アレス ■ストーリーモード:ゼウスルート■ 条件:ゼウス解禁後 ■OP■ (街のごろつき共が集まるクラブのVIPルーム。) (薄く煙った空気、キックの音がズンズンと響いている。) (両脇に美女を従えて、ソファに腰を沈めているのがアレスだ。) (マリファナをふかしながら手下達と談笑している。) (突然ドアが開き、手下の一人が駆け込んでくる。) 伝令「し、失礼しますボス!大変なことが…。」 女A「なによいきなりぃ!」 幹部A「んだコラ、楽しい気分に水差してくれやがって。」 幹部B「どうせまたファウナんとことの小競り合いだろ?お前らで対処しとけって言ってんだろが!」 幹部C「大げさなんだよお前らは。」 幹部D「オイ、つまみ出せ!」 (幹部Cが指を弾くと、ドアの両脇に控えていた屈強な男達が伝令を抱えあげる) 伝令「ち、違います!ゼウス…ゼウスさんが!」 アレス「待て。」 (アレス、立ち上がって男達を止める。) (降ろされて床にへたり込んでいる伝令の前に立つ。) (フロアのライトに途切れ途切れに照らされる貌は凄みを帯びて見える。) アレス「詳しく聞かせてもらおうじゃアねぇか。」 (暗転。) (同じくVIPルーム。ソファに腰掛けたアレスとテーブルを挟んだ向かいに立っている伝令。) (幹部と女達は遠巻きに見守っている。) アレス「ワケ解んねェな。一生ム所暮らしじゃなかったッてのか?」 伝令「俺もよく知らないスけど、シホートリヒキがどうとか…。」 アレス「検察まで抱き込みやがったッてか?ハッ!さすがは裏社会のドンってヤツだ。」 伝令「さすがボスのパパっすね!マジハンパねぇッス!」 (アレスの目に殺気が走る。誰もそれに気づいてはいない。) アレス「わざわざ出てきた目的は何だ?」 伝令「いやあの、俺が聞いたのは復帰したって事ぐらいで…。」 アレス「まァいい。良く報せてくれた。…ただお前には罰を与えなきゃならねェな。」 (いきなりテーブルが蹴り上げられる。) 伝令「え。」 (テーブルを砕いて飛んできたアレスの拳が伝令の顔面にめり込む。) (ガラス窓を突き破って、ダンスフロアに堕ちていく伝令。悲鳴がフロアを包む。) (それを見下ろすアレス。取り巻きたちは怯えた眼差しをアレスに向ける。) アレス「死に損ないのクソ虫とオレを同列に並べるんじゃアねぇよ。なぁ、お前ら?」 (必死で首を縦に振る取り巻きたち。) (アレスのアップ。どこか楽しげにも見える表情。) アレス「…ウザってぇ害虫はプチッと潰さなきゃ、だな。」 ■対戦前ムービー■ (燃え盛る市庁舎の屋上。) (倒れ伏すグリフとその脇に佇むゼウスの元に、返り血を浴びたアレスがやってくる。) アレス「ヴォンジョルノ、ミスタ・グリフ!アーンド、ヴォンジョルノ、クソ虫!」 ゼウス「…貴様、何故ここに?」 アレス「今日はオレの人生で最高の日だ!ウザってえ市長はくたばった!そして残されたのは哀れなクソ虫一匹だ!     これほど楽な仕事はねェよ!」 ゼウス「邪魔者が入らないようファミリーに言いつけておいたはずだが…その様子では全滅か。」 アレス「害虫駆除ならオレに任せときな。あと残ってンのは親玉だけだ。」 ゼウス「…何をしに来たのか、聞くまでも無いようだな。」 アレス「クソ同士が潰しあってくれたお陰で手間が省けた、感謝するぜ。」 ゼウス「何も知らん小僧が、私とグリフの闘いを愚弄するな。」 アレス「知りたくもねェ。アンタの手柄をオレが総取りして終わり、シンプルだろ?」 ゼウス「…思い上がりも甚だしい。少し灸を据えてやる必要があるな。」 (ポケットから手を抜くゼウス。禍々しい闘気が立ち上り、目つきも鋭く変化する。) (アレスは動じない。) ゼウス「娼婦のガキ如きがこのオレを斃せると思ってンのか?ああ?」 アレス「…オレはここでオレの血を清算する。この街の歴史からお前達の痕跡を消し去ってオレが     唯一の帝王になるンだ。」 ゼウス「ゴチャゴチャうるせンだよ!楽には殺してやらねェからな、覚悟しとけ。」 アレス「こっちのセリフだ、クソオヤジ!」 ■ED■ (ドアを破って消防隊と一部の大会参加者が駆けつける。) (炎の中最後に立っていたのはアレス一人だった。) (狂ったように笑っているアルス。) 「ハ…ハハハ…ヒャハハハ!殺った!遂に殺ってやった!これでオレがこの街の頂点だ!」  もう誰も俺を脅かすヤツはいねェ!ゼウスを、裏社会の神を殺したのがこのオレだ!  敬え!恐れろ!暴力と恐怖で彩られた新しいマルスタウンの歴史がここから始まるンだ!」 (呆然とアレスを見守る一同。) (炎に耐え切れなくなった市庁舎、遂に屋上の床にヒビが入る。) (アレスが崩落に巻き込まれる。) 「な…う、うわぁああああ!」 (瓦礫に半身を埋もれさせて身動きが取れないアレス。) (必死に叫んでも、煙と燃え盛る炎で誰も気づいてはくれない。) 「おい!誰か…クソッ!誰か助けろ!体が…動かねェ…ッ!」 (必死に抜け出そうとするアレスに影が差す。) (見上げると、巨大な瓦礫が今まさにアレスに向かって落下するところだった。) (青ざめるアレス) 「(ふざけんじゃねェぞ、ウソだろ、オイ。オレは今まさにこの街の頂点に立ったんだぞ?  こんな所でくたばるなンてそんなバカな話があってたまるかよ。)」 (落下した瓦礫がアレスに迫る。) 「…ッ!オレは帝王…」 (カットアウト。) (ゼウスとグリフが救急車に搬送される様子。) (救助に来た大会参加者達にクローズアップ。) (燃え堕ちていく市庁舎の外観から徐々にズームアウト。) (スタッフロール。) (スタッフロール後。ニュース画面。) (市長の負傷、ゼウスファミリーの壊滅、市庁舎の焼失を報じている。) (「尚、この火災に巻き込まれてアルフォンス・カロ君が行方不明となっておりますが   瓦礫の撤去が終わった現在も遺体は見つかっておりません…。」) (to be continued?)