「なぁ二人とも、外の世界に興味は無いか?」 「・・・ある」 「あるけど、行けないし考えてない」 綺羅はもっともらしい事を言ってる、まぁ逃げれると思えないのが普通なんだろうな 「行けるかも知れない、俺はそう思ってる」 「何を根拠に言うのさ?」 「仲間が着てくれるかもしれないし、他にも隙さえつければな・・・」 うまく行けば二人も連れて行ける、そう思ったが綺羅は乗り気ではないらしい。 「ふんっ僕らが外でやっていけるもんか」 「・・・」 「まだ信じれないか?」 「戦うために産まれたんだ、外でやっていけるわけが無い」 やっぱりまだ考えが閉鎖的か、どうした物だろうな・・・いやどうすれば良いかなんて俺が知ってる 外の事を話そう。綺羅だって希望を持てるようになる。きっと 「そうか、昨日の続きは聞くか?」 「うん・・・」 「お願い、外の事を知っておきたいし」 体験だけじゃなく外の人の話も重点的にするか、母性が豊かなテレサや優しいレヴィア閣下の事を・・・ そうすれば少なからず、優しさに希望を見出せるかもしれない。 「・・・思うんだけどさ、アンタよく旅が出来たね?」 「?」 「だまされたりして、死ななかったねって」 「そう出来てるんだろう、うん」 少しふざけたように笑うと、まずはテレサからだな、少し甘えん坊だがとても良い人だ レヴィア閣下も母親になればきっと良い母親になるんだろうな・・・ 「最後は私の番なんですよね・・・」 「アリシアはパーツを付けるだけでしょ?」 「はい、安定性を高めた物で精神に関係なく動くと」 キルコプターの進路はディオール、ついに私のアンジェラを強化するパーツが完成したとの事でした これで準備が整う・・・そう思ったけどディオールはまだ少し遠くて 「アリシアそう気負うなよ」 「なんだか焦ってるみたいよ?ヒースが助けれないからかしら?」 「多分・・・」 ヒースさん・・・私は何だかんだでヒースさんの事が好きで、お母様にも良いって・・・けど 本当に良いの?私は長女なんだし・・・我慢しなきゃダメな気がやっぱりします 「アリシア?」 「へっあっ大丈夫、それよりディオールまで後どれぐらいです?」 「まだかかるみたい、気長に行く方が良いわ」 「アリシアお茶淹れてくるよ、ちょっとまっててね」 また、心に鍵をかけておきましょう。これは一種の機会かもしれませんし。 いっそのことこのままヒースさんとの関係を良いお友達のままで続ける方が 幸せなのかもしれませんし、お母様は怒るかもしれませんけどね・・・ 「賢女と本当の心」 「ディオールも久々だね」 「そうだな、和平以来か」 「私は旅に出て以来ね、テレサ様は元気かしら?」 到着したディオールで、まず出迎えたのは衛兵達が脇をガードして道を作って、その先からは・・・ 「お母様、ただいま戻りました」 「お帰りなさいアリシア」 お母様がエマさんを横に連れてやってきました、凛とした態度でいつもと違い、少しだけビックリしました お母様も何時もこんな感じだったら・・・それでまずは、皆がお母様に挨拶しする所から始まって 「お久しぶりですテレサさん。」 「お久しぶりウェンディちゃん、大分女らしさが増しましたね」 「同じくお久しぶりですテレサ女王」 「ヴェータ君も大きくなりましたね、レヴィアお姉さんの言っていた通りです」 何時もと変わらぬ笑いで、にっこりと微笑むお母様はやっぱりお母様だって、凛とした時のお母様は 基本的に中々見れないけど今回は少しだけ凛として、何だか少し前の戦争状態の時のようだった 「テレサさん、何とか私らはパワーアップしてきました。」 「ヤカリちゃんも終わったんですね、メディナちゃんは?」 「はい、皆の応援があって何とか」 「最初は心配したけどよかったぁ・・・それでは残るはアリシアだけですか?」 こくりと頷くと、お母様が後を付いてくるように言って、私も後を追いました。 まずは客間について、いったん休んで行くようにと。 「疲れてはパワーは出せません、少し休んでいきなさい」 「はぁ・・・分かりました。」 「ウェンディちゃん、本当に綺麗になりましたね・・・」 「あ、あはは・・・少し恥ずかしいですね・・・」 「恋をすると女の子は綺麗になるんですよ、こんな美人の恋人が持ててヴェータ君も幸せですね」 「っぇっあ・・・は、はい・・・」 「前見た時より、逞しくなったしお姉さんも嬉しいと、皆何だか前より成長してますね・・・」 恋をするとって言ったとき、お母様がこっちを見て何だか悲しそうだった、私の気持ちが気づかれたのかもしれない けれどもう決めたんです、お母様ごめんなさい・・・私はヒースさんと結ばれてはいけないの ヒースさんが私を好きかも分からないし、私はやっぱり第一王女としての使命を果たさないといけません・・・ 「んールナちゃんはやっぱり気持ち良い〜」 「うひゃあん!?」 話題をずらす様に、お母様がペルソルナちゃんを抱きしめて満悦してると、ヤカリさんがあの透明な金属を出して ペルソルナちゃんで遊ぼうと・・・目がふざけた物ではなく、恐らく何かを察して話を流そうとしてるんですね 「あ、あのパーツの詳細を・・・」 「そうでしたね・・・革命派と保守派を協力させて、インフィニティのように他国の技術も利用したORです」 「OR?あれはキャスカのものでは・・・」 「正式にはORを模した物ですね」 ORを模した機体、アンジェラのパワーアップにはオーソドックスですね。 「なぁORって・・・」 「アンジェラの昔の姿です、今は妹が所持しています。」 「へぇ、妹さんがね・・・」 「闇黒連合が発掘したんだけど、キャスカ・・・アリシアの妹が味方にしてね」 考えてみれば、キャスカは凄い事をしたんですよね・・・私は簡単にORの力を使えるようになるから 恵まれてるんでしょうね・・・果たしてこれが力になるかは不安ですけど・・・ 「さて、それでは行きましょうか」 「は、はい・・・」 皆さんはここでゆっくりしてもらって、私はお母様に連れられてドッグの方へ・・・ 道のりは意外と短く(感じれただけで、本当は長いんですけどね)到着すると 整備士の方々が、ORのパーツに似た装甲がオブジェの様に飾られていました。 「これが・・・」 「皆さん、準備は出来ておりますか?」 「女王!お待ちしておりました!アリシア様もご機嫌麗しゅう」 私達がドッグに入ると、整備班のリーダーと思われる方がやってきて、早速アンジェラを召還して欲しいと 言われたとおりにアンジェラを召還して、乗り込むとオブジェの方へ行くように言われて 近くで一度停止、そして作業用のメイドアンバーがオブジェを一つ一つ、アンジェラへと装着して 「ORを元に開発されたアンジェラ用強化パーツ、ORアナザー通称ORAです」 「性能はどれほど上昇するんです?」 「安定性を求めて多少はORに後れを取りますが、支障はありません」 言われてみればORに限りなく近いフォルム、外見上ORに似てるけどORに無かった胸部装甲の追加とガーターベルトのような太もものライン それにサイドスカートだったスカートパーツは完全なスカート型へと変化して、運動性能を犠牲に防御力を拡大化 目だった改装はそれだけで、マイナーチェンジ版という感じでした。しいて言えば肩が斜め上に上がっていたのが 下がって平行になって力強さが減り優しげになった事でしょうか?後は背中のウィングがORと違いゴテゴテとしてますね 「起動テストをお願いします、動きに支障が無ければ完璧です」 「はい、それでは整備班の人達を下がらせてください」 人がいなくなるのを待って、周りに人がいないのを確認すると、ORAを起動させて まずは一歩、反応速度や機械音はアンジェラよりも良く、地面を踏んだときの振動も 気にしないでいい程度。出来る範囲で体操をさせて、運動系が通常のアンジェラより人間に近い事が分かりました 「運動系は良好、次は魔力です」 魔法系統は、上位機種の魔力増幅器が大きくなった胸部装甲の中心に一つスカートの飾りに4つ 新たに追加されてかなり高くなってました。 インフィニティほどではないけど、魔法の威力も確実に上がっている事でしょう。 「センサーは怖いほど良く見えますね、全種センサーに異常なしです」 「それではウィングは起動できますか?」 「これも起動できます、難点を言えばキックの時にスカートが邪魔をすることですね」 「それは防御力を高める為、しょうがないですねアリシア様は魔力での援護が仕事ですし格闘より防御を優先しました」 確かにそれもそうです、メディナちゃんのように接近戦も出来る、と言うわけではなく私のアンジェラは 魔法での援護が主な戦闘方法で接近戦は緊急時の保険程度ですし 「武装もアリシア様に合わせて、ロッドへと変化させて起きました。こちらにも魔力増幅機を装備させてます」 「それでは接近戦は出来なくなったんですか?」 「いえ、ロッドの先端部からビームを出してランスのように扱えます」 接近戦は忘れられていないようですね。改造された部分はこんな所で、武器が追加されて お母様のアストレイアから逆輸入された、防御用の自立飛行ユニットが八つ 翼に付けられた飾りはバリアユニットでこれが分離して浮遊、私の魔力と意志でバリアを張るそうです 「アリシア様のために付けられた新装備です、いかがでしょう?」 「はい・・・とても良い性能なんですが・・・」 他の機体よりも性能の上昇は地味で、あの黒い騎士を相手に果たしてどれほど戦えるか。 もう少し性能のアップが望ましいのですけど、これ以上を望むのは贅沢ですよね・・・ 「こんな所ですね、ありがとうございました」 「そうですか、ふふっ私たちの自信作だけありますよ」 「アリシア本当にそれで良いんですか?」 そこに聞こえたのはお母様の声 「幾ら性能が高くても、ORと比べると劣る場所があります」 「・・・」 「最後の難関です、ミーナさんORAにはあれが付けられているのでしょう?」 「安定性が落ちるのであれは使わなくても良いかと・・・」 「それではダメなのです、アリシアが本当に強くなるためには必要です」 「・・・こちらで検討いたします。」 あれ?いったい何のことか分からないまま、アンジェラにORAユニットを搭載したまま アンジェラから降りると、私はお母様につれられて直ぐに帰る事になりました。 「あの、お母様あれとは・・・」 「本来ORには心と共鳴して、機体を強化する力があります。」 心を共鳴する・・・そういえばキャスカから聞いた事があります、ORは搭乗者の心によって力を解放すると インフィニティにも備わっているけど、あれが無いのは安定性を高めるためだそうです 確かにある場合と無い場合では、扱いやすさに大分差が出るでしょう。 「けどOR本体の物は、通常と違います」 「?」 「ふさわしいかどうかを試されるでしょう、明日ORの発掘された遺跡へと向かいます」 「ORが見つかった遺跡?」 そこでアンジェラは本当に強くなるそうです。どういう事かは明日分かると・・・皆と同じで 試練があると言う事でしょう、これぐらいないと力は身に付きませんからね 「今日は皆とゆっくりしてきなさい、きっと明日が有利になりますわ」 「はい、お母様」 そういうと私達は別れて、皆のところに・・・皆に明日の事を言っておかないと ドアを開けると、ウェンディとヴェータさんは座っててこっちを向いて ヤカリさんはペルソルナちゃんにドレスのような物を着せてスケッチ、メディナちゃんはうとうとしてました 「おかえりなさい、どうだった?」 「成功・・・ですけど、力不足で明日ORのあった遺跡に行くと」 「ORの?確かディオールに奪還されたあそこか」 元々ORは闇黒連合が発掘したけど、キャスカにORが共鳴して強奪、そのままディオールの所属になり 最終的には遺跡もディオールが占拠して、ORとキャスカが遺跡で試練に打ち勝ったと聞いています 「なぁそのORの遺跡ってのは何なんだ?」 「それが良く分からないんです、ただオリジナルの力を100%にする試練があったと」 「だがアリシアの機体はORではない、意味はあるのか?」 「私もそれが疑問です、ORを元にしたと言え・・・」 けどお母様には何か考えがあるみたいですし。きっとただ単にORの本来の力が出せたから・・・ なんて考えではないでしょう。けどORAにそんな機能があるのでしょうか インフィニティに搭載されていた、思いを力に変える機能はそれらしいんですけどね・・・ 「こっちは闇の国の技術を組み込んだし、オリジナルと違うのかしら?」 「恐らく私の方はORを完全にコピーしたのでしょうね」 元々がアンジェラの派生機であるアン・ギェーラですし、ありえない話ではないですね よりによってアンジェラの大好きなミーナさんですし、オリジナルと中身は一緒にして趣味に走りそうです けど安定性を重視したせいで、オリジナルにあった心と共鳴するシステムが消えた。となれば納得です 「なるほどね、明日までどうする?」 「1日ディオールで休んでいってください。」 「OK、キャリコちゃんはいる?面白いものが手に入ったし遊んであげたいよ」 「や、ヤカリ私で何かするつもりでしょ!」 あたふたと慌てふためくペルソルナちゃんが、部屋の隅まで追い詰められると、捕まって脇に抱えられて 逃げようとジタバタとするけど、今のペルソルナちゃんじゃ逃げれるはずもなく 「いやー!あの子いい子だけどショートするー!」 「大丈夫だ!何とかするから!な?」 「信用できないー!やだやだー!お人形さんごっこはやだー!」 あぁ、この前のお人形さんごっこをキャリコに・・・まぁ、ヤカリさんの事ですし何とかしますよね 「キャリコって誰?」 「あぁ、言い忘れてましたけど私の妹の一人です。」 「へぇ、三女もいたのね」 キャリコは何かといない事が多かったから、三姉妹の中で歳の割りに一番しっかりしてて、影が薄いんですよね・・・ 「ディオールにいたころもぜんぜん見なかったけど、どうなの?」 「元気ですよ、機械オンチも相変わらず」 「まぁしょうがないよね・・・そこは」 生まれつきですもの。さてヤカリさんを案内してあげなければ、ウェンディは久しぶりに町のほうを ヴェータさんも同行するそうです。メディナちゃんは・・・あっ私達と一緒に来るみたい 「それでは、後で会いましょうか」 「えぇ、それじゃあ行って来るね」 キャリコの事だから、今はお部屋でお勉強の途中だと思うし、久しぶりにお勉強のお手伝いをしてあげましょう 「それでテレサは甘えん坊だが、まぁしっかりする時はしっかりしてるんだ」 「・・・お母さんって、そんな人が多いの?」 「多分、いや話してるのが例外なだけだ」 皆が皆テレサだったら恐ろしすぎる。想像したら拘束されてなければ腹を抱えて笑う所だった。 だが綺羅は俯いている。理由はなんとなく分かった。悩んでいるのかもしれないな 「変なお母さん・・・」 「けど優しくて実行力はある」 「・・・」 「なぁ綺羅、世の中そんな悪い奴ばかりじゃないんだ」 俺が言うと、綺羅はふと顔を上げてまた顔を俯けた。まだ小さいんだしやり直せる。 まだこの子達はこの世界へと戻れるだろう、外に出ようと思えば二人とも保護者さえいれば何とかなる 「・・・けどさ・・・」 「きっと、お前達なら何とかなる。リーゼロッテ達だって外でやってるんだ」 撫でれたら不安げな表情を和ませるために撫でるだろう、拘束具が忌々しい。 「・・・私さ、強化人間だけどやってける物なのかな」 「どうか分からない。が外でやって生きたいと思えばいける。」 「そっか・・・」 少し考えるようにして、綺羅は俺の話をまた黙って聞き始める。エキドナは外に行きたい そういうように目を輝かせてる。二人とも逃げる時に出来れば連れて行きたいな・・・ 「わぁっ凄いです!ねぇねぇペルソルナさんどんな気分です?」 「これ苦手なんだってば〜!」 あたふたと抵抗するペルソルナちゃんに、皆が笑ってみて・・・今はキャリコの勉強も終わって 今はお休みの時間。こうやって皆で色々と遊んで時間をつぶしています。 「平和ね、良い事よ・・・」 「ディオールは確かに平和ですね」 メディナちゃんがどこか寂しげ・・・どうしたんでしょうね、キャリコを見て・・・ そうか二人の間に入れないから、自分の生い立ちでキャリコに近づけないのでしょうか 「大丈夫、キャリコはお母様から話は聞いています」 「えっあっ・・・良いの、私はアリシアが近くにいれば・・・」 諦めたようにメディナちゃんが言うと、ふとこっちをキャリコが見つめて、何か言いたげに・・・ 「あの、メディナさん?どうしたんです?こっちにきて一緒に遊びません?」 「・・・ありがとう、キャリコ・・・」 メディナちゃんは席を立つと、キャリコの側に行ってペルソルナちゃんの現状を、クスクスと笑ってました 「メディナさんも・・・旅をしてたんですか?」 「えぇ、そうよ?」 「そのころのお話してください、お姉さまやヤカリさんからも聞いたけど、別の視点からもお聞きしたいです」 「良いの?少し暗い話よ?」 「はい、授業にあるお話よりよっぽど夢がありますから♪」 メディナちゃんにお話を強請ると、メディナちゃんはどうやらヒースさんにあったころのお話をし始めたようです こんな風に、相手が迎え入れてくれて回りも迎え入れてくれたら・・・きっと、きっと幸せなのに・・・ コンコン 「メイドさんがお菓子持ってきたのかな?はい、どうぞ」 「がおー熊さんだよー」 ドアの外には、熊の着ぐるみが腕を振り上げて・・・まさか・・・まさかこの着ぐるみは! 「お父様!?」 「何してるんですか!お客様がいるのに!」 「えっあっごめん!久しぶりではしゃいでしまった!」 「えっ二人のお父様!?ちょっは、始めまして私はメディナと申します」 「わわっ私はヤカリ・ミヒトでこっちは愛機兼友人のペルソルナと言います!」 「あっはははは始めまして!」 「始めましてお二人とも、俺はエヴァック=マルローネ=ディオールと言う。お話はテレサから聞いている。何時もどおりで良いさ」 この人はこの国の王配にして私達のお父様、エヴァック=マルローネ=ディオール。普段は見ないのは お父様は外交で奔走して国にいる事は滅多にないから。ディオールの外交の切り札です 「いやー、またダメだったな」 「お父様・・・私達がそれで喜ぶ歳だと?」 「そうです、お父様ってばもう・・・私だって喜びませんよ」 ヤカリさんたちはやや引き気味で、ヤカリさんが耳元で何で着ぐるみかと囁くと、お父様の過去の汚点でもあり 現在の王族の過去の汚点を話す事に・・・はぁ、このお話は恥ずかしいから私も言いたくないんですけど 「お父様は無理やり女学院に入れられて、女装して過ごした期間が長くて・・・反動で女の子から離れた格好が好きで」 「えっ・・・女装?王様が?えっそれってダメじゃね?」 「あっヤカリさん声が大きい!あぁっお父様がトラウマを!」 あぁっ!お父様はあの頃の事は完全にトラウマで良い思い出もあったけど、思い出したくない過去の汚点だと言っていて・・・ トラウマで後退を起こすのですが、その後退がその女学院の頃までで・・・・ 「いやっまて!その話はやめてください!」 「へっあっやべっ!?」 「ヤカリ!なんて事言うの女装してただなんて!」 「ぐぉおおおおっ!?私が女装してた事は言わないでくださいまし!」 他人に指摘された時だけに抑えてますが、地獄のような苦しみを思い出すといい、錯乱状態になって・・・ こうやって女言葉を思い出してしまうんです。女装と言う言葉だけでも大変なのにそれが何度も出ると・・・ 「二人ともバカでしょ!?何で女装って連呼するのよ!」 「メディナも女装って言ってるじゃんか!」 「二人ともやめてっ!あぁっお父様しっかり!」 「いやぁあああ!わたくしが何の罪があってこんな苦しみを!あぁっやめて生理なんて知りませんわ!」 あっお父様が・・・倒れて、目を回して・・・これが原因でお婆さまとは半分絶縁状態・・・なほど トラウマでお父様も災難です・・・こうしてお父様が医務室へと運ばれて行くのでした。 「ごめんな・・・お父さん気絶させちまって・・・」 「申し訳ないわ、久しぶりだったのに・・・」 「良いんです、誰も女装で狂うなんて考えませんよ・・・」 はぁ、こうやってふざけた雰囲気で物事が何でも進めば・・・お父様のように権力がヒースさんにあったら 良かったのに・・・なんでこうなっちゃうんでしょうね、このままだと・・・ 「あの、久しぶりに部屋に戻りますね」 「ん?あっ分かったよ」 「行ってらっしゃい」 「・・・」 急に悲しくなってしまう、権力さえあればヒースさんが好きでいても良かったかもしれない ふざけた状況でも好きでいられたかもしれないのに・・・ 「キャリコちゃんどうしたの?そんな不安そうな目で?」 「・・・お姉さま、さっき凄く悲しそうだった。悲しいのを隠す目でした・・・」 「あれ・・・?」 気がつくともう夕方、夕飯の時間・・・そっか泣いてて疲れて寝てしまったんですね・・・ 起きると髪ははねてて直さないと人前に出れない状態に・・・ 「はぁ・・・気分を変えないと・・・」 このままじゃどうしようもない。気分を変えないと明日の遺跡で失敗してしまうかもしれない もうヒースさんの事は良い友達で諦めれば良いんです。顔を洗いさっぱりとすると ノックの音とメイドさんの声が、夕飯の時間ですね・・・気分を変えなきゃ 「来たか、今日はアリシアの友達と夕食が出来て嬉しいぞ」 「はい。こうやって食べるのは何ヶ月ぶりでしょうか?」 夕食の席ではお父様やキャリコもいてキャスカがいれば皆そろう状態でした。その代わり皆がいて・・・ 「聞いたぞ、旅をしてて良いまとめ役になってるって」 「あら、そんな事を?」 「うん、マリーさんに旅の話を教えて欲しいって言われて」 マリー・・・お父様の愛称ですね、どうやら旅のお話を大分聞いているようで・・・ ついこの前、ヒースさんがさらわれるまで聞いたようです。 「マリー様は随分と冒険譚が好きなようでな、僕らが二人だけで旅をしてたときの事も聞かれたよ」 「私がルナと二人旅してる時のもな。柔らかい良いお父さんだな」 「ははは、本当は旅をして自分を磨く予定だったのさ。今でも若い間に他の国の人に会えなかったのは後悔してるよ」 ふと過去を思い出し、自嘲気味に笑ってワインの匂いを嗅ぐけど、お父様は外交関係でお酒に強いけど 酔うと魔道ロボの操縦の邪魔になると、苦笑いをしながらにおいを嗅ぐだけの事が多いんです 「アマネなら後方支援だけじゃない、飲んでも良いと思うわ?」 「ははは、本当言えば昔からのロードハイローが愛機だしね。あっちは封印させてもらってるよ」 アマネ・・・は女装したお父様のファンが作ったそうで、始めてみたときは気絶しかけたそうな そんなこんなで娘が頑張ってるから使わないと封印してるけど、本当はそんな理由があるそうです 「それにしてもだ、ヤカリちゃんとペルソルナちゃんは女二人旅してた何てしっかりしてるよ」 「ははは、まぁそれほどでも・・・」 「ヤカリは意外とどじで、困ってる人を見捨てれなくて次の町に行くの手間取る時もあるし、しっかりか怪しいですけどね」 「そんな事ないです!ヤカリさんもペルソルナさんもしっかりしてると思います!」 「あぁっキャリコちゃんありがとう、ルナは何時も意地悪でな〜」 こうやって、皆でご飯なんてもうないかもしれない・・・だから、ここにいない貴女が恋しいです ヒースさん・・・パンも喉を通らず、ただ笑いながらスープだけでも飲んで・・・ 「・・・アリシア?どうしたのかしら?なんで食べないのよ?」 「えっあぁ・・・その、寝起きであまりおなか減ってなくて・・・」 こうやって誤魔化して、おなかが減るのを待とうとしたけど。お父様の一言で耐えれなくなって 「今はいないが、ヒース君には後であってみたいな。サイゾウ君もだが娘を出すならあぁ言ういい青年に」 「あ・・・あの少し眠気でフラフラするので、これで・・・ご馳走様でした」 また泣きそう、冗談なんでしょうけどヒースさんと結ばれるわけに行かない。だからお父様が良いって言うのが 心に響く・・・ヒースさんが良い友達で止まってくれたら、幸せだったのに・・・ 「アリシア・・・ぜんぜん食べてないね・・・」 「どうしたのかしら?具合でも・・・」 「なぁ、何か目が悲しそうだったよな?キャリコちゃんが言ってたみたいに」 「そうだね、あの目・・・いつか見た事があるの。凄く悲しい時に」 「それにしたって原因は・・・」 「テレサの言っていた事はあたりだったようだな」 「そうねマルローネ・・・」 「はぁっ・・・」 やっぱりダメ、ヒースさんの事が好きなのは捻じ曲げれない。けどダメなんです・・・ どんなにお母様たちが認めたって、他の人達が反対して権力のある人を望むだろうし ヒースさんが私を好きだ何て分からないのに・・・私ってば、勝手ですね・・・ 「ヒース・・・さん・・・」 それでも、それでも好きでいる事がやめれない。私がヒースさんを好きでいるだけなら きっと許されるけど・・・それも苦しい、苦しすぎます・・・ 「私、ヒースさんを取り返せるかな・・・」 けどそれでも、世界が回るように私も立ち上がらなきゃいけない。ヒースさんを助けるために 絶えるしかない。苦しくてもヒースさんと一緒に入れるならそれで・・・その方が幸せですもの・・・ 「ねぇあなた、アリシアの事だけど・・・」 「あぁ、恋をしてるとは聞いていたが・・・」 今日は丁度良い日でしたわ・・・マルローネが帰ってきて、アリシアが帰ってきて・・・ 「俺達のようだな、まるで」 「そうね・・・あの時の私達みたい。」 本当は、マルローネはマルローネのお母様と私のお父様達の陰謀で、女学院に入れられて 私はもっと生まれの良い、権力者と結婚する予定だったけど・・・マルローネが帰ってきて 私にプロポーズをして・・・嬉しかった、あの後にお父様達に無理を言ってこうやって結婚したんですわね 「テレサが「出て行く」何て言って、お父様達を焦らせたのは驚いたな」 「えぇ・・・アリシアもそれぐらいなら、悩まないでしょうけど優しすぎるから・・・」 けどあの子は、そんな風になれない。きっと妹達の事やディオールの事を考えて政略結婚でもする気です だからあんな悲しそうな目をしているの、まるであの時の私のように・・・ 「あなた、私はアリシアの恋はアリシアのものだと思っています」 「そうだな、俺のように大事な時を親の勝手で潰させたくない・・・」 「よかった、やっぱりマルローネは私が大好きなマルローネのままね」 「ははっ女装させられようが、トラウマを抉られようが俺は俺だよ」 そういうと、マルローネは何ヶ月ぶりか抱きしめて、おでこにキスをしてくれた・・・本当 結婚する前から変わらない。マルローネはマルローネです・・・ 「キャスカの旦那さん、サイゾウ君の事は聞いてるしあったがキャスカに相応しかったよ」 「ヒースさんもアリシアに相応しい、とても優しくて強い子ですよ・・・」 「あぁ、彼は有名だからね・・・会うのが楽しみだよ」 マルローネの胸にうずまり、マルローネの暖かさを確かに感じると、今頃キャスカもサイゾウ君と同じように こんな優しい気持ちになってると思うと同時に、アリシアが苦しんでいるのを思うと胸が苦しいですわ・・・ 「アリシアには明日、本当の気持ちに素直になるように言います・・・」 「アリシアはヒース君に告白してないし、ヒース君も奥手なんだろ?大丈夫かい?」 「アリシアが素直になれば、あとはアリシアの問題です・・・けどきっと大丈夫・・・」 不安になって、ぎゅっと吸い込まれるように抱きしめられると、マルローネの唇が唇に重なって 幸せな気持ちになって、きっとアリシアもこんな気持ちになれる。そう信じて・・・ 「ふぅ・・・」 大分落ち着いて、試練を迎える事が出来そうです・・・アンジェラに搭載されたORAユニットだけでなく ORAユニットに追加、いえ戻されたORの心を共鳴させるシステム。これで心が強ければ 「アリシア様、もう直ぐ着きます。」 「はい、それでは待機していますね」 皆がいないけど、一人でもがんばらなきゃ・・・ヒースさん待ってて。必ず助けますからね・・・ 輸送機から降りると、遺跡の中へと足を踏み入れて整えられた道を進み ORアンジェラが封印された場所へと、私は入り込みました・・・十字架に縛られてたと お話を聞いた事はあります、その十字架が見えるとアンジェラORAの足を止めました。 ・・・ORに選ばれし者よ・・・ 「・・・」 ORの力を解放する試練を受けに? 「はい、私の名はアリシア=エヴァック=ディオール!ディオールの第一王女です!」 名乗りを上げると、周りが優しい青色に輝き始めて、美しい光景を見せてくれました 試練・・・と言うには綺麗過ぎますね。いったいどんな試練が ORの力を手に入れる為、汝の心の純粋を見せよ 「純粋・・・・?」 純粋とはいったい・・・純粋な心と言う事なのは分かります。けれど私に隠してる事なんて何も・・・ 汝、愛に臆病になるべからず 「アリシア大丈夫かしら・・・」 「大丈夫さ、一緒に行けないのが悲しいけどな」 私達、アリシアの試練についていけなくてディオールのお城でお留守番。どうした物かしらね・・・ ソファに寝ていると、ウェンディとヴェータが何かを言いたげで、どうしたのかしら? 「なぁ皆、聞いてくれるか」 「何をだ?」 「アリシアの昨日の目、何なのか大体分かったの・・・」 ウェンディが深刻そうな顔で、何だかいやな予感がするわ。何?死線でも感じたって言うの? そんなの洒落になんないわよ。何かを待っているとウェンディがまず口を開いた 「あのね、アリシアはきっと恋をしてるわ」 「えっ・・・恋!?ねぇ本当!?」 「ちょっ行き成りだな!?」 「だってあの目!私が前にヴェータの事で苦しんでる時の目に似てた!」 「あぁ、ウェンディのあの頃の目だった」 話には聞いてたけど、ウェンディとヴェータが恋に落ちる前、悲恋に終わるような絶望感が漂っていたって だからあんな目だったのね・・・恋に落ちたって言ってるけど相手は・・・大体わかっちゃったわ 「ヒースね・・・」 「まぁヒースしかいねーよなぁ・・・」 この頃の事で、尚且つ悲しげな目になるとしたらヒースでしょうね。何か大変な事になってるわね・・・ ヒースは恋愛なんて自分の無縁だと思ってそうだし、これは長い恋路になりそうね 「めでたいじゃない、それでどうするの?」 「影でサポートしてあげましょう、アリシアの事だし自分から言えるか不安よ」 「余計なお世話かもしれないがな」 なるほどねー、出来るだけ知らないようなフリをして、アリシアとヒースを二人きりにさせたり そんな事を増やせば良いのね。まぁアリシアが奥手なのは知ってるけど何とかなるわ 「素敵だね〜アリシアさん幸せになるといいなぁ〜」 「そうね、ヤカリ絶対に口を滑らせないでよ?」 「わーってるよ、ドキッとするような事を天然で言うように振舞えば良いんだろ?」 ヤカリにしては腹黒いわね、まぁ良いわ問題はアリシアが帰ってきてからよね・・・ アリシアが試練に勝ってくれると良いけど、もしもヒースが恋しいとか思ってるなら危ないかしらね 「隠してなんかいません・・・」 嘘・・・貴女の心には迷いがある・・・ やめて!思い出させないで!ヒースさんは諦めたのに!こんなの酷いです! 「もう忘れました!」 嘘・・・本当は好きなのに、何故偽るの? 「私はダメなんです!国のために・・・」 そんな事はない・・・素直な心になって 素直な心・・・けど、そんな事したら私ヒースさんの事を抑えれない。好きなのを忘れれない そんなのダメです・・・私は国のためにお婿さんを貰って・・・ ・・・あるお話をしましょう、あなたのような境遇の女王のお話を 声は私の頭の中に直接、話しかけて始まったお話は、どこか懐かしさと優しさを思い出させる そんな声で、塞いでた私の心がちょっとだけ開いてお話に耳を傾けました。 昔・・・ある騎士に恋をした王女がいました。けれど王様は騎士と王女が結ばれるのを良しとせず 騎士の親と共に騎士を王女と放してしまいました。王女は悲しみました、もう会えないと・・・ 騎士と王女・・・まるで私とヒースさんですね・・・ヒースさんが愛してくれていれば私とヒースさんそのまま・・・ お母様は許してくれるけど、他の大臣達は許しはしないでしょうね・・・ しかし騎士は帰ってきました。王女への思いを捨てずに・・・そして王女も騎士への思いを捨てず待っていました そして王達を押し込めて二人は結ばれました。険しい道のりでしたけど二人は平和を守り幸せになりました・・・ 「そんな風だったら、良いのに・・・」 しかし貴女は違う、あなたのお父様やお母様は反対していますか?貴女の邪魔をしていますか? 一瞬、はっとなった、お母様たちは反対はしていないしそれどころか、受け入れるような口ぶり けれど・・・けれどディオールの未来のために私が・・・私が我侭になってはだめ・・・ 貴女の心や愛は誰の為にあるのです?貴女は国の道具ではないでしょう?ダメだって 最初から諦めてしまえばそれで終わりです。抱え込まないで・・・きっと好きな人もそれを望んでます 「ヒースさん・・・」 ヒースさんも抱え込まないでって・・・一人で・・・苦しむなって・・・ 本当は私・・・私、ヒースさんの事を勝手に諦めてたのかな・・・ 「私は・・・私はヒースさんが好き・・・愛してる人がいます!」 不思議・・・心が和らいで行く・・・素直になるってこういう事なのでしょうか・・・ 気持ちよくてふと気づかなかったけど、今のアンジェラORAは光り輝いてた・・・ 「これがORの力・・・?」 「そうよ、アリシア・・・貴女が素直になる為に騙してしまったわ。ごめんなさい」 影の方から、お母様が歩いてくるとその顔はどこか嬉しそうで、私がORAから降りると お母様が私に抱きついて、あやす様に頭を撫でました・・・暖かい・・・ 「本当はパワーアップは口実なの、貴女が恋を諦めた目をしてたから、素直になって欲しくいて・・・」 「お母様・・・さっきのはお母様とお父様ですか?」 お母様が頷くと、私を放して目を合わせて、まるでいつものお母様と違う・・・優しくて力強い 眼差しで私の形をつかんで、瞳をそらさぬようにすると。語りかけるように口を開きました 「アリシア・・・貴女は貴女の恋を選んで良いの、周り何て関係ないわ・・・貴女の心も恋も貴女の物なのよ」 「はい・・・私もう諦めません、ヒースさんを助けて少しずつ・・・正直になります」 お母様が頬を撫でて、それで良いと笑ってまた抱きしめて・・・良かった、本当によかった・・・ 「ORAも運よくパワーアップしたし、これでめでたしめでたし♪」 「ヒースさんがまだですよ、ヒースさんを助けてからが始まりです」 「そうだったわね、さぁアリシア行きましょう、久しぶりに一緒に帰りましょうか」 「はい♪」 ヒースさん待ってて・・・私、あなたを助けて素直になります・・・大好きって、いつか言う事が出来るよう きっと助け出して・・・告白するから、待っていてください。 「ぐぅ・・・」 また何時もの部屋に戻されて、一安心と言う所か・・・くそっ体が痛い・・・ 「帰ってきたね」 「・・・」 だがそう悪い事だけでもない、二人がいるんだから・・・綺羅とエキドナが外に興味を持って チャンスさえ来れば二人を逃がす事もできるだろう。 「ねぇ今日はどんな話してくれる?」 「・・・美味しい物のお話、聞きたい」 エキドナは外の事で食べ物に興味があるらしい、随分と可愛らしいがこの年齢なら無理もないか 綺羅は外でどんな事があるかなど、外での出来事に興味があるようだ。 「そうだな、色々とあって・・・」 「・・・ヒース、外に出たくない・・・?」 「む?そりゃな」 「なら・・・出してあげる」 急にエキドナが言うから、ビックリしたが綺羅も同じような目をしている。どうしたんだいったい・・・ 「ヒース、もう僕らは戦いの実験台にされるのはイヤなんだ・・・僕は僕の思うように生きたい・・・」 「私も・・・お外に出たい、リーゼロッテ達みたいに外に出たい・・・」 俺の話を聞いていて、外に出たくなったようだ・・・こんな場所、好きでいたいなんて思わないか だがどうやって?二人ともそう簡単に出られるなんて、思っていないだろう 「方法があるんだ、明日ヒースを輸送するって、それで僕らが護衛を頼まれたんだ」 「・・・私達が反乱して、逃げるから・・どこか生きれる場所を教えて・・・」 「本当に良いのか?」 二人は同じように頷いて、外に出たいと言っていた・・・チャンス到来か、逃げれれば二人を暗黒帝国かディオール 近い方に行かせて事情を話せば、タガメかリーゼロッテが手をうってくれるだろう 「よし・・・それじゃあ詳しい話を教えてくれ、外に出れたら美味しいもの食べよう。」 「本当?それじゃあ・・・ケーキが食べたい」 「僕も、一度食べてみたいな」 「約束だ、案内や先の事は俺が何とかする・・・」 こうして、俺達は明日の事を密談し始めた、まさか強化人間が反乱するなんて思っていないだろう 二人が外に出れるように俺も頑張らないと・・・まだ戻れる、二人をここで大人にしちゃいけない 「きゃああ〜!もうっアリシア様ステキ!はぁあっアンジェラ〜」 「あのミーナさん・・・」 帰ったらミーナさんにせがまれて、パワーアップしたアンジェラORAを披露してるのですけど 見た目は変わらないのに・・・一応翼が大きくなったぐらいでしょうね それでもアンジェラORAにべったりとくっついて、きゃっきゃと嬉しそうに・・・ 「細部が変わってます、はぁあ〜私のアンジェラ〜」 ガーターベルトのような太もものラインがレースのような刺繍が入ったり、胸の装甲が丸みを帯びたり スカートにも金色の縁取りが入り、何だか前よりも神々しい感じは確かにしますね けど喜びすぎな気が・・・ 「災難ねアリシア・・・」 「あはは、けどパワーアップ出来て良かったです」 「アリシアの素直な心が条件だったんだろ?まぁこれからも素直に行けよ?」 「ヤカリ直球的な事を・・・」 ヤカリさんの言葉に頷くと、一度ORAから降りて休もうかと・・・思ったのですけど、ウェンディとヴェータさんが どこからか戻ってきて、ついに私達の戦いのときがやってくる事を教えてくれました 「明日の午後、NIがヒースを大型研究所に輸送するそうだ」 「最後のチャンスだよ、大きな研究所に持ち込まれたら手出しできない!」 私たち5人が唾を飲むと、切り出したのはヤカリさんでした。 「よっしゃ!やってやろーじゃんか!」 「そうだね!皆で頑張ればきっと助けれるよ!」 「ふっ・・・そうね、このためにパワーアップしたんだもの」 「ヒースを取り返して、旅を続けるんだ!また皆でな!」 「うんっ!私達が全力を出せばきっとできる!」 そしてまたヤカリさんが切り出して、手を出すと皆が手を合わせて、明日への決意を固めるのでした きっとやれます・・・ヒースさん。もう少ししたら私の思いを貴方に伝えます・・・! 続く