とうじょうじんぶつ マリク・・・闇の国の王様。 エレン・・・闇の国のお后様。 アルヴィオレ・・・王様のボデーガードたる近衛隊長 あらすじ 時は闇黒連合と世界との戦争の末期。 暗黒の国も暗黒帝国も既に降伏してしまったのに闇の国は徹底抗戦を続けていた。 でも、それも今宵でおしまい。 敵はついに闇の国の首都への総攻撃を開始。闇の国の命運は途絶えようとしていた。 そして闇の国の王様マリクとそのお后であるエレンは 王族として 「マリク様と一緒なら・・・エレンは何も怖くありません」 「・・・わかった。永遠の夜も。二人で眠れば安らかに眠れるよね・・・」 「はいッ!」 二人は薬を同時に飲み込むと静かにベッドへと倒れた 「・・・ねぇエレン。」 「・・・はい」 「好きだよ。ずっと」 「私も・・・マリク様が大好・・・・・・」 「・・・もう入ってきてよいぞアルヴィオレ」 「ハッ!」 ドアが開くとアルヴィオレと数人の兵士が部屋へと入る 「諸君等に闇の国の王として最後の命令を与える。」 「ハッ」 「余の妻を連れ国外へと脱出せよ。以上だ。戻ってくる必要はない。さらばだ・・・」 「陛下・・・最後の最後にこの名誉ある任務を遂行できる事を我々は誇りに思います。国王陛下万歳!」 「国王陛下万歳!」「国王陛下万歳!」「国王陛下万歳!」 「それでは陛下・・・」 「・・・アルヴィオレすまなかったな。小さい頃から悪態をつき、最後はこんな有様で」 「・・・なに、最後に良い仕事を頂きましたからチャラですよ。アバヨガキ」 アルヴィオレ以下兵士達は眠りについたエレンを連れて秘密の地下道から脱出を図る そしてマリクは 「お祖父様、マリクは女の子一人守ってあげられませんでしたが  お父様の分まで国王の責務を全う致します。さようなら・・・僕の大事な マリク・スペリオル・ケムトサラーム  戦後、戦争犯罪人として裁判にかけられ幼年である事から擁護も多かったが 「闇の国の人々の罪は彼一人で贖わなければならない」とする同盟軍首脳の判断により銃殺された。  享年9 アルヴィオレ=嵐群 エレンを送り届けた後、王城へと舞い戻り戦死した。 「やっぱり男ってのはこうじゃなくちゃなぁ!そう思うだろ雪 享年28 エレン・ケムトサラーム エレンは戦後にドワッヘンへと亡命 だが慣れない風土に彼女を病に侵され若くして死んだ 享年23 彼女は終生亡き夫を慕い続けていた。 今日、闇の国最後の王マリクについて知る事ができるのは 彼女の口伝によるところが大きいという。 おわり