『突発的市長とおてんば娘妄想台詞掛け合い(台本書き)』  グリフ・マイヤー…最強の市長。  シャーロット・マイヤー…最強の市長の娘。 ※ジム…未投下設定。♂。市長の秘書でありストリートマルス公式審判団。 「失礼します市長。こちら州議会への公共事業申請書です。市長の思いの丈が伝わるように  努力はしてみましたが…あの石頭達を動かすには小説家を雇ったほうが良いかもしれませんね。」 「今度の定例議会で掛け合ってみるか…うむ、完璧だよジム。いつもすまないね。」 「市長のご苦労を見過ごす輩はこの建物にはいませんよ。ああもう一つ、四時からの病院機能視察の前に  ご面会が一件ありますが構いませんね?」 「おいおいジム、君にしては珍しく強引だな。うーむ、少々時間がタイトだ。君かキャシーに  代わりに用件を聞いてもらって、後日面会というわけにはいかんかね?」 「申し訳ございません市長。貴方でなければ駄目な理由があるのです。」 「そうは言われても私には私の責務がある。ろくに支度も出来ずに視察をするわけにはいかんだろう?」 「でしたら施設側に掛け合って視察の日程をずらしましょう。」 「こんなことは言いたくないんだが、それが君の本音だというなら私は君の勤務評価を見直さなくてはならない。」 「市長、これは私個人の意見ではありません。この面会を優先していただくことは市職員の、いや、市民  全員の願いでもあります。」 「ならプライベートの時間を割くから土曜日はどうだね。何を言われても私は職務を放棄するつもりはない。  誠実さを失ったリーダーを市民が支持してくれるとは思わんよ。」 「あの、実を言いますと…このドアの向こうに、もういらっしゃるのです。」 「もしかしてお仕事の邪魔しちゃったかな。」 「…シャーリー!おお、シャーリー!戻っていたのかい!?」 「ごめんねパパ。どうしても会いたくなって駆けつけてきちゃった。」 「なんて優しい娘なんだろうか。パパはもう…嬉しくて、嬉しくて…。」 「やだパパ泣いちゃ駄目よ。強くてかっこいい市長が泣き虫だなんて知られたら子供達が悲しむわ。」 「怪我はしなかったかい?体調は崩さなかったか?三食しっかりバランスよく食べていたか?  変な男に騙されたりは?お金に困ることはなかったか?」 「うん、うん、パパ、痛いから離して。」 「全然連絡をよこさないものだからもうパパは心配で…心配で…ふぐうう。」 「ほらほら泣かないの。よく見て、私が元気じゃないように見える?」 「…うむ、元気そうだ。しかしシャーリーはどんどん可愛くなっていくなぁ。」 「おべっかを使うなんてパパらしくないわよ?」 「本当だとも!シャーリーは世界で一番可愛い!」 「一番はママなんじゃなかったの?」 「ママは一番『綺麗』なんだよ。」 「あらお熱い事。」 「しばらくはこの街にいるんだね?」 「うん、十分に修行も積んだからね。」 「うんうんそうかそうか、じゃあ近いうちにお帰りパーティーをやろうな。」 「ううん、それは私が優勝したらにしようよ。今発散したら技の切れが鈍りそうだもの。」 「うんうんそうかそうか。」 「…ん?ちょっと待ってくれ、優勝って何のことだい?」 「何言ってるの?ストリートマルスに決まってるじゃない!」 「参加するつもりなのかい?」 「もちろん!もう登録も済ませてあるわ!」 「……。」 「……。」 「…ハハハハハ!面白いジョークだなシャーリー!久々の大傑作だよ!」 「パパ、あたし本気よ。」 「おおシャーリー、可愛い娘よ、お前が傷つく姿を私やママが喜ぶと思うのかね?」 「私が何のために旅に出たと思ってたの?遊んでたわけじゃないんだからね?  パパみたいに逞しく、強くなるために鍛えてたのよ?」 「娘が戦うなんて私は絶対に許さないからな。」 「子ども扱いしないで。私はいつまでもパパの娘じゃないの。もう自分の身は自分で護れるし  パパの事だって越える自身はあるもの。」 「たいした自信だな。だが駄目だ。審判制はあるが非常に危険な大会なんだぞ。  女の子が興味本位で足を踏み入れていい戦いじゃない。」 「九歳の女の子だってエントリーしてるのよ?私に出来ないと思うの?」 「私は家長として、お前の話をしているんだ。他がどうであろうとお前を出場させるわけにはいかない。」 「パパだってお祖父ちゃまお祖母ちゃまに反対されたのにマフィアと戦ったんでしょう?  私もパパに倣って反対を振り切って出場させてもらうわ。」 「シャーリー、聞き分けの無い事を言わないでおくれ。私はお前のためを思って…。」 「わからず屋のパパは市民の自主性は尊重するのに、私の意思を尊重してはくれないのね。」 「解っておくれ。私は心配なんだよ。力や技を試したいのなら普通の格闘大会に参加すればいいじゃないか。」 「…市長、私は貴方に対して挑戦権を行使します。」 「…!馬鹿なことを言うな!そんなことは認められない!」 「ルール的には何も問題はないわよね、ジム審判員?」 「え?ああ、ええ、特に問題となるような事ではありませんね。」 「ジム!お前、なんと言う事を!」 「すみません市長、職務中であっても大会に関わる最低限の時間は割いても良い、と条例で決まっておりますので。  シャーロット・マイヤーからグリフ・マイヤーへの挑戦を受理いたします。」 「…なんという事だ。」 「試合日程は後日にしますか?」 「勿論今、この場でよ。どっちにしたってパパがこの場で私を開放してくれるとは思わないもの。  よろしいかしら、市長さん?」 「私、グリフ・マイヤーは…挑戦者シャーロットマイヤーの申請を…受理…する。」 「承知いたしました。それでは大会規定第三条二項に基づいて試合を開始させていただきます。  両者、大会ルールに則ったフェアプレーを心がけてください。準備はよろしいですか?」 「市長、私ワクワクしてるのよ。ずっとずっと憧れだった人と戦えるんだもの。」 「…こうなった以上手加減はしないぞ…。私は最強の男、グリフ・マイヤーだ!かかって来い小娘!」 「パパ、大好き!」 「私が勝ったらすぐに棄権するんだぞ!解ったなシャーリー!」 「READY? FIGHT!」 〜つづかない〜