異世界SDロボ ダークハイローSS  - 流星群を捕まえて -          リベリア編 第一話「落下」 「しつこいよ…!どうして逃がしてくんないの…!?  私なんて、私みたいな屑なんて、いてもいなくても同じじゃないか…!」 「クズハ クズカゴニ」   リベリア・オータは歯ぎしりの隙間から漏らした。相槌を打つ様に、  無機質な音声が、彼女のヘッドギアから発される。  ある地方の古い言葉で『空高く上げられた物』と名づけられた、  深紅のマナスレイヴ(ManaSlave。人が搭乗するロボットのうち、NI社…NovIndustoryが  開発したもののみを指す。主に戦闘用。)が荒野の空を、その体躯を左右に  振りながら突き進んでいた。その姿は本来の姿である人型を取っておらず、飛行機に近い高速機動形態である事からも、  彼女が逃走中である事を物語っている。   真紅の機体は時折蛇行する。そのつたない動きは、リベリアの操縦技術が低い事だけが理由ではない。   荒野の上を飛ぶメテオロンの後方からは四機の鷲の姿を模した空中専用マナスレイブ、  スカイーグルがメテオロンを追って推進し、時折、火器攻撃を放った。銃弾と誘導弾がメテオロンを襲う。   深紅の体躯を左右に振って攻撃を回避する。   メテオロンの推進力は後方のスカイーグルより速いとは云え、下手な操縦と  後方からの追撃からの回避行動が相俟って、双方の距離は縮まりつつあった。 「コノママジャオイツカレルゼ」   ヘッドギアが云う。リベリアは頭を振った。 「わかってるよ! わかってるけど…!」 「カワッテヤロウカ。コンマ32デブッチギッテヤルヨ」 「イヤだよポノ…後で全身が痛むし…」 「シンデカラジャオシマイダガ」 「………」   リベリアは首を振った。   そのまま逃走劇を開始する。しかし、数分後状況が一転した。 「オイ、リベリア」 「何…!? 今集中してるのに…!」 「集中シテコレカ、クズ。アンナ攻撃ヨユウダロウガ。ソレヨリ、レーダーヲチャントミテンノカ」 「え…?」   リベリアは視線をレーダーに移す。一つの赤い点が、急速にレーダーの中心…自機に向けて接近していた。    「これ…SKYAGLE:TYPE-HELLCROW……テレサ!? そんな…よりにもよって!」 『ヒャアハハ!!! どいててようゴミどもはー!! 掃除はあたしがするのおおおお!!』 『ヘルクロウ、ヘルクロウ、こちらの指示に従え。減速し四番機の後ろにつけ。そのままでは衝突する』 『ッっせえええええええあああああ!!!! 死にたきゃあそこをどくなああああ!!! 死ねええええ!!!』   ヘルクロウは僚機であるスカイーグルが前方を飛行しているのにも一切構わず、一直線にメテオロンへと  突き進む。スカイーグルは編成を組み統率の取れた飛行でメテオロンを追い詰めていたが、  ヘルクロウが無秩序に急接近したために、彼らは散開せざるをえなかった。   四機が道を開け、その間をヘルクロウはくぐる。そしてヘルクロウはメテオロンを一度追い抜き、  飛行形態から人型へと変形し、両手にヒートサーベルを装着した。   メテオロンを迎え撃つようにヒートサーベルで空を断ち切った。 『死んでよおリベリアあああああああ!!!』 「ぐうっ…!!」   メテオロンをがくんと下降させてヒートサーベルの刃を回避する。 「サッサト舵ヲ引ケ トンマ」   高速で移動している為に、当然、機体を下げれば一気に下降する。   下げた舵をすぐにあげなければ地面に衝突するのは当然だ。   しかしリベリアは目をつむって回避行動を取る癖があり、次まぶたを開けるまでにしばらくの時間がかかった。   彼女の操縦能力の低さは、精神的な面に大きく起因し、実際の操縦の下手さに比例して自信がなく、  判断は鈍く思い切りが悪い、雑多な動きしかできなかった。   彼女がこの機体に乗っているのは、設計当時に担当機体が確定しておらず、  最大加速にも耐えうる強靭な脳や三半規管を持っている者が他にいなかった、  ――という消去法から導き出されたというだけだった。   ただ、耐えうるのと扱えるかは別で、彼女は一定速度以上の加速を恐怖心から嫌い、活かせていなかった。   彼女が今まで生きてこれたのは戦闘をサポートし、時には代理操縦を行うポノ――  Pono(Pilot operation system No.0)のお陰である。   リベリアはようやくの事で瞼を開け、接近しつつあるひび割れた地面に悲鳴をあげながら  舵を引いて機体を引き上げた。衝突ぎりぎりでメテオロンは急上昇する。    ヘルクロウは上昇してきたメテオロンに接近し、ヒートサーベルを叩きつけるように振りつける。   強引な蛇行でそれを回避し、すりぬけて空へと上昇する。   目標がすり抜けてた瞬間に飛行形態へと変形しヘルクロウはその後を追う。   リベリアは機体を水平に戻した。 「タイミングガ ワルイゾ アホタレ」 「へ? うわあっ!!」   ヘルクロウは脚部のクローを展開し、メテオロンの真後ろを突き抜ける様に通過した。   展開されたクローは機体背部を掠め、全体に衝撃を与え、ぐるぐるときりもみしながら飛行する。 「うわああああああああああ!!」 「オイ、舵ヲシッカリトニギリヤガレ アホウ。オレガヤッテヤル」 「で、でもお!!!」 「死ヌノカ。ココデ。ソレナラ、カマワナイ」 「う、うん、わかったよお! お願いいッ!!」 「ビリットクルゼ」   ポノからプラグが伸び、リベリアのうなじに開いている穴へと突き刺さった。 「ひぐぅっ!」   リベリアは身体を一瞬痙攣させて俯く。   そして、すぅ、っと身体を起こした。その顔は、先ほどまでのリベリアとは全くの別人で、  無機質で機械的、まるで人形の様な表情だった。   両手で操縦桿をしっかり握り、きりもみしていた機体を安定させると、右手を離し、操縦席内のパネルを高速で操作し始めた。 「レフトブースターへの被弾による動力系統への異常3パーセント。問題なし。メテオロン、フルスロットル」   彼女は云い終えると同時に、操縦席の側面に配置されているレバーを引いた。   一瞬だけエンジンの排気口から大きな光が漏れた。   次の瞬間、機体がいっきに倍の速度で推進し、爆発音が遅れて響く。   まさに流星のような速度で空を切り裂く。 「いいいあああああ!!! むかつく! むかつく! むかつくー!! 逃がすか! 逃がすか! ゴミ虫ー!!」   ヘルクロウも爆音を鳴らして加速しメテオロンを追う。 「ヘルクロウ接近。応戦する」「逃げられないの?」   リベリアは無表情のまま、まるで独り言で会話する。 「速度差が大きく開いているわけじゃない。これ以上追いかけっこを続けているとそのまま国境を越えてしまう。  するともっと厄介だ。ドンパチしながらだとすぐに見つかってしまうだろう。軍を相手にすることになる。  倍以上に多くの敵を相手にしなければならなくなる」 「武装解除して投降したらいい。無抵抗な相手に攻撃はしてこないよ」「本当にトンマだな」 「なんだよ、トンマトンマって」「事実だ。いくら投降して脱走したと伝えてもお前は逃げる事はできない。  どういう事かわかるか」「…?」「こっちはエルフィーナの方角ではない。NIと取引のある隣国だ。  彼らはNI社を恐れている。彼らはNI社の機嫌を損ねたくない。付き出されて終いだ」 「じゃあ、エルフィーナに…」「お前はバカでクズでどうしようもないな。エルフィーナに行けば 問答無用で殺されるだけだ」 「じゃあ、どうしたらいいんだよッ!!」      リベリアは無表情のまま歯を食いしばった。 「活路を開け。お前の友がそうしようとしたように」 「………」 「ヘルクロウさえ叩けば残りのスカイーグルは敵じゃない。放っておけばいい。  あれを叩いた後、プラズマステルスを使用して隣国領内に侵入する」 「……でも、あのテレサを相手に…」      リベリアは、言葉を濁らせると、モニタに小さく映し出されるヘルクロウを見た。 「シーねしねしねしねしねええええええ!!!! 殺す殺す殺す!!!!」 「どのみち、あれはお前を殺さないと止まらない」 「………だけど」 「指示をよこせ。決めるのはお前だ」 「お願い…」  ROG 「了解。ヘルクロウを迎撃する」   リベリアは機体を上下させたり機体をロールさせて左右に曲がる等、少し変則的な動きをしながら  ヘルクロウが自機を追しっかり追尾していることを確認すると、右手のスロットルを一気に窄めた。   メテオロンは急減速し、超高速でタンデムしていたヘルクロウとの距離が一気に縮まる。   ヘルクロウは衝突を避けるために少し下降し、メテオロンを追い越した。    「んならああああああ!? ざけんなざけんなざああああっっけえんなあああ!!!」   リベリアは視野前方に敵を捉えロックオンすると操縦桿のトリガーを引いた。バルカンが前方敵機へと掃射される。   ヘルクロウは左斜め上に回避し、一気に失速させるとまるで吹き飛ばされたようにくるくると回転し、  くちばしの先がメテオロンへと向いた瞬間に全力で加速した。   メテオロンも追いつかれまいと加速し、タンデムする。   そして空を駆け巡り、ある程度直列飛行を続けた後、直線飛行を開始する。   メテオロンは徐々にヘルクロウに追いつかれてゆき、距離が縮まってゆく。    「ポノ、速度が落ちてる。どこか調子が?」 「問題ない。もうカタがつく」   リベリアは、再度スロットルレバーを一気に戻す。   メテオロンは急減速し、先ほどと同じように、二機の距離は一気に縮まった。   だがヘルクロウは回避に出るどころか人型に変形し、背部のウイングを分離させた。   分離した背部のウイングは鎌型に変形し、ビームの刃を生み出した。 「二度もかかるっかああああああああしねああああああああ!!!」   ビームサイズを振りかざす。   その時、リベリアはスロットルレバーを一気に引いた。 「んあああああああああーーー!?」   排気口から炎が噴出し、ヘルクロウをあぶった。   振り下ろされたビームサイズは爆発し、機体が半ば溶解する。   そのまま機体は下降しながら煙を噴出し、降下していく。 「くそくそくそくそおおお!!! あああああころすころすころすううううああああ!!!」   ヘルクロウが傾きながらも体勢を立て直して飛行する。その様は片翼をもかれて尚飛ぼうとしている鳥  だった。目標の追尾を再開するが、まっすぐに飛行することすらままならない鴉には  戦闘はおろか、追尾すらかなわない。   メテオロンはその場から一直線に離れてゆく。   既に二機の戦闘に参加できていなかったスカイーグル編隊は追尾を諦め、、流星が飛び去るのを見届けていた。   追うものがない空を、一筋の赤い流星が支配していた。 「さすがはテレサ=ブラッドレイ。ぎりぎりで回避していたな。さて、そろそろ交代だ」   うなじに突き刺さったプラグが外れると、リベリアは一度びぐんと身体を痙攣させてうつむいた。   次に顔を上げたとき、元の優柔不断で泣き出しそうな表情へと戻っていた。   飛行についても同様で、不安定な航路で飛行しはじめた。 「ソロソロ、プラズマステルス ヲ テンカイシロ。 コッキョウヲコエル」 「う、うん」   リベリアはモニタを操作し、プラズマステルスを展開した。   一瞬メテオロンの全身が輝き、青白い光が包む。   暫くそのまま何事もなく航行を続けていると、眼下の荒野は徐々に消え、その先には森林が広がっていた。 「やっと………あれ?」   メテオロンは徐々に減速し始めていた。リベリアはスロットルレバーを操作する。   お構いなしに機体は減速していく。   リベリアは比例して悲壮な表情でがちゃがちゃとレバーを動かす。   突然モニタに機体の図が現れ、背面の一点が赤く点滅していた。 「なんで?? なんで…!」 「オチツケアホウ。モニタヲチャントミロ」 「え、ええと…動力制御系等に…異常…?」 「アタリドコロガ ワルカッタラシイナ。オチル」   ポノは平然と言い放つ。   リベリアは何度も確認するように、それを否定するように、モニタを叩いた。 「う、うそ、そんな、どうすれば…!」 「ダマッテ フジチャクノジュンビヲシロ。カジヲニギレ。ウマクヤレバシニハシナイ」 「う、うん…!」   答えたリベリアの声は上ずっていて、それをこなす自信は垣間見えなかった。   それからさほど時間もたたない内に、エンジンは停止し、排気口はぴたりと押し黙った。   機体は力を一度に失い、放物線を描くように落下してゆく。 「う、ううわああああああああ!!!」   リベリアは完全に取り乱し、操縦桿とスロットルレバーを無茶苦茶に動かす。   機体は落下を続ける。 「バカ…」   ポノは呟くと、プラグを伸ばし、リベリアのうなじの穴へ差し込む。 「うグッ!?」      一度うめき、別人と表情を変えたリベリアは、モニタを操作し始めた。   その間にも森林へと機体は降下し続け、木々の先端と接触し始めた。   緑の海は葉しぶきを立てて流星を迎える。機体は樹木をへし折りながら前進し、地面に接触する。   その瞬間、機体は高速機動形態から手足を伸ばし、人型へと変形し、反り返るようなポーズをとった。   シャベルのように大量の土を巻き上げながら、ある程度前進した所で、機体は停止した。   無事…とは云い難いものの、不時着を成功させ、ポノはプラグを抜いた。   リベリアは緊張感が抜けたのか、そのままぐったりと操縦席の背に身を預けた。    「…私…逃げられたの…?」   うわ言の様に呟く。 「トリアエズハナ」   リベリアは右腕を眼前まで動かし、目元を隠した。 「……ヤヤ…」   そう呟いて涙を流した。 「バカッ!」   ヤヤ・カーマーは眉を寄せてリベリアの頬に手のひらを打ちつけた。   白い壁に覆われるNI社の強化人間の研究施設。その廊下に、乾いた音が鳴り響いた。   リベリアは機嫌を伺うように、上目遣いでヤヤを見る。   とはいえ、長身のリベリアに対してヤヤは小柄である為に、少し見下ろす格好となる。   外見にしても、長身、短髪ボーイッシュなリベリアとは違い、先述の通りヤヤは小柄、大きな瞳に金髪巻き毛  という少女的な外見だった。   二人とも脇にヘルメットを抱えている事からして、マナスレイブの搭乗後である事が伺える。    「ご、ごめん、ヤヤ…」 「あんた、死にたいの!? 私があなたのドッキング角が甘いのに気づかなかったら、  大事になってたわ! ちゃんと集中してやりなさいって何度いったら…!」 「その、集中してたんだけど…旨くいかなくて…」   ヤヤは深いため息をついて、腰に手を置いた。                               テクタイト 「…はぁ。もういいわ。今日こそ、ミーティライトとメテオロンの合 体を成功させたかったのに…」   リベリアは申し訳なさそうに俯く。   ヤヤは強面をやめると、打って変わって優しげな顔で、リベリアの頬にさきほど打った手を添えた。 「…ごめん。思わずぶっちゃっけど…痛くない?」   リベリアは顔をあげて首を振った。 「大丈夫。私、頑丈だから。それより、ごめん。また失敗して…」 「次、同じミスしたら赦さないわ…って何度云ったかかわからないけど。部屋に戻りましょ…ぐっ」    「どけよゴミどもぁ! あっは、ははははは!!! そこはあああああたしが歩く道なんだからあああ!」   ヤヤが呻いてリベリアにしがみついたのは、背後から現れたテレサが廊下の真ん中にいた彼女を  蹴り飛ばしたからだった。ヤヤは振り返って言い返そうとしたが、リベリアはヤヤをはがいじめにして  テレサに背を向け、廊下の脇に寄った。 「あは、あはは!!! でかくて邪魔なんだよ成果のあげらんないゴミ!!!  お前は!! こうして! 蹴られてるのが!! お似合い!!」   ひとしきりテレサはリベリアの背中をけり続けると、満足したのか、高笑いをしつつ立ち去った。   高笑いが聞こえなくなった所で、リベリアは腕の中で暴れていたヤヤを離した。 「あんたね、悔しくないの!? あんな子供に! 云われっぱなし、やられっぱなしで!」 「でも、止めないと…また大喧嘩になる。小さくても身体能力も強化されてるテレサに…」 「わかってるわ! 勝てない! だからって云われっぱなしで…糞っ!!」   ヤヤはヘルメットを地面に投げつけた。そしてそのまま歩き始めた。 「ヤヤ…! ヘルメット! 待って!」   リベリアはヤヤのヘルメットを抱えると、その後を追った。 「…んだから」 「…ヤヤ?」   リベリアはヤヤの呟きを聞き返す。 「絶対、こんなところ、出て行ってやるんだから…!」   そう云って、研究所の壁を恨めしげににらんだ。   リベリアは押し黙って、ただ彼女の後ろをついて歩いた。   二人は、研究所の底辺にいるといっても過言ではないような存在だった。   強化実験の結果、さしたる結果も得られずに、廃棄するのも勿体無いと云う事だけでマナスレイブの  テストパイロットとして使用されていた。   一般販売の基本的なマナスレイブは、通常の一般兵のうちからテストパイロットが選抜されるが、  NI社では通常の人間では扱えない逸脱した兵器も製造している。そういった物のテストパイロット、仮に死んだところで  痛手のない者達…失敗作が彼女らだった。   彼女ら強化人間には基本的に地位は無い。誰が偉くも誰が格下というわけ目もない。   全て同じ強化人間として扱われる。   とは言え、戦場で戦果をあげるもの、貴重な力を有し、実験に貢献できる物、それとそうでない失敗作とでは  研究者達からの扱いも自ずとかわってくる。   すると強化人間によっては優越に浸り、失敗作を虐げるものも少なくは無い。   テレサ=ブラッドレイは成功例の一つと言えた。   それに比べ、リベリアは失敗作の一つとされ、肉体強化と脳強化のみを備えていた。   そして彼女がなにより失敗であったのは、精神力の極端なまでの弱さ――ある種の意志薄弱さである。   操縦の下手さに自信のなさが追い討ちをかけていた。   パイロットとして全くもって適さない彼女がメテオロンのテストに選ばれたのは、最大加速時の機体にかかる  Gに耐える事が可能であった事、適正パイロットは既に実践投入されているので登用できなかった事の二つから  消去法で選抜された。   メテオロンの相機であり、合体を可能とするミーティライトのテストパイロットとして登用されたヤヤは、  ただの偶然選ばれた。脳強化が成されていて手空きの強化人間はリベリアをおいて他にそのときは他にいなかった。   誰でもよかったので、彼女であった。真偽は定かではないが研究者の一人が「顔が気に入った」から選んだと  云う噂がある。   しかし選ばれたという事は決して名誉なことではない。精神はともかく耐えうる肉体を持つリベリアは  なんともないが、強化の成功を何一つ得ることが出来なかったヤヤは、メテオロンと相似した性能を持つ  ミーティライトで最高速度まで達する前に失神し、脳内出血を起こし死に至る。   対Gスーツとメット、GLCと呼ばれる特殊な薬品の注射によってようやく操縦適正を得る。   そして彼女の場合はリベリアとは逆で、不屈の精神を持つからこそ、この役を担うことが出来た。   GLCには副作用があり、作用中とその数時間後に強烈な頭痛と吐き気を催す。   彼女は吐き気と頭痛に耐え、生き延び続けていた。ちなみにテレサの機体であるヘルクロウの  テストパイロットを担った、数人の強化人間はGLCの副作用に耐えることが出来ず、廃人の様になり  使い物にならなくなくなり処分されたという。とはいえこの研究所では研究体である強化人間が廃人化  する事は日常茶飯事で、なんら珍しい事ではない。   ヤヤの不屈の精神の源の一つに、生への執着心があった。   しかし、耐えてはいても限界はある。彼女の精神はいずれ崩壊する。   彼女の目標は、この施設を出る事だった。   とは言え、それが容易に叶う事であれば既に数多くの強化人間の多くは逃げ出しているだろう。   まず一つ、強化人間は催眠によってその意志を削がれている。   稀にヤヤのような、催眠が解けてしまう強化人間もいる。   だが、研究体は精神的に幼い少女、少年等が多く、催眠が解けた場合反応ですぐ解る。実験を拒否しわめく。   そうすれば再度催眠が施される。   ヤヤは催眠が解けた後も何事もなかったかのように振舞い続けた。   強化人間が脱走できない理由はそれだけではない。   彼らには作戦行動中、首輪がはめられる。   首輪の役目とされるのは主に二つ。   一つ目は、敵に捕縛され、帰還の余地が見込めない時の研究体の秘密保持の為の自爆装置としての役割。   時と場合により、本人がそれを選択する場合と、作戦任命者と担当の研究者が判断を下す場合がある。   もう1つは課せられた任務外の行動を本人が自らの意志で行っている場合、例えば作戦実行中に  催眠が解け、脱走を図ろうとした時や、個体の性格等に起因する任務から外れた…必要以上な敵機への攻撃等、  による作戦そのものの失敗を防ぐための肉体強制制御装置――ポノと呼ばれるヘッドギアに組み込まれている  操縦者との神経接続によるオートパイロット機能にも応用されている技術――としての役割。   そして、これは安易に予想がつく事だがこの首輪はキーを使用せず無理矢理外そうとした場合、爆発する。   外されるのはドックにマナスレイブを搬入させた後になる。   この二つにより強化人間が脱出したという例は少ない。 「でもね、私はキーを手に入れたの」   ヤヤは云った。   そしてちゃらっと音を鳴らして鍵を見せた。 「どうやって手に入れたの?」 「祈ったらね…そらから降ってきたの」   彼女はそう云って、悪戯に微笑んだ。   リベリアは眉をひそめて訝った。   ヤヤは鼻を鳴らして笑った。 「嘘よ」 「じゃあどうやって?」 「盗んだ」 「えっ…?どうやって?」 「聞いてばかりね。少しは考えてみたら? あなたの目の前で盗んだのよ」 「そ、そんな事…できるわけ…」 「いつもぼうっとしてるあなたでも、覚えてるでしょ。  模擬戦闘テスト終了後の“死にたがり”エミリーの首輪が爆発した事件」 「うん…私達の体をべたべた触るあの嫌な奴…あいつ…研究員ミズシマがエミリーの首輪を外そうと  鍵を回そうとしたとき、すぐに開かなくて、鍵を強引に回そうとした途端爆発した…  原因は首輪で、鍵穴に何かが詰まっていたから…って」 「そう。実際は鍵の形容が少し違った。それは私しか知らない事だけど」 「え…?」 「ミズシマが私の首輪を外した後、鍵を持っている手を叩いた。  いつも私の体を触ろうとするあいつの手を叩く。その行動自体はおかしな事じゃないし、  善く警告されてたしね。特にイヴァン博士のお気に入りに手を出そうとしたときは  大目玉を喰らってたし。  その時、私が鍵を拾って渡したの、覚えてる?」   リベリアはうなずく。 「うん」 「あの時、そっくりの偽の鍵と交換したの」 「だから、鍵が合わなくて爆発…! でも、そんな酷い事…」 「爆発した原因が首輪にあるのは確かよ。それに、“死にたがり”が死んで、  あの糞野郎の手首が消し飛んだけ。  まあ、彼女を殺したのは、確かに私ではある」 「ど、どうして!? エミリーとは、仲良かった…」 「正確には、殺してあげた。あの娘、死にたがってたのは知ってるでしょう?」 「うん」 「あの娘、色んな薬品の影響で精神的に大分参ってた。  それでよく死にたい、死にたい、って。  でも作戦時の緊急措置としての自爆行動以外は催眠により実行できない。  …正確には、自傷行為が出来ないだけなんだけどね」 「そうなんだ…」 「死にたい? って聞いたら 死にたい、とあの娘は答えた。  だから、死に方を教えてあげたの。ただ、首輪の鍵穴に砂でもつっこんでおけばいいって」 「………」   リベリアは黙った。元々こういった話は苦手だった。   生きている事は辛かったが、死ぬのはもっと怖かった。 「鍵穴はちゃんとまわらず、強引に開けようとした結果爆発した。  普通は、その前に開けるのを止めると思うけどね…アイツはちょっとヌケてたし」 「うん…じゃあどうして…その…」   リベリアは言い辛そうに口ごもらせる。 「どうしてまだ脱走せずにここにいるのかって?  そう簡単には、いかないわ。  私達の行動できる範囲は制限されているし、もしこの私達のいる区画から出ることが出れたとしても、更にその外へ  出るのは不可能に近い。それは、私達が脱走できないようにと言うより、研究が漏れないように、  外からの侵入を防ぐため、研究が盗まれない為に研究者達の監視が目的。  結果的にそれが私達被検体の脱出を困難にしている。実質不可能と云っても言い」 「やっぱり、脱走なんて無理なんだ…」 「そうと決まったわけじゃない。ただ一つ、方法がある。  ミーティライトの実働テスト中に、首輪を外す。後はそのまま――」   ヤヤは立ち上がった。そして、檻から解き放たれた鳥が羽ばたくように、両腕を広げた。   瞳を輝かせ、その視線の向こうに、ゆめを見ていた。 「この施設から、いいえ、この国から飛び出すの!  そうしたら、この薬の臭いのも、糞不味い栄養食も、嫌味を言うあいつ等とも  陰気くさい顔の連中からも、頭痛と吐き気のするGLC注射からも、冷たい鋼鉄のマナスレイブからも!  そうしたら、最初は無一文だから大変だろうけど、自分で言うのもなんだけど私はかわいい方だし、  ウェイトレスにでも雇って貰って、働いて…恋愛して、結婚して、子供を生んで、幸せに暮らす…」   普通の幸せ。研究所の外で暮らす多くの人が、当たり前に得ているもの。   彼女はそれに多大な憧れを抱いていた。 「凄い…やっぱり、凄いな、ヤヤは。  私には…」 「でもね」   ヤヤはリベリアの言葉をさえぎった。 「でも…例え旨くいって…研究所から出れたとしても、国境を越えられるまで…逃げ切れる可能性は低い」 「どうして?」 「脱走したら追っ手がかかる。当然。誰が追ってくる?   恐らく、高機動型のマナスレイブ。そしてパイロットは優秀な…テレサとかよ。  ヘルクロウとテレサに勝てる、いえ、逃げ切れるかどうか自信が無い。  機体の性能が同等でも、操縦者のパイロット適正。強化された感覚。  それで勝ることはできない。  で、リベリア、あ、う、ぐ…ッ」   ヤヤは部屋の洗面台に走り、嗚咽を繰り返す。 「ヤヤ、ヤヤ!!」   リベリアはヤヤの肩を抱く。ヤヤは、吐き終えると頭を抱えて鏡に頭突きをしながら、壁際にある小さな棚  を指差した。 「その中に…鎮痛剤…っ…」 「う、うん!」   リベリアは慌てて棚を開けると、小さな注射器を取り出してヤヤの手に握らせる。   ヤヤは震える手をうなじに近づけて、注射器のスイッチを押した。   ぷしゅっと射出音をたてて中身の液体が注入される。   その瞬間、一気に緊張感が抜けたように足元へ崩れ落ちた。   手の平から零れ落ちた注射器が床に転がり落ちるのとそれはほぼ同時だった。   十数秒の間の出来事だというのに、ぐっしょりと全身に汗をかいていた。呼吸も荒い。    「ヤヤ………」   薬物投与によるヤヤの限界が近づいている事を、リベリアは漸く実感していた。   少しして、落ち着いてからヤヤは再開した。    「大丈夫…これくらい、何時もの事…それより、続きを…話すわ」 「う、うん…」 「テレサ達に勝つのは難しい。私一人だとね。                        テクタイト  でも、ミーティライトとメテオロン…その二機の合 体した真の姿、ネルトリンガー…なら…  今存在する他全ての高速機のスペックを上回る。腕で劣っていても…勝てる…。  勝てないにしても、逃げ切ること位は…できる」 「わ、私も…連れて行ってくれるの?」 「あんたを置いていったら、折角脱走できたとしても、心配でまた様子見に戻ってこなきゃならないじゃない…。  それに、あなたが協力してくれるのなら、の話。協力してくれる…?」     リベリアに選択の余地はなかった。   このままだと、大切なヤヤが死んでしまう。彼女を救うには、協力するしかない。   なに、成功すれば二人で、自由に暮らせるのだ。こんな所に居続ける理由は存在しない。   リベリアは頷いた。 「でも、私は首輪、どうしたら?」 「私は乗る直前に鍵を開ける。そのまま、できるだけ誰にもみつからないように貴女に放り投げるから、  あなたは乗ってから外して。  そうしたら外に出たら合体、そのまま逃げる」 「どこへ?」 「できれば、ディオールまで一直線に…ロッテは機動テスト中に撃墜されて、どういう偶然か、首輪の爆発を逃れて  あそこで保護されたと聞くわ。  私たちの事も、理解して保護してくれる…事を祈る。  もし駄目でも、いきなり攻撃してきたりはしないでしょう。  その時は別の国にいきましょう。  ステルスを使ってこっそり侵入して、ネルトリンガーを捨てる事もあると思う。  行き成りで悪いけど…今週中には、決行する」   強がりな彼女自身が、焦るほどに、事は急を要している。   リベリアは拳を握った。 「うん」   彼女は鎮痛剤のせいで少し虚った目をして、リベリアの手を握って、  云った。 「合図は、私が貴女に鍵を投げた時。」        彼女は、鍵を投げた。                そして、死んだ。 『ん…? 被検体2384、ヤヤ・カーマー。ドックに戻れ。首輪が解錠を示している。  ミーティライト及びメテオロンの機動テストは一時中断。被検体2384、ヤヤ・カーマー。ドックに戻れ』 『そんな…首輪の状態もモニタリングしてただなんて…!』   研究者の指示に、ヤヤは唇をかんだ。   メテオロンのモニタには彼女の口惜しげ表情が確りと写っている。   彼女は首輪を既にはずして操縦席の傍に置いている。    「ど、どうしよう…ヤヤ…」 『ヤヤ・カーマー、どうした。ドックへ戻れ』 『………イヤよ!』   ミーティライトは、急速に発進した。   リベリアはそれに続く。 『何を言っている! 脱走する気か!  リベリア・オータ! ミーティライトをそのまま追撃しろ! 増援を送る!』   ヤヤはただ一目散に逃げ続ける。リベリアもあとを追い続る。   少しした所で、レーダーに映りこんだ点滅を見て、ヤヤは正気に戻った。 『…早い…ヘルクロウが来てる! まずったわ、リベリア。     テクタイト  すぐに合 体するわよ! 時間がない!!』 「う、う、うん…!」   ヤヤの焦った声に、上ずった声でリベリアは応える。   手袋の中はまるで水が内側染み出しているように、汗でぐっしょりしていた。   スーツの中も同様で、呼吸が荒く、鼓動が早く打つのを感じていた。   ヤヤはモニタを操作して操縦桿を捻った。 『チャンスは一度きり。行くわよ!  モルダバイト・インパクト! スタート!』   ミーティライトが変形していく。   その一秒、一秒ごとに、レーダー上の点滅が示す死神が近づいてくる。    「…ぐ……」   失敗すれば、死ぬ。   絶対に、成功させなければ、死ぬ。   しかし、今まで一度も成功させたこともない。   でも、成功させなければならないのだ。   成功させなきゃいけない。成功させなければ…   リベリアは、動けなかった。   体中が震えている。動こうにも、空気が固形化してしまったように、  動ける隙間もなかった。それは口の中も、肺の中までも満たしていて、喉を震わせることさえも  叶わない。 『リベリア!! どうしたの!? はやく…!  ヘルクロウはもう――あっ――』   急速に接近した点滅は、メテオロンを追い越し――その刃は、ミーティライトを真っ二つに  切り裂いた。   モニタに映った彼女の表情には怒りも絶望もなく、ただ、モニタの向こうにいる、優柔不断な相棒の事を  愛おしく思ってか、儚げな表情をしていた。   ミーティライトは、爆発した。   彼女を表示していた小さな窓枠が、ノイズに切り替わった。   その瞬間、涙が溢れ出した。 『あはははははははははははは――』     あのいつも自分を憂鬱にさせる高笑いでさえ、耳を素通りしていった。   ただ、自分の所為で親友が死ぬ瞬間が頭の中で何度も反芻されていた。      ヤヤの脱走について、リベリアへは何のお咎めはなかった。   それは当然の事で、彼女は、鍵を渡された事だけでで脱走の手順で頭がいっぱいになり、首輪を外す事すら忘れていた。   実際、何も逃走に手を貸していないし、逃走してすぐにその後を追っている。   協力者とは思われなかったらしい。   件の後、気がついたときには、部屋に戻っていた。   アクシデントからテストは中止になり、彼女には思わぬ休暇が与えられた。   二機一組だったうちの片方が大破したため、今後の実験についての検討会が開かれ、それが  終わるまでの間、する事がなくなったためだ。   とは言え、自由のない強化人間に休暇があろうと行く場所はない。   リベリアは、三日三晩、泣く事も忘れ、食べることもせず、ただ呆然としていた。   三日目の晩の事だった。   部屋の扉が開かれ、テストの再開が告げられた。   ミーティライトの改修が完了するまでの当分の間、メテオロン単機のテストを行う事になったという。   だが、直ぐに問題が発生した。   リベリアのポテンシャルの低さ、そして判断力のなさ。   今まで何とかリベリアが使い物になっていたのは、ヤヤからのリアルタイムでの叱咤があったからだった。   そして、彼女には新たな相棒が与えられた。   試作中のパイロット補助システム、PONO。   飛び跳ねるたびに、ポノ、ポノ、と音を発するその機械を最初かわいいと思ったが、  それは最初だけで、酷く毒舌なAIで、よく彼女を罵倒した。   とは言え、ほぼリベリアのものと云っても過言ではなくほぼ二十四時間共にしていた。   必然的に会話する事も多くなり、彼女は彼女なりに、その口汚い相棒の事を気に入っていた。   新たな相棒を得てからそれほど遠くも無いある日のことだった。   ふと、ベッドの下で何かが光ったのが見えた。   それは、鍵だった。 「ヤヤ…」   すぐに思い出す。ヤヤが放ってよこした首輪の鍵だった。   あの事件の後のことをよく覚えておらず、気がつくと部屋の中にいて鍵を持っていなかった。   それをどこへやったか、全く知らなかった。   知ってかしらずか、ベッドの下に隠していたらしい。   リベリアは、鍵を抱きしめた。   その鍵は、彼女が残した、形見だった。   リベリアは、決意した。   次の日。 『被検体2152、リベリア・オータ。ドックに戻れ。首輪が解錠を示している。  メテオロンの機動テストは一時中断。被検体2152、リベリア・オータ。ドックに戻れ』   リベリアは、森の中に落下したメテオロンの中で、走馬灯のように巡った思い出に  浸っていた。   そして、あの少女が居た事を確認するように、鍵をポケットから取り出して、握り締めた。 「どうして…どうして、ヤヤが死んで…私が生きてるんだよ…!  あんなに出たがってたのに…!」   モニタに突っ伏し、拳を叩きつける。 「お願い、ヤヤ…私を、ぶってよ…今日もまた、巧く出来なかった…  お願い、私を叱って…! ぶってよお…! …うーっ…」   リベリアは、子供の様に泣きじゃくった。   その泣き声は徐々に止み、いつの間にか、寝息に代わっていた。 「おやすみ、リベリア。」   ポノは、愛おし気に呟いた。 ―――二話へ続く やっちまってきすと ○飛行機用語がさっぱりですね。フィーリングで感じ取ってください。  ちめいてきですがぶつりほうそくもわかってません。 ○GLC  G-LOC-CUT。名前安着過ぎるし原理も不明。ゼノギアスのドライブ的なものじゃあないですかねえ。  違う気がする。 ○ヤヤ・カーマー  オリジナルキャラ。リベちゃんの相棒。ミーティライトの操者。故人…??(   ○ミーティライト  メテオロンと合体できるらしい。しかしリベちょんのポテンシャルが低すぎて実現せず。  合体するとネルトリンガーと云う名前のロボッツになる。  ちなみにメテオロンは動力メイン、ミーティライトは武装メイン。 設定 リベリア・オータ NI社の元強化人間の少女。出来損ないで、マナスレイブの操縦能力は低い。 ピンク髪短髪ボーイッシュ。黒いボディースーツに身を包む。 クールを装っているが熱血系。おっぱい小さい。 彼女の受けた強化は、単純な肉体強化で、特に脳が強化されている。 その強化によって通常の人間が耐えうる倍のGに耐える事が可能。 操縦補助AIポノをいつも連れている。ボール程度の大きさで、そこらを 跳ね回り、「ポノ、ポノ」と繰り返し喋る。 超高速戦闘を目的として作られたが、肉体への負荷に耐えうる パイロットがいなかった為に彼女の専用機となっていたマナスレイヴ 「メテオロン」に搭乗する。 戦闘中に友人が死んだ事をきっかけに、NI社からの逃亡を図る。 出来損ないであるが潜在能力は高く、時折、神がかった操縦を見せる。 テレサ=ブラッドレイ(CV:宮村優子だといいな) NI社が試作した、強化人間の少女。推定年齢10歳 前髪に金のメッシュが入った赤髪ショートカットでツリ目。赤と緑のオッドアイが特徴 懲罰用の首輪を嵌め、所々ベルトで固定された黒のボディスーツを着ている 出身地不明。過去の記憶は度重なる強化で殆ど失ったが、本人は気にしていない 口調は子供っぽいが攻撃的な性格で、衝動的な破壊活動を何よりも好む偏執的な闘争本能の持ち主 血を舐めるのが好きだったりよく高笑いするが、これでも強化人間の中ではまともな部類である 搭乗機はスカイーグルの流れを汲むカラス型マナスレイヴ:ヘルクロウ 全身にブースターを増設した超高速機で、強化人間並の体力でなければ扱えない 武装は両手のヒートサーベルに脚部クロー、主翼はビームブレードに分離可能など、格闘戦を主体にしている スカイーグル NI社が販売する量産型マナスレイヴの一体。 空中戦をもっとも得意とし、人型形態と戦闘機形態への変形機構を持つ。 銀色の塗装と猛禽類を思わせるシャープな造形が特徴。 人型・戦闘機形態共にサイドワインダーとバルカン砲が主武装。 名前がちょっとダサいのが欠点。