話は数時間前にさかのぼる。それは某所にて暗黒連合がメイド長3人が集っていた 特に理由はない。とりあえず集まろうという友人を遊びに誘う感覚で 3人は集まった(発案者はジ・ハーミットである) 「ハーミット殿。正直に言わせてください。」 「む?」 「仕事を疎かにしてまで来るようなことですか?」 「休息もたまには必要じゃろう?」 「怠けるのは感心しませんが?」 そしてギスギスした空気が流れていた。とはいえ全面戦争ではなく狼麗がジ・ハーミットに噛み付き それを受け流しているのだが。この何時もの事のような流れの中。 何時もの感覚で横にいたリルが二人の止めるべく、せっかくのケーキバイキングが勿体無い そう言って、モンブランの上の甘い山脈を可愛らしい大きさに掬い取り 愛らしい小さな口へ運び、その甘さにうっとりと頬を押さえていた。 「あぁそうじゃ、協力はケーキ店ピスカじゃご贔屓にの」 「さりげないメタ発言やめてください!」 「二人とも何を言ってるんだ・・・」 こちらに手を振るジ・ハーミットと、リアリティがないと止めようとするリルを見て じとっとした目をしながら、狼麗はクリームが飛び出、チョコが溶けぬまえにイナズマのようにエクレアを口へ収めた 流石獣人でメイド長か急いだとはいえ、下品にはならなかったが、すこしだけ口元についたクリームを指で掬 「ついておるぞ」 う前にジ・ハーミットが右側に着いたクリームを舌でとった。一瞬動転した狼麗だったが その後にリルがハンカチで唇についたチョコをふき取るも 唖然としたような、釈然としているような、なんともいえない顔をするだけだった。 「?」 「タイトルがタイトルだからのぅ。それにしても格闘家にしては無用心じゃな」 「あ、あはは何でもないですよー狼麗さーん?」 口元を怪しく舐め取り、そして対照的に口元をお上品に拭き何事もなかったかのように振舞う そして何とかそれを流そうとするリル。誰かに同じような事をしたことがあるからか さすがに外でこれは恥ずかしいらしいと思ったらしい、イチゴのように頬が熟していた。 当のハーミットはニヤリと八重歯を出し笑い、暗黒の国でポピュラーなフルーツである 暗黒チェリーや闇ブドウなどのフルーツで彩られたケーキをほお張り 口の中で広がる果汁のさわやかな甘さに口の端がゆるくなり目も自然に細まる 「うむ、果実の量がまた絶妙に」 「!!」 そして気を取り直した狼麗は、銀色の狼耳をピコッと立てた、そして沸騰するような音と同時に湯気が噴出した リルの頬のようにイチゴやリンゴなどと言ったかわいらしい赤さではない。真っ赤、たとえるならトマトのそれであった 当のジ・ハーミットはファラプト産の品種改良されたトマト(フルーツのような味わいが特徴。製作はトト王で絶賛栽培中) をチョコフォンデュにして口に運んでいた。黒く色を変えるトマトと違い狼麗の顔は赤いまま 「な、何をするジ・ハーミッ ハーミット殿!!」 「何じゃ? 食べたいのかえ? それとももう一度するかのう?」 「ち、ちがっ突然き・・・キス!? プレリッテ殿あれはキスなのか!?」 「わ!? 私は何も見てません!」 「この中で唯一の交際者がいるのに何を!」 「なっ、関係ないじゃないですか!!」 「おーおー収集がつかなくなり始めておるわ」 聡明な姿はどこへやら、妖しく滴るチョコレートを舌で舐め取り 慌てふためく二人を見て歓ぶ姿は、まるで悪女か夢魔かと思わせた 普段から挑戦的な狼麗に対して、たまにはと言わんばかりにである。 結局、これは狼麗が緑茶を飲んで落ち着くまで続いた 「口直しにはちょうどいいな、後から来る甘さがいい」 「スイーツの後は闇祖茶が一番じゃな」 「(レヴィア様の淹れたお茶が恋しいなぁ、この頃は他の国の王族とのお茶会が多いですし・・・)」 そして落ち着きを取り戻したテーブルの上には、リルの分だけで20人分 ハーミットの分で30人は下らない量の形跡が残り、後はティーカップだけが残っていた 店主の棒女性に聞くと「まさかここまで食べられると思わなかった」とだけ言い残し 慌しく店の奥に消えていった。おそらく追加で作らなければならないのだろう 「それにしても・・・狼麗は分かるが、リルの胃はどこに繋がってるんじゃ?」 「あの、ハーミットちゃんそれは禁句じゃ」 「それはどういう意味かハーミットメイド長。」 意味としては 太っている という女性への最大の侮辱に取れるこの一言だが。 ジ・ハーミットはそれを狙っていた。その考えを使うべきときは使うのだが 公私の私の方面では、彼女はその知性を待った区別方面へと動かすのだった 「おや? 狼麗メイド長は自覚が無いのかえ?」 「フフフ・・・聖魔の賢者も老 「その立派な頂は何のためにある?」 他人行儀な狼麗の呼び方に、挑発するかのようなハーミットの狙いは一つ。 隣の席だったためか、近づくのは簡単なことだった。ひじを軽く動かすと 格闘家としてだけではなく一般的な女性としても、魅力的なバストに 自然と触れたようにひじが食い込む。むっとしたような狼麗だったが ハーミットの言いたい事が分かり、再び耳から湯気を噴出した 「なっなななっ!?」 「乳に脂肪がいって余計な部分はつかない。世の女共が恨めしがるのー」 「き、貴様っ」 パフォーマンスにいやらしく動く指先が次に目を向けたのは、リルの席だった リルがやり取りを見てて赤面していたが、次に自分が危ないと知るとすぐに手で胸を隠した 一見すると貧相なリルの乳房なのだがハーミットは何かを感づいたように 目を鋭く光らせる。今は仕事ではないという免罪符が今のハーミットにはある 「リルも羨ましいことじゃて」 「な、何がでしょう?」 「予想では狼麗並みかそれ以上か?」 顎に手を当て品定めをするかのように見るハーミットに、リルが大分動揺していた 狼麗はハーミットから距離をとり、災難を避けようとしていた為に孤立状態 助けてくれそうな狼は遠く襲おうとする狼は近く。どちらにせよ牙を持たぬリルは 群れから離れた羊の運命にかなり酷似した状況におかれていた。 「何故隠す?」 「し、仕事の邪魔だから・・・」 「むぅ勿体無いのぅ、普段から普通にしてれば貴族共がますます目を付けように」 「まてハーミット殿どういうことだ?」 「そうじゃのう」 狼麗が事情が分からず、うかつに近づいたことが敗因だった。自然に狼麗の後ろに回ったハーミットは 光を浴び白銀に光る狼麗の耳をさりげなくモフモフしながらこの状況の解説に入った 「んー良きかな良きかな。リルは何かで胸を抑えとる」 「なぜ耳を触る必要が?」 「本当言えばこっちのが良いんじゃがな」 そういいつつ、服越しにでも分かる大きさの狼麗の乳房に手をかけハーミットは話を続ける 流石に反撃に出た狼麗にすぐに手を離され、ふざけ気味に強くなったと師匠のような言葉を出した 「なんとも勿体無い・・・そう思わんか?」 「人の勝手だろう! えぇい! いい加減にっ」 「待て待て、ここでやりあうのは得策ではなかろう?」 イスの背もたれに手をかけていたハーミットが、今度は乳房をしたから持ち上げるように手を伸ばす これを腕を腋にはさむ形で捕まえた狼麗だったがどちらにせよ、乳房を持ち上げられる形にはなっており 不機嫌そうに強くはさみハーミットの手を避けた。ハーミットは痛いと言うより何か考えた笑いをしていたが 「いくら聖魔の賢者といえ、肉体労働は範囲外ではないのか?」 「そうじゃなぁ・・・だが機械戦なら別じゃ。どうだろう手合わせでも」 「ふん・・・その弛んだ意識、すこしばかりすっきりさせよう」 いつもは行動を起こす側の狼麗が、逆に挑戦を受けたことに燃え滾っていた。狼の血かプライドか かすかな敵意と共にそれは聖魔へと突き刺さる。そして狼同士の争いで難を逃れるも その弊害を受けようとする羊。リル・プリレッテはただはわはわと慌てるだけだった。 「あ、あの・・・」 「そうじゃ、リルも参加せい。メイド長同士の戦闘力を知る意味でも有意義じゃ」 「プリレッテ殿。」 「は、はい!?」 こんな状況で、局地的で限定的な状態でしか強く押せないリルが断れるはずもなかった 悲劇はこうして始まった。完全に乗り気の二人はさらに条件を作ったのだ 「そうじゃ、負けれぬよう罰ゲームでも設けるか」 「ふふん。いいだろう」 「えっあの・・・」 「良かろうリル?」 「あっ・・・はい」 二人が完全にペースを持っていき、完全にリルの意見は流されていた・・・ これが3大メイド長決闘の乱の始まりである。 そして最弱であろうリルは対策として、ある人物に相談を持ちかけた 親友にして副長であり、メイドらしからぬ戦力を持つ名門貴族の四女 マリーメア・ダムドラムにである、しかしマリーも報われぬ苦労に付き合うことになる しばらくして、事情を聞いたマリーはまず基本を教えようと他のメイドに仕事を任せていた 「まずガンファニスの特性から理解しないいけない」 「えっと、手先が不器用?」 ここでマリーは「近接されたら対処の術がない」「手持ち武器の有無」あたりで それを戦法で補えると思っていた。だがメイドらしいと言えばメイドらしい 斜め上の返答に、風に吹かれた葉のようにふらりと倒れかける 「リル、やっぱり断れないほうが悪い」 「えっ違うんですか?」 首をかしげるリルに、マリーは1からガンファニスの弱点を叩き込んだ。 しかし当のリルはまるで異国語を聞かされる学生のように 分かったようなわからないような、そんな顔をして首をかしげるばかりだった。 「えっと、物を持つのが苦手なのが弱点?」 「間違い・・・ではないか一応」 そしてその返答にマリーもむぅっと首をかしげた。この戦いとは無縁の 天然純正メイドをどうやって格闘家と仙人に勝たせるか… 無理としか浮かばないが、親友のために何か出来ないかとマリーは知恵を絞る 「ガンファニスでの戦闘はほとんど無い?」 「はい・・・」 予想以上のため、ため息をついたマリーだが希望は捨てていない。まだ何とかなる そう思い連れてきたのは城内にある格納庫。リルのガンファニスなどはここに収容されているが シュミュレーターなどもここに存在する、歩行用のものだがついでに戦闘シュミュレートも可能な 暗黒帝国らしい代物。これでガンファニスの動きを叩き込もうというのだ 「む、無理ですよ前にやったことがあるけど成績が酷くて」 「ガンファニスならできるはずよ、お手本見せるから見てなさい」 シュミュレーターに腰掛けたマリーがレバーを握り、マシンを機動させ数分 動き出したマリーの駆るガンファニスの活躍はすさまじいものがあった 周りを囲むバクリシャス、その数20機というかなりの数に関わらず その驚異的な火力に物を言わせ、数という重要なはずのアドバンテージを 一瞬で縮めてしまった。何とか生き残った数機が囲み ワイヤーウィップでの拘束を狙うが、フィンガーマシンガンがそれを撃ち落す 「いい機体、トラック代わりには惜しい」 フィンガーマシンガンの弾幕がついでとでも言うようにバクリシャスを数機落とし 残った最後の一体が襲い掛かろうとするが、近づく前にパルスランチャーの砲身が その動きを捉え、大きく開いた口の中に連続で光弾を叩き込み上半身を消し飛ばす 残った下半身が倒れると同時、シュミュレーターの画面が切り替わり終了を告げた マリーの完勝である。パイロットデータは一般兵レベルであるにも関わらず 彼女とガンファニスはそれを火力だけで圧倒してしまった。 「これがガンファニスの本来の性能。やろうと思えばあの二人とも戦えるはずよ」 「すごい・・・なんだかやれる気がします!」 そう意気込みシュミュレーターに座るリルだったが、驚くべきこと結果を残すことになる 何故かミサイルをすべて外し、次にフィンガーマシンガンとチェストバルカンを一斉発射するも 何故かこれも完全に外すという、逆に神業じみたドジをやってのけた。 「り、リル?」 「あっ捕まっちゃいました!?」 あたふたしているうちに、バクリシャスのワイヤーウィップの囚われ それほど高くないはずの火力で、ガンファニスは撃沈してしまった その間わずか5分。先ほどのバクリシャス全滅は7分であった 「・・・リル、逆にすごいと思うのさっきの」 「そんな事言ったってあたらないんですもの!」 マリーの脳裏に浮かぶのはダメ・無理・あきらめるの3文字だった。リルはメイドとしては異例の能力を持ち 庶民の出であるに関わらず、人望と能力からメイド長に這い上がったほどだ その上デスクワークまでこなし、軍部の友人の手伝いすらやってのけているのだ メイドとしては優秀この上ないし対決内容がメイドらしさであれば、完全勝利もありえただろう 「どうしようもないわ・・・」 だが戦いとなると、ロックオンしたにも関わらず攻撃を外すという珍操縦を見せるほどにダメなのだ マリーメアの脳裏にはリルが罰ゲームで泣き目を見る姿が簡単に再生されていた。 もはやどうしようもない。マリーメアは軽く十字を切るとリルの肩を優しく叩いた 「ごめんなさいリル!」 「あーマリ〜!!」 はたしてリルの運命やいかに! そしてそのころ時刻が少し経つが、深夜の闇の国 竹林を抜けた先の崖の上、月を隠すように機影が一つ。 「ふん・・・普段から弛んでいる二人だ。すこし灸でも据えないとな」 狼麗が明日に備え、愛機ヴェーアヴォルフェーの調整に励んでいた。妖精と狼を融合させた女性型とでも言うべきその機体は 天覇参拳が覇導拳分派である「銀狼吼牙拳」を使う狼麗にあわせ、開発されたオーダーメイド機に近い存在だ 銀狼の異名に恥じぬ力を持つ銀狼吼牙拳。狼の咆哮がごとき威圧と牙のごとし鋭さが敵を追い詰め、切り裂く。 ビームライフルの搭載により実戦でも通用する性能であり、闇の国らしい機体である 「私用では呼べないな」 彼女はただ一人、ヴェーアヴォルフェーの動作を確認していく。拳法の基本となる手足の稼動を確かめるため 小指から手を閉じていき、親指から広げていく。もう一つの自分の身体に不備が無いか 一つ一つ確認していく。軍属を望んでいただけあり整備の面にも知識を持ち合わせているのだ 「それでは奴と同じだ」 きちんとした整備はしたいが、私闘に誰かの力を借りることを彼女のプライドが許さなかった 自他共に厳しい彼女にとってそれは甘えなのだ。己の戦いに他の力を加えたくない 戦士としてメイド長として、己が強くなければ言い聞かせても意味が無いと信じていた それが彼女の弱さでもあるのだが、彼女はそれを見ようとせず、それが弱さであるとも信じてはいない 「レンを連れ遅くまで遊んでいないといいが・・・こうしてる私も、他人のことは言えんか?」 彼女がその働きに認め、ひいきというほどではないが信頼している中洲国から売られた元奴隷のレン 一時期は同僚の転勤で気落ちしていたが、任務終了で帰ってきたためにそれなりに明るくなり 人並みの趣味を持たせようと同僚が画策しているらしく。夜遊びに走り過ぎないか心配しているのだ 「レンの生真面目さは宮廷に仕える者としてふさわしいのだがな・・・まぁいい」 今やるべきことは明日に備えることか。心の中で呟いた後ヴェーアヴォルフェーの太刀を月に向けた 今度は時刻が戻り、暗黒の国にてメイド長の仕事を久々にやったハーミットが帰宅途中だった 「さて、プレアたちに後は任せてわしは帰る。」 「はっお気をつけてください」 ハーミットの荷物を持ち斜め後ろにつく、メイド長を支える家系にあるロッセ・クリムラックは 忘れ物が無いか確認していた。その顔はどこか不安げでもあったがそれは忘れ物があったからではない 「あの、メイド長失礼ながら意見させていただきます」 「む?」 「明日のことで何かお叱りが無いか心配でございます・・・」 メイド長同士での戦闘、しかも非公認となれば何かよくないことの引き金にならぬかと、彼女はそれを心配していた しかし考えが無いかのようにおもえるほど、気楽な雰囲気でジ・ハーミットは答えた 「大丈夫じゃて、同意の上じゃからのーそれに」 「それに?」 「約一名は少しばかり学ぶことがあるじゃろう」 「あの・・・失礼ながらまた意見させていただきます。」 「よかろう」 まだ何か言いたいことがあるのかと、珍しげにロッセを見たハーミットに ほぼど真ん中を貫いた発言をロッセは呟き、ハーミットは八重歯を見せ笑っていた 「他のメイド長を弄りたいだけでは?」 「ははは、長生きしてれば趣味も色々ある。公の場でなければ楽しむべきじゃよ」 こうして3大メイド長決闘の乱は始まる。3人はそれぞれのするべき事をして次の日へと着実に歩を進めていた 月が眠りにつき、太陽がすべてを照らす時まで話は進む。 「バトルロイヤル形式!ルールは無用じゃ これでいいじゃろう」 「良いだろう、お手柔らかに頼む」 「うぅ大丈夫かしら」 3大メイド長が再びそろったのは、どこかの不毛地帯。ここで決闘が始まろうとしているのだ 機体は紹介したガンファニス・ヴェーアヴォルフェーそして・・・ 「それにしても、傷つけられるのが趣味なのか?」 「それはどうかのう? 傷つけるのもいけるかもしれぬぞ?」 「減らず口を」 ジ・ハーミットの愛機ジアゼレス。姿は武装したハーミット風のロボットであるがその実力は未知数 パイロットが機体と融合する特殊な登場方法を取り、ハーミットの能力からして 確実に魔法での遠距離戦を仕掛けると狼麗は予想し作戦を練っていた。そしてついに賽は投げられる 「どうしてこうなった」 そしてとんでもない結末を迎えた。結果はリルと狼麗が敗退しジアゼレスが大地を踏みしめていた ハーミットが予想外すぎる結末に呆れた様にしていた。こうなった理由は数分遡り 合図と共にスタートダッシュを決める狼麗、激突するヴェーアヴォルフェーとジアゼレス それを漁夫の利で倒そうとしたリルであったが、ロックオンしたにも関わらず外す芸当をまた見せた。 しかしガンファニスの予想上の攻撃力に目をつけた狼麗は、誘導してジアゼレスを倒そうと考えた 「行くぞプレリッテ殿!」 「きゃあああ!?」 とにかく火器を乱射して、ハリネズミのように近づくものを追い払おうとするリルだったが 何分当たらないためにどうしようもない。ある種の才能を感じながら狼麗はリルの注意を引き 二次災害的にジアゼレスを攻撃しようとした当たらないなら跳ね返りでも牽制でもいい 敵の意識をそちらに集中させれば相手の有利なフィールドでの戦闘を避けれる。 「厄介じゃのう・・・リルや聞け、今から共同戦線じゃ」 「はい?」 「狼麗を協力して倒すしか勝ち目は無いぞ? 勝ちはお主に譲って罰ゲームなしにすれば被害はゼロじゃ」 「な、なるほど! 分かりました!」 ほとんどやることは変わらないが、攻撃をヴェーアヴォルフェーへと集中しようとするリル ハーミットの思わぬ動きに2対1になってしまった狼麗だが、ここでハーミットがさらに動いた 「リルや」 「なんですか?」 「敵の言葉は簡単に信じてはいかんだろうに・・・素直すぎて心苦しいのう」 しかしそこはジ・ハーミット、協力するフリをして、リルのやったように漁夫の利を狙ったのだ。 ターゲット二人が重なり、大火力の魔法で一掃しようとした時ヴェーアヴォルフェーの動きはすばやく 回避行動に移ろうとしたが逃げた先に運悪くミサイルが飛び込み、動きが鈍ってしまった リルも逃げようとしたが時すでに遅く、形状が特殊な二本の杖が合体しその先端から放たれる光に 二人の機体は飲み込まれ、そして一掃されてしまったのだ。 「まぁというわけでじゃ、道徳も何も無い勝ち方じゃが勝ちは勝ちか」 「くっ卑怯ではないか!?」 「リルがあそこまで素直に言う事を聞くと予想せんかったんじゃ!」 こうして、思わぬ奮闘もあったがジ・ハーミットが予定通り勝利を掴んだ。狼麗はこの結果に苦虫を噛んだような表情をしたが 同時に罰ゲームの無いように戦慄していた。昨日のことからしてトンでもない事をされるのではないかと リルはリルで目を回していたので、考えることもせずある意味では幸せだったかもしれない・・・ 「さて、罰ゲームなんじゃがな」 「っ! いったい何をする」 「とりあえずこんな色気の無い場所では寂しかろう。」 動けないガンファニスを抱え、ジアゼレスが動き出す。ヴェーアヴォルフェーも動くぐらいは可能なため その後を追いかけた。その時にジアゼレスが「私の出番これだけ!?」と言いたげにアクションしたが それはおいておいて数十分後、森の中を進み崖っプチでとまり、そして・・・ 「驚いたな結界か?」 「いや階段じゃよ」 ジアゼレスを巨木の空洞の中に大気させると、崖の先に足を踏み出したのだ。しかしジ・ハーミットは落下せず 螺旋階段を下るように歩いていく。それに続きリルを抱えた狼麗も下っていくと 絶壁の窪みを掘り改装したのであろう庭付きの家が存在した。こんな場所では誰も気づかないだろう 「ようこそワシの隠れ家に、くつろいで行くがよい」 「くつろげる立場ではないだろうに」 庭にはバクフ国などで有名な盆栽、に似た何かや香りたつ草花など。庭は植物に彩られた鮮やかな物だった 断崖絶壁の中にあるとは思えないその庭を抜け・・・る前に、彼女たちの前に いや後ろに邪魔者の影が現れようとしていた。その正体は 「なんだこれは!」 「ぬぅ? なっこんなに育っていたか」 現れたのはイソギンチャクに似た、植物と動物の中間のような見た目をした何かだった 異様なその姿に驚き隙を見せた狼麗と眠っているリルに対し、蔦の様なものを鞭のように伸ばし 抵抗の要となる両腕に絡み付けた。最初は触手を引っ張り体制を崩そうとした狼麗だったが 足元が膨れ上がると同時に、根のようなものが狼麗の足元を吹き飛ばし、絡めとってしまった 「不覚! くっプレリッテ殿!」 「ん・・・えっ? な、何ですかこれ!? おろして〜!!」 そして武の心得など存在しないリルは当然のように手足を絡めとられた。動きこそ少しは取れるものの 拳法の要・・・いや、動きの要である手足の自由が許されぬのでは話にならなかった この状態にリルは混乱するばかりだが、狼麗は最悪の場合を考えてハーミットを睨んでいた 「これが罰ゲームか!?」 「いやこれは違う、リーネンめとんでもない香草をくれたものじゃ」 「きゃあああ!? べ、ベタベタいやぁ〜!」 蔦のほうはドロドロとした汁があふれ出し、縛り上げた二人の服にしみこんでいく。見た目こそ酷いが その香りはとても心地よく、どこか食欲を誘う物があった。普段のリルならば何か言うだろうが 今はとにかく暴れるしかなかった。狼麗も同じように拘束から逃れるべく抵抗を試みるが 「噛み付くのだけはイヤだ・・・」 彼女も女だった、グロテスクな見た目のそれを噛み千切るなど出来ない。お構いなしに蔦を伸ばし 拘束を強めていくそれにリルはさらに取り乱し、狼麗はだんだんと焦りを覚えてきた 亀甲のそれに似た縛りで身体のラインを強調されるリルに対し、狼麗へは抵抗を許さぬためか 後ろ手に縛り上げ、両足を太ももとひざそして足首を縛り広げさせる事で抵抗の芽を摘むいでいた 「主人も分からぬか、育ちすぎ注意じゃな」 蔦をかわし壁に隠れ機会をうかがっていた。もたもたしていれば先ほどの地中攻撃が来ることを予想し 魔力で出来た刃で一刀で切り捨てようというのだ。命までは奪われないだろうと予想し 家や庭を守りつつ敵を倒そうというハーミット、じりじりと迫る植物。刃の長さを調節しそして 「貰った!!」 飛び掛った。だが刃の長さは短刀程度、あきらかに植物に届かず触手の餌食・・・になるはずだった だがハーミットは切り込むことなど考えておらず、最低限の威力で植物の中心だけを倒すため飛び込み 魔力で出来た弾丸を見事命中させたのだ。イソギンチャクが取り乱し触手を振り回すと まるで血しぶきのように透明な液体を噴出し、そして最後には蔦を地面に下ろし力尽きた 「むぅかかった・・・」 「バケモノ屋敷に連れてくるのが罰だったのか?」 「あれが特別なだけじゃ、家に入るが良い」 「あの・・・ハーミットちゃん?」 リルが何か言いたげに立ち上がる、困ったような顔のリルを見てハーミットがどうしたと聞こうとしたが 理由が分かり口に出すことは無かったそれは見れば分かるが、リルの身体が粘着質の液体にまみれ 身を包む清楚さを押し出し、同盟国と対照的な布面積のメイド服も同じようにドロドロに濡れていた こちらは縛られた箇所が多すぎた為、布面積が少ない狼麗よりもずいぶん被害があったようだ。 「風呂に入るか? ここは温泉から引いておる」 脚全体が濡れた狼麗だが、上半身もリルほどではないが濡れそのままでは心地が悪い状態にあった 匂いこそいいが、心地は最悪であった為にハーミットの世話になるのを嫌ったが、仕方がないと 心の中で呟きニーソックスと靴を脱ぎ、タオルで足を拭き家に足を踏み入れた。リルはさらに酷く スカートをヒザまでめくり、ガーターベルトを外しニーソックスを脱ぎ、そして靴を脱ぐ面倒な作業を終え ようやく家に入ることが出来た。隠れ家の中は広いわけではないが不自由なほどでもなく 「いい匂い・・・ハーブ?」 「趣味でのう、先ほどの植物もハーブだそうじゃ」 「暗黒香草かずいぶんと混ざっている」 ハーミットの趣味の暗黒香草の香りが部屋に広がっているのが特徴だった。いやみにならない程度ではあるが さまざまな香りが混ざり、心地よく来客を和ませる・・・が、今の二人にそんな余裕は無かった リビングを出て少し歩いた場所の変わった扉を開くと、その中には脱衣場のような場所が広がっている 丁寧にそこからはヒノキの香りが漂い、どこか温泉に来た気分にさせてくれた 「日曜大工は得意での、バクフのほうから素材を取り寄せた」 「森の中にいるみたい・・・あっ服はどこに?」 「籠に突っ込んでおくといい。さっさと入るが良い」 「待て、そのだ・・・タオルはどうした?」 狼麗が待ったをかける、流石に女相手とはいえあまり裸の付き合いというのは堂々と出来るものではない タオルで身体を隠したいようだが、ハーミットがそれに対してさらに待ったをかけた 「温泉にタオルをつけるでない!」 「ならどうしろという!」 「裸でよかろう?」 湯船としては間違いではないが、狼麗はそう簡単には譲らない。そこで代案として出したのは 「水着は無いのか?」 「あることはあるが、逆に恥ずかしいぞ?」 水着の着用は認めたのだが、突然ハーミットはメイド服を脱ぎ始めた。面倒だからかソックスまでは手をかけないが 下着だけになると、狼麗に近づき下から見上げるように、上目遣いをして手を伸ばした 「ふむ、ワシ用のサイズしかないからのぅ。隠したい部分がはみ出るぞ?」 伸ばした手で胸を持ち上げると、狼麗はすぐにハーミットから離れ悪態をついていた。 罰ゲームとも思えるようなことがもう何度も起きているのに罰ゲームはまだという 運が悪いのか意図的なのか分からない状況に苛立ちを覚え始めていた 「何故あんな簡単に騙される・・・」 「だ、だって罰ゲームはいやですし」 「バトルロイヤル形式でそんなことがありえるはずが無いだろう!」 ハーミットに負けた悔しさも蘇り、リルに説教をする狼麗だったが、扉が開きハーミットがやってきて どうやらタオルらしいが、身に着けるのは厳禁なためにあまり嬉しくは無いようだ このときほど二人は体系を気にしたことは無かったであろう。魅惑的な肉体は隠すのが面倒なのだ 「くぅ・・・湯を借りるぞ」 「安心せい完備しておる。」 「ハーミットちゃんは入らないんですか?」 後でいい。そういうとハーミットはとっとと脱衣場を出てしまった。狼麗は不機嫌そうだったが ベタベタした感覚の不快感が羞恥を超えて蘇り、ますます不機嫌になるのを避けるべく 仕方がないと浴室の扉を開く。その先には・・・ 「わぁ・・・本当の温泉みたいですねぇ」 岸壁を削り、天然の温泉施設を髣髴させる室内に二人は驚いた。丁寧にシャワーは数人分あり浴槽の大きさも申し分ない 羞恥心もどこへか消えて部屋の中に吸い込まれていった。温泉に行くこともめったに無いリルには物珍しいこの世界 裸とはいえ狼麗とはそれなりに親交があるためか、腰掛とたらいの山から二人分の腰掛を持ち出していた。 「すごいですねここ、いっそ楽しんだほうがいいかもしれません」 「あ、あぁ・・・だが恥ずかしいな・・・」 リルはさりげなく下は隠していたが、上は持ち物の関係上で隠すことが出来ない。 だが親交のある相手だからかリルは少し恥ずかしいが、この温泉を楽しもうと考えた 確かにメイド長として恥ずかしむべきかもしれないが、プライベートならばと 「メイド長たるもの、礼節に心がけるべきではないか?」 「あの狼麗さん?」 「どうした?」 とりあえずシャワーの前に腰掛を置いたリルは、自分用の腰掛を持ち少し離れたシャワーの前においていた 彼女なりの気づかいなのだろう。「すまない」と軽く狼麗は呟くと、腰掛に座りレバーを押すと 心地よい暖かさの湯の雨をその身に浴び始めた。流れ出る温もりは二人の穢れを洗い流し気分を大分持ち直させる 「前に聞いたんですけど、狼麗さんはすこし自分に厳しすぎるんじゃないですか?」 「メイド長であり、そして戦士でもある私が怠けてどうする」 何を言っているんだと、リルを振り向く狼麗だが珍しくリルは強めの口調で喋りだす それに驚いたのか狼麗もそれを言葉に出さず、聞いてみることにしたのだ。 「たまには自分を甘えさせなきゃダメですよ」 「私は今までこうしてきた、これからも変わらないだろう」 「マリーとは違うのは分かりますけど、たまには優しさを見せないとダメですよ」 マリーメア・ダムドラム。元々はメイド長候補だった彼女だが同僚を見下しがちなためか 能力こそ高かったがリルにその座を奪われ、色々あったが今では親友の女性の話をすると 狼麗も考えるところがあったのか、すこしだけ顔を伏せて髪をシャワーに当てていた 「皆のことを思ってなんでしょうけど、たまには空気を抜かなきゃ」 「ずっとこうしてきたから、簡単にはいかないだろうし、自分が許せないだろう」 「ときどき、思い出したように息抜きをすればいいんですよ。そのうち慣れると思います」 家柄と能力でメイド長になった彼女には、何故リルがメイド長になれたかが分からなかったが なんとなく、リルがメイド長になった理由を理解した気がしていた。 確かにサディストだなんだと言われた事があるが、部下のためと厳しくしてきた。 だがリルの言うように、たまには甘さも見せなければ心が疲れてしまうかと。 そしてそのころジ・ハーミットは自室に篭っていた 「あぁ・・・むぅ・・・」 何を着るか悩み、今のお気に入りのメイド服のスペアを探しているのだ ついでに罰ゲームを思いついたらしくクローゼットの中を漁り そしてクローゼットを軽く振り向くと、小悪魔的笑みを浮かべ八重歯を晒し 「堅物の狼麗も少しは可愛くなるかのう?」 やれやれと自分の考えにため息を尽きたそうに、だが笑みを浮かべたままベッドから起き上がった そんな状況も知らず、浴室では二人がくつろいでいた。当初は考え込んだりした狼麗も 風呂の中にあふれる木の香りと暖かさに、森林浴をしているような気分になっていき 先ほどの息抜きを実践しようと、のんびりとくつろごうとしていた。 「いい香りだ・・・ブラックマリーの石鹸か」 「こっちは・・・黒薄荷? 男性用のシャンプーでしょうか?」 石鹸に添加された暗黒香草の当てて、その心地よい匂いを今度こそ堪能していた。 べたついた身体も、匂いも石鹸が洗い流し忘れさせてくれるように感じながら 狼麗は暗黒香草でこそ無いが、闇椿のシャンプーで髪の毛と耳を洗い始めた その姿もだが香りがそれを引き立たせ、狼麗を戦士ではなく女として飾っていた 「狼麗さんの銀髪ってキレイですね・・・」 「リル殿の黒髪のほうが私はうらやましいがな、闇の色を思い出させる」 丁寧に泡立て髪を洗う狼麗が、リルの言葉に珍しい一言で返した。普段であればこのような台詞は言わないが 匂いの持つ魔力に中てられ彼女の気を緩めたのだろうか? 簡単な言葉で返す所を うらやましいという心を出させた。リルはそれに意外そうな顔をするが、どこかうれしそうに 髪を洗い始めた。会話が弾んだというほどでなくとも、雰囲気はどこか楽しそうになっていた 「災難でしたけど、こんな珍しい事があるなら悪くないですね」 「かもしれないな・・・木の香りが心地いい・・・」 身体を包む泡をシャワーで流し、つやつやとした素肌に戻った二人は名残惜しそうにシャワーを止めた 森林の心地よい香りが、湯気の中で淡く光る灯火が二人をどこか幻想のような感覚へ導き 浴槽へと誘っていた。シャワーだけでも十分なのだが、温泉には何かしらの成分が存在する 入って損をするということは無いだろうと、リルが狼麗を誘い気の緩んだ狼麗も誘いに乗り足を向けた 「気持ちいいですねぇ」 「本当だ、疲れも流されていくようだ」 目を細め、極楽極楽と言いたげに二人は湯船に腰を下ろした。そして他愛も無いようなことを喋りだし 狼麗もそれに付き合い、レンの働きぶりや軍属を望むが、親と意見が分かれメイドになった者たちのこと 彼女なりに知っている部下の一面や心配、それをこうやって話すのも中々無いことだった 「こうやって、私がいない間も大丈夫かと心配なときがある」 「大丈夫ですよきっと、普段からしっかりしてるなら仕事はきちんとするはずです」 かわいくもあるが強くあって欲しいと愚痴のように口からだし、ため息をはき温泉の心地よさに その心配が溶けていくような感覚を楽しみ、紅潮した顔で深めに沈め体中に効能を集めていた。 リルも同じように頬が心地よさで紅潮し、ゆったりと時間をすごしていた。 「そういえばリル殿」 「もうリルでいいですよ、肩の力抜いちゃいましょう」 「そう簡単にはいかないわ、気になったんだけど・・・」 狼麗が見つめる先、それはぷかぷかと浮くリルの胸だった。メイド服越しには分かりえなかったそれは 明らかに大きく狼麗の目の前に浮かぶそれとほの同じ、またはそれ以上の物があった 普通の女性ならばそれを誇るのに、何故いつもはそれを押さえ隠しているのだろうか? そんな疑問が頭に浮かび せっかくだからと行動に移したのだ。リルはちょっと照れくさそうに胸の上に手を載せて熱交じりの息を吐き出した 「やっぱりお仕事の邪魔というのが大きいです。それと見られるのが恥ずかしくて・・・」 「なるほど、その容姿なら見られないほうが少ないわけか」 「やっぱり男の人にじろじろ見られると恥ずかしいですから」 男がいるリルには少し困った問題のようだ。宮廷にやってくる貴族は皆高等というわけでもなく 当然のように好色で傲慢な者もいる。レヴィアの子飼いとなれば手を出すことも出来ず 家柄の問題もあり婚約など不可能だが見るだけならばどうと言う事はなく、最初の頃は 事あるごとに胸への視線を感じていたらしい。身体のラインが出にくい帝国のメイド服では珍しく 美しい曲を描くリルの巨乳の存在感はかなりのものだったのだ。 「サラシでがんばったけどダメで、最後はメイド長になってからのお給料で買ったあれで」 「あれ?」 「あっ見せてませんでしたね、空間操作用のマジックアイテムでオーダーメイドしたんです」 ずいぶんと手が込んだことだが、そうでもしなければ絶壁にならないのは同じ巨乳の狼麗なら なんとなく理解できた。一事はサラシを巻いて女らしさを消そうとしたが、メイド長に就任後は 女性としての魅力も必要と思い、それをやめブラを着けたことを思い出し逆の環境だなと 小さく笑っていた。そこに扉の開く音が 「くつろいでおるか?」 ハーミットがやってきた、身体は二人と同じように何もつけず頭の上はカチューシャの代わりに タオルを乗せていた。幼子の姿に偽りなき身体はスベスベとした素肌と肉つきの少ない華奢な身体 それは肉体的に恵まれた二人を前にしても、どこか見劣らぬような雰囲気を出していた 「ハーミット殿か・・・おかげさまで快適だ」 「いい湯です、どこの温泉から汲み上げてるんです?」 「正確に言えば温泉の定義から外れるからのう・・・」 その白い素肌に小さな手を伸ばし泡を立ててながらハーミットは続けた、この湯船の中のお湯は 近くにある温泉を糧にする木々に細工をし、水を引き出しているのだという ゆえに木の香りが漂い、森林浴をしているかのような気分にさせるのだとか 「だが、この森の木々が吸い込んだ温泉水の風呂はよいものだ」 「本当ですねぇ・・・そういえば効能はどうなってるんです?」 「肌に良いというべきか、切り傷ややけどの他に美肌効果持ちじゃ」 泡を滑らせる身体は、幼いながらも吸い付くような肌は世の女性が羨み、肉の少ない身体は 幼女に対し性的趣向を持つ者であれば、間違いなく理性を抑えることが出来ないであろう姿に リルと狼麗は不思議な気持ちを感じていた。能力から言えばあの姿でなくてもいいはずなのに 「幼女趣味でもおありか」 「何じゃ突然?」 「大人の女性の姿にもなれるでしょうに、どうしてその姿を?」 ちゃぷんちゃぷんと湯船で脚をばたつかせ、リラックスするリルの問いかけに対しハーミットは ふむっと小さくうなずき、また身体に泡を滑らせる。だがいつの間にだろうか? 滑らせる先の肉つきは大人のそれであり、平らに等しい乳房を下から持ち上げ 先端まで泡で滑らせ、ぷるんっと柔らかな音を立て揺らし見せ付けるようにしていた。 「趣味かどうかは知らぬが、あの姿で落ち着いておるのう」 「そうか・・・」 「趣味は人それぞれですからねぇ」 「人の話を聞いていたか?」 そして泡を流すと、ハーミットは元の姿に戻り浴槽へと足を向ける。波紋を立てて湯につかる姿は その愛らしい姿に天使を、そして深みに入れば堕天使を思わせるものがあった ハーミットは湯の中を移動し、リルたちの近くに来ると肩までその身を湯に預けた 「狼麗よ、何故お前が負けたか分かるか?」 「実力不足・・・か」 「正解は誰かを頼らないからじゃ」 んっと背伸びをし、小さな身体の特権といわんばかりに湯に浮かぶハーミットが再び足をつくと 説明を続けた。狼麗はむっとした表情を何時もならするが、今回だけは別だった 「あの時リルと共同戦線でも張れば、勝てたかも知れぬぞ?」 「そうかもしれないが・・・唐突だな」 狼麗も肩まで湯につかると、言葉を返すがハーミットはそれを聞いて楽しそうに笑うだけだった 「そりゃのう、一応口実程度には威厳を出したい」 「リルにも言われた、少し気を緩ませるのも悪くは無い」 はははっとリルも笑うと、リルと狼麗はそろそろ風呂から出ることにした。流石に心地よくてものぼせてしまう ハーミットが二人の後姿を見て、着替えの場所やタオルの場所を言うとそれに従い二人とも浴室を後にする その顔が邪に微笑んでいることを知らずに・・・二人が悲鳴を上げたのはまもなくしてだった。 「なななっなんだこの下着は!?」 「こんなの聞いてないです! さっきとほとんど同じです!」 きゃーっと同時にやってきた二人。ハーミットがそれ来たといわんばかりに、にぃっと笑っていた その理由は二人が手にした下着にあった。ハーミットが良く穿いている下着 俗に言うヒモパンとブラ、どちらも黒で魅惑的であり色気があるハーミットらしい下着だった 「ローレグすぎます! 他にないんですか!? あと私のブラは」 「白のレースも似たようなものじゃよ、ブラのほうは預かってる。たまにはその乳そのままでもよかろう♪」 「くっ抜かった・・・」 「というわけで罰ゲームは着せ替えってことでよろしく頼むぞい」 自らの下着のことと、罰ゲームの途中だったことを、温泉の魔力ですっかり忘れていた二人だが、 考えてみればサイズが合うような服がここにあるのだろうか? 不安がさらに広がる 幸いなことに下着は問題ない大きさだが、服がどんなことになっているか不安でしょうがないようだが 取り出したそれの大きさに安堵の息をついた。ちゃんとサイズはあっている。 「暗黒の国の宮廷メイド服ですね」 「ちょっと露出が多いな・・・スカートのサイズは選べないのか?」 宮廷用のメイド服が二着、ご丁寧にリルと狼麗のサイズにきちんと合うように作られている。 袖を通すと素材は絹ではないのは確かだが、着心地がよく肌触りも何時も来ているメイド服に負けぬ 最高級のものがあった。仕方がなくつけたはずの下着も同じように着心地はよかった 「ミニスカート指定でのう。馬子・・・というには美人すぎるか」 「飾りじゃないヒモなんて初めてですね、かわいいけど恥ずかしいなぁ」 「見習い時代からだが、やはりミニスカートは苦手だ・・・」 どうにも下が下のため、落ち着かないようで股が内側に寄る狼麗とそれなりにプライベートで穿くのか 気にしてはいるが狼麗ほどモジモジはしていなかった。だが背中が気になるらしく 水気を飛ばし光を浴びれば光が流れ、風を受ければ絡まることもなく靡く、枝分かれの無い美しい髪が 背中を隠しているかどうか、何度か鏡で確認していたが。ハーミットはハーミットで嬉しそうに どこからか取り出した牛乳を二人に分けると、暖かく熱を帯びた身体に冷たい快感を流し込んだ。 「風呂上りはこれに限る。さて罰ゲームは着せ替えだがこれだけではないぞ?」 「な、何だと?」 「ワシのメイドやってもらうかのう、せっかくじゃし。」 リルはそれほどイヤではないのだが、狼麗はどうも露出過多なこのフレンチメイドになれないらしく言葉を渋る だが罰ゲームの約束に合意したのは自分だからと、諦めてハーミットのメイドとして少し働く事になった とりあえず二人もハーミットと同じように冷たい牛乳を、豪快とはいかないが楽な姿勢で飲み干すと 脱衣場から出て、廊下を少し歩くと台所に着いた。そして時計を見ると3時に向け針がのろのろと動いている 「二人ともメイド長なら、菓子ぐらい大丈夫だろう?」 「お菓子なら得意です! 狼麗さんは?」 「和に寄るが平気だ、作れと?」 ハーミットが頼んだと二人の腰を押すと、一人どこかへと足を進める。台所に残された二人が 子供らしさのある頼みに、軽く笑うと三角巾を取り出し、身支度を始める ハーミットの好みは分からないが、好き嫌いは無いだろうと冷蔵庫や棚をあけ材料を確認し始める 満足に菓子が作れる材料があるのを見て、二人は安心すると早速作業に取り掛かった。 「さて、楽しみはここからじゃな」 そしてハーミットは何かを取り出し、どこかへとマジックアイテムで連絡を入れていた。それから かなり時間を飛ばすが1時間と40分後。ハーミットたちはリビングで茶会としゃれ込んでいた やっている事は昨日の集まりと変わらず、強いて言えば狼麗が穏やかなことぐらいか 「いやぁ、女が寄って姦しいというが姦しくてもいいものじゃ」 「闇祖茶か・・・飲んでみると良いものだな」 「甘くなりすぎた口がすっきりしますね」 今回の菓子は暑いのであんみつと外で採れたミントのような暗黒香草を添えた果実のゼリー、それにハーミットの好きな闇祖茶 外から来る風もあり、だいぶ涼みながら談話に花を咲かせていた。あまり遊び歩かない狼麗は話すことが少なくもあるが ハーミットが今度どこかに連れて行くと行ったり、いやな予感がするとリルが止め暗黒帝国に誘うなど 以前よりも会話が弾んでいた、風味の関係もあるが清涼感をもたらすミントを口に含み、ふーっと涼しさを味わうと ハーミットは一人席を立つ。何をするのかと思えばカタログのようなものを持ってきた。 「さて、着せ替え遊びでもさせてもらうかのう」 「えっまだ着せ替えられるんですか!?」 「ふふふ、長年生きてると趣味も多様になるんじゃよ」 サイコロを取り出し、二人に目をやるとやれやれと狼麗は頭をかく、それほどイヤでもないらしく今のメイド服も この暑さでは悪くないと思えていた。何より着慣れたことと着心地のよさが原因しているのだろう。 「趣味が多様か、羨ましいことだ」 「というわけでサイコロの目で1から2でワシが着替えるが、3と4はリル、5と6はおぬしじゃ」 「恥ずかしい格好はやだなぁ」 ルールは細かいが、1と5でリルが指定、2と4は狼麗が衣装を指定可能。そして3と6ではハーミットが指定できるルール ハーミット以外は自分の目、特にハーミットが選ぶであろう目が出ないことを祈っていたが 転がしたサイコロの目が選ぶ最初の犠牲者はリルだった。よりによって最初から運がないらしい 本人が避けたかった露出の多いバニーガールが当たり、カタログのようなものから出現したバニーガールようのウサミミ 尻尾の着いたレオタードとガーター付の網タイツ。ネクタイ付の飾り用の襟とカフスが現れた。 一種のマジックアイテムらしく、これから着せ替えようの衣装が飛び出すらしい。さてこれを着るリルは戸惑っていた 「こ、ここで着替えるんですか?」 「恥ずかしがる姿もかわいいものじゃ、それに裸を見せ合ったんだしよかろうて♪」 うぅ、と罰の悪そうに声を上げるリルだが逃げれそうにもないと、暗黒の国のメイド服を脱ぎ始める 着替えるために誰かの前で脱ぐというのは、どこか倒錯した色気があるが、脱ぐ本人は羞恥しかない 慣れた手つきでエプロンを外し、予想以上に脱ぎやすいメイド服とニーソックスの着心地、履き心地に 名残を感じつつ、羞恥に少し顔を染めるとブラを外さないといけないため、見ちゃダメと言うかのよう 後ろをブラを外し始める。空気に晒され拘束を解除された胸がぷるりと音を立て揺れ落ちる様は見れないが 今度はその胸の谷間を外気に晒すバニーコート、初々しくリルが胸を覆う部分が垂れ下がらぬよう クイっと引っ張り、慣れた手つきでガーターベルトで網タイツを止め、カフスを着けるとくるりと振り向く 「あの・・・レヴィア様が前に来てたのに似てますね」 「アレが参考だからのう、ただ胸の辺りは差別化したが」 つまり露出で言えば増えているということだった。臍出しである時点で普通より露出は増えているが、胸だけはオーソドックスな 三角に近い形で覆い腰には飾りなどを兼用したヒモのリボンがついている。リルは恥ずかしげに尻肉がはみ出ないかと 何度かさりげない調節をしてソワソワとしている。だがこれを邪魔するように、トレイとカクテルをもつようにリクエストを受け 渋々だがそれを持つと、美人のコンパニオンとでも言うべきか。そのままそちらの業界でも通じそうなバニーガールが完成した 「似合うぞリル、ここにはメス狼もいるがオス狼の前に出たらいちころじゃのう!」 「私がプレリッテ殿に何かすると思うか?」 「ニクスさんはそんなことしませんっ!!」 「ははは、とりあえずいい一枚になったようじゃ」 そしてピラピラと何かを持っているハーミット、それを良く見ると写真のようだが・・・写っていたのは リルのバニーガール姿だった。それを見たリルは危うくグラスを落としかけた。 何故そんなものがと言いたげに、口をパクパクと動かしてグラスの中のカクテルを揺らすしか出来ずにいた 「着せ替え後は写真を撮るからのー、悪用はせんから安心せい」 「信用できないっ! くっ罰ゲームにしてはとんでもないな・・・」 頬の赤いままのリルがイスに座ると、次の犠牲者を求めサイコロが動く・・・次の犠牲者は 狼麗だった。しかも6の目が出たためにハーミットが衣装を指定することに 「今度はこれじゃな」 「せ、セーラー服!?」 狼麗は悪夢かとふらついた。よりによってそんな倒錯した趣味のようなものを・・・ 出されたセーラー服に抵抗を覚えるも、罰ゲームゆえに仕方がないと我慢しつつ 机の上に広がる、セーラー服とスカートとリボンそして下着一式とゴムバンド 「な、何で下着まであるんだ!?」 「そりゃ○学生が黒のローレグヒモパンなんて穿かんからじゃ。」 「こっちまで脱げというのか・・・?」 「何を勘違いしておる? スカートはいてから脱げばよかろうに」 スケベめ、とからかわれ狼麗の顔がまた赤に染まり、耳も赤くなったような気がした。しかし気を取り直して リルと同じように着心地のいいメイド服に別れを告げる、前にまずは下着を履き替えた。おずおずと慣れない手つきで 穿いたこともないヒモパンを外そうとするが、片側を一気に外したために、ぷらりとヒモパンがスカートからずり落ち 卑猥な状態を想像しやすい形になってしまったため狼麗が驚いて、スカートの上から股を押さえていた 「きゃっ! じゃなぃっ、なんでヒモで止める必要がある・・・普通のショーツでいいのに・・・」 眺めるハーミットと、心配そうなリルを見る余裕もなく、柄にもなく悲鳴を上げたことをフォローするかのように 大胆にヒモパンのヒモをそのまま外して、床に落としさっさと色気も無いが普通の白いショーツを足に通し 穿いたのを確認すると、さっさとメイド服を脱ぎ始める。案外するっと脱げる事に驚きながらも とっとと恥ずかしい時間を終わらせようとメイド服をソファの上に置き、次にブラに手をかけた 「あの、なんあんな紐で統一したような下着を?」 「ワシの趣味じゃ、ほれ」 ちらっとスカートをさりげなくめくるハーミットの下着は、確かに二人と同じ黒いローレグの紐パンツだった その間に狼麗は背中の紐を外し、手早くこれまた色気の無い無地のブラを身に着けていた 本来ならブラウスだシャツを着るのだが、今回は何故かそのままセーラー服を上に着ることになった 下着のままよりはいいと、狼麗もイメージを頼りにスカートを取り付ける。 このときに微妙にきつい事に、狼麗は女としてショックを受けていた太ったのだろうかと さらに上もさっさとかぶるとさらにショックを受けることになる。微妙に臍・・・ いや、腹が見えているのだ。細くしなやかさがあると思っていたが、意外な結果に驚きを隠せない 「くっ・・・ファスナーは閉まるのか?」 スカートと上着のファスナーが閉まるか不安になるが、これは大丈夫らしくすんなりと閉まり ほっとなでおろすには大きな半円を描く胸をなでおろす。そして最後にメイドをしているからか 大分慣れた手つきでスカーフを結ぶと、何度か微妙に調節しながらもかんせ 「ツインテールと三編どちらがいい?」 「髪も結ぶのか?」 「校則じゃ」 どこの校則だと思いながらも、これまた慣れた手つきで三編にしていく。 これで今度こそ完成。学生風になった狼麗がそこにいた。がサイズが微妙に合わず 胸の形やら腰のラインは見え、あげく腹がチラリと見えてしまっているため 「イメクラじゃのう」 「イメクラ?」 「なんですかそれ?」 「気にしてはならぬ」 とりあえずこれで終わりだが、歳を考えぬ格好に狼麗自身ふらつき気味になりイスに座ったときには この中で一番体力がありそうにも関わらず、どこか疲れたような表情をしていた 幸い出ないことに嫌がってるというより恥ずかしいような顔が写真に取られたため もしもそれが見られたら、そういう趣向があるのかと勘違いされてしまうかもしれない 「ふふふ、いやぁ楽しいのう?」 「ど、どこがですか! メイド服のほうが露出少なかったです!」 「セーラー服・・・23にもなってセーラー服か・・・」 胸を抑えこぼれぬようにして抗議をするリルと抵抗する気力すら失った狼麗だが、ハーミットのサイコロは止まらない さぁ次なる犠牲者はいったい誰か・・・再度振られた目はよりによってもう一度6だった 「ま、また私か!?」 「むぅ・・・よし、こんどはこれとこれじゃな」 ぎょっとした顔をあげると、目の前には体操服・・・の下だけが渡されていた 「この路線でいくかのう、下だけ脱いで穿き替えい」 「わ、訳が分からんなぜブルマとセーラー服を一緒に着る!?」 世間で言うブルマ、有名なのはブルマー小隊か。それを渡され訳の分からない要求に 頭を抱える狼麗だがルールはルール、逃げることは出来ないのだ もういやだ。そういいたそうにブルマを受け取るとパンツをこれ以上見せないように 先にブルマを膝まで通す。スカートの中までブルマを入れるとスカートごとブルマを握り 下だけは死守しながらブルマを着用。そのままホックとチャックを作業的に外し これでいいのだろう? ともはや諦めの混じったような顔で着替えを完了した 「イメクラじゃのう」 「あのイメクラって何ですか?」 「知るべきではない」 だがこれで終わりとは言わせないのがジ・ハーミット、更なる悲劇が狼麗を襲う。次に渡されたのは上だった 丁寧に2回に分けての着せ替えのようだ。プルプルと膝が震える狼麗はついに 「私は23だぞ!? 学生用の衣装が似合うはずが無い!」 「いや似合ってるぞ?」 「万が一にもそれがただしいとしても! は、恥ずかしすぎる!」 もういやだ! そう言いたげな狼麗に対しハーミットはふむっと顎に手を当て、そして悪魔的な行いと微笑を ほぼ同時に狼麗へと与える。突如として黒いもやが現れ狼麗の手足、腹部や恥骨の辺りを掴み自由を奪い 制服の袖のボタン、ファスナーそしてリボンへと手をかけた。これには狼麗も驚き抵抗を試みるが 予想以上の力に手足が動かない。それどころかいいように万歳のポーズをとらされている 「なっこれは!?」 「ルール違反はいかん、というわけでペナルティ用の着替え魔法じゃ」 本来の用途が何か不明だが、抵抗を待ったく意にせずその身体を蝕む手の大群は 一度ブルマを半分脱がせたと思いきや限界まで引っ張り上げ、しゅるしゅるとスカーフを外すとき 身体をついでになぞり、手の側が近かった左の乳房の天辺をなぞり下がるなど その身体を弄り倒していた。これがペナルティということなのだろうが もっと複雑な衣装でこれをされたら、これ以上に悲劇が待っているのは確かだった 「ひゃうっ!?」 「穿き口からはみだしておるわ 直さんとな」 「じ、自分でするから放せぇ!?」 「残念じゃのー? よりによって2着同時にやったときにじゃからまだ続くぞ?」 前だけではない、後ろからもはみ出たパンツをブルマに納めるため、手が尻肉へと手を伸ばし 尻肉を軽く叩きぱんっと子気味のいい音を奏でた。手形が残らないように力加減をしているのが慈悲か 「きゃんっ!?」 「意外とかわいい悲鳴をあげるんじゃな、以外や以外」 「あ、あの私どうすれば・・・」 「止める方法は無いから見てるしかないのう」 そうこうしてる間に、狼麗は万歳のポーズのままでセーラー服を脱がされていた まず胸の下までセーラー服をまくり、そして一気に胸ごと上に持ち上げる ぶるっとはじけるようにブラごと胸がたゆたい、ほんの少しだけはみ出ると しっかりしろと言わんばかりに頂に対しデコピンの要領で一撃が加えられ 仕方がないといわんばかりに乱暴な手つきでブラに収めると、体操服に袖を通させた 「くぅぅ・・・屈辱だ・・・ひゃっ!?」 今度はいくら悲鳴を上げたか分からぬ狼麗の腹を、くすぐるようにゆっくりと人差し指でなぞり 笑えと描くが狼麗はびくっとするだけで、次は身体全体を使い、乳房の辺りに指を押し付けながら 腹へ向けて指をなぞり字を書いていく。流石の狼麗もこのままでは持たないと屈し 抵抗はやめたが何を命令されてるか分からず ビンタの要領で胸と尻を叩かれ、ぶるんっと上下の丸い肉付が震える。 「な、何をしろというんだ!? もう着替えただろう!?」 手が起源が悪そうに手のひらを返し、他の手は胸を何度か突き何かを探すように動き またブルマを限界まで引っ張り上げ股間の形をくっきりとさせるなど、恥辱の限りを狼麗に与える ここで一組の手が口元を吊り上げさせたことで、ようやく何をするか狼麗も分かった 「わ、笑えばいいんだな? えっピ、ピースサイン?」 流石にこの格好でそれは恥ずかしいと、一瞬頭を抱えるがそれは不可能だった またブルマからはみ出たショーツを戻す手が、今度は尻肉を掴み揉みしだくからだ 普段の彼女ではありえないような、恐怖にも似た羞恥心で彼女は動かされる。 「怖かろう? この手は自動だからワシにも操作できんのじゃ」 「えぇっ!? 狼麗さんはどうなるんですか助けなきゃ!」 「ノルマをこなせばいい。それまでは行動を早くせんとああなるが」 悔しげで無理やりな笑いでピースサインをしつつ、体操服に身を包む狼麗はどこか倒錯的であり背徳的であり その手の人物からかなり高額の料金で写真を譲って欲しいといわれる可能性を秘めている ディファクターなんぞがここに来るものならば「雌犬メイド長〜衣替えの受難〜」なんぞという 訳の分からぬタイトルをつけて写真集を出される状態だった。だがこれでノルマが一つ終わり 「か、開放されたのか?」 ようやく手が消えた。そして今度は狼麗に対し足掛けの要領で腕が動く。受身を取ろうとする狼麗だが その前に手が彼女の身体の自由を奪い、どこかへと連れ去っていく。リルはバニーガールのまま おどおどとすることしか出来ず、ハーミットは調整が必要かと考え込んでいた 「やっやめそこはダメだ! そこは全部剃らなくてもあーっ!!」 しゅっしゅっと何かを塗り広げ、擦れる音とじょりっという剃る音のあと、顔を真っ赤にした狼麗が やけにパンツとブラのラインが見えない体操服姿で戻ってきた。もちろん手に拘束され 「ハーミット殿! これはハーミット殿も同じか!?」 「見ていて調整が必要じゃとは思ったが、今は無理じゃのう」 「くぅう・・・」 そして手が3・2・1と指をだんだんと折りカウントをすると、バッと狼麗の身体を包んでいた体操服が 上げられそして下げられた。手が隠してこそいるが今の狼麗は身を包むものが存在しなかった このときにどこかから写真を撮る音が聞こえ、狼麗が首を動かそうとしたが手に邪魔をさせられる 「手で見えなかったが、ハードすぎじゃな」 「ハード所じゃないですよ! あのハーミットちゃんもうやめたほうが」 「ワシは嘘はいわない。」 途中で止めることは絶望的か、顔を真っ赤にした狼麗だが下から何かを着せられ、隠されてた目から 手がどけられると、今の状態に絶句しはわはわとリルのようになっていた 「す、スクール水着!? せめてビキニか何かにしてく 言い終わるよりも先に、また視界がふさがれる。今度は先ほどの体操着を上だけ着せられたのだ そしてまたなぞなぞのように、サイズの問題かくっきりと浮かんだ臍やボディライン全体をつかい 文字が書かれ始める、動きは複雑だがその間の動きで四角の中に何かあるようだ 「わ、わかるわけっ」 今度はペンを胸に押し付けられ窪まされる。だがそれがヒントであり胸元の四角い白の領域 名札のようなスペースがあることを思い出し狼麗はようやく答えに近づく それと同時に体操着を胸の上までまくられ、胸の大きさをストッパーにして体操着が固定されてしまった 「な、名前を書けと? ふひゃぅう!? くしゅぐるな名前か? ろ、狼麗だ!」 「こっちから答えが出せればのう、リルや謎解きは得意かえ?」 「ほんの少しなら・・・ハーミットちゃんのほうが得意なんじゃ」 「面倒じゃ」 ようやく動きが止まり、手同士が会議のような動作を行うと狼麗の胸に対しペンで 筆を乱暴に動かすような動きで文字が書かれる。くすぐったいような胸の感覚に 狼麗が暴れようとするが、何時ものように手に押さえ込まれてしまう 「に、にねんさんくみ?」 「23歳にかけてるのか? 低俗じゃな」 とりあえず着替えが終わると、今度はポーズだ。だが今回の謎解きはあれで終わりらしく その代わりといわんばかりに手が雑巾とタオルを持ち準備をすると、狼麗が再度連れ去られる そしてぼちゃんっという音のあとに、ずぶ濡れで返ってきたのだ。 「本格派じゃなぁ?」 「風呂に入ったのに台無しだ・・・」 とりあえず体操服とスクール水着で1枚、スクール水着で1枚取られ、身体や髪を拭かれ足元も雑巾でちゃんと拭くと ようやく最後の1枚になった。体操着は脱がされていたのだが、今度はセーラー服を再び着せられ 手早く準備を済ませると次の謎解きがやってくる。しかし手足が触れてないのをチャンスと 狼麗の怒りがついに爆発する。銀狼吼牙拳がさえ 「銀狼吼牙拳かうわぁあっ!?」 抵抗もつかの間、まず二の腕をつかまれ次は足を払い、最後に両手を大の字に広げ空中に連れ去る 考えてみれば相手は魔力のかたまり。拳法で倒すならば術者を倒すのがセオリーだろう 怒りでそれを忘れた狼麗は、見事に反撃を食らってしまったのだ。この一連の動きに術者であるハーミットも 「すこし調整に失敗した」と本来の用途のためとはいえ、それでもオーバーな魔法 そう確信するほどであった。そして逆らったペナルティが狼麗にさらに降りかかろうとしている 「あぁ狼麗さん! ハーミットちゃんなんとかしてくださいっ」 「無理じゃ、本気で今回ばっかりは状況が悪い」 狼麗の身体をまさぐる手を止める術はない。手の動きに合わせたゆんっと歪む胸や尻 手と腕だけしかないことが幸いしたからか人間では、身体がぶつかりそうな状態でも 楽々と入り込む。それだけでなく尻肉を水着からはみださせると、限界まで上に引っ張り上げ その間に尻肉の付け根の近くを撫で回すなど、やり方がどんどん変体じみている 「なぁっ!? どうやればこうなる!?」 胸も根元からも見上げられてゆき、先端に近づくと別の指が先に先端をつまみ 水着ごと引張り離すと、ぱつんっと水着が肌にぶつかる音と同時に どうやったか不明だがスクール水着のサイズが明らかにおかしくなっていた 「き、きつっ尻が隠れな・・・あぅ!」 再度手が胸に手をやるが、下から手のひらの上に持ち上げるような形でそれを行う 本来ならこうはならないが今の狼麗の水着は、まるで胸だけ袋の形をしているような 左右別々に胸を収めるスペースがあるかのような形を取っている。俗に言う乳袋だ。 「た、叩くな広げるなぁ!」 左右の胸を通常のスク水では不可能な別々のテンポで手のひらで揺らしながら 狼麗の尻肉をサイズが微妙に合わないスクール水着に、手が無理やり押し込もうと スクール水着を引っ張り、尻を押さえつけ、飛び出ないか何度か尻を軽めに叩く その度に尻がスクール水着を飛び出、忌々しそうに尻は揉みしだかれ 無理やり広げられ、蟻の門渡りつまり股間と肛門の間辺りを指で突き そこから尾てい骨までをなぞり上げ、尻尾は無いのかといわん動作を取る 「ひっ!? そ、そっちはもういいだろうやめっ」 上は上でまだ続いている。指がセーラー服越しにくりくりと胸を押し込み 先端のあたりを探そうとするが、先ほどの動きで大体分かるのにこの動作をするのは おそらく仕置きのためだろう「見つけた」とわざとらしく指の動きを大きくし 適当に指を離すと、セーラー服からでもわかるほどラインが出た状態の胸 その先端に軽い曲線が現れる。先ほどの動作でどうやったのか スクール水着の胸部の素材すら薄くしたらしい、セーラー服がなければ、裸同然だ 「何故こうなる!? ハーミット本当に止めてくれっ!!」 「だから無理じゃ!!」 すっと最後の仕上げにニーソックスを太ももまで穿き上げさせると、狼麗の腕を後ろ出に無理やりまとめ 股も内股になるように無理やり押し込める。抵抗すればどうなるかと言うように 指が狼麗の胸の先をつんっと下から突き上げ、警告を終えると手は離れていく。 流石に抵抗を意を持たぬ狼麗は、その状況にうつむきその赤い頬とあわせ初々しいものがあった 写真を撮る音がすると手は完全に消え去り、ようやく狼麗は着せ替え地獄から開放されたのだ。 「酷い目にあった・・・」 「ワシも予想外じゃよ、スク水分隊でもつくるかえ? 隊長になれる腕はあろう」 「狼麗さん怪我は・・・ハーミットちゃんそろそろやめ」 そしてハーミットは再び犀を投げた、今度の数字は・・・3つまりリルの番が回ってきたのだ 今度の衣装はビキニ似た衣装。その上から纏うのであろう羽衣と大量の金色のアクセサリー 下はパレオのようなものとズボン風のものがあり、パレオ風のはヒップスカーフというらしく 腰布とその下に極力薄いスカートのような形、見るからに隠せるのは下腹部が極狭い範囲と、垂れた布で股間のあたりだけ。 ズボンのほうは踊り子の穿くようなハーレムパンツだが、素材がこちらもかなり薄いのは同じだが 「あの、これなんでこんなに太ももが?」 リルが戸惑うのも無理は無いかもしれない。ヒップスカーフはスカート部分の両脇に太ももが丸出しになるような 大きなスリットが入れられ両脚が堪能できる使用、ハーレムパンツに関してはさらに特化され 一応程度に股間を隠す前垂れ、そしてガーターのようなつながり方で膝上まで足が丸出しに改造され どちらも隠す機能を捨てた、それだけでは隠すべき場所が隠せないような 性的興奮をくすぐる道具となっていた。衣装全般の特徴としては細部のアクセサリは棒状の物が多く カラーリングは布部分の大半が紫であり金色の部分はアクセサリの場合が多く、紫と金色で統一されている 「お、踊り子!?」 「じゃのう、ファラプトあたりの」 「ろ、露出が多すぎます! バニーのほうがまだ少ないですっ」 特に下半身に関してはバニーのほうが本当に少ないかもしれない。隠すべき場所がしっかり隠れているからだ 絶対に隠すべき場所をあまり隠せないようなそのヒップスカーフとハーレムパンツにもだが 踊り子の怪しく滑らかなイメージが自分に合わず、テレがあるため抵抗もあるのだろう さらに極論から言うとビキニ風の服装、もっと極論から言うと露出が多すぎるのがいやらしいく 抵抗の色を見せたが、狼麗はそれが引き金であることをしり止めに入ろうとした 「リルあぶな」 「ふぇ? きゃっあっやだやめきゃああああ!?」 バニーの姿のリルが手につかまり、そのまま宙に持っていかれた。手はどこからつけ様かと 指をいやらしく動かし、そしてまず紐を解きバニーコートを身体から引き離しに入る 「ひゃっぁだめぇ!!」 するり・・・とバニーコートは力を失うが、何とか形を保っていた。だがその最後の抵抗もむなしく 三角地帯の天辺を指先が軽く引っ張ると、脆くも胸を覆っていた形は崩れ去っていく そのままスルリと落ちていくバニーコートだが、リルは全裸だけは回避することが出来た 「きゃあああっ!!」 「り、リルなんてことだ・・・ハーミット殿ほんとうにどうにも」 「くどいのう・・・リルの男がいれば倒せるかも知れぬが、正直無理じゃ」 手が乳房や尻肉を包み、見えないようにしているだけであるが。そして最後に残った紐パンツも 手にいいように弄られるだけであった。紐の中にてを突っ込み太ももの付け根付近を何度もなで上げ リルの顔を羞恥と恐怖で染め上げていく。そして股間を隠すように手が出現すると 「カウント・・・?」 「隠されるから大丈夫じゃろうさ」 狼麗のときと同じく、3本の指がすべて折り曲げられる間に、紐と肌の間から無理に指を動かし 股間を隠していたパンツの布部分、それの端を掴み、同時に紐を解くときのような持ち方を 紐パンの両端の結ばれた紐に行い何かの準備が完了してしまう これを見ていたリルの足は震えていた。そしてカウントが0になる前に悲鳴が上がる 「やっ解いちゃやだぁ!」 しゅるり。その音と共にリルの股間を守る布はあっけなく取り去られソファに捨てられてしまった 股間の前に手が現れ隠すが、ほぼ全裸であることに変わりは無くリルの顔が真っ赤に染まっていく 「は、早く穿かせてください・・・」 「手出しが出来ない、くやしいが見てるだけじゃ」 「くそっ本当に手段が存在しないのか!?」 懇願するリルに答え、手が動く・・・が手は確実にどこかへ移動している。それがどこかというと まず台所だった。そして他の手が現れるとその手には・・・ 「えっ? きゃっ何で泡が着替えにかんけ・・・まさか!? だ、台所でなんてまちがってあっやだ剃らないでやめ」 泣きじゃくるリルの声もむなしく響くだけ、何かを塗りたくる音と剃る音。狼麗のときと同じ音が台所に響く 何があったかリルはこの時に理解する羽目になったのだ。くすんくすんと泣きながら戻ってきたリルだが 悲劇はさらに続く、懇願したほどのそれはリルが望むそれとは別のものだったから 「えっなんでそっちが先なんですか!? み、見えちゃう!」 パンツより先に穿かされたのはあのハーレムパンツだった。一応前垂れが存在するので 完全に見えはしないが穿いてないことには変わりなく、固定もされていないそれでは かなり不安定だった。動けば露出しかねない状況に抵抗する力をそぐ形で動くこの手に リルはどんどん動きを封じられていった次は上・・・かと思いきや、ここでリルの目の前に二つのものが用意される 「な、何これ?」 ビキニともう一つ、紐を巻いたような模様の円形の先に踊り子の衣装についた棒状のアクセサリがついた物。 どちらがいい?というように手歯二つを突き出した だがどうすればいいか分からないリルに悲劇が襲う。勝手に円形のそれが選ばれると、いきなり胸の先端を押し出すように 揉み押され、それをだんだんと近づけられる。あせるリルだがもうどうしようもない。 「な、何をするんだ? 私が知っている限りだといやな予感しか・・・」 「あれはニップルピアスの類じゃろう?」 「人を遊びで傷をつけるな!? リル何とか助け」 「イヤリング形式だから心配はいらんじゃろう」 「きゃーやめっ痛ーっ」 暴れようにも動けず、それを胸の頂につけられたリルは目に涙をためて胸をみやる 桜色の輪郭を完全に隠すそれは、そこだけを隠すゆえに羞恥心を誘い 先端を掴み放さないクリップのような部分に、痛みを感じくすんっと喉を鳴らす それと同時に先端についた棒飾りが揺れ、性的な興奮を見るものに与える また写真を撮る音があとに、手はリルの胸にゆっくりと伸びそして 「ひゃあっ!? やっ引っ張らないでぇ!!」 棒飾りを引っ張り、リルの乳房が形を変え抵抗させる。イヤリング式のそれはこうすれば外れるのだが 中々外れず、リルを苛む。少しでも抵抗しようと身体を前に動かそうとするが 見えてしまうと言いたげに手が恥骨のあたりと太ももと腰の境界を掴み、動きを妨げた そのうち手は諦めて指が離すとぷるんっと元のきれいな形乳房に形は戻るが 手のほうは冷や汗をかいたような動作をしている。まさかという予感がリルの脳裏をよぎる 「は、外れないんじゃ・・・」 何も反応せず、先端の棒を弾く動作をする手にリルが涙目になるが、その棒状のアクセサリをクルクル回すと それは案外簡単に取れた、よかったと安心するがまだ安心は出来ない。次はビキニ風のそれで胸を覆うのだが ビキニと胸の下ぎりぎりをあわせて押し付ける、訳の分からない行動を取り始めた。 だがこれはただ単に、胸を触るだけの行動であった。ストラップのほうは別の手が結び、胸のほうは まるでビキニを張り合わせるようにすべり上げ、鎖骨のほうへと持っていく。これにリルが反応するが とめる方法はやはり存在せず、胸の辺りに貼り付け終えると反動で胸がぶるんっと大きく揺れる それを気にも留めぬように、肩の辺りまで手が滑っていくと首後ろで止めるとようやくそれは止まった 「な、なんでイチイチ胸を揺らすんですかぁ・・・」 「サービスサービスってやつじゃな」 何度も胸を揺らされ、狼麗も同じような事をされたのを思い出しリルが抗議するが サービスの一言で却下された後、首後ろでビキニの紐が結ばれ ようやくリルは胸のポロリを心配せずすむようになった。ただし下は例外だが 「もう終わらせてください・・・あれ?」 「何だあのベタベタは」 「ワシの作ったアロマオイルじゃな」 目の前の手がベタベタとしたそれで手と手の間に糸を作り見せ付けると、リルの身体をその手でまさぐり始めたのだ ベタベタとしたそれに抵抗があるのか、必死にイヤイヤをするが股間近くやビキニの中、尻肉やその間 さらに先ほどの狼麗が罰でうけたような、蟻の門渡りのあたりから尾てい骨まで塗り残しを完全になくなるよう 足の先まで塗り上げる。何故ガーター風に吊るすという特殊な形のハーレムパンツなのか それは、こうするとき楽だからか、塗り終えるのが楽なため露出が多いのかと思えるほど意外と早く塗り終わると 手が離れるころにはリルの身体はテカテカとエロティックに揺らめいていた。早く塗り終わったのは 抵抗をそれほどしなかったからかもしれないが、安心するとリルは熱っぽい息を何度か吐き出し安堵を・・・つけない 「きゃぁあああ!? み、見てないですよね? ねぇっ!?」 「見えんから安心せい、見えるのはおぬしのかわいらしい慌てぶりだけじゃ」 「ハーミット殿・・・趣味が悪いとおもうのだが」 「長生きのしすぎは怖いのー」 ハーレムパンツをとめていた腰の紐が解かれハラリと、軽い音を立ててハーレムパンツは脱げてしまった あの構造では止め具などの拘束がなくなればそうなるのは必須なのだろう。下に何もつけられず 手が隠すだけの状況が恥ずかしく、イヤイヤと暴れるリルに新たな希望・・・いや絶望が近づく 残っていたヒップスカーフを巻かる。股間近くの布は相変わらず固定されておらず ただ垂れ下がっているだけで、その下のスカート部分もかなり薄くさらにスリットの関係上、安心できるものではない 「ひっ!?」 「くっみててかわいそうになる・・・私のときより屈辱的だ」 そして再度、先ほどのニップルピアス風の飾りがリルの目の前に持ち出される。先ほどの記憶からか 抵抗しようとするが無駄なこと、ビキニのリボン結びを次々と解かれ、ビキニがぱさっと床に落ちる音の後 胸がもみあげられていく。取り付けるのに都合がいいように先端を強調した掴み方をされ つけるかつけないか考えてるような動作をしながら、あの飾りをリルの胸へと近づけていく 「ねぇそれつけなくてもいいじゃないですか? ねぇ聞いてます? ねぇやめてくださ」 最後の希望をかけたリルの言葉が通じたか、それは胸の先から離れ・・・たあと、イヤリング部分が開き 先端の突起を挟み込み固定されてしまった。突然の衝撃にまた悲鳴を上げ涙目になると 再度、写真を撮る音が聞こえた。ぐったりとグロッキー状態のリルを弄るようにまた手は動き出し また何度か棒状のアクセサリを弄り、ひっぱり胸をあちらこちらに伸ばしリルを辱めると ついに最後の仕上げとでも言うようなそれが近づく 「な、何で最後がそれなんですかおかしいです!」 最後にやってきたビキニのボトム風のパンツ、それを手が普通なら脇を持つのに対し、足の穿き口に指を通し 尻と股間を覆う部分に手の甲を当て抑える形にする。そのような持ち方をすれば 最後には股間と尻を触ることになり、腕のみのそれにしか出来ない方法とはいえリルもすぐに気づいた 「そ、それ恥ずかしいから普通にしてくださっねぇ!?」 触られたくないそこに近づかれ、あせるリルだがもはや時間などない。股間と尻肉に手が近づくとさりげなく指の位置を変え 幸い土手に当たる部分の外部を触りながら臍まで指を這わせるだけに終わったが、後ろは尻肉の間に人差し指が入り込み なぞり上げながら引き抜かれた。びくんっと震えたリルだがようやく手が彼女を解放する・・・ ただし狼麗と同じで謎解きをしかけられたが、それと関係なく先ほど股間の外周から臍に来た指が 胸の谷間の真下にやってくると、くぃっと指を弾き、それと同時に現れた指がリルの胸を押し込み、同じように弾きあげる 「ハーミット殿、なんで挑発するような動作をいちいちする?」 「元々の用途が用途だからじゃろうか・・・」 小さく悲鳴を上げたリルだが、謎解きがもう始まっていた。 何かをリルの腹になぞりそれが何か答えなければならないようだが 狼麗はそれに気づき、リルに対し踊れというがリルは青ざめた確かにダンスの経験はあるが。ベリーダンスなんて知らないのだ だが一か八かでもやるしかない。軽くオイルで濡れた指で股間ぎりぎりのあたりで指に押し付けられると リルはようやく開放された、だがどうすればいいか・・・タイムリミットだというように 羽衣を両手に纏わされ、手足や腰にも煌びやかな金色のアクセサリをつけられもはや 後には引けない。ごくりと喉を鳴らすとステップの第一歩を踏み出し、かしゃっと音がして手が消えていった 「あ、あれ?」 「どうやら踊る直前でいいらしいのう。それっぽいポーズじゃし」 「良かったプレリッテ殿! なんとか解放されたな」 狼麗が抱きつくのだが、長身の美麗といえる容姿の23歳の女性がスク水の上にセーラー服を着せられ 挙句ニーソを穿かされてる状態で、アロマオイルで身体をテカテカとエロティックにメイクされた 紫が主体の露出過多の踊り子服を着せられた幼そうな22の女性に抱きつく。文章でも絵でもなんとも混沌 「ハーミットちゃん今度こそ本当に」 「さて今度は」 「えぇいやめいっ!!」 いい加減にこれをとめるべく、犀を振り払おうとする狼麗だが間に合わず、再び狼麗の番が回ってくる だが今度は比較にまともな軍服・・・いやまともではなかった。お約束のように露出が多い どうやって露出が多いかといえば、簡単に言うと某銀河の歌姫の軍服姿でもイメージしてもらえばいいだろう 「選択肢は無いか、着よう」 「あぁ何でサイコロ振っちゃうんですか!」 「すまないつい」 渋々とセーラー服とスクール水着を脱ぐのだが、まず最初に着るのはあまり用途だけは変わらない ビキニだった。抵抗して先ほどの恥辱を再び受けるよりはいさぎがいいと、セーラー服のファスナーを外し スカーフもさっさと解き捨て、ぴったりと身体にフィットしたスクール水着も袋状の胸部が張り付いた胸を 引っ張り一度肌から放し、そのまま胸だけを露出させその後にストラップを下げて脱ぎ捨てていく。 「どれもこれも着心地がいいのがイヤだな・・・」 リルの衣装もだが、どの衣装も着心地がよく慣れてしまうと案外さみしいもので それに対しいやな感じだと狼麗は頭を抑えた。そしてテーブルの上のビキニを身に着けるが 誰がこんなのを喜ぶ? そう感じながらビキニの紐を結んでいく。靴擦れ対策として きちんとソックスも用意されてるのは最後の優しさか? ずれが無いようにビキニのボトムを引っ張り 尻肉をかく・・・せない。前面の面積はマイクロというほどではないがボトム後ろのみTバックなのだ 「誰の趣味だ・・・」 「昔余興で考えただけだからのー、何が出るか分からん」 着るのだけは話が早い。はみ出しなど気にせずに良いのだから。上と下に二つずつ用意された 白桃は一組は三角の布地に押さえられるも惜しみなく、そしてもう一組は惜しげもなくあふれ出し さらされた肉体は、この場の二人ならば何度も見たが男が見れば反応が一つしかないだろう 「こんな下着初めてだ・・・落ち着かん・・・」 「一応水着なんじゃがな?」 「軍服をつける必要性がわからない・・・」 だが内心、狼麗ははじめて嬉しくあった。この恥辱にまみれた罰ゲームの中で唯一 自分が一度は憧れた軍服に袖を通れるのだ。ただボタンを止めれぬのが残念だが どきどきと彼女は袖を通す。下がビキニだけなのはやはり惜しい。 Yシャツを着たいと言いたくなるが、手の存在があるためそれはできない 「ネクタイも忘れずにのう?」 「なぜつけるか・・・はもういいだろう」 「普通の軍服でもいいんじゃ・・・」 「いや、あの倒錯した感じがないとおぬしと釣り合いが取れん」 谷間の上を通せ、と指示を受けてネクタイをビキニで押し寄せられた胸の谷間の上に乗せ 軍帽を被りこれで終わりかと思った狼麗だが最後の、ズボンのような何かを見て首をかしげる 先ほどのリルのハーレムパンツに似て、ガーターストッキング風の軍服のズボンに似たそれ 言い方は悪いがストリップやSMで使い軍服のズボン風のそれを連想させる ふくらはぎの当たりから下膨れしたもので、本格的に狼麗は頭を抱える 「・・・ストリップでもしてたのか?」 「どうじゃろうかの?」 とりあえずズボンをさっさと穿く・・・が、パンツ部分がないそれは股間を隠すことが無い ガーターストッキングのストッキング部分が気持ちズボン風になったというべきか 最後に軍用のブーツ、こちらも本物らしく狼麗は少しだけ、こんなにものが簡単に手に入る ジ・ハーミットがうらやましくなっていた。そして同時に悔しい気持ちが生まれている 「普通の闇の国の軍服は?」 「こんな方法で着せたら本当におぬしを辱めかねんが、よいのか?」 「そうか・・・」 一度は諦めさせられた道、だがほんの少しまだ憧れもある。どうするか考えながら狼麗は 自分のプライドや憧れと相談しつつ、ブーツの靴紐を結び軍帽を少しかけなおし、着替え終えた イメクラか何かかに見えるが、狼麗の雰囲気からして本当の軍人の可能性もあっていいような そのように見える。写真を撮るカシャッという音の後、ハーミットが何かを投げ渡した 「拳法家として、使うことがあるかもしれぬからな」 「これは・・・」 拳を守るための手袋だった。皮で出来ているが魔法処理のおかげで銃弾にも耐え抜き まともな士官であれば白兵戦で銃を使わずとも拳だけで敵を制圧可能と 現実よりに見える闇の国において、意外な一面を見せる護身用の武器であった 「着けてもいいのか?」 「うむ、そんな格好じゃがな」 自分がつけていたかもしれない、もしかしたらこの手袋は本来の自分の手に合うものかもしれない ふとそんな、子供のときに出来なかったことをなした大人のような感覚に襲われ 狼麗はうっとりとその手袋に見入り、手の甲や指先までを嬉しそうに見やりその姿が写真に収められた 「いいな・・・ん?」 つんつん、と横腹を突く感覚に気づくとそこにはペナルティ用の腕が・・・何かしたかとあせるが どうやら違うらしい、ソファを指差すそれに従いソファへ向かうと、踊り子の姿のリルもそこにつれて来られる 周りを整頓し、背景をリビング全体ではなく壁だけにするべくソファは移動されており そのソファに座れといいたいらしい、何をする気だと狼麗はいぶかしげな顔をするが従わないわけに行かず ソファにどかっと座ると、対照的に小さく音を立てぬようリルは腰をかける。これで終わり・・・なはずはない 「っ!?」 「きゃっ!」 手が二人の手足や体系を思うように動かす、片手には飲みかけのワイングラス。もう片手でリルの腋に手を通し そのまま胸まで手を回され、胸の下を持ち上げるようにされた挙句、足を大きく広げさせられる狼麗 リルはリルで寄り添うような体系にされ、さらに太もものあたりは狼麗の右太ももに絡ませられ閉じれぬようにされる 「慰安中の軍人って所かのう」 「プレリッテ殿すまない胸はその・・・」 「し、仕方が無いですよ・・・あっ」 手が誘導し、たぷたぷとリルの片胸がたゆたい狼麗のその手を柔らかな感触で楽しませる。 お互いに恥らうように顔を背けるが、許されずに狼麗とリルは見詰め合わされ ただ揺らすだけでなく、狼麗の指がそのまま伸び胸を揉む様な形にされたりもした 「んっ・・・あの、もう少し中指避けてください・・・」 「避けたいのは山々だが・・・すまない」 こりっとしたそれを指先で認識して、指を離したいが周りの腕が許さず逆に中指だけ動きを加えさせられたりと やりたい放題にやられていた。ハーミットの言うようにファラプトあたりの慰安婦と女軍人とでも言うべき構図 胸や足の動きに合わせ何度か写真を撮られ、これで終わりかと思ったのだが 「きゃんっ」 「プレリッテだいじょきゃふっ!?」 リルが先ほどよりも狼麗との距離を縮め、身体をほぼ密着させた状態にされると今度は胸と胸を押し付けあわされる 胸がはだけてる格好のため無理があるわけではないのだが、何度か手が胸の辺りを調節している ここがいい。というような反応を腕がすると二人が小さく悲鳴を上げる。二人の胸が片方ずつ押し付けられる体位なのだが 先端の形を何か細工をしたのか、くっきりと浮かび上がるようにされそれを軽く触れるよう固定されてしまっていた 「は、恥ずかしいっ」 「胸を押し合わせるのなんて初めてだ・・・」 慰安婦と軍人の構図なのだろうが、これではどちらが慰安婦か分からぬような状態に二人はまた頬を赤らめる これが最後らしく要約二人は解放されたが、もじもじとお互いに距離をとってしまっていた だが、どこか息に媚熱が混じり瞳には求めるような涙の膜が張り、雰囲気ができあがっていた 「そういえばのう、さっきのは罰ゲーム用の魔法関係ないんじゃ」 「な、なん・・・だと?」 「思いついたから、やらせてみたくて調節したのでな」 「そんな酷いですハーミットちゃんっ」 「おぬしの男がどこかに行くとき、それがあれば彼専用じゃな?」 ははは、とダイスを回そうとするハーミットだが、狼麗の腕が先に動きそれを止めてしまう そして彼女が手を広げると、ダイスは落ちず・・・3と6の目が2つほど見えていた。 「細工してくれたようだな、怪しくてさっきのタイミングで盗み見た」 「バレたか・・・残念じゃ」 「だがサイコロなら、ここにあるだろう?」 最初に不正を隠すために、不正はないと宣伝する役目があった細工なしのダイスがハーミットの袖から ころりと音を立て床に落ちる。ハーミットは柄にもなくドクドクとその胸を鳴らしている それがなぜかは彼女にも分からない、いや今までの行動事態が彼女には分からなかった 「(なぜこんな事をしている?)」 押さえつけられ、テーブルの上に寝かされている自分の状況にハーミットは少しだけわれを取り戻す だが何時もと違い、まだドクドクと胸が熱いのは何故か、母親をつかさどる命のゆりかごが 女性の腹に収まっているそれが熱いのは何故か。それも分からずにいた 「(好き嫌いは無いが、ここまではせんぞ?)」 「2の目ですね・・・狼麗さん、選んでください」 リルがカタログのようなマジックアイテムを持ち狼麗に身体を密着させると、狼麗もどうするか 目を細め品定めを始めている。ハーミットは久しぶりの危機に身体を動かそうとするが 熱と気だるげな甘い感覚に身体が言うことをきかない。逃げることが出来ぬ状態にあせっていた 「のぅ二人とも何が・・・」 「ゲームだから楽しまなければな?」 「これかわいいですね、どうでしょう?」 普段ならこんな形ではなく、叱るなりするはずの二人が同じことを、しかも楽しげにやろうとしている ありえない状況と今までの自分の行動、これらを参考に答えを出そうとするハーミットだが それを妨げるように、狼麗の手がハーミットの肩に触れ、エプロンを肩からずり落としていた 「ルール違反・・・はどうなる?」 「二人とも落ち着くんじゃ、どうし」 「ダメですよ、私たちは脱いだり脱がされたりしたんですから」 肩にエプロンをかけなおすリルの言葉そして二人の目に、ハーミットは戦慄した。 その目は色情で彩られた、自分が知る本当の二人が自分に向けるはずの無い物で そしてその瞳に映る自分もこれからを期待するかのように、目に熱を灯してることに 「どうしてこうなった・・・」 「さて、何を着てもらおうか?」 テーブルの上に組み敷かれた己の、今までの行動と心と離れたように反応を見せる身体に ハーミットは目を閉じた。こんな事になったのは何年ぶりだろう。と 続く そのころ大木を加工した倉庫内部。暗黒日曜大工で作られたそこはロボットが入るには申し分なく ジアゼレスは静かにそこで主人の帰りを待ち、意思の無いガンファニスとヴェーアヴォルフェーに せめて意思疎通ができればと、つまらなそうにしていた・・・ 「・・・(これ、暗黒連合のメイド長でやる以前にSDロボでやる意味があるのかなぁ?)」