■過去と未来の出会い■ ここはディオールで有名な酒場。 腕っ節の強い冒険者たちが集う場所 「・・・わぁ・・ん わぁ・・ん」 「どうしたの?・・・小さい子がこんな場所に一人で」 少女は少しだけ、勇気を出して、声が聞こえる方を見渡した。 すると、そこには冒険者というには、華奢な女性の顔が覗いていた。 「・・・お姉様と・・・はぐれちゃったの・・・・」 「・・そう・・・お嬢ちゃんはどこからきたの?・・・おばちゃんに教えてくれるかな?」 周りがざわめき始め、少女が 「・・えっと・・えっと・・・・・」 混乱し始めたのである。 すると 「・・・・・」 女性が酒場の冒険者たちをひとにらみ、周りのざわめきが途切れる 「お穣ちゃん、・・・ゆっくりでいいの。・・・教えてくれるかな?」 「・・・えっとね、場所はわかんないの?・・・一緒に来た、お姉様とお菓子屋さんに行ったとき、はぐれたったの?」 「・・・そう。ちゃんと言えたわね。ふふふ、おばちゃんがいっしょに探してあげるわ。」 そういうと、少女の連れて、酒場を後にした。 「・・・このお菓子屋さんかしら?」 「・・・うん。このお菓子屋さんだよ。」 「もしかしたら、あなたのお姉様も、この周辺を探しているかも、しれないから、甘いものでもたべてまたない?」 「・・・・いいの?・・・ありがとう・・・お姉ちゃん」 「ふっふっふ・・・いいのよ。 私もちょうど食べたかったから」 そう、笑いながら、お菓子をいっしょにたべはじめていると 「・・・あっ・・・キャリコ様、こんなところに」 そういうと、護衛兵らしき人影が近づいてきた。 「あら、お迎えが来たようね。」 女性は残念そうな顔をしながら、キャリコに言った。 「・・・・お姉ちゃんと、もっといっしょに遊びたいよ」 キャリコも、悲しそうな顔をし、腕をぎゅっとつかんで離さなかった。 その姿を見て、護衛兵たちが、勘違いし、 「・・・そこの女、キャリコ様をさらうつもりだな・・・その手を離せ!!」 キャリコは、驚き、大粒の涙をためてはじめていた。 「・・・・・・・」 女性は、一歩も動かずに無言のまま、護衛兵たちをにら見つけていた。 「この、誘拐魔め〜!?」 護衛兵たちが、襲い掛かろうとすると、 「・・・・・チェスト〜!?」 その影声と爆音とともに、護衛兵たちが吹っ飛んでしまい、 「・・・この馬鹿、護衛兵どもめ〜、誘拐したかどうか、ちゃんと判断しろ〜!?」 胸のない、それも、極端に小さく、黒いシルエットが印象的な少女が乱入してきたのである。 「・・・・お姉様?・・・キャスカお姉さ〜ま〜!!」 キャリコは乱入してきた人物を認識した途端に、笑顔に逆戻りした。 「・・・ふっふっふ」 キャリコを保護していた女性は唖然としながらも、それがおかしくて、笑いがこみ上げてきたのである。 「・・・元気な、お姉様ね、キャリコちゃん・・・うっふっふっ」 キャスカと呼ばれる少女に連れられ、キャリコは帰っていく、 「また、会えるかな?・・・名前教えてくれるかな?」 キャリコは名前を最後に尋ねた。 「・・・わっわたしのなまえ?・・・そうね。ヘル・ミーナっていうの」 「・・・ありがとう、ヘル・ミーナおねいちゃん。 また会えるといいな〜」 キャリコはそういうと、キャスカと一緒に帰っていった。 〜数日後〜 「そういえば、キャリコ?、あの人、ヘル・ミーナさんってどこかで、聞いたことない?」 そういうと、そのことで、ずっと引っかかっていた姉をしりめに、 「あれ、・・・キャスカお姉様知らないの?、歴史の勉強で習ったじゃない」 「私たちの、ご先祖さまで、魔王女として、有名なあの人」 「・・・・・・・・・」 キャスカは一瞬かたまって、 「・・・・まっまさかね?・・・・・」 〜Fin〜