街は夜に眠りにつく、というのは嘘だ。  街は眠りなどしない。何処かしらで車が行き交い、繁華街はネオンサインを切らず、酔漢と野 良犬と烏の声のいずれかは、朝まで絶える事はない。     そんな夜の喧騒も、この建物の中までは届いていなかった。  ここだけは、幾ばくかのまどろみの中にあったかもしれない。  廃墟に近い建物だった。元が四十階建ての高層ビルときては、廃墟にしても随分豪勢だと言え ただろうか。  当初は総合アミューズメント施設となる筈だったが、八分通り完成した所で出資企業の倒産が 相次ぎ、以後は風と埃に晒されるまま放置されている。取り壊しの目処も立っていない。  横に広い通路には均等に埃がつもり、着工がまだだった全館の内装は、黒ずんだコンクリート の地肌を露にしている。天井の換気ダクトなど、ほぼ全てが剥き出しのままだ。    ろくにガラスもない無数の窓から忍び込んできた風が、廃滅の調べを奏でながら渡りゆく。  今現在は、ある必要から各所に最低限の非常照明が点いてはいるが、その細々とした灯りは、 かえって荒涼のみを際立たせている。  普通なら浮浪者か薬物中毒者、さもなくばストリートギャングの巣窟となっていただろう。    幸か不幸か、そうはならなかった。このビルは無人のまま朽ちている。  奴ら≠ェうろつく可能性のある場所では、そこがどんなに犯罪の温床として適切であろう が、人間による犯罪はゼロに近くなる。最底辺の犯罪者すら近寄らない所為だ。      深閑とした薄闇の中に足音が生じた。  足早に駆けて来る。人数は一人だ。  眼鏡をかけた少女だった。闇に灯りが点ったかと錯覚しそうな、秀麗な美貌の主である。  長い髪をほうき星のように引きながら、茶色のブレザーに包まれた若々しい肢体が躍動する。    走る少女――桐生魔理佳(きりゅう まりか)は、T字路の手前で足を止めた。  荒い息のまま振り向く。眼鏡の奥で、青い瞳が今来た闇の奥を凝視する。  気の強そうな相貌は、濃密な怯えを宿してこわばっていた。  後ろから、何か途方もなく恐ろしいものがやって来る――とでもいうかのように。    ブレザーの制服は、左肩が大きく裂けていた。肩口は血で赤く染まっている。  その負傷を感じさせぬ軽やかさで、少女は右手に下げていた抜き身の一刀を構えた。  禍々しいまでに漆黒の刀身を青眼につける。  素人目にも鮮やかな動きだ。武術の心得えがある者が見れば、加えてその隙のなさに瞠目し ただろう。    黒い剣尖が、闇中の仮想敵を睨んで暫し――。  魔理佳はそっと刀を下ろした。薄暗い通路は静寂を保っている。  苛立たしげに黒刀を床へと突き立てる。切っ先はかすかな抵抗も見せず、コンクリートに刺 さった。  今頃気づいたように、少女は片手で肩の傷を押さえた。洩れそうになる呻きを押し殺し、代 わりに独特の韻律を持ったフレーズを口ずさむ。  小声のそれはまるで呪文――否、呪文そのものだった。  傍目には判らないが、猶も出血を続けていた肩の傷は、その滴りを止めたのである。    護法十字の聖句だ。治癒の術である。  もっとも魔理佳は専門の治療術師(ヒーラー)ではない。この術も取り敢えずの血止めと苦 痛の緩和といった効果しかない。  それでも、戦闘時においては重宝する技術だった。    出血は派手だが、傷自体は深くなかった。筋や骨まで届いてはいない。  魔理佳は詠唱を止めた。今度は薄く目を閉じ、思念を集中させる。  共有霊波数での念話交信(コール)。――しかし、 「やはり、無理ですか」    魔理佳は筆先でひと刷毛したような眉をひそめた。  通じない。霊波出力を上げてみても、仲間からの応えはない。意識野には判別できない雑霊 (ノイズ)の囁きが響くばかりだ。  思わず唇を噛み締める。   「どうしたら……」    口をついて出た弱々しい呟きに、魔理佳は自分ではっとしたように顔を上げた。  かぶりを振って交信を切り、少女は赤縁の眼鏡の位置を直した。  黒刀を引き抜く。再び走り出した。    T字路を右に曲がる。掠れかけた「西棟 19F」の標識を通り過ぎた時には、魔理佳は澄まし た猫のような表情を取り戻していた。たとえ表面上だけにせよ。       「……クリフ先輩、そりゃどういう事なんスか!?」 「どういう事もそういう事もない。今説明した通りだよ、糸井君」    詰め寄る糸井狂平(いとい きょうへい)を前にして、富美櫛(ふみぐし)クリフは静かに 答えた。   「桐生さんはこの結界内に閉じ込められている。外部からの侵入は極めて至難――という事だ」      クリフは髪を少しかき上げた。  美しい少年である。すっきりと通った鼻梁、薄い唇――玲瓏たる面は、北の最果ての氷塊を 彫刻したのかと思わせる。鑿を入れたのは希代の芸術家に違いない。  艶やかな長い髪は後ろで纏められ、前髪は額で切り揃えられている。    左手には弓があった。  手に持っている訳ではない。半弓サイズの青い弓は、手首で光る同色のブレスレットに付随 する形で上腕に装着されていた。    対する狂平は、これまたクリフとは正反対の印象だ。  同じ制服姿だが、きちんとした着こなしのクリフに対し、こちらはだらしなく前を開けてい る。険の強さが目立つ相貌は、派手派手しいピアスと相まって、有体に言えば柄が悪い。  初対面の十人が十人、不良≠ニカテゴライズするだろうし、その値踏みも概ね正しそうだ。    背中にはバックパックのようなものを背負っていた。ごく小型だが、何らかの機械装置じみ た代物だ。    もう一人、愛くるしい顔が不安げに二人を見つめていた。  赤いエプロンドレスの少女である。透き通るような白い肌と金髪碧眼に彩られた顔(かんば せ)は、大輪の花として咲き誇る未来を予測させる。  木漏れ日の結晶のようなその金髪を、赤いリボンつきカチューシャが可憐に飾っていた。  年齢は十二、三歳か。クリフや狂平より五つは下だろう。      三人がいるのは薄暗い通路だった。壁にある「西棟 19F」の標識が、魔理佳がいるの と同じ階層である事を示している。  彼らの前には妙なものが在った。  闇である。  単なる暗がりではない。時折、帯電でもしているかのような放電光がそこかしこを走るが、 それとても闇そのものを照らし出しはしない。  どれだけ光を当てようと、その光は何物をも照らす事なく、全てこの黒一色に収斂される。 ――そんな質量すら備えた闇黒が、通路全体を塞ぐ形でわだかまっているのだ。堅牢な城門の 如く。  奇怪な眺めであった。    その闇を指し、狂平が怒鳴った。   「四の五の言ってないで、こんなもんさっさとぶち破りゃいいでしょうが!」 「極めて至難、と言った筈だ。――アリス君、走査(スキャン)の方は?」    そう訊かれたエプロンドレスの少女――アリス・ブレイゾンはこっくりと頷いた。   「はい、やはりアツィオウスの壁≠ナす。おそらく、このフロアの半分以上は覆われていま すわ」 「なんだそりゃ?」    訝しげな声を上げる狂平に、アリスはつんとした口調で答えた。   「上級魔(ハイ・レベル)専用の特殊広域結界です。結界術の講義で習いませんでしたの?」 「お、俺ぁそん時は病欠だったんだよ。って、んな事はどうでもいい。何か破る方法があんだ ろ、何か!」 「大声を出さないで下さい」    アリスは顔をしかめた。   「力押しでは無理ですわ。私の『ワイズマンメモリ』に解呪(ディスペル)の術式を組ませて いますけれど……すぐには」 「まだるっこしい」と、狂平は舌打ちをした。「ハ! 俺が手っ取り早くカタつけてやるよ、 先輩も嬢ちゃんも下がってな!」    その途端、狂平のバックパックから何かが飛び出た。  八本の金属アームだ。昆虫のような関節を持ち、一本一本が二メートル近い。  ぞっとする程鋭利な尖端を光らせ、無機物とは思えぬ滑らかさで蠢く様は、まるで少年の背 に巨大な蜘蛛が貼りついているように見える。    装着者の意のままに、時には自律にて駆動する多脚型兵装。――狂平のバックパックには、 このロボット・アームが収納されていたのだ。  だがおかしい。展開したサイズからして、これだけの質量が小ぶりのバックパック一つに収 まる道理がない。      そう――無理を踏破する道理こそが、それらの本質だった。  単なる科学では届かぬ技術と、従来の魔術では成し得ぬ密儀の鬼子――マギナ。  彼らの所持する武装はそう呼ばれる。  狂平の背中で八本の脚を蠢かせる『姫蜘蛛』しかり、  クリフの腕で青白く光る『観鴬(みのう)』の弓しかり、  アリスの髪を飾るカチューシャ『ワイズマンメモリ』しかり――    今一人、桐生魔理佳の黒き妖剣『哭制刀』もしかりだ。  それらを揮い得る異能を備えるが故に、少年少女達は戦士として選ばれたのである。手に手 に執った神秘なる武装を以って、世界を侵食せんとする魔を討つために。    特務学術機関『Mgina-Academia』。――人呼んで学園マギアの、彼らは学徒であり尖兵なの だった。      放射状に、天井へ着きそうなほど広がった蜘蛛の脚は、次の瞬間、八本全てが奔った。  闇の壁目掛けて槍のように突く、槍のように薙ぐ、槍のように振り回す。錬金鍛造された八 本の脚による凄まじい連撃は、物理的には厚さ数センチの鉄板を、また魔術的には結界障壁を、 どちらも等しく切り刻む。    鋭角的な音が響いた。八本槍が打擲した数だけ。  狂平が目を剥く。自慢の技で対した暗黒は、彼の連打を撥ね返したのである。   「……アラクノフォビア≠ェ効かねえ!?」    狂平は驚愕の声を上げた。クリフが目を細める。   「アリス君が言った通りだ。この対物・対魔障壁を、今の僕達の装備で破壊するのは無理だよ」 「じゃ、じゃあ……そうだ! どっか他所の薄い壁か、上か下の階からぶち抜けば――」 「遮蔽されているのはこの空間そのものだ。もし壁に穴を開けても、その向こうには此処と同 じ闇が広がっているだろう」 「ならどうするっつうんスか!」    激昂する後輩に、   「落ち着きたまえ、糸井君。学園には念話で連絡した。すぐに増援を送ってくれるそうだ」 「そんなの待ってられる余裕があるのかよ! 桐生先輩は敵の群れに囲まれてるかもしれない んスよ!」 「その心配だけは不要だ。幸いと言っていいのかは判らないが。――中にいる敵は一匹だよ」 「――へ?」    クリフは結界を眺め遣った。弾ける紫電がその白皙の美貌を照らす。   「これは一対一で戦う為の舞台なのさ。外から邪魔立てされぬよう、術者自身と術者が選択し たもう一人のみが、結界内にとどまる事を許可される。  今回、たまたま僕達は近場にいなかったが、もし誰かが結界の指定領域内にいたら、外部へ と強制転移(アスポート)させられたろう」    不意にクリフは左手を上げた。黒い障壁とは反対の、通路の奥へ向けてである。  『観鴬』を水平に横たえ、その上で左手を走らせる。矢を番え、引き絞る動き。  しかし、射る矢自体が無いのに如何しようというのか。    いいや、在った。  白い指先が滑った後、『観鴬』には一本の矢が番えられていたのである。氷柱のように煌く 青い矢が。  鏃(やじり)の尖端が光り、青白い印形が浮かび上がった。複雑な呪形と魔術語で構成され、 アストラル処理を実行する魔法陣であった。     「――そこにいる彼のように、ね」      冷え冷えとした声と共にクリフは矢を放った。  きん、と夜気を劈(つんざ)いて青い稲妻が唸り飛ぶ。    矢が飛び去った通路の奥、三十メートルも先の天井で形容し難い音がした。  換気ダクトから落ちた何かが、ごとりと床に転がる。  大きさは大人程もある。粘土をこねまわしたような汚怪なフォルムには、見事クリフの矢が 突き刺さり、全体がほの白く輝いている。  原因は霜だった。凍っているのだ。    本来ならば悪臭を放ち、泡立つ黒い粘液のごとき形状のそれ――下級魔(ロー・レベル)に 分類される怪物グアガヤが、氷繰≠フアストラル処理による矢で射抜かれ、一瞬で凍結させ られた末路であった。      遠くの氷漬けを見遣り、「タイマンで――」と呟いた狂平の顔が、急に青ざめた。   「真逆!?」 「そうでない事を祈るが、恐らくそうだろう」    クリフは言った。あくまで静かな口調の底に、苦渋が重く沈んでいた。   「わざわざこんな結界を仕掛けてくるのは奴しかいない。――黒ノ魔人≠ウ」        声無き裂帛の気合と共に放たれた一刀は、右袈裟の斬撃となって大気を裂いた。  弧を描き終えると同時に、黒く輝く刃は跳ね上がる。手首のみの返しで、今抉り抜いた軌跡 を寸分違わず逆に辿る。  音は後からやって来た。鉄と鉄とが相打つ響きが。    魔理佳は後退って残心した。その顔には焦燥の色が濃い。  渾身の太刀を打ち込んだにも係わらず、眼前に広がる闇の結界――アツィオウスの壁≠ノ はほころび一つない。  魔理佳の技量は、通常の刀を用いてさえ鉄を斬る。加えて『哭制刀』には、万物を瞬断する 漆黒≠フアストラル処理が施されている。  それらを合してさえ、この闇黒障壁を断つ事は叶わなかったのである。   「――噂通りの壁≠ナすね。流石に硬い」    単純な暗算が合わないかのような口調で言い、魔理佳は嘆息した。  フロア内の逃げられる所を駆け回った挙句、此処に出たのだ。階段はこの黒い壁の先だった。  ――彼女には知りようもない事だったが、ちょうどこの壁の向こうにはクリフら三人がいた。  電波も霊波も遮断して現世との繋がりを断つ結界内では、当然のように外の物音も聞こえな い。例え壁のどちら側で十トン爆弾が炸裂しようが、物音一つ届きはすまい。    もう一度ため息をつき、『哭制刀』を構え直した魔理佳は、突如弾かれたように振り向いた。  可憐な顔が驚愕に引きつる。  冷気を感じたのだ。肉体への寒気ではない、精神を凍らせるマイナスの温度。  妖気だ。  姿も物音もまだない。が、隠しもせぬ妖気の濃密さは、それを発する主の到来を声高に先触 れている。   「来る……!」    そう吐き捨て、桐生魔理佳は幻視する。    近づいて来るのは異形の影だ。  一見して人間のようなフォルム――しかし昆虫、特に甲虫を連想させる黒い甲殻が、全身鎧 の如く五体を覆う。  顔には人間のような造作はない。幾つかの、やはり虫めいた複眼が無表情に輝くのみだ。  胸の中央では鈍い光を放つ紅玉が、一つ目のように前方を睥睨している。  杭(パイル)に見紛う爪を幾つも備えた双腕の凄絶さは、左肩の傷がよく知っていた。      人間が遂に理解し得ぬ向こう側≠謔阯訪せし、こちら側≠貪らんとする意思。  仮にも生命活動を行う存在とは信じられぬ奇怪な生態は、時に物理法則すら嘲笑う。―― 人の歴史と文化の数だけ奴ら≠フ名はあった。  しかし近年に至り、世界はごく簡単な名称で世界の敵(ワールド・エネミー)を定義した。  即ち、『魔物』と。      そして、今。  闇の奥より現れ出でんとする漆黒の魔物、上級魔(ハイ・レベル)のリストに連ねしその名 は黒ノ魔人=\―バルナ・ガルグリフといった。     【To Be Continude】        【登場キャラ紹介】 ■学園マギア■ 魔術と科学が混濁する世界。 人は”マギナ”と呼ばれる武器で魔術を行使し、科学をもってこれを鋳造した。 マギナとはマギ(魔法)とマキナ(機械)が組み合わされた造語である。 人は戦わねばならなかった。 心を持たぬ機械のように無慈悲な殺戮を繰り返し、飢えた獣の如く人間を喰らう異界の魔物達。 そして、それを利用する悪しき人間達と。 魔物の肌は鉛も火薬も通す事無く、ただ、マギナによる攻撃と魔術でのみで駆除する事ができた。 しかしマギナを自在に扱う才を持ち、魔物を駆逐できる力を持つ人間は極わずか。 そして素質ある一握りの子供たちを集め、実戦を経て人を守る教育機関が創られた。 特務学術機関「Mgina-Academia」 年端もいかぬ少年少女に高度な魔術とマギナによる戦闘技術を教育し、 形だけの学生生活を味わわせるその機関を、人は『学園マギア』と呼んだ。 社会を守る為の生贄の兵士。彼らは何を思い、何を成すのか。     ■学園マギア■ 桐生 魔理佳(きりゅう まりか) 特務学術機関「Magina-Academia」に所属する18歳。 茶髪のロングヘアで赤縁のメガネが特徴の女子。瞳は青い。 赤いラインの入ったベージュのブレザーに赤のプリーツスカートが基本スタイル。 日本刀型の接近戦用マギナ「哭制刀(こくせいとう)」を扱う。 「漆黒」のアストラル処理の施された刀身は黒く、魔物の皮膚を容易く切り裂く。 黒魔術に精通し闇の力を身に纏う。 異界の扉付近で見つかった捨て子で学園マギアの教師に拾われた。 高いマギナ適正を持ち、魔物の弱点を見抜く鋭い洞察力を持つが、 想定外の事が起こると脆く、一流のハンターには程遠い。 クールを気取るが感情の起伏が激しく、挑発されるとすぐカッとなる。 「計算通りです」が口癖。     ■学園マギア■ 富美櫛クリフ(ふみぐし-) 18歳 男 特務学術機関「Magina-Academia」所属。 ブレスレットと一体化している弓型マギナ「観鴬(みのう)」を使う。 「観鴬」は「氷繰」のアストラル処理が施されており、 氷の矢を放ち対象を凍らせる事ができる。 姫カットでポニーテール、長身。 年齢に対し不相応なまでに落ち着いた青年。 有名な茶道裏千家の跡取りで、茶道を身に着けている事もあり、身のこなしが美しい。 性格的にも能力的にも前に出ることはまずなく、指揮や補助を行う。 怒ると怖い。無表情で切れる。 弓道部所属。     ■学園マギア■ 糸井 狂平(いとい きょうへい) Magina-Academia所属の17歳男子 着崩した制服に茶髪とピアスという俗に言う不良少年 所持マギナは背面に装備し敵を切り刻む多脚型マギナ『姫蜘蛛』 8本の銀色の脚を刃のように操り息つく暇を与えない連撃を得意としている 戦闘の際も必要以上に怪物を斬り刻んだり弱った相手を嬲る傾向がある 残忍性を隠そうともしない問題児だが、友人たちには割と気さく 妹が一人おりベタ甘やかしのシスコンという一面もある 姫蜘蛛は狂平から切り離して蜘蛛型マギナとしての単独行動も可能     ■学園マギア■ アリス・ブレイゾン 特務学術機関「Magina-Academia」に所属する少女。13歳 金髪ロングヘアーで青いツリ目を持ち、小柄な体型が特徴 真っ赤なエプロンドレス姿で、下は白のハイソックスを穿いている お嬢様育ちで頭はいいが、プライドが高く子供っぽいので、周囲と衝突する事が多い しかし根はいい子で、いざという時の行動力には定評がある 所有するマギナはワイズマンメモリ。赤い宝玉の付いた大きなリボンカチューシャである 宝玉の中には様々な知識と膨大な魔力が封じ込まれており、装着者の知力と魔力を向上させる 炎系の魔法が得意で、主に後方からの支援や現場指揮などを担当している ただし効果を発動させている間は精神的な負担が大きい為、長時間の使用はできないのが欠点     ■学園マギア■ グアガヤ 空間を割って現れる異形の怪物。 黒紫色で粘液にまみれた皮膚、不定形のスライムのような姿をしているが どす黒く染まりヘドロのような臭いを周囲に充満させる。 複数の目で動くものを捉えて触手でからめとり食事を行う。 動くものならなんでも食べる。 魔物の中では一番低級なものとされているが、 マギアを操る人間であっても複数に囲まれてしまうと大量の触手に絡め取られ、 一方的な殺戮ショーが始まってしまう。     ■学園マギア■ バルナ・ガルグリフ 複眼で昆虫っぽい顔の魔人 胸に赤いコアを持ち肉体にフィットした黒い甲殻を身にまとう この甲殻は魔術を大きく減衰させ、 アストラル処理したマギナでなければ効果的なダメージをあたえられない 自我を持ち知性があるため魔物としては上級にあたる 人間を襲う時は必ずマギナ使いを襲い 一対一で倒した相手しか食べないという不思議な魔物 武装は両腕の拳のみ 他の魔物の横槍などが入り一対一を邪魔されると横槍を入れた魔物を殺した後、 「食欲が薄れた」と言って元の世界へ帰ってしまう