■東方大陸史■第十二章「世界征服の前哨・後」 「進め進め大連合  幾億の精霊も我等に跪き  今や我等に恐れなし    進め我らが大連合  次はトロネア  次はカナリア  今や我等に恐れなし  忌まわしき敵に絶望を  忌まわしき歴史に終止符を」 −−闇黒連合軍歌『進め大連合軍』ver.魔導王国併合記念詞−− 暗黒暦2555年7月。 魔導王国が闇黒連合軍によって滅ぼされる。 さらに同年6月にはカリメア合衆国率いる西方同盟軍との一大海戦に連合軍が辛勝。 死者は両軍合わせて80万人を超え、両陣営の海軍は壊滅に近い損害を受けたが 同盟軍は、スリギィ領トロネアへの補給線の確保に失敗し 連合軍は逆に補給線を絶つ事に成功。8月には連合軍バルバトス元帥の命令が下り スリギィ領トロネアへの第三次総攻撃が開始された。 この情勢を受け、去就を決めかねていた中立国のいくつかが連合軍への参加を表明する。 その内、大国と呼べる国家を述べればフラン共和国。ファラプト。火山の国。リーブス王国の4ヶ国であり これで闇黒連合国は、ユーロ大陸・南カリメア大陸への橋頭堡と、北方世界への海路を手に入れる。 一方、連合軍の本格的な侵攻に晒されたスリギィランド・トロネア駐留軍は トロネア副王ウィリアムの指揮の下で、圧倒的な戦力差に屈する事なく善戦を続け 連合軍に打撃を与えながら戦略的な戦線の縮小を続けたが、翌年3月にはトロネア城を包囲される。 今や白地金十字の旗は風前の灯。しかし希望は失われていなかった。 カリメア合衆国軍を中心とした第8次トロネア救援軍が組織され スリギィランド領エリン島より南下を開始。 その数・・・動員艦数5600隻      搭載機数678000機 これに対し、半壊状態の連合海軍は民間船までも掻き集め 1255隻の艦隊を編成。ネイビー、ナミヒラ両提督に率いられたポートヴァンガードを北上。 さらに暗黒の国・闇の国より同盟軍勢力下のジブラ=ルタル海峡を強行突破してきた艦隊が合流。 それでも1829隻と数の上で圧倒的に劣っていた連合軍はレーメン海岸に布陣。 地理的に見て、同盟軍の上陸予定地でありトロネア城に次ぐ 同盟軍の拠点であったポートルタルから離れた位置にレーメン海岸はあり 同盟軍は連合軍の布陣に首を傾げたが、戦力を温存する為に決戦を避けたのだろうと判断した同盟軍は そのままポートルタルへと入港。 暗黒暦2556年4月。 トロネア城救援の為に南下を開始した同盟軍に凶報が舞い込む。 トロネア城陥落 トロネア副王ウィリアム以下同盟軍将兵の多くが戦死したとの報であった。 トロネア城はスリギィランド領トロネアの首府であり、それに見合った防衛施設を備えた堅城であったのに 何故? その答えはすぐに訪れた。 空の向こうから同盟軍に迫る6つの巨大な黒い影 全幅2800m 全高1500m SDロボ搭載可能数2120機 後に黒い水母と称される事になる連合脅威の技術力の結集体 闇黒連合軍八分割域制圧司令部用空中機動要塞 【DarknessFortress】 暗黒暦2552年から1番艦コンクエティナ(後のコンクエストスリギィ)の建造が開始され 今日に至るまで秘蔵されてきた連合の世界征服の要である。 バルバトスの号令の下、陸海そして空。全ての連合軍部隊が同盟軍に対する攻勢を開始。 この時点まで、航空艦という概念と開発計画は確かに各国に存在していたが 実際に作り、さらにここまで大規模に運用したのは闇黒連合国だけであり、それ故に 航空機の戦闘中の補給体制に劣った同盟軍は、あっという間に制空権を喪失。 逆に制空権を奪い取った連合軍は、空から豪雨のように艦砲射撃を浴びせ同盟軍を圧倒。 後に【バルデス退却戦】と呼ばれる同盟軍の東方大陸からの撤退戦は苛烈を極めたが この一連の戦いで両軍では多くのエースパイロットがその名をあげる事になった。 暗黒暦2556年4月29日。 ポートルタルで最後の抵抗を続けていた同盟軍が連合軍に対し降伏。 威容を誇った同盟艦隊はカナリア諸島沖海戦で連合軍にまたしても敗北し 生き残った艦隊はそれぞれの祖国へと逃げ散り こうして西方同盟軍の勢力は東方大陸から一掃されてしまった。 同年6月。 連合酋長レヴィア・スペリオルはトロネア城へと入場すると 連合各国の指導者を招き、トロネア王即位式を敢行した。 ダークエルダーよりトロネア王の地位を授けられたレヴィアはこれで 暗黒歴2021年より失われてきた最後の称号を得た。 レヴィアの称号はこの時点で ベアトリス王、ラッセリア王、バイエイズ王、トト王、ハンス=ハルト王、メルカリア王、カナン王、 ラカリハ王、アレクニア王、ミナーニャ王、魔導王、及びトロネア王レヴィア・スペリオル1世。 という長大なものであり、闇の国のテネブリア王位以外の東方大陸全ての王位を手にし そして暗黒の国のダークエルダーより依頼を受け、レヴィアは暗黒皇帝位に正式に即位した。 暗黒暦2557年1月。 闇黒連合国皇帝にして最高司令官であるレヴィア・スペリオルは 連合国軍に対し世界征服計画の実行を命ずる。 バルバトス率いる第1総軍はフラン王国を急襲。これを散々に蹂躙し尽し滅亡に追いやる。 バルス率いる第2総軍はディオール王国へ遠征。ディオール国軍を半壊させディオール領南部を制圧した。 カナリア諸島からはジェラード=モードレッド率いる第8軍がスリギィランドへ。 バルク・カザード率いる第9軍がエルフィーナへ。 ソフィア・ファーゲルホルム率いる第10軍がザイクリンデへ、それぞれ遠征を開始。 イヴ=インフェリオル率いる第11軍はイタリャーナへ侵攻。 ナミヒラ率いる第3総軍が闇の国を発ち、連合を離脱したファラプト懲罰戦争を開始。 後、第3総軍はリュウグウへと目標を切り替え、ファラプト懲罰はジュリア=シーザリオン率いる第15軍が担当。 さらに第3総軍よりシニヤ・クーデス率いる第12軍がバクフ遠征を開始。 ヴェリル=カラミティオル率いる第16軍はウィズラドへと侵攻。 この月より、連合軍は続々と世界各国への侵略の手を広げていき そして 現在。 暗黒帝国幹部・修羅姫はこう現状を語った。 「闇黒連合軍将兵達は、今日も戦いの先に栄光がある事を信じて死に続け  今や全軍の平均年齢は大幅に下がり、十代の若者達が戦争の主役に成り果てている。  明日はどうなるだろう。  昨日死んだ者に報いる事が出来ているか。  そんな疑念を掻き消すかのように  今日も彼らの死体の山が積み重なっていく。  それでも我等は全力を尽くすしかない。もう、後戻りは出来ないのだから」 僕の考えた東方大陸史 【妄想終了】 \\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\