LASTSEVENDAYS,7/7day  そこには何もなくただ真っ白な世界が広がっていた。  コロッセオの空間処理機能が落ちているようだ。耳鳴りと共に、視界にノイズが走っている。鼻腔でざらついている空気、舌触りの悪い匂い。崩壊は着実に、確実に進んでいる。竜の盾は敗れたのか、間に合わなかったのか、それはレオニードの知るところではない。  時間の感覚も曖昧だ。抗戦の狼煙を上げたのはいつだったか。ここはコロッセオの何処であるのか。曖昧だ。彷徨い歩いているだけだ。感覚が只管に鈍い。俺は。 「レオニード=スカイウォーカー?」  自分を呼ぶ声。色が滲み、現れたのは、白熊の獣人だった。テロ組織、プラネタの幹部である男。 「リック…リック=ウェンロック」  その言葉から広がるように、世界は産声を上げ、形成されていった。板張りの床。汗の臭い。暖色。大窓から見える景色は緑だ。 「ここは…」  よく知る場所だ。忘れるわけがない。ここでレオニード=スカイウォーカーは生まれ、育ったのだから。獣の国、獅子王流の道場を模したコロッセオ空間だった。やはり、アガットやミツヨシの予測通り、コロッセオの中央に侵入したウイルスが形成プログラムにバグを引き起こしている。侵入者、この場合はレオニードの深層意識に介入し、記憶を元にこの空間を形作った。そして、それは、恐らく人によって見え方は異なり― 「―君にはどう見えているんだい、この景色は」  はっとして、リックの瞳を覗き込んだ。見ている景色を懐かしむ眼ではなく、澱んでいる。お前には何が見えているんだ、と返せる筈もなく口を噤んだ。自然に足が一歩下がる。鼻の頭を掻く仕草は、言葉にしようとする前のリックの癖だ。そして、それは多くの場合、抉る。 「死んでいればよかったのにな」  上半身が消えた。板張りの床が粉々に砕けた。リックの右拳が突き刺さっている。 「そうすれば、俺がお前を殺すことは無かった」  躱そうと身を捻ったが遅く、足場ごと持ち上げられ、体勢を崩した。そこへ左足が襲う。避けきれないと悟るが早いか腕を畳んで受けた。衝撃が全身を駆け巡り、地面を削りながら吹き飛ばされた。 「中央へは行かせないぞ、レオニード」 「貴様…」 「尤も、計画は最終局面を迎えている。もう遅い。世界はあるべき姿に戻るだけだ」  義手をつき立ち上がる。 「あるべき姿だと?」 「そうだ。差別も支配も無い世界だ」  ふん、と鼻を鳴らした。何を世迷言を言うのか、と。  この世の理は弱肉強食。強い者が生き、弱き者が糧になる。 「俺たちプラネタがこの腐った世界を繋ぐ『鎖』を断ち切る」 「よく喋る男だ」  そして、その理は今、この場にも当てはめる事が出来る。 「ぐだぐだ言わずかかってこい」  己の望みを、我を通すならば、ただ一つ、勝て。 「おおおおおおおおおおおお!!!!」  叫び、踏み抜かれる床。リックが視界から消えた。  瞬間移動かと見紛うほどのスピードだった。目で追っては対応できない。劈く空気を感じて身を捩った。リックの左脚が死神の鎌のように差し出される、蔦技、山蕨だ。相手の首を刈りあげる打極複合の技だ。避けると同時にムラサメアームから榴弾を発射した。それは遠くで爆発した。リックは掌を作り、レオニードの腹部に叩きつけた。内臓を引き裂くような衝撃が身体の中で波紋する。当身、山茶花。喉の奥で鉄の匂いを嗅ぎ取りながら床を転がった。 「その程度か! レオニード!!」  レオニードはほくそ笑んでいた。  ただ、やられていたわけではない。距離をあけながら、呪文を詠唱していたのだ。クイック、タフネス、パワード。四肢に力が漲っていく。元より獣人として高い己の身体能力を最大限に生かす為に辿り着いたのが、この竜の国の補助魔術だった。獣人は魔力が先天的に低いらしく、パフォーマンスの全てを出すにはいかないらしいが、実戦では充分だ。湯気のように見える魔力をゆらりと放出しながら、レオニードは立ち上がった。 「俺の身体能力についていく為に魔術か」  リックの瞳が淀みを濃くした。それに一抹の恐怖を覚える。こんな圧力はしばらくなかった。それが嬉しくもあるのは闘士としての本能か。  二人はゆっくりと構えを取った。獅子が薺、手数で圧倒する連打の構え。白熊が鈴蘭、捌きを主体に重い一撃を与えんとする構え。同じ武を修めたにも関わらず、まるで正反対だった。その構えも、心も。  空気を裂く音がした。  獣人たちの肉体がぶつかり合う。  右足。左掌。肘。葉桜。凌霄花。左拳。  山茶花。頭突き。牡丹。蔦。膝。  鴨脚。菊花。右拳。右足。竜舌蘭。  金盞花。見早。沈丁花。珠呂竹。  絶技の応酬。 「おおおあッ!!」  突き出されたその機械の拳に合わせて、リックは腕を絡めた。柔法、緋寒桜。力の軸が変わり、勢いのままにレオニードを顔面から床に叩きつけた。その瞬間、リックは脛に痛みを感じた。レオニードの左手にマチェットが握られていた。ただではやられん男だ、とちらりと思った。踵で踏みつけようとしたが、反転して立ち上がり、マチェットを振るった。 「体術で敵わないと見るや即座に武器か」  軽々と躱し、鳩尾につま先を突き刺した。レオニードはくぐもった息を吐きながら、マチェットを投げつけた。一瞬だけ視線が外れた隙に、ステップを踏んだ。オートマチック50口径を抜き撃ちする。獣人の腕力でなければ片手では撃てない代物だ。3発の弾丸が発射される。しかし、その弾丸すらも軽々と躱し、あろう事か初速400m/sに迫る速度で射出された物体を摘みとった。 「銃弾程度で俺が捉えられるとでも思っていたのか?」  リックの右腕から投げられた銃弾は、ピストルから放たれた時の速度を超えて、レオニードの右足を抉り、床に着弾した。 「ぐ!?」 「がっかりだよ、レオニード。あの日から少しは成長したかと期待していたんだが…」  完全に想定外だった。魔術で底上げした身体能力で、超えるまではいかなくとも、ついて行けると思っていた。しかし、それは違った。明らかにスピードもパワーも自分の遥か上を行っている。それだけではない。スピードもパワーも、更にテクニックさえもその全てが人知を超越していた。極限にまで鍛え上げられた獣人の肉体。鍛錬により、魔術も機械をも越えようとしている男がそこにいた。 「だあああ!!」  ムラサメアームの高周波ブレードを展開して袈裟斬りにしようとするも、リックの下段蹴りで軽く体勢を崩され、右拳がカウンター気味にレオニードの顔面を捉えた。脳が揺れ血が吹き出す。両足から力が抜ける。体重を支えきれなくなって床に伏せようとした瞬間、義手を掴み、強引に引き上げられた。 「…こんなものに」  覗いた目はやはり澱んでいる。食いしばられた歯がぎりぎりと音をたてる。銃弾すら軽く弾くほどの強度を持つ義手が、その身体能力を極限にまで高めた獣人の握力によって軋んでいた。その手は血で汚れている。白い体毛もほとんどが真っ赤に染まっていた。優しき拳、と言われた男の面影はそこには無く、まるで鬼のような形相の男が一人いるだけだった。  空いた拳が高く振り上げられた。咄嗟に逃げようとしたが、義手を握られて身動きは取れず― 「こんなものに頼っているから俺には勝てんのだッ!! レオニード!!!」  ―全力で拳が叩きつけられ、その衝撃はレオニードの身体をも貫き、床を破砕し木片を飛び散らせた。その一撃でレオニードの意識は跳んでいたが、リックは構わず拳を打ち続けた。 「獣人の! 獅子王流の! 誇りはどうした!! こんなもの!! こんなものに頼っているから!! 駄目になっていくんだ!! 獣人も!! 国もだ!!!」  激しい怒りと憎しみ。何もかもを破壊せんと、男は、ただ。リックに見えている景色は、世界の澱み。憎しみの連鎖。その記憶。 「答えろ!! 答えろ、レオニード!! コロッセオは何の為にあるんだ!! こんなものが無ければ出会う事もなかった!! 虐げる者! 虐げられる者!」  リックは、その目で見てきた。差別。貧富の差から起こる支配。虐げられる人々。口にするのも憚られる程の痛みを心に、身体に刻みつけられた者たち。プラネタの構成員にもそういう者たちは多い。せめて、自分の手の届く範囲は守りたいと思っていた。我々を虐げる悪から。 「僕だって! 僕だって!! やれることはやってきた!! 過ちを犯す者たちを排除してきた!!」  忘れることは出来ない。誰かを守るために奪ってしまった命も。初めて奪ってしまった命は、鉄の国の大企業の幹部の老夫婦。悪は、ああいう風に怯えるのか。身を寄せ合い互いを守ろうとするものなのか。悪だと思っていた。悪は愛を語り、大切な者を庇って殺される、そんな普通の、人間だった。 「それももう限界だ!! 人は!! 求め!! 繰り返す!! 富の為に!! 弱者を作る!! そんな事の為に!!」  結局は人がいる限り。何も無くならない。それぞれに異物だと思っているのなら尚更に。このコロッセオがその象徴で、システムで、根幹で、三国を繋ぐ物を破壊してリセットする。百年に渡る憎しみの連鎖を。  それが例え、世界を破壊することになったとしても。  澱みのない、真っ白な世界に。 「答えろレオニィィィィィィドォォォォォォッッッ!!!!」 「……言いたい、こと、は、それだけか」  こちらを見る真っ直ぐな瞳。レオニードの瞳はまだ生きていた。戦車にすら風穴を開ける拳の直撃を何十発受けてもまだ立っていた。絶望的な差があってもまだ、勝負を捨ててはいなかった。いや、むしろ、これは― 「―ムラサメアーム、オーバードライブッ!!」  ムラサメアームの装甲がパージされる。リックは咄嗟に飛びのき、距離を取る。左手に激痛を感じた。拳の骨が粉砕されているようだった。義手から轟々と粒子が噴き上げ煌めいている。  超高周波振動により全てを破壊する絶対破壊の力、戦闘機械義手TA-X00M1『ムラサメアーム』、その真の姿だった。 「レオニード、貴様…っ」 「今のお前に負けられない」  粒子に揺らめくレオニードの姿。  巻き戻りが作動しなくなったコロッセオで、リックはどこか慢心していた。自らの身をも傷つけかねないその武器は使用しないのではないかと。 「いいだろう。貴様がその気なら、俺も全力で相手をしてやる!!」  リックは腹の底から大きく息を吐き、雄叫びを上げた。  獅子王流に伝わる奥義、開花。特殊な呼吸法により肉体を急活性化する。しかし、それは命を削る諸刃の剣でもある。開花した花は散るのみ。最早、誰にも止められない。止められるわけにはいかない。獅子王流の、獣人の誇りにかけて、たかが機械に、魔術に、負けるわけにはいかない。心臓が跳ね上がるように鼓動を始めた。全身の血液が蒸発していくような感覚が駆け巡る。筋肉が蠢き、赤く染まった毛が逆だっていく。その姿はまさに、鬼神であった。獅子は目前の敵に畏怖と尊敬の念を禁じ得なかった。人はここまで強くなれるのか、と。  勝負は次の一合で決する、二人は同時に理解していた。  そして、心のどこかで戦士としての喜びを感じていた、互いに全力を出すことのできる相手との戦いに。  揺らめく粒子の中で、最初に動いたのはリックだった。  残像すら両眼に残らないスピード。  踏み砕かれ飛び散っている木片。  引き裂き破壊せんとする左腕。  二人の男が欲するのは勝利。  時間の感覚が圧縮される。  二人の男の闘志と咆哮。   相手を破壊する為に。  自らの為に戦う男。  守る為に壊す男。  強くなる為に。  消えない光。  守る為に。  澱む瞳。  覚悟。  決。  刹那。  気づく。  男は見た。  空を切った。  宙を舞う義手。  背中を刺す悪寒。  地面を破壊する拳。  義手は囮だったのだ。  視界の先の敵を追った。  武器を捨て粒子に紛れる。  心が縛られ見抜けなかった。  粒子が衝撃波で飛散していく。  奴は最初からこれが目的だった。  レオニードの姿はそこに無かった。 「獅子王流、当身―」  突き出された右腕、その死角に奴はいた。 「…ッ!!?」 「――山茶花!!!」  脇腹に直撃した掌底から巻き起こった衝撃が内臓を破壊し、血液に波紋を起こし、筋肉をずたずたに引き裂き、その身体を数十m吹き飛ばした。  それは明らかにリックの知る山茶花では無い、別の技だった。三国を巡る旅とコロッセオでの数々戦いの中でヒントを得て、獅子が磨き上げた新しい山茶花。魔術ブーストによりインパクトの瞬間の衝撃波を直接増幅し、内臓を破壊する。いくら鍛えられた肉体とはいえ、内部へ直接の攻撃は防御できない。それは、リック"タイタン"ウェンロックも例外では無かった。  パージしたムラサメアームが地面を削りながら動きを止めた。これしか方法は無かった。類まれなる力、速度、技術を持つこの男に直撃させるには、どうにかして隙を作るほかはなかった。これは賭けだった。もし気づかれていたならば、今頃は肉塊になり横たわっていただろうと思う。もっとも、先ほどの攻撃でレオニードも立っているのがやっとの状態であった。タフネスで魔術的に耐久力を上げているとはいえ、リックの攻撃は苛烈だった。魔力ももう使い果たし、自己治癒の魔術の一つも使用できそうになかった。レオニードは荒い息を吐きながら、倒れているリックの姿を見た。立ち上がろうとする気配は無い。決着であった。 「う…」  ごぼごぼ、と血が喉の奥から溢れ出す。胃が破れている。リックは朦朧とする意識の中で、足音を聞いた。レオニードだ。 「き、君の、勝ちだ」 「ああ」 「ふふ、は、はじめて、じゃないか」 「ああ」  幼い頃に同じ道を歩んだ。いつから違えた。  獅子の瞳は哀しみを閉じ込めている。 「もっと嬉しそうな顔をしろよ、レオ」  きっと、今の自分は笑っているんだか泣いているんだか分からない表情をしているんだろう。リック自身も分からなかった。身体に力が入らない。憤りが、憎しみが、支配していた身体。正しい事をしているつもりは無かった。それでも、守りたかった。この手で。何の為に手に入れた力なのかと自問自答し続けた。強く生まれてしまった肉体に強き心は宿らなかった。ただの、青臭い、一人の男が俯いているだけであった。 「まだこの世界を終わらせるわけにはいかない」 「ちゅ、中央へ行くのか」 「ああ」 「そ、そうか、だけど、その前に、頼みがあるんだ」 「なんだ」 「僕を、殺してくれ」  レオニードの表情が変わった。  リックは決めていた。もしも、敗れたなら、この計画が失敗に終われば、生きながらえるつもりはなかった。 「僕は手を汚しすぎた。命を殺めてきた。だから、罰を受けるべきなんだ」 「…」 「だから、僕を殺してくれ」  何が『優しき拳』だ。真っ赤じゃないか。両手は血で汚れもう落ちることはない。  レオニードは今までに見たことのない表情をしていた。怒りか悲しみか、分からない。何も分からない。幼き頃を共に過ごし、意識し、共感し、反発し、高め合ってきた旧友だというのに何も分からない。 「レオ、僕は…」 「俺には出来ん。死にたいなら勝手に死ね」  だが、と言葉を切って続けた。 「お前は『優しき拳』だろう。俺とは違う」  レオニード=スカイウォーカーはリック=ウェンロックに憧れていた。その強さに、高潔な精神に。それはあの頃から変わっていない。 「僕にやりなおせというのか…?」 「ああ」 「僕は、やりなおせるのか…?」 「やりなおせるさ」 「君は案外、厳しいことを言う」  罪は消えない。  殺めた命は戻らない。 「やりなおせ、だなんて、厳しいな、君は」  それでも、背負って生きろと言うのか。 「リック、お前は言ったな。コロッセオとは何かと」  いつからか、この場所が憎しみの対象になっていた。 「人は求め、繰り返すと―」  繋がりを断ち切り、リセットしてしまえば元に戻るなんて安易な考えを抱いていた。 「―ここは、そういう場所だ」 「なるほど、ははは、そうか」  涙が溢れて止まらなかった。  唐突に理解した。  全てが間違っていた。  全てが正解だった。  澱んでいたのは世界だった。  澱んでいたのは自分だった。  見つめる男の目は真っ直ぐで、自らの為に拳を振るう者、誰かの為に拳を振るう者、そんなものは些細な違いに過ぎない、この場所ではそんな隔たりは無い、求め、繰り返す者たちがいるだけだ。  何の為に誰が為に。  そんなものは初めから存在しなかったのだ。 「ありがとう、僕は…」  そこには何もなくただ真っ白な世界が広がっていた。  世界の崩壊まで、あと三時間―。 使用設定 嘘劇場版予告「theLASTSEVENDAYS」 http://stinger.s57.xrea.com/cgi-bin/up/src2/up1530.txt レオニード=スカイウォーカー 獣の国出身、獅子の獣人で左腕は義手である。四十五歳 三国を彷徨う旅人で、ただひたすらに強さを求める求道者 他人に厳しく自分にはもっと厳しい、彼にとって人生は戦うことであり、戦いが無ければ生きられない 獅子王流覇道拳の使い手であり、素手での戦闘を得意としているが、旅の道中で得た龍の国の「魔法」(主に強化系の補助魔法)や鉄の国の「武器」(ハンドガンやナイフ)も使用する、強くなるためのその手段に関してはかなり柔軟 また、左腕の義手『TA-X00M1ムラサメアーム』は鉄の国製の戦闘用義手であり、 対物銃弾を弾く耐久性はもちろん、鎧をチーズの様に裂く五指、腕内にはガス圧式榴弾砲、肘には大型高周波ブレードも装備している兵装群である 鉄の国の義肢工の目の前で左腕を切断し、有無を言わせず作らせた一品 その時の義肢工は「彼に勝てる人間なんてこの世に何人もいるものか」と語った 彼は今日も己の限界を知るために戦う リック"タイタン"ウェンロック 獣の国出身、白熊の獣人、鍛えあげられた屈強な肉体が武器 環境テロ組織プラネタの幹部サテライトの一人 プラネタの中では穏健派であり本来は戦いを好まない男である しかし、開発の為に美しき自然が奪われていく現状、他国の人間による幼児の誘拐・暴行殺傷事件、度重なるそれらの出来事に彼の心は耐えられず魔道に堕ちた プラネタに所属してから幾つかのテロ行為に関与している 現在ではテロ行為そのものは良しとせず、身分を隠し、コロッセオにて領土を得て完全なる獣人達だけの国家を築くことを目的としている 極限まで鍛えられた身体こそが彼の武器であり、スピードもパワーも人知の外にある また、獅子王覇道拳の使い手であり、その技量の高さと穏和な性格から 「優しき拳」と言われた レオニードとは旧知の間柄で師範の座を巡り争ったこともある