるなんて。」 「うむ・・・俺は昔の事は詳しくないけど、メディナは色々と吹っ切れてるみたいだ。」 優しくガラハドが笑っていると、お昼のサンドイッチを二人に渡しに行って、アリシアとメディナがビックリして メディナがペルソルナを放してペルソルナが膝から落ちかけた、ふっと笑ってるとガラハドが二人に渡し終えて 今度はヤカリに渡すが、ヤカリは気づいていないらしい、スケッチに完全に夢中になっているようだ。 「いいな、個性的で。」 「あぁ、あっすまない」 サンドイッチを齧りながら、今日の事をガラハドに聞いてみると、討伐に当たるメンバーは ガラハドとエルザ、それにバッブと王宮魔道師の少女が行くらしい、俺はその援護だ。 「円卓の騎士が3人もか、これなら確実か。」 「油断は出来ないさ、あいつは化け物なんだろ?」 確かにそうだが、あの化け物がそれほど賢いとも思えない、こっちは街の地形にだって詳しい騎士 油断したくもなる、だがガラハドが言うとおり、相手が何をするかわからないし気をつけよう。 「出来たっ!腹減ったし飯買いに行こうぜ」 ヤカリがスケッチを終え戻ってくると、横に置かれたサンドイッチの容器に気づいてなかったらしい 俺達が笑っていると、ヤカリが首をかしげていた、ヤカリが気づくと赤くなって容器を取りに行って タマゴサンドをパクついてた、アリシア達が帰ってから見せてもらうと、ヤカリと約束して俺達は帰る事にした 「今日の夜、お互い健闘を祈る。」 「あぁ、ご武運を。」 アリシア達が先に帰って、俺はガラハドを見送ってから部屋に戻ろうとした、のだが誰かに呼び止められた 俺が振り向くといたのは青系統の服を着た少女だった、服装からして魔術師だと思うのだが・・・ 「貴方がヒース?」 「あぁ・・・誰だ?」 「始めまして、私は王宮魔道師のマリン、今日のザ・リッパー討伐のメンバーです」 あぁ、ガラハドの行っていた魔術師か、用件を聞いてみると昨日の事で・・・あぁ、俺が魔法を使ったことか 目がまともだし信用して付いていくと研究室のような部屋に連れてこられた 「ウルフガングから話は?」 「ウルフガング卿からの話では、魔力を貯蔵できるとの事でしたね。」 適当にイスに座るように言われた、背もたれが倒れていて戻そうと思ったが、戻す方法が分からない 聞こうとマリンのほうを見たらマリンがいきなり、俺に覆いかぶさるようにしてきた 焦っていると胸にピタリとくっついて、俺の目をじっと見つめてくる、何とも妖艶な・・・ 「お、おいっ・・・若い女が、ロボットに欲情するものじゃない。」 「・・・」 えぇい、いい加減にしろと無理やり引き剥がそうとすると、マリンはキョトンとしていた 「私の使える最大級のチャームが通用しないのね・・・」 「チャーム?」 「魅力魔法、それに・・・魔力が増えてる。」 今度はこっちがキョトンとなった、よく分からないが魔力が増えてる? 「ねぇ、性欲が無いって本当?」 「まぁ・・・そうなる。」 「だからチャームが聞かないのね、普通なら私を抱きしめてキスの一つでもしようとするのに。」 「恐ろしいな、君みたいに可愛い子に口じゃ言えないような事をしようとしたのか。」 事情を飲み込んだ俺は、なぜ魅力魔法を使ったか聞いてみると、マリンが俺に完全に寄りかかった 「貴方の魔力耐性とかが気になったの、それに・・・」 「それに?」 「いい事が分かったわ、貴方って魔力を吸収するのね」 魔力を吸収?よくわからないが、そのまま魔力を吸収するという事なのだろうか、だがなら何故 今までアリシアと一緒にいたのに、何故もっと早く貯まらなかったのだろう、アリシア達も気づくはずだ 「多分だけど、貴方に向けられた魔力だけを吸い取る・・・んだと思う。」 「むっ・・・なるほど、それなら納得がいく。」 魔法なら受けた回数は少ない、ここに来る前のクラーケンに大量にくらったし、それでだろうかあの時 アリシア達がスリギィに来て、何か感じてたのは俺のことだったのかもな。 「他にも魔本なんだけど、ちょっと見せてくれる?」 「むっ?あぁ・・・その前に、離れてくれるか?」 さて、しばらく忘れてたがこうしてマリンが離れて、俺が次元層から魔本を出すと興味津々に見てた 次元層の事も気になってるらしいが、俺も詳しくは知らないと言うと、少し残念そうにしてた 「まぁ名前からして、次元と時限の間にある空間っぽいがな、俺が覚えてる数少ない事だ」 「そう・・・むっ」 目に留まったらしい、ジーッとページを見つめていて、それから魔本を閉じた 何か分かったのかと思ったが、また残念そうな顔をして俺に本を返す 「分かったのは古代魔法を使うってだけね、一部科学的な部分もあって素人でも扱える仕様よ」 「なるほど、だからあの時にサポートしてくれたのか」 声がして、それに従い詠唱したのだが撃てたのはその為か 「魔力は無属性に極めて近い、よく分からない属性ね・・・私じゃ分からないし、ウィズラドなら分かるかもね?」 「ウィズラドか・・・ありがとう、記憶探しのヒントになるかもしれない。」 いけたらウィズラドに行きたい、そう思いながら魔本をしまおうとしたが、内容を少し移させて欲しいと言われた マリンはスリギィの王宮魔道師だし、悪用するとは思えない、二つ返事で返すと早速、書き写していた 「それにしても貴方、古代文字が読めるの?」 「・・・多分、これがサポートしてくれた作用だろう」 古代文字なんて読んだことがないし多分そうだ、マリンはふむっと古代文字を、間違わずに書き写していった 「手伝おう、サーチアイを使えば一つの本を二人で書き写せるし。」 「あら?ありがとう、優しいのね?」 「そうでもない、こういう作業はロボットだけに得意なのさ」 マリンの移してるページから10ページほど離れたページを、サーチアイでスキャンして、白紙へとペンを這わせ このミミズのような古代文字を書き始めた、中々難しいが無理ではない、マリンより少し汚いが頑張って 書き写していき、何とかマリンが終わる頃には俺も最後のページを書き終えて、少しため息をついていた。 「お疲れ様、コーヒーも出せないけど許してね?」 「しょうがない、ここにはコーヒーより、怪しげな薬のが出来そうだ」 ふと冗談交じりに笑うと、魔本を次元層に閉まってから、俺は再度ソファへ腰掛けた マリンはさっきの倒れたイスに、寝転がっていると、イスに腹ばいになってこっちを見た。 「ねぇ、あなたってスリギィ語が書けたの?」 「んっ?あっ・・・まぁ、ロボットだしな」 多分ロボットだから、プログラミングされているんだろう、マリンは少し腑に落ちない感じだった 俺は今までいろんな文字を見てきたが、大体の文字は分かった・・・しな、きっと 「それにしては高性能ね・・・今の所、貴方みたいなロボット見たことないわ。」 「・・・この時代の物だと信じたい。」 ふと蘇る、俺の古代ロボ説、だがそしたら俺の記憶なんてあるはずがない、古代文明のことは 未だに謎が多いんだ、考えたくも無い、ガンスロートの件だってあるんだ。 「まぁ・・・そう信じたらどう?」 「そうするよ、さて俺は行くよ。」 「今日の夜また会いましょう、頼りにしてるわ」 こうして、俺はマリンのいた研究室のような部屋から出て、泊まっている部屋に帰ろうと・・・したのだが またガラハドに合流した、縁があるなとフッと笑っていると、ガラハドが用件を話し始めた 「昨日の店に行かないか?決戦前に腹ごしらえで。」 「ふむ・・・付いていくだけでも良いか?」 正直、腹はあまり減ってないし食べる気はしないが、一緒にいる方が楽しいだろう それでも良いと言われると、今度はガラハドがマリンを誘いに行った・・・さて 「これが最後の晩餐にならんように、全力を尽くさないとな。」 続く 続く