前回のあらすじ 脱走を企て綺羅とエキドナと共に逃げたヒースだが、ノヴァンシュタイン=レイヴァンの試作型軍団に囲まれてしまう 見せしめに殺されかけるエキドナと綺羅だが、そこにパワーアップしたヴェータ達が現れ3人を救うのだった 「お帰りなさい皆さん!」 「ただいま帰りましたお母様。」 ディオールか久しぶりだ・・・二人は直ぐに病院に送られて一安心だ、テレサに挨拶を済ませたら 会いに行ってやらないと、テレサも相変わらず元気そうで何よりだ。 「今回は助けていただき・・・」 「敬語じゃなくて良いですよ、何時もどおりにしてください」 「あっそうだったな、皆、今回は本当にありがとう。死なないですんだ」 皆に頭を下げると、当たり前だとヴェータが手を出して俺も手を出して握手をした。その後に メディナがやれやれと笑ってたり、ウェンディとヤカリが肩を叩いたり皆変わってない・・・ が、アリシアはちょっとおどおどと迷っているようだった。どうしたのだろう? 「アリシア?」 「あ、あの・・・お帰りなさいヒースさん・・・」 そういうとアリシアも、ぎゅっと俺の手を握った。何時ものアリシアなら手を握っただろうか? あぁアリシアの手も暖かいし、嫌なわけじゃない・・・むしろ心地いいぐらいだった。 「ただいま皆、テレサ二人はどうなったんだ?」 「病院ですよ大丈夫、きっと良くなります」 「そうか良かった・・・いつごろ会いにいける?」 テレサの話では遅くても明日の朝らしい、今日はもう夕方だし、宿を見つけて・・・と思ったが 城で泊まっていけと言われた。久しぶりにディオール城で1夜を過ごすことになりそうだ 「ありがとうテレサ、助かります」 「いえいえ、アリシア達もいるし寝心地が良い方が良いでしょ?」 さて、次は俺の荷物を取りに行かないと・・・もう取り寄せてあるらしく あぁ・・・案内はエマなのか?何だかちょっと・・・む? 「あの、私が案内します!」 「アリシア?良いですけど・・・それではエマさんには言っておきます」 「あぁ私らは用があるから、アリシア頼むよ?」 「そうだね、私達はちょっとね・・・」 ヤカリ達は動けないらしく、二人だけで行く事になったが・・・そんなにイヤじゃないし良いか。 アリシアと居るのはどっちかと言うと楽しいし。皆がいないのはちょっと寂しいが 「あ、あのそれでは行って来ます」 「また後で会おう」 こうして俺とアリシアは、バイクと荷台と置いた道具を取りに行くべく皆と分かれて行動する 歩くのも久しぶりだが、何だか開放感があって良いしアリシア達と一緒で幸せだ 「・・・皆さん、知ってたのですか?」 「へ?あっテレサさんも?」 「さすがはお母さん・・・」 「二人の仲が進展するといいな」 「大丈夫よきっと、アリシアなんだか積極的ですもの 「ヒースさん、違和感ないですか?」 「あぁそんなに」 ヒースさんは意外と慣れが早かったのか、何日も拘束されていたと言う割には普通に歩いてました もしかしたら支えになったり出来るかも。そう思ったけど考えすぎですよね・・・ 「折角だしアリシアの話、聞かせてくれないか?」 「え?あぁそれでは・・・」 けど少しでも距離を縮めたい、二人きりでお話・・・あれ?アンジェラをORAにした時のお話? それじゃあヒースさんの事を・・・ぼ、暈して言わないと嫌われちゃう・・・ 「えっとですねその・・・ま、まず私のアンジェラの新しい姿はORAと言って、妹のアンジェラのマイナーチェンジ型なんです」 「妹さん・・・キャスカ王女の事か?」 「はい、妹がORアンジェラを闇黒連合から取り返したのは言いましたね。それを元に作られたんです」 ここまでは良いんです、別にやましい事もないですし。けど続きが・・・内容をボカせばいいでんです そうですよ「素直になってパワーアップした」で良いじゃないですか何を悩むんでしょう 「その後に、更にパワーを求めてORに装備されていた心に共鳴するシステムを使ったんです」 「そんなシステムがあったのか・・・条件はあるのか?」 「素直な心が必要らしくて、遺跡で素直になったら発動できました」 これで完璧です、そう思ったんですけど・・・ 「素直に?アリシアまだ何か抱えてたのか?俺で良ければ力になるぞ?」 「へっあっえっとその・・・・」 ぼ、墓穴を掘ってしまいました・・・最後のところはいらなかった・・・けど大丈夫 解決したって言えば何とかなります。 「もう解決しましたから、ありがとうございます」 「そうか。」 ふぅ・・・そうこうしているうちに、暗黒帝国に保管されていたヒースさんのバイクを置いておいた 駐機場に到着して、ヒースさんがバイクに乗ると動きを確認して安心していたようです 「よし、大丈夫だ・・・荷物は?」 「生物は冷蔵庫に、それ以外は倉庫に保管しているそうです」 「そうか、そっちも次元層に戻しに行きたい」 倉庫まで・・・ちょっとだけ、あそこなら人も少ないし・・・ちょっと距離を縮めても・・・ そう思って喜んでたのに、ここで思いもよらないハプニングが 「アリシア様ー!ここは私が!」 「え、エマさん!?」 エマさんがやってきて、ヒースさんを連れて倉庫まで・・・折角・・・二人きりになれそうだったのに 残された私のバイクだけが残って、ちょっと悲しくなったけどしょうがないですよね・・・ 「二人きりになるチャンスあるかな・・・?」 「ペルソルナは随分と楽しいな、次は・・・」 「ひぇええ!」 ペルソルナの新装備、この粘土のような金属は凄いな・・・今はペルソルナに家を作ってる 質量すら変える無茶な金属だ。だがそれ故に夢が広がるな 「ふふっすっかり玩具ね?」 「遊んでるメディナが言わないでよー!」 和風、いや和風がこんな感じか知らないが和風の家を作ったり、家具を追加したり・・・ まったく楽しみと言うものがなかったし、こうやって鬱憤を晴らすのも中々楽しい 「意外とペルソルナは好きだと思ったんだがな」 「玩具にされるのはイヤ!」 「それもそうか・・・スマン」 まぁ家を作るのは楽しいがな、鉄をこねて今度は何を・・・ 「ヒースさん、こういうの経験はあるんですか?凄く楽しそう・・・」 「ない、が楽しい」 皆から話も聞けて、随分と楽しい時間を過ごせた。あの頃とはまったく反対だな 昔とも昨日までの幽閉生活とも・・・綺羅・・・エキドナ・・・ 「なぁ、二人・・・強化人間の二人はどうなったんだ?」 「あぁ、話では骨格の歪みを修正して、あとは安静にしているらしい」 「それにしてもビックリだねヒースまた強化人間助けるなんて」 そういえば何だかんだで、3人ほど助けた事になるのだろうか?こんな経験、滅多にできないか NIから熱愛を受けるのも早々ない、ついでに言えば王族と・・・ははは・・・ 「考えてみると今さらか」 「今更?どういうことだ?」 「ヴェータ達と旅をしてるだけでもビックリな事なのさ」 皆もそれもそうだと、笑っているとノックの音が・・・夕飯?外を見るともう・・・ 真っ暗だ。これにはビックリしたな時間がたつのが早すぎる 「出たのは3時、戻ったのは夕方だし無理もないか。」 「行きましょうか、今日は久しぶりに皆でご飯ですね♪」 楽しみだな、久しぶりに皆と一緒にご飯だ・・・食欲なんてないはずなのにな 今まで飯を貰わなかった時も、空腹になんてならないはずなのに皆と一緒だと不思議と腹が減る 「お母様たちも一緒です、お話してたキャリコも」 「妹さんか、初めて会うことになるな」 話ではセミロングの金髪のしっかり物で元気な女の子だそうだ、アリシアとヤカリを足したような女の子か会うのが楽しみだ。 「良い子なんだぜ?うん」 「ヤカリと仲良くなる程度にはね。礼儀は言うまでもなく良いわね」 「ふむ、やっぱりアリシアとヤカリのような子なんだな」 ヤカリが「私は礼儀正しくない」と、アリシアが「私より元気」と言うと、たしたの意味がわかって 二人がクスクスと笑っていた。この大きな扉は・・・ここか中にはテレサと話に聞いていたとおりの子供が 「始めまして、ディオール第三王女エヴァック=キャリコ=ディオールです」 「お初にお目にかかる俺はヒース、お話は聞いておられるかと思います」 確かに礼儀が正しい可憐な少女だ、元気なのはまだ分からないが、礼儀正しいまま終わるだろう 席に座ると料理がやってくる。一応のテーブルマナーは心得てるがフォークとナイフの持ち方は面倒だな 「ヒースさん、またお話聞かせてくれます?」 「あぁ、それではいつからか・・・」 「ヒースさんお話、聞かせてくれるんですか?あの最初の方のお話もしてください!」 なるほど、確かに積極的だ・・・最初の方の話からか、これは長い夕食になりそうだ。 パンを小さくちぎり・・・ちぎって食べてよかったんだろうか? 「あの、どれぐらいかかります?」 「まぁ短くても1時間かと」 「あっ敬語じゃなくて良いです、お母様たちと同じように」 「な?キャリコちゃんは良い子だろ?」 あぁ、とヤカリに返事を返すとまずは何時もどおり、簡単に目覚めた頃の話をしてから それからの話を小分けに・・・楽しんでくれているようで何よりだ 「おいヒース待て!キャリコには早い!」 「そ、そうよ!私達の・・・ゴニョゴニョ・・・」 「あの?何が早いんです?」 「な、なんでもないわよ!ねぇヤカリ!」 「えっアリシア私に振るなよ!えっとだね」 「はぁ、キャリコちゃんが大人になれば分かるよ♪」 ペルソルナが上手い具合にフォローしてくれた、確かにウェンディとヴェータの恋話は早すぎるよな だがテレサよ何故そんなに嬉しそうにしている?早すぎるだろう 「はぁ・・・おませさんね」 「?」 「良い?キャリコ貴女が後1歳・・・多分1歳、歳を取れば大丈夫よ」 メディナの言うとおり・・・か知らないが、アリシアは頬を赤らめてこのやり取りを ちらちら見てるだけだ、こういう仕草が可愛いが・・・旅の途中で慣れてると思うんだがな 「それからだ、連合軍を相手に俺は戦ったらしい。恐ろしい事だ・・・」 「ヒースさん大変だったんだ・・・」 「ははは、皆が助けてくれなかったらどうなっていたか。皆には本当に感謝してる」 ご飯は食べ終わったが、話は続いていた。腹は満たされたがキャリコの好奇心は満たされていないらしく キャリコの部屋に招待されて少し長く、詳細に今までの旅の事を続けていた。 「お姉さま達も戦ったんですね、凄いです!」 「まぁ、あの時のヒースは強くて太刀打ちできなかったんだけどね」 メディナが言うとおり、あの時は皆が俺に張り付いて動きを封じていた。 強かったのだろうな恐らく・・・ 「あのパワーがあのままなら、NIにもさらわれなかったろうに」 「ははは、言えてるなあの時のヒースすげー強かったし」 「過ぎれば笑い事だけど笑い事じゃないよ〜」 「本当に強かったよね、まるで別人みたいだった」 耳が痛いな・・・むぅ、もう少し俺はあの時のような獣性を手に入れるべきか それとも今のままで、もう少し賢く武器を使うべきなのか・・・ 「あの、ヒースさん続き!」 「む?あぁそうだったな」 考えても仕方がない、今はキャリコに話してやっているんだ・・・それにしても アリシアはさっきからボーっとしていると言うか、ただ見ているだけと言うか 「・・・アリシア?」 「・・・へ?はっあのな、なんです?!」 「お姉さま?あの・・・珍しいですね・・・」 「アリシアがボーっとしているなんて、風邪でもひいたのかしら?」 ありえなくない、自己管理がしっかりしてるアリシアだって風邪になりえる可能性はゼロじゃない おでこに手を当ててみると、かすかに熱い・・・サーチアイを使うべきか。 「きゃっ!?」 「すまん、だが熱は・・・む?風邪じゃない?」 「あっヒースさんの目が・・・これがお話にあったサーチアイですね」 なんでもない、風邪だと思ったがただおでこが熱かっただけで何か特別な事はない アリシアにしては珍しくただ「ぼーっとしてた」だけなのだ 「大丈夫みたいだな・・・続きといこうか」 「はい♪」 ここまで来ればもう直ぐ、もう夜の9時になるが少しぐらいは良いだろう あの後の海水浴、それにアリシアと遭難したり・・・ 「海!いいなぁ」 「いい場所だ、いつか行くといい」 「ヒース王女相手に少し無理があるぞ?」 「そーでもねーぜ?きっとテレサ女王に頼めばさ」 確かにテレサなら何とかしそうだ。キャリコも何だか悩んでるようだが綺羅やエキドナの時の様な 道への憧れと好奇心に満ちた目をしてた。きっといつかテレサと海水浴に行けるだろうさと頭を撫でた 「そろそろ眠る時間か?」 「あっ本当・・・あの、ありがとうございました!おやすみなさい!」 キャリコがお辞儀をして手を振ると、俺達はキャリコの部屋から出て風呂に入る事になった 女性メンバーはキャリコと一緒に、俺はヴェータと一緒に入る事にした。 「・・・あれ?ねぇヒース!」 「む?どうしたペルソルナ?」 「キャリコちゃんは凄い機械オンチで触っただけで機械が変になるのに!」 そうだったのか?知らなかった・・・それで俺がおかしくならなかったのは何か理由があるのか? ペルソルナは変になったらしいが。むぅよく分からん・・・ 「ヒースは何だか凄いしね、特殊なんだよ」 「そういうものなのか?」 「多分そういうものだよ」 なるほどな・・・随分とアバウトだが、なんとなく納得した。だが代わりと言っては何だが アリシアがぼーっとしていた。これは何が原因なんだろうな・・・ 「さて、着替えを持ったら先に風呂を貰うとしよう」 一度別れて、着替えを取りに行くと風呂への準備を進めた。風呂も久しぶりだなぁ 「ふぅううう・・・・」 いい湯だな・・・ルナもつれて来ようとしたけど、まぁヤダって言ってたし無りにつれてきたら 散々いろいろと遊んだから嫌われちまうわな。 「気持ち良いですねぇ。ゆっくりお風呂に入るのは何日振りでしょうか?」 「さぁ・・・今までシャワー暮らしですっかり忘れてたね」 「多分7日ぐらいじゃないかしら?広いお風呂なんて本当に久しぶりよ」 お風呂に漬かって、皆ふよふよになってるとドアが開いて・・・おー、キャリコちゃんが入ってきた 小さいなやっぱり。9歳にしては小さめなせいでこの広い浴場じゃ動くのも少し大変か 「こんばんわ〜、湯加減はどうです?」 「あー、最高だ〜」 「ちょっと熱いかな?けどいい気分です」 「熱いけどいい気分だね、入るとき少し気をつけたほうがいいかも」 「熱いからしばらく慣れるまで大変だけどいい気分よ」 わー見事に意見がバラバラでやんの。まぁバクフ系人間の私は熱いお風呂には慣れてるもんな キャリコちゃんが体を洗い終わると前をタオルで隠して、足先を湯船に・・・ 「熱っ!」 「あーやっぱ今日の湯加減は熱いのか?私に合わせてくれたのかな・・・」 「何時もより熱いですね・・・」 そういってキャリコちゃんはしばらく膝ぐらいまで足湯して、なれるのを待っていた おー白い足が見る見る湯上り肌になってく。本人はこれだけでも気持ち良いみたいだけどな 「ねぇ、魔法なり何なりで温くする?」 「えー良いんじゃね?」 「だってキャリコが入れないじゃない!ちょっと熱いのよ」 「あっお気遣いなく・・・はぁ・・・」 キャリコちゃんが私らを見て、少し困り気味に湯船の中へと入ると心底気持ち良い顔して ぼーっとしてた。あぁキャリコちゃん以外と熱いのに強かったりするのな 「気持ち良い・・・」 「キャリコちゃんはお湯に強いんだね、おいで膝の上に乗せてあげる」 「あっウェンディさんありがとう」 ウェンディがおいでおいでと手招きをすると、キャリコちゃんが少し泳いで・・・ ここ広いからなぁ、そりゃ深くないけど泳ごうとすれば泳げる 「ふぇえ・・・寝ちゃいそうです・・・」 「何時もはもう寝てる時間だった?」 「はい・・・」 すげーうとうとしてる、うとうとしてる・・・あぁ何でかなんとなく分かった ウェンディの膝の上に乗せてもらって、胸枕してもらってんだ 「寝てる・・・いい寝顔ね」 「だなぁほれ、ぷにぷに」 「すぅ・・・すぅ・・・」 ははっまだ寝てる、ほっぺたプニプニしてやーらけーなぁ流石は王女様か 「何してんのよ!無礼にも程が」 「いやー旅の途中でアリシアの揉んだじゃん」 にやにやしてアリシアを見てみたけど・・・反応ねーや、ヒースの事で頭いっぱいかな? キャリコちゃんは気持ちよさそうに寝てるし姉妹揃ってか 「・・・あっな、何です?」 「いや何でもないや」 「そうですか・・・あっウェンディごめんなさい、キャリコ寝かせちゃって・・・」 「ううん、気にしないで」 ウェンディに寄りかかって、すーすー寝息を立てるキャリコちゃんにアリシアが肩を揺らすと 眠たそうな目を擦ってキャリコちゃんが目を覚ました 「ふぇ・・・・ZZZ・・・」 また寝ちまった・・・まっ可愛いから良いか。そろそろ体も暖まったし風呂から出ると・・・ キャリコちゃん起きないと体拭く事になるよなぁやっぱり起こさないと 「どうする?起こす?」 「かわいそうよ、ヤカリ面倒みてあげたら?」 「あの、妹の事は私が・・・」 「そういうなよ、アリシアの細腕じゃ抱えるのも大変だろ?」 「私が運ぶよこの子軽いし」 ウェンディがそのまま抱えて、脱衣所まで行くとタオルで体を拭いてから・・・あれ? うわっ意外と下着が過激なのな・・・まぁいいや兎に角、早く穿かせてっと 「ドライヤーかければ起きるよな?」 「そうだね、流石に起きるよ」 ってあれ?ドライヤーかけても起きない・・・よっぽど眠いんだな、こりゃ将来が楽しみだ さっと乾かしておくと、さっさと私らも体を拭いちゃう事にした。うー湯冷めしちまう 「もう一回、風呂入るか?」 「うーちょっと賛成、行こう」 アリシア達と入れ替わりで私らは風呂に逆戻り、はぁー暖かい・・・アリシア達を待たせると何だし すぐに上がったけど熱めだったしすぐに暖まったのが幸いだったかな。さて寝るか・・・ 「皆来たか、どうするもう寝るのか?」 「僕とウェンディは部屋が一緒だから待ってたんだが」 お風呂から上がるとヒースさん達はキャリコの部屋で待っていたようです。もうキャリコが寝てるのを見せると ヴェータさんは小さくあくびをして、ヒースさんは少し目を閉じて寝る準備をしつつ立ち上がりました 「それじゃ寝るとしよう、キャリコには明日でも続きを聞かせて」 「そうだな、ふぁぁ〜眠い・・・この頃。緊張続きだったしなぁ」 「今日は思いっきり寝ましょうか・・・これ以上はお肌に悪いわ」 ヒースさんもう寝るんですよね・・・寝る前だったら二人きりになれるかな・・・けど ヒースさん寝るし迷惑ですよね・・・二人きりになる時間があるといいなぁ 「・・・ヒース、アリシア随分とお前の事、心配したってのは言ったよな?」 「む?そうだったな本当に悪い事を・・・」 「それでだ、アリシアを安心させる為に一緒に寝てやったらどうだ?」 へっや、ヤカリさん!?ちょっちょっと待って!何でこんな事に!?それは嬉しいですけどその・・・ 何でこんなタイミング良く・・・ 「それもそうね、アリシア色々と大変だったし」 「ベッドのサイズも丁度、二人分だろうしな」 「流石ってぐらいベッドのサイズ大きいからねー」 「あ、あの・・・」 ヒースさんは迷惑かもしれないし・・・断ろうと思ったけど 「そうか、俺でよかったら」 「あの、良いんですか・・・?」 ヒースさんが頷いて、許可を出してくれたし・・・一緒にいたい・・・皆ありがとう・・・ けどそんなに寂しそうにしてたんでしょうか?少し疑問に思いながら私はヒースさんの部屋へ着いていき 皆と御休みの挨拶をして別れました。ベッドは程よく大きくて二人は入れるサイズだから二人で・・・ 「俺は椅子で寝るからアリシアは・・・」 「えっ一緒に寝ないんですか・・・?」 一緒はイヤなんでしょうか?けどヒースさんはこういう時、相手が寝やすいようにする人ですし・・・ お願いすれば一緒に・・・あぁっけどどうしよう、一緒に寝てなんて恥ずかしい・・・けど素直になるって そう決めたんだ物、ヒースさんだってお願いすればきっと・・・ 「あ、あの・・・」 「む?」 「あの、その・・・い、一緒に寝てください・・・」 耳まで熱くなって、今の私が鏡を見たらきっと真っ赤なんでしょうね・・・どうしよう言っちゃった 心臓がドクンドクンって動いて、ヒースさんがどんな反応をするか不安になって俯いてたけど 「あっ・・・」 「分かった、俺が外側でアリシアが壁側だ」 ふわりと優しく包まれ、そしてぎゅっと確かに抱きしめられた感覚で、顔を上げるとヒースさんが ギュッと抱きしめてくれて、ふわりとした暖かさと力強さにトロンとまぶたが重くなりました 「はぁ・・・ありがとうございます・・・」 そのまま、ヒースさんは私をお姫様抱っこで抱えて、ベッドの奥のほうに寝かせると 自分もそのまま寝て、毛布をかぶって一緒に寝る事になりました。 「おやすみアリシア」 「はい・・・」 一緒・・・だけど、距離は離れてて・・・近づくなら直ぐに近づけるのにその距離が 大分遠く感じれて近づくのが恥ずかしいのかも知れません。どうしよう折角のチャンスなのに 「あの・・その・・・」 「ZZZ・・・む?」 がんばって、ここで近づかないと中々ヒースさんと二人きりはないと思うし・・・ 少し近くに寄ってみれば、距離はそんなに無くヒースさんの背中に 「あの、こうさせて下さい!」 「寒いのか?それじゃあこっちの方がいいか?」 だ、抱きしめられて・・・暖かい・・・お話したかったのに、もう眠くて瞼が重い・・・ せめて少しだけでも、少しだけでも良いからお話したい・・・ 「ヒースさん・・・ヒースさんは私達に会えなくて寂しかったですか?」 「あぁ、寂しかったさ・・・強化人間の子供達にあえて和らぎはしたかな」 他愛も無い事を話していても、眠くなるだけだし・・・思い切って、ここは大胆に・・・ 「あの、私の料理・・・食べたかったりしました?」 「もちろんさ。何だかんだで食欲の無い俺が好きな食べ物なんだし」 嬉しい、ヒースさんが私の料理食べたがってくれて、何だかほっとして 余計に眠気が・・・もう限界ですね・・・ 「また旅が始まったら、ヒースさんの好きなもの作りますね・・・」 「その時は楽しみにしてるよ・・・お休みアリシア」 おやすみなさいヒースさん・・・暖かな胸の中で、夢心地のまま本当に夢の中へと入り込んで行くのでした 「はい、分かりました・・・引き取り先ですか?いえまだ・・・何っ!?クラウゼビッツ家が?」 さて、現在は朝の10時半と4分。綺羅とエキドナの事で病院に連絡を入れると 二人とも意識を取り戻して一安心。だったが引き取り先でビックリした 「えっとそちらに行けば良いのですか?はい・・・はい、分かりました。」 どうやらもう決まってるらしく二人も合意してる。クライゼビッツ家に行けと言われたので 早速・・・あれ?リーゼロッテの家ってどこ何だ? 「聞いてこないとな・・・」 「その必要は無いよ」 何だ?聞いたことのある声・・・ってリーゼロッテ!?ナナミまでいるし・・・ 「・・・おはよう」 「おはよう、驚いた?」 ビックリにも程がある。城の外に出た所で戻ろうとした俺の後ろからいきなりだ 「お久しぶりね、話は二人から聞いてる・・・ありがとう。」 「いや、気にしなくても良いさ偶然の重なりだ」 リーゼロッテはまた少し大きくなった気がする。となりのナナミも随分と落ち着いた感じになったな 「それにしても本当に久しぶりだな、元気だったか?」 「えぇ、ナナミも随分と元気になったわ」 「お久しぶりです、この度は随分と大変だったみたいですね」 驚いたナナミ。お前まるで別人じゃないか・・・前の子供っぽさが消えて 見た目相応の落ち着いた口調になってる。たった数ヶ月でここまで落ち着くのか? 「何だかんだでナナミも落ち着きが着いたのよ、10歳の年齢程度の」 「なるほどな、口調が落ち着いただけか。」 なるほど仕草には子供っぽさが残っているし、なるほど10歳なのも分かる気がした。 リーゼロッテの家に引き取られて貴族らしい貴婦人的な雰囲気に育てられたのだろう。 「驚いたよ、リーゼロッテがナナミをここまで落ち着かせるなんて」 「・・・ナナミ変わった」 「ナナミは心は純粋だから、教えればちゃんと分かってくれる」 なるほど、なんとなく理由は分かる気がした。さてこれで・・・と思ったのだが 俺は約束を忘れそうになっていた。そうだった何で気づかなかったんだろう 「約束まだだったな、リーゼロッテとナナミも来るといい」 「?何でしょう?」 「あぁ・・・そういえば約束まだだったね」 4人を少し待たせて、俺は駐機場までバイクを取りに行くといったん手紙を使って、アリシアに連絡を入れておいた エキドナ達にお菓子を食べさせる約束をしていたと。さて急がないとお昼になってしまう。 「お気をつけてヒースさん」 「あぁ、それじゃあ後で」 さて、こうしてバイクを動かすと元の場所に戻って荷台に皆乗るように言うと リーゼロッテ達も話を聞いたのか、スムーズに事が進んだ 「お金は私が・・・」 「いや、子供に払わせるのは悪い。」 何だかんだで金はまだある・・・というより、俺の場合は皆が金があるせいで何とも金の危機感が無い 俺一人になれば食わなくても生きれる、アリシア達がいる場合はそもそも、アリシア達が金があるから最悪の場合も何とかなる 「リーゼロッテ、どこかお菓子屋さんとか無いのか?」 「ケーキ屋さんならあるし、そこまで行きましょう」 リーゼロッテの案内で着いたのは、ちょっと大き目でカフェテラスのある菓子屋だった 席は丁度開いてるし、皆を下ろすと店の中に入り・・・ふむ、店の中にも席がある 外と中で選べるらしい、折角天気が良いし外にしてコースはバイキングにしておいた。 「・・・約束、守ってくれた」 「こういうの初めてだよ・・・僕がこんな風に出来るなんて思ってなかった」 ケーキの取り方が分からなくて、ナナミがレクチャーしているのを見て不思議な気分だった 強化人間も戦いから離れれば・・・というわけか。 「エキドナと綺羅が裏切るなんて思ってなかった・・・」 「俺がそそのかしたからだろうな・・・もう少し捕まって沢山、強化人間を裏切らせるべきだったか?」 ふと笑うと、リーゼロッテが考え込んでいた。謝ると俺の話はあまり気にしていないが気になるのが NIの計画の進行状況らしい。今は息を潜めているがNIは強化人間をそのうちレンタルで売り出せるほど作るつもりだそうだ 「大丈夫じゃないか?俺を求めるってことは完成度をもっと高めたいんだろう」 「そうかな・・・新しい機体があるって言ってたし、後は中身だけ何だと思うの」 それはありえそうだな・・・少し気を引き締めておかないと、話していると綺羅とエキドナとナナミは 食べたいものを選んでもう席を取っていた。さてリーゼロッテも取って来いと背中を押して俺も・・・ 俺は・・・まぁ少しぐらい食べないと変か?と言うわけで3品ほど適当に選んでおいた。 「・・・美味しい・・・」 「初めてだよこんな美味しい物・・・」 二人とも美味しそうに食べてる、服もNIの研究所で着てた趣味的な意味合いの強そうな服ではなく 普通の服になっているしあの頃のような事はもうないだろう。二人ともこうしていられるんだ 「美味いか?」 「うん、凄く」 「研究所じゃ点滴とか栄養考えた美味しくないのばっかりで・・・」 二人とも幸せそうだ・・・ヴェータ達には本当、感謝しなきゃな・・・ナナミも何だかんだで ケーキ見て嬉しそうだし。やっぱりまだ子供なんだなと少しだけ安心した。 「ありがとうヒース、こんな顔の二人初めて見たわ」 「俺もだ・・・こんな風に笑えたんだな・・・」 ケーキをパクつく二人と、お上品に食べてるナナミを見てふと笑いがこぼれた。 こんな風にずーっと平和なら良いのにな。そんな風に思えた 「ヒース、クリーム口についてるよロボットなのにうっかりだなぁ」 「む?」 本当だ・・・指でぬぐって、ティッシュで拭いてると皆がクスクス笑っていた、何だ・・・ そんな風に笑えたんだな。良かったこれなら生きて行くのにそんなに支障は無いだろう 「ヒースさんは食べるのが苦手なの?」 「いや、そうでもない」 ナナミの敬語には慣れないな。そう思いながら俺はまたケーキを一切れ口へと運んだ 贅沢な事を言うようだが、アリシアの作るケーキが食べたくなるな・・・同じケーキでも味が違う気がした 「♪〜」 「本当、よく食べるね二人とも・・・」 「こんなに美味しいもの初めて何だ、しょうがないだろ?」 「口元にクリームべったりですよ?] そして俺よりも口元をクリームで汚していた二人を見て、リーゼロッテとナナミが嬉しそうに笑っていた 昔の友人なんだ、こうやって一緒に平和に出来るのは幸せなんだろう。 「良かったな本当・・・」 「ん?何か言ったかい?」 「良かったなって、外に出られて」 「うん・・・」 ケーキをぱく付きながら、エキドナは笑っていた。研究所じゃこんなエキドナは見た事が無かった 無邪気だ。綺羅も偉そうな時と違い今は子供のように口の周りのクリームを舐め取っていた 「ヒース、NIはしばらく動きをまた潜めると思うの」 「だろうな俺の仲間が予想以上の強さを見せたんだ。しばらくは動けまい」 紅茶を啜りながら、俺がリーゼロッテに言葉を返すとリーゼロッテから返ってきた言葉は 「いっその事、記憶探しをやめてどこかの国に住んだら?そうすればさらわれる危険も・・・」 「いや旅はやめないさ。記憶は気になるし・・・それに、皆と一緒に旅をまだ続けたい」 「そう・・・分かったわ。」 ありがとうと言うと、リーゼロッテは気にしないでと紅茶を啜り、小さくイチゴケーキ・・・だけじゃない ケーキのイチゴを早いうちに食べてる、好きなものは先に食べるんだろうな。それにしては何かに脅えるような 隠すような食べ方だ。イチゴに何かトラウマでもあるんだろうか・・・・ 「まぁいいか・・・」 「あっヒースさん顎にクリームが・・・」 「だらしないなぁまったく」 綺羅に顎を拭かれて、まったくだと返す言葉も無かった。考え事をしながら物を食べるべきじゃないな そう思いながら食べていたが、綺羅とエキドナも随分と口の周りを・・・指でふき取ると 「あっそれ食べるつもりだったのに」 「っ!」 二人が指のクリームを舐め取った、本当にこういうお菓子を食べる機会が無かったんだな可愛そうに・・・ ナナミが二人を叱ると、二人とも反省より先に驚きが来た。怒られた事にではなくナナミがしっかりしてる事にだが 「ははっ本当、戦いから開放されるって良いな?」 「えぇ、ナナミもあぁやって普通に戻って・・・二人は元々、壊されていなし直ぐに慣れると思う」 「えぇ・・・ねぇヒース、私が危ないからって王宮で匿われてた時を覚えてる?」 「俺がリーゼロッテと再会した時か?」 そういえば一時的にリーゼロッテは城にいたが、考えてみると少々、酷な話ではあったかな・・・ 戻ってきたが直ぐに家に帰れないんだし。その頃は大変だったんだろうな 「今でこそNIの動きが鈍くなったし、本当に今は幸せ・・・なんだけど・・・」 「む?どうしたんだ?何か不安なのか?」 「ヒース、貴方がNIに襲われて少しだけ不安なの・・・ねぇ、その機体はどんなに強かった?」 そうか・・・もしかしたらまた攫われるかもしれない。そういう事か。だが首都にいれば この国の首都ならば大丈夫だろう。何より機士団がこの国に入るのだから あれが入ってくれば軍が動いて倒してくれるだろう。流石に数には勝てない機体だったし 「そう・・・ありがとう、まだ平和に過ごせそうね」 「大丈夫さ、テロのせいで昔より警戒が強いんだし」 「えぇ・・・そうね。もう大丈夫よね・・・あの子達も私も・・・」 リーゼロッテが安心してその光景を見てるのを見て、少しだけ嬉しかった。エキドナと綺羅を助けれて良かった ここなら二人ともきっと普通の生活に戻れるだろうし。リーゼロッテのこんな嬉しそうな顔も見れたんだ 追加分を取りに、エキドナ達が立ち上がって一人テーブルに残って生ぬるい紅茶を啜りながら。俺も少し微笑んだ 「クラウゼビッツ夫妻、エキドナと綺羅をお願いします。」 「あぁ強化人間の事は詳しいつもりだ、二人は私達が責任を持ってわが子として育てる。安心してくれたまえ」 しばらくして、4人をリーゼロッテの家に運んで、リーゼロッテの親に挨拶をしておいた。 エキドナと綺羅もきっと、ナナミのように戦いから解放してくれる。二人は精神が壊されていないし適応が早いはずだ 「二人とも元気で、きっと二人なら戦いのない世界でやっていけるさ」 「当たり前だよ?だって僕は天才だもん」 「・・・うん」 希望に満ちた目に安心して、二人の頭を撫でると俺は始めて二人の頭を撫でたのに気がついた。 今まで拘束されて動けなかったしな・・・二人とも何だか心地よさそうだ。 「撫でられるってこんな感じなんだね、いい思い出が出来たよ」 「・・・うん。」 「こんなのがか?変わってるな」 ちょっとだけ以外だった、こんなのでも嬉しいのか・・・バイクに乗ると皆手を振っていて 俺が手を振り返すとリーゼロッテの親が、二人を案内するように皆を連れて屋敷へと戻っていく 「・・・幸せにな」 かすかにだが、これからどうするかや、なんと呼べば良いかなどの声が聞こえてくる・・・ 家族か・・・俺の開発者は俺にあんな風に愛を注いでくれただろうか? 「・・・」 ロボットの俺がこんな風に考えるのも変だな。それに俺には家族ではないが大切な友人がいるじゃないか それだけでお釣りが来るぐらいの幸せだろう? 「あっキャリコに話してやるの忘れてた!けど残りも少ないし早く終わるか」 戻る頃には夕食の席になっているだろうか?さっきケーキを食べたしそんなに食べれないだろうな・・・ そんな事を思いつつ、門番に顔パスで城の中へと入るとさっさと駐機場に・・・ 「む?マークか?」 「ヒース?随分とタイミングが良いな?」 車?どうやらこれから帰宅するようだが。アイロンをかけたばかり・・・いやクリーニングから帰ったばかりであろう 新品同様の服をいつもと違いしゃきっと決めている。ちょっとビックリした 「あら?ヒースさんこんばんわ〜」 「ローザもか・・・あぁ」 ローザも同じようにめかしこんで、何をするか大体分かった。これ以上深くかかわるのはデバ亀とか言うのだな 二人に適当に挨拶を交わしておくと、二人が城の外近くの駐機場から車で町のほうへと帰っていく 「ここにも幸せが一つか。良い事だ」 「いいなぁだんちょー達」 「何やってるんだナオミ・・・」 そしてそれを見届けるナオミ。独り身で寂しいのだろうか?あぁっナオミの性格的に巻き込まれそうだ 俺はとっとと逃げる事にしたデバ亀なんてしたらマークとローザが可愛そうだ! 「まぁ頑張れ!」 「何を!あっ逃げた!」 む?手紙に反応が・・・アリシアから? 「もしもし?」 「ヒースさん今どこです?あの夕食の席がもうすぐ・・・」 「ナンだって!城の中だし今すぐいく!間に合う!」 夕食の席に遅れるなんて失礼にも程がある!急がねばテレサに怒られるかもしれない! あぁっ怒られなくてもエマが話を聞いたら怒りそうだ間に合え俺! 「それで、俺が捕まって・・・」 何とか夕食の席には間に合って、今はキャリコに話をしているところだった、キャリコが昨日はウェンディ達に迷惑をかけたと 今日は出来るだけ早く寝るらしい。真面目だなと思いつつ俺も8時半までに話を終わらせようとしていた 「それからNIで取調べを受けた俺に、二人の女の子が見張りについたんだ」 「あっお姉さまたちの言ってた人ですね」 「そう。二人とも酷い扱いを受けていたけど今はリーゼロッテの家で幸せにしてるよ」 それを聞くとキャリコが安心したようだった、話は聴いていたがその後どうなったかは聞いていなくて ちょっと心配だったらしい。キャリコも姉と同じで優しい子なんだと再確認して俺の旅の話を終わらせた 現在8時7分。丁度良く話を終えてキャリコは風呂へと歩いていった。 「僕らだけか。アリシア達は先にお風呂に入ったし。」 「そうだな・・・部屋に備えられてるシャワーで済ませるか?」 別に大浴場じゃなくても良い俺達は、さっさとシャワーを浴びて・・・と思ったがヴェータが何か焦ってた どうしたんだと首を傾げたがあいまいな返事しかしてこない 「あぁそのだな・・・むぅ・・・」 「どうしたんだヴェータ?」 何時ものヴェータらしくない。俺が首を傾げると思い出したようにヴェータが答えを出した 「そうだ、アリシアが用があったとか言ってた気がするんだ」 「アリシアが?なら何故言わなかったんだろう?」 夕食の席で一緒だったのに。それを言うと忘れていたのだろうと言われた。その程度の事なら別に気にしなくても と言うわけには行かないだろう。風呂に入ったらアリシアに会いに行くとしよう 「それじゃあ明日の朝。」 「あぁ・・・ふぅ。何とかうまく行ったか」 ヴェータと別れて俺の部屋に戻ると、さっさと風呂に入るべく小さな脱衣所で服を脱ぐと 前に使った事のある質素だが綺麗なシャワールームで、今日の汚れを洗い流して行く 昨日洗えたが、ここ最近は髪を洗うことも出来なかったしシャワーは大分嬉しい 「ふぅ〜・・・」 昨日は汚れのたまりっぷりに驚いたなぁ。髪の毛がシャンプーで何本か抜けてついでに埃とかも絡み付いて あのまま何ヶ月も監禁されたら俺はきっと汚れの塊になってしまっただろう 「シャワーって大事だよな・・・」 さて、そんな恐ろしい事を考えるのはやめてシャワールームから出て、体を拭き終えると 髪をさっさと乾かしてアリシアの部屋へと・・・服はどうするべきだろう 普段着で良いよな?寝るときも普段着なんだし・・・ 「よしさっさと行くか」 普段着に着替えると、アリシアの部屋の方へ・・・何の用なんだろうなアリシア どうでもいい事なんだろうが、一応は聞いておいたほうが良い 「むっ人影・・・ 」 「ヒース!アリシア様に何のごようです!こんな夜分に怪しい・・・」 エマだ。よりによってエマがいた・・・何でか俺に突っかかって非常に面倒なんだ・・・ まぁ夜に来るなんて確かに怪しいが。事情を説明すれば分かってくれるだろう。 「えっとだな、アリシアが俺に用があったらしくて」 「何のです?昨日は一緒に寝たらしいですしまさか・・・この変態マシーン!」 「えっちょっ何でそうなる!?」 これで俺の弁解とエマの勘違いによる壮絶な戦いが始まった。何とか分かってもらえると良いんだが エマは頑固だしどうした物だろうか・・・しばらく口論になっていると扉が開いた。 「あの、どうしたんです・・・ヒースさん?」 「アリシア何とかしてくれ!」 救いの女神が登場か、アリシアに助けを求めるとエマもしぶしぶだが、アリシアの言う事を聞いて寝ることになった さて俺の方も話を進ませておかないと。事情を話すと首をかしげて思い出そうとしているが忘れてるようだ 「まぁその程度の事だったのさ、おやすみ」 「あっ・・・うぅん・・・あの!ヒースさん今日も・・・」 「今日も?」 「一緒に・・・寝て欲しいんです・・・」 アリシアは相当俺の事を心配してくれてたみたいだ。もう少し安心させるべきだったな・・・ こういう場合はどうすれば良いんだ?えっと元気なのはもう見せたと思うし如何すればいい? 「スマン、随分と心配させて」 「いえ帰って来てくれただけで安心してますから・・・」 ならどうやればいいんだ?ちょっと焦ってしまう。素直に如何すれば良いか聞いたほうが良いか 「なぁ、如何すれば安心してくれる?」 「あの・・・その、昨日みたいに一緒に寝てくれればそれだけで・・・」 一緒に寝るだけでか、こういう場合は親と一緒に寝るような感じなんだろうか?この格好だと ネグリジェ姿のアリシアと一緒に寝ると礼儀がなってない・・・気がする。気がするだけだが 「パジャマに着替えてくる。」 「行ってらっしゃい・・・」 部屋にパジャマあったよな?無かったらメイドに頼めば・・・あぁエマに怒られるかもしれない そうなるのは勘弁して欲しいな。エマが俺を目の敵にするのはメイド故なんだろうが面倒だ 「なーアリシア如何したと思う?」 「如何したって?」 ヴェータも一芝居やったなぁヒースとアリシアの仲を近づけようとするなんて。 ヒースは鈍感と敏感がめちゃくちゃなバランスだし。これで発展するか不安だけどな 「戦闘とかに敏感な時が多いのにねぇ。戦闘用ロボだったりして?」 「ははは、んなわけねーじゃん」 ルナが言う事もありえなくないけど、だってヒースが戦闘ロボとかありえないぜ 無駄に高性能なだけだと思えちまうよ。だって戦闘用にしちゃ感情が豊か過ぎる 「それもそうだね、それよりヤカリちょっと」 「む?どーしたよルナ?」 こっちはもう寝るかと思ってたんだけど、どうしたんだ?面倒だしベッドに引きずり込む ルナの奴はベッドで一緒に寝るとベッドから落とされて嫌らしいけど柔らかくてなぁ 「あのさ、アリシアが良くてもヒースって愛してる「好き」はあるの?」 「あー・・・大丈夫じゃね?他人のが分かるんだし」 ヴェータとウェンディの時の話は聞いてるけど、ヒースにだって愛してるとか そういう感情はあるだろうさ。あんなに純情なアリシアが報われないじゃ悲しいし 「アリシア?良いか?」 「はい・・・」 部屋に入ると、クィーンサイズのベッドの方からアリシアの声がする。寝てるだろう 薄いカーテンの中に入るとアリシアは寝てじゃなく。女座りで座って待っていた その姿は何処か・・・むぅ、性欲が無い俺が言うのも何だが色っぽい。 「・・・・・・・・・・・」 「あの・・・?」 透けるネグリジェ越しに見える下着、ちょっと上目づかいで頬がほんのりと赤く 俺じゃなかったら襲っててもおかしくない。 「ヒースさん!」 「あっどうしたアリシア!?」 いかん、つい見蕩れてしまった。いやそのこんな・・・性的なエロスだけじゃなく 何処か吸い込まれるような魅力があって、何と言えば良いんだろうな・・・魅力的? 「寝ましょう・・・?」 「あぁ、そうするか・・・」 昨日は何でもなかったのに。何時ものアリシアとのギャップか?清楚なアリシアの色気 それが原因だろうか?何時ものアリシアを知ってるからだなきっと 「暖かいです・・・」 「あぁ・・・暖かい」 昨日も同じように、いや以前からこんな事があったが・・・寝れない。 アリシアの事を守りたいと思ったりしたが、こんな気分は始めてた 「気持ち良いです・・・」 「俺も心地いい。もう安心か?」 「はい・・・もう離れないでください・・・」 今日は寝れ無いかもしれない。アリシアを胸に抱いて撫でているとアリシアが心地よさそうに目を閉じる こうなればすぐに寝てしまうだろう。それにしても離れないでか・・・守る立場の俺としては逆に言うべき何だがな 「おやすみアリシア」 「あの・・・ヒースさん、変な事ですけど好きな人・・・いますか?」 「沢山いて困るくらいか」 こういうとアリシアは何だかがっかりしたような感じだった。俺は何か悪い事でも・・・ だがすでにアリシアは目を閉じてしまった。起こすのもかわいそうだしこのままで良いか この寝顔を一晩中・・・と言うのも悪くないだろう。さっきと違って色っぽさはないが。 「綺麗だ・・・」 綺麗な寝顔だが、さっきのもあって余計に綺麗に見えた。アリシアは少しばかりズルイ こんなに綺麗なのに性格も良い。それに王女だからか教養もあるし 「良いお嫁さんになれるな・・・」 俺は気がうとうととしていたから、こんな事を口走ったんだろうが本当に良いお嫁さんになれる きっと女王になってもな。何故だろうな変な気分だ。時々だがこんな気分になるのだが 本当に不思議な気分だこうなると、アリシアの事を考える割合が大きいのは何故だろうな 「アリシア・・・もう離れたりしないさ。テレサに頼まれたようにお前を今度こそ守る」 前見たいにはもう行くまい。アリシアを少しだけ撫でてると気持ちが落ち着いた。 アリシアも旅の中で抱え込んだりする悪癖が薄れつつある、だからこうして積極的なんだろう また明日からの旅できっと、色々とあるだろうがアリシアは着々と強くなっているな・・・ 本当はそんな事じゃないの。そんな好きじゃなくて・・・ヒースさん・・・ 「アリシア達、随分と凄い事になってるわね・・・」 「寝坊したんだろ?それにしても凄いが」 結局アリシアの優しい寝顔に釣られて寝てしまった!しかも朝食の時間をすっ飛ばして! アリシアも俺も大混乱で、エマがアリシアに軽い朝食を持ってきて食べて 次の町まで今日中に間に合わせるようにしなければ!急げ俺!アリシアも急いでるんだ! 「スマン遅れた!皆、準備はいいか!」 「ばっちり!ヒースたちのが大丈夫?」 「ははは、アリシアのカチューシャしてやんの」 うわっ本当だ!アリシアに返すと深呼吸して落ち着く事にした。次元層に荷物は入れてある 服も大丈夫、よしバッチリだな・・・さて行くとしよう。 「ふぅ・・・行くか!」 「あぁ、久しぶりの荷台だな?」 こうして久しぶりにバイクに乗ると、俺達の旅の再開を告げるエンジン音が鳴り響いた。 さてヘルメットを・・・おっ見送りのようだ。少しエンジン音を小さくしておこう 「皆、見送りのようだ」 「アリシア〜お気をつけて〜」 「お姉さま〜行ってらっしゃいー!」 「お母様!キャリコ!行ってまいります!」 二人が城の上から手を振っている。こうやって見送られるのは何度目だろう? 贅沢な事だ。俺が手を振るとエンジンをもう一度、目覚めさせてやった 「さようなら!またいつか会いましょう!」 「今度、また来た時は新しい話してやるからなー」 「出来れば機会オンチ直してね〜!」 さぁ出発だ!行き先は考えていないがディオールから出れば何処かに行けるだろう 気ままに行くとしよう。さらばだ皆。またディオールに来た時に会おう 「ねぇ、次どこに行くの?考えてない?」 人気の無い道路を走るバイク1台。ヒース一向は首都から大分離れた場所まで来ていた 「そうだな・・・どこが良いだろう?」 「気ままでいいと思うわ」 「そうですねぇ行きたい場所も決まってないですし。」 行き先も無く、ただ静かな道をバイクの走行音だけが響く。果たして一行の行き先に 今度は何があるのだろうか?またNIの魔手が来るか?それとも? 「はぁ・・・無計画ねぇ」 「いいと思うぜ偶には。」 さてはて、それは続きのお楽しみ。 「まぁ・・・今日は野宿になるかもな」 「野宿も久しぶりね。久しぶりにアリシアの料理が食べれるかしら?」 「私達は2日だけどヒースは1週間近く食べてないし、寂しいんじゃない?」 「いえてるな、アリシアの料理が食べれないのも災難だったよなぁ」 恋路がどうなるかも、記憶の事も旅が答えを出してくれるだろう。今はバイクが走るだけ ただ一行の笑いとバイクの音がBGMになり、新たな旅を賑やかにするだけだった 続く