「君は本当にすばらしいな、基本性能は常人を超えてるしエネルギーデバイスとしてはオーパーツの類だ!」 「うがぁあああ!ぐぁあああああ!!!」 NIの実験は日を増すごとに過激になった、今回のテストはエネルギーの搾取。体から強制的にエネルギーが奪われ 鈍い衝撃が体を襲う。送るなら痛みも無いが無理やり取られるとなれば、話は変わってくる 「ぐぅうううぁああああ!?」 痛みは鈍く、付けられた管の付いた腕輪や首輪からエネルギーが奪われるたびに 激痛がゆっくりと突き刺さる。相手も俺がちょっとじゃ死なないのは知っているらしく 30分程度、この拷問にも見えるテストを続けられたがエネルギータンクの限界で開放された 「ドラグノフ先輩、これを解剖すればマナスレイブは1世代上のエネルギータンクを積めますよ!」 「それだけではありません。強化人間に同じような機能が付けば・・・」 「ふふふ無限エネルギー・・・超消費が出来る・・・」 えぇい、この科学者共の気味の悪い微笑みは何とかならないか、この前のガルマーダとか言う奴や アクアとか言う女だけでなく、自己紹介をしてない科学者も狂気と狂喜の混じった笑いをしてる 「ヒース君、君は本当に素晴らしい・・・」 「あぁ、僕ら科学者にとっての天からの授かりものだ」 「ふぅふぅ・・・形状変化金属をですね、スライムにですね、消費は君のエネルギーでね」 くそっこんなのイヤだ!だが脱走の機会はまだ、今は耐えろ・・・最悪の場合、逃げれなくてもヴェータ達が手を打つかもしれない それを信じるしか今はできない、だが一番は自分から脱走できる事だな。せめて砂漠でも横断してくれればな・・・ 「世界的な危機・・・NIの暴走がそれだったりしてな・・・っぐぎゃあああああ!!」 「ふぅぅふぅ・・・」 「おやおや、興奮しすぎですよ?」 「もう皆、鼻血出して出してないのは貴方だけよドラグノフ?」 くそっコイツら!強すぎる力で完全に可笑しくなってる、コンナ奴らが兵器を開発したら! ましてや俺のオーパーツを利用したら最悪の事態になりえる! 「この(放送禁止用語)共が・・・がぁああああああ!!あぁっぐがぁああああああああああ!!!!」 何とか・・・しないと・・・ 「でよ、私とルナのは何なんだ?」 「そんな事も知らないのヤカリ?」 「ヤカリはヤカリねぇ・・・調べておきなさいよ」 うっルナとメディナにダブルパンチされた、だってどんなのかしらねーんだもん・・・ 呆れ気味のメディナが、腰掛けてるとウェンディが来て横から助けてくれた 「ヤカリの遺跡でパーツ探しだね」 「ねぇ、私に規格あうの?」 ペルソルナの言うとおりだな、パーツの規格があわねーんじゃ探しても意味が無い、けどそこは大丈夫らしい 「私達が探しに行くのって、古代の遺産なんだって」 「古代の遺産?」 「うん、遺跡にあるって言われる伝説の金属を探すんだってさ」 「えー、なぁ本当にあるのかそれ?オリハルコンで鎧でも作るの?」 伝説の金属って、オリハルコンとかそういうのか?と思ったらそれとは違うらしい。 「えっとね、その遺跡が発見された時に古代文字で遺跡の奥に禁断の金属が眠ってるって書いてあったんだってさ」 「意味を調べたら「軽量・硬質・柔軟」の3拍子で形を粘土みたいに変形できるんですって」 そりゃすげーや、けど何で発掘されてないんだ?そんな疑問がふと浮かんだけど、これにもちゃんと理由があった 「遺跡の先に行くには謎解きが必要だけど、それが解けないのよ」 「はっまっ待て!それじゃ私らでもダメじゃん!」 「レヴィアさんが「ダクエルちゃんが貴方達なら分かる」って言ったし、それを信じよう」 うわー・・・すげぇことになってきたな、どーしようと少し悩んだけど、まぁ何とかなるって信じるしかない 駄目なときは別の手段を探せば良い、最悪の場合でも私にはクゥルセルヴェがあるし・・・ 「科学者連中ってどこかネジが外れてるよな」 「みなさーん、お昼ごはんですよー」 「あっ出来たんだ!よし腹ごしらえ腹ごしらえ♪」 「だいじょーぶかなぁ・・・」 「大丈夫よ・・・多分。きっと・・・そうであって欲しいわ」 旅人と機人と古代の夢 「んぐっはぁ、ご馳走様」 「お粗末さまでした、ヴェータさん後どれぐらいで?」 「2〜30分だな、それまで十分に休んでてくれ」 ヴェータが操縦したまま、おにぎり食ってると残り時間を教えてくれた。結構あるな どーしようかと思ったけどやる事もない。こんな時はウェンディ達と雑談だ 「なー、ここいらでおさらいしね?」 「おさらい?何の?」 「ウェンディとヴェータの関係うぼぁ!」 「自業自得だねぇ・・・」 「まってくね」 ってぇ〜人の恋路ほど楽しい物はねーんだけどなぁ、まぁ物騒すぎたかな。 と言うわけで今度はまじめな話だ。 「ヒースの事なんだけどさ、助ける算段はあるのか?」 「今はまだ、チャンスが来る前でに力を手に入れる必要があります」 「なーる・・・それじゃ今回のは今日中に終わらなきゃ、別をさがそーぜ?」 時間は無限じゃないか。まーそりゃそうだよな・・・ヒースがいつまで持つか 解剖なんてされなきゃ良いけど、きっとされる時がくる 「明日までは大丈夫でしょう」 「インフィニティも2日で手に入ったしね、2日ぐらいなら大丈夫よ」 「そか?」 「はぁ〜パワーアップって言ってもリペイントはやだなぁ在庫で500円になっちゃう」 ルナの奴は何を言ってるんだ?首を傾げてると、付いたらしくてキルコプターが着陸した さーて、今回はロボに乗らなくて良いから皆徒歩で行く事になった。 「ヴェータ様、ウェンディ様。お待ちしておりました」 「うむ、通らせてもらうぞ」 「あれ?けっこー警備が厳重?」 遺跡の周りはフェンスとロボで囲まれてる、暗黒帝国がみっけた時に内容は分かったけど先に進めず 他の国に取られないように占拠したんだとさ 「今じゃそんな事もねーだろうに」 「そうでもない、テロリスト共が謎解きをしたら危ないだろ?」 なーる、私らがフェンスの中に入ると、遺跡が直ぐにこんにちわ・・・何だけど、他の遺跡と色々違う なんだろう・・・よくわかんねーけど遺跡は遺跡、さっさとお宝をもってかねーとな 「謎解きに自身ある?」 「一応あるかな?」 「ヤカリが?嘘をつくならもう少しマシな嘘をつきなさい」 メディナに軽くグリグリをしておくと、メディナがワーワー言って焦ってた、以外にメディナってグリグリに弱いんだ まぁくだらない事をする前に、遺跡にさっさと入って宝探しだ。 「・・・なぁヴェータ、随分と狭くないか?」 「十分広いが、遺跡としては確かに狭い」 中に入ると、遺跡特有の空洞的な広さが無い。ここはどっちかと言うと沢山の部屋があるような感じだ 流石に謎解きをするだけあって特殊なのな・・・先に進んで行くと、道を塞ぐようにドアがあった ドア? 「何でドアなんだよ!?」 「知るか、僕だって話を聞いたときは理不尽だと思った」 「あれ?これ開きませんよ?」 アリシアがドアノブを握って回そうとするけど、回る気配がまったく無い。何だと変わったけど 回らないし私らの中で一番パワーがあると思うウェンディでもダメだった。 「落ち着け皆、ここが問題の場所だ」 「それを速く言えよ!」 よく見ると、壁に何かが書いてある、埃を払うとそこにあったのは・・・ 「竜巻と岩石?」 竜巻と岩がそのまんま描かれてる。安直に考えれば風属性の魔法と土属性の魔法でも使うんだろう 「よっしゃウェンディ達が」 「ダメだ。前に試されたらしいが意味がなかった」 「えっそれじゃあ、これどういう事?」 これが第一の問題ってわけか、岩と竜巻で魔法は関係ないんだよな・・・ 「何なんでしょう?どこかに岩ってあります?」 「見てきたけど無いわよ、なんだって言うのかしら・・・」 「風が関係してるのかな?」 岩と竜巻なー。あっ竜巻?そういえばこの竜巻って竜巻の割りに形が随分と綺麗だよな? 下に向けて綺麗な三角・・・あぁ、分かったぞ!多分これは 「ドリルじゃね?」 「ドリルだと?何故・・・あぁ!これは竜巻ではなくドリルで岩があるのは「岩を掘る」と言うドリルの特徴を!」 「流石は皇子様!大正解だ」 んでドリルだが、どっかに穴を開けるのか探してみると、ドアノブの穴がまん丸・・・怪しいなこれ 「よっしゃ、誰かドリル貸してくれ!」 「あるわけ無いじゃない!」 うっメディナの言うとおり、ドリルなんてあるわけが・・・あぁ、そうだ 良いこと考えた、ルナを持ち上げるとルナの指を穴の中に突っ込んだ 「よし、ルナ頼むぜ!」 「きゃ〜目が回るー!」 「これ傍から見れば虐待ね」 「ペルソルナちゃん可愛そう・・・」 「しょうがないよ、ペルソルナが指の大きさピッタリだったのが運のつきだよ」 ルナには悪いけど、ぐるぐると何度か回転させてるとガチャンと音がして、ドアが開いてくれた よかったぁルナの指を穴から抜くと目を回すルナを抱きしめて、先へと進んだ。 「なるほどな、ドリルだったか・・・」 「ナゾナゾだよなぁ、考えた奴は変な奴だぜきっと」 ルナはフラフラでダウンしてる。かわいそうな事しちまったなぁ・・・そんな事を思いつつ 歩いて行くと・・・うわっすげー部屋がいっぱい! 「何だこれ!えっとひーふーみ・・・」 「ちょうど良く5部屋ね」 手分けして探せって事か、皆でそれぞれ分かれて部屋に向かうんだけど、本当に遺跡っぽくねーのな ドアなんてご丁寧にあるし。ドアを開けると中は・・・何も無い。埃まみれですげー汚いや・・・ 「こっちはハズレだな」 「けほけほっ!埃くさい・・・」 「何だ、まるで寝室だな・・・」 ヴェータとメディナはハズレか、となるとアリシアとウェンディ・・・あっ 「ドアがあります!」 「アリシアはあたりだね、こっちはまるで衣裳部屋よ」 アリシアがヒットしたらしい、ウェンディが直ぐに合流して私らも後を追って、部屋に入ると・・・ ここは個人の部屋みたいだ、テーブルみたいな物から色々とそろってるな・・・何だろう 「まるで人が住んでたみたいだ。」 「ヤカリもそう思う?私もなんか変だと思ったのよ、おかしくなぁい?」 「確かにそうだな、考えてみれば可笑しい事に、窓がある」 あっ言われて気づいたけど、この遺跡って窓がある!普通の遺跡じゃ絶対にないなこれ・・・ アリシア達のほうに行くと、アリシア達はなぜか足を止めてた 「どうした?何かあったのか?」 「これよ、見てよこの張り紙」 うわっミミズが張ったような字だな・・・何なんだこれ、何か蛇っぽい物が書いてあるけど。 「古代文字だ、心得があるから少し待っててくれ・・・むぅ、上は青で下は赤となる?」 「もっと詳しく分からない?」 「ダメだな、習ったのは簡単な言葉だけで何か分からないのが多い」 「上が青くて下が赤いって何かしら?聞いた事があるわ」 そーいやそうだな、何かで聞いたフレーズだ。周りを見ると看板の直ぐ先にロープが張ってあって 何か金網で塞がれてるけど、変な穴が壁に開いてる・・・ 「そうだ、思い出した!これってお風呂だよ!」 「お風呂?ペルソルナどういう事?お風呂って・・・あぁ上は水で青くて下は火で赤い!」 「そういう事だよ!でもなんでお風呂?」 「あの穴からお湯が出てくるんでしょう、それのスイッチがこのロープで」 なるほどな、アリシアの言うのが正解だろう。ウェンディとアリシアがロープを通り越そうと・・・ 待て、何でここの蛇はとぐろ巻いてるんだ?蛇?待てよ顔が無いからこれってまさか 「待った!何かやな予感が!」 「「きゃあああ!?」」 遅かった!!二人が悲鳴を上げると二人が宙に攣られた、ロープが自動で動いて二人とも逆さに吊り上げられたんだ 「上は青で下が赤なのは下に血が行って顔が真っ赤で、上は血の巡りが悪くなって真っ青になるんだ!」 「答えが遅い!二人とも大丈夫!?」 「け、怪我は無いです!」 「一人じゃどうしようもないね、皆おろすのお願い」 二人とも逆さになってるし、上は高いしでロボットの一部だけを出すかルナを少し大きくするかで 問題は解決しそうだな、けどちょっとばかし、これはこれで絶景なんだよなぁ 「胸って重力に逆らわないんだなぁ」 「へっ?きゃあああ!」 「や、ヤカリ何みてるのよ!」 逆さになってる二人の胸は、下に向けて垂れ下がってた、触った事があるけど柔らかいんだよなぁ ウェンディのは触った事ないけど、アリシアと同じで逆さに垂れてるのがプルプル揺れて柔らかいんだろうな 「結構な絶景だな・・・」 「何やってんのよバカヤカリ!」 「ヤカリのバカ!おっぱい星人!」 「ってぇ!」 二人ともどこからそのハリセン出した!しかもすげー痛いし!それ本当に紙製なのかとギャーギャー言ってると ヴェータの方が先に二人を助けに入った、はぁ・・・まぁ良い物見れたし別にいいかな? 「・・・二人とも胸を押さえててくれ」 けどヴェータは凄い真っ赤、そりゃそうだよな・・・少し苦笑いしつつ、二人が助け出されると 先にあるドアを開けて、次の部屋へと・・・今度のドアはただの鉄の板だった 「何だこれ?」 「またナゾナゾ?この遺跡は分け分かんないよ!」 「いや、今度のは「座り続けた後にたつ物を待て?」 「座ってたつ?何かしら・・・」 「ねぇヤカリ何か分からないの?さっきまで謎解きしてきたじゃない」 「ちょっと待った、座ってるのに立つって何だ?」 ご丁寧に椅子があるけど、何が来るって言うんだろう?あぁけど、座ってれば分かるかと ちょっと大きめの椅子に座ろうとしたら、抱えてたルナがストップをかけた 「罠かも知れないよ!様子を見ようよ!」 「あっ確かにそれもそうか」 「あれ自体がフェイクかもしれないし、何なのかしらね本当・・・」 座ってるのに立つそんな物があったかと、首をかしげていても始まらない。何だろうと 皆で悩んでると、ヴェータが何かを閃いたらしくて顔を上げた 「立つといっても、物理的に立つとは限らないんじゃないか?」 「なるほどね、それじゃあ立つ物で色々考えて見ましょう」 「家じゃないかしら?家が建つって言うじゃない」 「無理があると思います、時間が過ぎたら立つって事で紐なんてありえません?」 「それじゃ座らなくてもたつよ、裁つって事で布なんてどうかな?」 「それも違うと思います、座っててたつんですから、自分で切ってますし」 「発つ・・・出発と言うのはどうだ?時間がたち旅立つとか」 「む?そっか!やったぜヴェータ!流石は皇子様!」 皆が首をかしげてると、私はさっさと椅子に飛び乗って時間が過ぎるのを待った、皆が見てると 椅子が少し沈んでちょうど良い大きさになって、地響きがするとドアが開いて行く 「時間だよ、座ってても時間はたつ」 「なるほど時間差のスイッチだったのか」 「ヤカリってば、ナゾナゾとか得意なのね」 「へへっ子供のころに良く遊んだからな、ふざけた遺跡だけど結構楽しいぜ」 メディナの頭をぽんっと叩いて、得意になってると次の部屋へと・・・趣味が悪いぜ 前言撤回。今度の部屋は部屋の四方に悪趣味な化け物の銅像が飾ってある 「うわっ何よこれ・・・」 「また看板だ、何々・・・世界の中心にいる怪物を使い進め?」 「あっ見てください、看板の後ろにスイッチが!」 世界の中心の怪物?この銅像がキーカードみたいだ、よく見ると看板の後ろにはスイッチ それに繋がるように溝がある、って事は銅像にも何かあるな 「この銅像、下に滑車があって溝にはまってる!」 「それじゃ動かしてスイッチを踏ませろって事か」 「けどこのスイッチ段差があって、一度入れたら元に戻すのは苦労しますよ」 状況を確認すると、4つの銅像のどれかが答えで外れればドアは開かない。けどどれが答えか分からない・・・ 兎に角銅像を見てみよう、一つは蛇、一つは像、一つは鯨、一つは蚊・・・・あー・・・ 「この場合は神話つながりかしら?蛇は闇の国で像はヒンディアで鯨は・・・」 「あれですね」 「確実にあれだなぁ、ルナ少し座っててくれ」 「ここまで来ると分かっちゃうよね」 「慣れるって怖いな・・・」 私ら4人で、蚊の銅像を一気に押すとドアが開いた、メディナが驚いてるって事は分からなかったんだな 「へへっせ か いに分ければ真ん中は「か」つまり蚊って事さ」 「お、重そうだから見てただけよ!」 おー、赤くなってる赤くなってる♪こういう子供っぽさもあるんだし、こっちのが可愛いんだけどなぁ まぁいいや、さて次の部屋は・・・はっ!?今度は何だ行き止まり!?やべっ間違った道だったか! 「待ってヤカリさん!あれ!」 「また看板!ヴェータ解読して!」 「分かった・・・ナゾナゾなのかこれは?」 ヴェータが首をかしげた、何だと覗き込むけどミミズが這いずって蛇がうねったような字、わかんねーよこんなの! 「この先に進むべからず、下がるべき」 「はっ何だそれ!ナゾナゾですらない!」 「進めないからどうしようもないです・・・」 これを考えた奴がいたら、部屋にドアなり道なりを作ってから言えって言いたい。けど 大昔の人間だしこんな事を言っても意味が無いんだよなぁ 「待って皆、これは何か理不尽なにおいがする!」 「ちょっとウェンディどこ行くんだ?」 「でぇえええい!」 わっ行き成り!?ウェンディが走ってきて壁にサイクロンエッジで切りかかった、これには驚いて 見てるだけだったけど、壁は硬くてサイクロンエッジで切り裂けたけど穴は開かなかった 「はぁ・・・ハズレか・・・」 「どうしたんだウェンディ君らしくない」 「進めないなら切り開けって事かと思ったのよ、下がれは助走を付けろの暗喩で」 「けど違うようですね、何かを暗喩してる可能性は高いですね」 「何なのよ一体・・・むぅ・・・」 皆また悩み始めた、暗喩・・・かぁ、何が隠されてるんだ?いやウェンディの考えが正しくて ただ打撃が足りないだけかもしれない、よし私もやってやるか!部屋の隅だったから私は 「さっきより後ろから行くぜ!皆どいてろ!」 さっきの部屋まで戻って、思いっきり走って壁にキック・・・?何だ、走ってて思ったけど 足音が微妙に違う。さっきのはちゃんと足場があるけど、こっちのは何というか・・・ 「うわっ!?」 「ヤカリさん!大丈夫ですか?」 「何やってるのよ!もう世話やかせるわね!」 「ヴェータ包帯包帯!」 「うぅ・・・そんな痛くないさ、それよりさっき凄い事に気づいたんだ」 これで分かった事があった、立ち上がると地面見て、ルナをまた抱えあげた まだ少しフラフラしてるみたいだけど、言うと協力してくれなさそうだし 「答えが分かった!ウェンディの言うとおりこれは理不尽だ」 「へ?何が分かったの?」 「サイクロンエッジ貸してくれるか?」 ウェンディが首を傾げて、私にサイクロンエッジを貸してくれると。サイクロンエッジを思いっきり地面に突き刺す するとルナ+私の重量で足場が崩れて、落ち始めた。よし正解だったみたいだ! 「ウェンディ!?」 「下がるって言うのは暗喩じゃない!下に下がるって事だったんだよ!足音がここだけ響いてた!」 って待てよ?この後どうすればいいんだろ?やべっ考えてなかった! 「ふぇええヤカリ〜フラフラが悪化するー」 「そんな事言ってる場合じゃ!うぁあああ!?」 「ってぇ・・・何だここ・・・」 目が覚めると、真っ暗で何も見えない部屋だった。地下か・・・ルナを起こさないと 「ルナ、起きてくれルナ」 「うぅ・・・どこ?」 ルナがサーチライトを使って、回りを照らすとここが広いことが分かった。それでいて何というか 広いだけじゃない、目の前の壁は明らかにただの壁じゃない。 「何だろう・・・」 「・・・」 自然とその壁に手を触れると、壁が上がって中から・・・ 「綺麗・・・」 透明な結晶がその先にあった、綺麗・・・まるで宝石のみたいだ・・・私がそれに触れようとすると 頭の上で何かが光る。とっさに後ろに下がるとそれは光で出来た四角・・・まるでテレビだった 「何だこれ・・・」 「光源ビジョンシステムだね、光で立体映像を映し出すの」 画面に当る部分は砂嵐で、見えなかったけど声はちゃんと聞こえた。その声は老人の声で ノイズがない綺麗な音のままで聞こえてきた。 「数々の謎を童心を忘れずに解いた君よ、この超金属を求めてきたのだろう、この形状自在合金を」 何だろう、声が少しだけ悲しいような頼むようなそんな感じの声だわ、この放送は一体・・・ 「この合金は利用者の意思で形を自在に変え、さらに機能を再現可能な範囲で再現する」 科学者なのか、それにしてはクゥルセルヴェの奴らみたいなぶっ飛び具合がないし、まるで 死期を悟ったような声色・・・なんだろう、これを作った人は何があったんだろう 「本来は人類の夢のために作った、だが兵器利用を企む者があまりにも多かった・・・ワシはここにこれを封印した」 兵器利用か・・・いつの時代もかわらないもんだな、この科学者は研究を兵器に利用されたくなかったんだ NIの奴らとは正反対だな、あいつらは無茶苦茶やりやがるし・・・ 「本来なら孫の玩具にする所だが、それすらできぬ・・・先の未来の童心を忘れぬ者にこれを託す。どうか戦いに使わんでくれ」 これで終わりか、モニターが消えるとルナと私は顔を見合わせた。戦いに使わないでくれ・・・けど私らは 戦いにこれを使おうとしてる。むざむざ頼みを無に返せないけど・・・ヒースを助けたい 「ごめんなさい、この研究を武器に使わせてもらいます。」 「大切な人を助ける為なんだ、この力はどうしても使わなきゃ行けない時の他は使わない。約束します」 私らは手を合わせて、科学者を拝むとこの透明な金属を手に取った。紙みたいに軽くて持ち上げるのが簡単 驚いた事に私の何十倍もある大きさが、簡単に持ち上げれた。 「行こうぜ」 「うん・・・」 サイクロンエッジを忘れずにもって、戻っていくんだけど・・・ 「ヤカリー!ペルソルナー!」 「わっ!?」 「ペルソルナ!?どうしたんだよいったい!」 ルナから行き成りウェンディの声がした、何だと思ったら通信を利用してるみたいだ そっか上で皆が待ってるんだ!どーしたもんだろうなぁ・・・ 「ロープが無いから、今から取ってきます!」 「二人とも怪我は無い!無いわよね?!」 「落ち着けメディナ、二人ともそこはどうなってる?」 「こちらヤカリーえーこちらヤカリ、目的のブツがあったから回収しておいた」 皆のビックリした声が聞こえてきて、ちょっと苦笑いしちまった。けど上がれないのは考えてないや どーしたもんだろうね、こういう時・・・そだ、折角ここに便利なものがあるんだし 「ルナ!これ使わせてもらうんだ」 「早速!?」 「ちょっと待ってろよ・・・」 何か良いの・・・色々な形になるんだし、そうだな・・・翼か・・・けど背中にあると不便そうだな だったらどこが良いだろ?ルナだって女の子なんだし変な所はイヤだよなぁ・・・ 「ヤカリ?」 「・・・そーだ!頼むぜ・・・思い描いた形に・・・」 私が透明な金属に触ると、金属が粘土みたいになって形を変えてった、質量とか完全に無視してドンドン小さくなっていって 最後には思い描いた形に変形していた。思い描いたのは靴。なんだけど少しだけ違うのは横にあるものを付けた 「ヤカリ何これ?」 「良いから履いてみてくれよ」 ルナがおっかなびっくりしながら靴を履くと、行き成り足のブーツっぽいパーツが消えた・・・ と思ったら、透明だった靴が変色した!うわっブーツと同じ紫色になった!? 「わぁ〜すごいねヤカリこれ」 「古代の神秘ってわけか、んじゃ羽出せないか試してみてくれ」 「羽?イメージすれば良いのかな・・・」 ペルソルナがむーって悩んでると、靴の横についてるまるっとした部分から片方から青い光の翼 もう片方からは赤い光の翼が出てきた。剣に色を合わせるなんてルナも粋な事しやがる 「よし、それで今度は飛んで上まで行くんだ!」 「えっできるの!?」 「多分!」 ルナに捕まると、ルナがまた目を閉じて難しそうに考えてる。さてどうなる・・・ ここの科学者さんよ、頼むぜ? 「っうぅううう・・・!」 「よっしゃ飛んだ!」 凄いなこれ・・・機能を本当に再現してくれる。飛んで上まで行くと、皆が驚いてた まぁ行き成り飛べなかったルナが飛べば驚くよな。 「凄いです!おめでとうヤカリさん!」 「おう!これでお目当ての物は手に入ったし帰ろうぜ!」 「どうなってるんだその金属は・・・」 「何か「再現できる範囲で機能再現」とか言ってたな、そだ今度は!」 移動用のビークルでも作っちまえ!これ楽しいな、戦いに使うと恐ろしい事になるのが分かるぐらいに あの科学者の遺言を出来るだけ守るようにしないとな・・・さてと出来た! 「レールも無いのにトロッコ作ってどうするのよ!」 「あっいけね!」 「歩いて帰った方が早そうだな・・・」 「サイクロンエッジ返してね?」 「はい、ありがとうウェンディ♪」 「どういたしまして、ペルソルナもおめでとう♪」 あーぁ・・・想像力を働かせるのは得意だけど、場所を考えるのを忘れると使い物にならないな・・・ 「ヒース・・・大丈夫?」 「あぁ、これぐらいなら・・・な」 部屋に戻されて、拘束具で窮屈な俺を見てエキドナが心配そうにしてた。今日は随分とハードだったし 傷ついたのがエキドナにも分かるんだろうな。ドラグノフ共め・・・ 「ロボットだし何とかならないの?」 「そうは言うが、今は無力だ」 綺羅の質問に答えて、拘束具を使って体をだらしなくだらけさせてると、エキドナが昨日の続き・・・じゃない クームラリアの話をせがんだ。エキドナはよっぽどクームラリアが好きになったんだな 「エキドナはクームラリアが好きか?」 「うん・・・お菓子、食べてみたい」 お菓子か・・・次元層の中のものを全部置いてきたし、何も・・・探してみるか。 何か無いかと探していると、奇跡はそこにあった。チョコレートだ 「この拘束具は外せないか・・・エキドナ、そこに手を」 「?」 エキドナが手を伸ばすと、次元層へ手が消えて驚いていたが、俺の能力を知ってるし 直ぐに慣れたらしい、それからチョコレートの場所を教えると 「・・・これがチョコレート?」 「あぁ、包みを外して綺羅と分けてくれ」 「僕にも?僕は・・・」 「綺羅もクームラリアの話の時に楽しそうだったじゃないか?」 むっと綺羅が考え込むと、しょうがないから食べてあげると、エキドナから半分こしたチョコレートを受け取り チョコレートを齧っていた。エキドナはどこから食べれば良いか分からないらしいが綺羅を見て後に続いた 「んっ・・・甘い・・・凄く甘い!」 「それがチョコレートさ、俺もあると思わなかった」 「美味しい・・・ねぇ、こんなのがそのクームラリアとかには溢れる位あるの?」 綺羅も目を輝かせていた、食事を出された事が無いがよほど味気ない内容なんだろう。実験動物に 娯楽用の菓子なんて必要は無いのかもな・・・二人ともまだコンナに小さいのに酷い話だ 「あぁ、包み紙は戻しておいてくれ、他にないか後で探しておくよ」 「ありがとう・・・美味しかった」 「ま、まぁ・・・美味しかったよ、それだけは感謝する」 チョコを残してたんだ、他に何かあると思うんだが・・・二人とも本当にまだ小さい・・・ 綺羅は何だかんだで子供だし、エキドナも外の事を知りたがってる・・・二人もつれていけたらな・・・ 「そうそう、歯磨きだけは忘れるなよ?」 「ふんっ歯磨きを忘れるほど僕はバカじゃないよ」 「分かった」 まぁ、今は考えてもしょうがない・・・か 「ルナ!見ろよお前用に今度はドールハウス!」 「ひやぁあ!助けてアリシアーウェンディー!」 楽しいなこれ!科学者があんなナゾナゾを大量に仕掛けるだけあって、本当はこういう風に使わせたかったんだろうな ヒースを助ける為とはいえ開発者には悪い事をしたけど・・・まぁこうやって遊ぶのは悪い事じゃないよな 戦いに使うのは本当の本当にピンチの時とか、使わないと命が危ないときだけだ 「あのヤカリさん・・・」 「ヤカリってば・・・」 「止めないでくれ!楽しいんだこれ!」 「「混ぜて!(ください)」」 「きゃああ!勘弁してぇ〜!」 二人とも遊びたいらしいあれ?そういやメディナは・・・二人に後を任せると、メディナは読書・・・何を読んでるんだ? 後ろに回ってみてみると・・・あぁ、こいつは・・・ 「ははは、ナゾナゾの本か」 「なっヤカリ!?」 すげービックリしてる、何か悩んでるし何だと思ったら問題が解けないらしい。 「こんな問題もわかんねーの?」 「うるさいわね!もうっあっち行ってて!」 自分だけナゾナゾが分からないのがショックだったんだな、ちょっとからかってやろうと、問題を適当に出すと すげー悩んでた、メディナは本当にナゾナゾが苦手なんだなぁ 「残るはアリシアだけ・・・果たして、僕らはヒースを助けれるんだろうか・・・」 「大丈夫ですよ、私のはパーツを付けるだけですし」 「後は時が来るのを待つだけって感じだね!」 「皆、パワーアップしたしあの黒いのも怖いくないよ!」 「あぁ!頑張ろうぜ皆!」 「ふんっ・・・アンタが〆ないでよ、まぁ良いわ頑張りましょう!」 続く